2013年04月19日

追悼 ストーム・トーガソン

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中学生ぐらいの僕にジャケ買いというのを教えてくれたひと。
もうこの人の作る新しいジャケを見ることがないのかと思うことが、自分でもびっくりするほど堪える。

<4月20日追記>
これもまだうちにある。
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2013年04月03日

Steve Forbert & Tim Easton live in Nagoya

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朝一番にマニラ空港を出発して、成田でセントレア行きの国内線に乗り換え。更に3つの電車への乗り継ぎはどれもとてもスムーズに進み、思いがけず開場時刻の18時には今池の得三に到着してしまった。僕の持っていたチケットには開場18時半、開演19時半と書いてあったのでちょっと早く着き過ぎたかなと思っていたら、小雨の中をたどり着いた会場ではもう番号順の入場が始まっていたので、結構いい整理番号のチケットを持っていた僕は慌てて階段を上って中に入れてもらう。

運よくまだ最前列のテーブルは人がまばらだったので、うんと見やすいほぼ真ん中の席を確保。そこからはチケット記載の手違いを含めて開演までの1時間半を、ジョッキたっぷりのワインとキムチピザで小腹を満たしながらぼーっとつぶす。途中からは、すぐ近くに座っていたほぼ全公演追っかけ中のダイハードなスティーヴファンの方に色々話を聞かせてもらったり、後ろの物販のところにいたゴーティの松本さんや今回の主催者のダグに話しかけたりと、それほど暇を持て余さずに開場時刻を迎えることができた。


スティーヴ・フォーバート33年振りの来日に合わせてわざわざマニラから観に来るなんて、僕もよっぽどのファンなんだろうと思われるかもしれないけれど、33年前にはクラッシュやジャムを熱心に聴いていた背伸び中学生にとっては、朴訥とした人のよさそうな兄さんがこっち向いて微笑んでいるジャケットには手が伸びなかった。もちろん、ヒットした「Romeo's Tune」をはじめ、ラジオやなんかで彼の曲を聴く機会は沢山あったのでいい曲を書くシンガーだとは認識していたけど、僕にとっての彼は、気がつくとまだそこにいるなといった程度の、ちょっと向こうの道をずっと一緒に走っているアーティストといった感じのポジションにいた(僕は別にアーティストとして走っているわけじゃないけど、これだけ長くいろんなのを聴いてると、30年以上前からずっと知ってる人がまだ現役でやってるのを見ているだけで、なんだか勝手に戦友みたいな気持ちになってしまう)。

なので、今回の来日が発表になったときも、即座に飛びついたというよりは、結構悩んだ。連休明けの期初に3日有給を取るには、目をつぶってその後何が起こるかを考えないようにする技術が必要(そして、僕は最近その技術に長けてきた)。でも、久しぶりに彼の曲をいくつか聴き直してみたら、これがもうどれもこれも今の僕のツボに入りまくるものばかり。なんで僕はこの人のことをずっと追っかけてこなかったんだと、改めて中学生の自分を恨んだ。さらにそんな僕の背中を押したのが、前から一度観てみたいと思っていたティム・イーストンがここ名古屋でスティーヴの前座として出演するのを知ったこと(そして、翌日に少人数限定でスティーヴの追加公演が発表されたこと)。もうこれは目をつぶる技術を発揮するしかないと。今回観ておかないと次はまた33年後かもしれないし。


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その、(会場をぎっしり埋めた80人ほどのお客さんのほとんどにとっては単なる前座だったかもしれないけれど)僕にとっては今回の大きなお目当ての一人、ティムが開演時刻ちょうどにステージに現れ、ピックガードのネック寄りのところの塗装がピッキングではげてしまっている黒いギブソンを肩にかける。意外に背が低いね。それに、ジャケ写でよく見る長髪・ヒゲ面でなく、こざっぱりと髪を刈り揃えた男前。

彼のアルバムはオリジナルを2枚と最近出たベスト盤を1枚持ってるだけなので、演奏した半分ぐらいは知らない曲だったりタイトルがぱっと出てこなかったりしたけど、きっと僕以上に彼のことを知らなかったスティーヴ目当てのお客さんたちにとっても、知らない曲だろうがタイトルが何だろうが、そんなことは全然問題にならない素晴らしい演奏だった。

ブルーズマナーの曲で初め、しっとりとしたスローな曲、ポップなアップテンポの曲など、まるでこれが彼の広範な音楽趣味のショーケースだと言わんばかりに、あえてバラエティに富んだ選曲が続く。ギターの上側に紙が張ってあって時々それを見てたから、きっとあれがセットリストなんだと思っていたけど、ライヴが終わってから聞いてみたら、あれはレパートリーが60曲ほど書いてあって、それを見ながらどの曲を演ろうかと考えるだけで、こういうライヴではセットリストは作ってないんだって。

曲によってハーモニカホルダーを首にかけたりカポをつけたり、曲調の多彩さもあいまって、一人でも曲ごとにがらっとイメージが変わる。足元に50センチ角ぐらいの木の板が敷いてあって、それを靴底でガンガン鳴らしながらリズムを取るから、まるでベースの打楽器まで自分で演奏しているよう。

ギターがもう、とにかく上手。グレン・ティルブルックやジム・ボジアみたいにアコギでも流麗なギターソロを延々と披露するというようなタイプではないけれど、歌いながらよくあれだけ味のある細かいプレイができるなと思うほど、観ていても聴いていても気持ちいい演奏。曲によってピック使ったり指弾きしたり。速いピッキングもアルペジオも実に正確。そして、どの曲ももうちょっと聴いていたいなというぐらいのところで絶妙に終わるタイミングのよさ。余計にエンディングを引っ張ったり冗長なソロを入れたりとか一切なし。

途中でちょろちょろ日本語の挨拶を入れたり(子供の頃日本に住んでいて、子役でテレビに出たりしたらしい)、「何か僕に質問はある?」とか、急いでいたせいかそもそもそんなに喋る人じゃないのか、MCもそこそこにプログラムはどんどん進む。多分、冒頭の開演時刻記載違いのせいで押してしまってるので、時間通りに終えないといけなかったんだろうね。

30分ぐらい経ったところで「あと2曲」(と言ったときに後ろの方で拍手が起こったけど、そこは拍手するところか?)と、確か「Burgundy Red」と「Festival Song」を演奏して退場。きっちり45分だったね。なんか全然物足りない。今回彼のフルセットの公演を観られないのが本当に残念に思えた45分間だった。

ライヴ後に彼と話していたときに、「『Get Some Lonesome』聴きたかったな。何か質問は?って言われたときにリクエストすればよかった」と伝えたら、「僕はいつも『質問は?』って訊くんだ。そういえば『Get Some Lonesome』は長いこと演奏してないな。思い出させてくれてありがとう。この後の公演で演奏するよ」だって。くーっ、余計に悔しい。どうせなら週末の鎌倉で演奏して、『Live At Cafe Goatee』CDにして出さないかな。

あとは、途中で「これは新曲」と言って歌った自分の娘についての曲は、8月に出るという予定の次のアルバムには入らないんだとか。「僕は常に曲を書いてるから、結構新しい曲がどんどんできて未発表になってるんだ」とのこと。いい曲だったから、そのうち未発表曲集とか次の次のアルバムとかシングルB面とか(と言ったら彼は笑ってたけど)に入らないかな。


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15分ほどの短い休憩を経て、いよいよスティーヴ・フォーバートが登場。サンバーストのギブソンをチューニングしながらステージ上でしばらくスタッフと談笑中。横のテーブルの上にはセトリを書いた紙の上にハーモニカとカポがずらっと並んでいる(一番上の写真)。ハーモニカはともかく、なんでカポがあんなに沢山いるんだ?

ティムと違って随分背が高いな。58歳という年齢相応の見かけだけど、あのファーストアルバムの兄ちゃんがそのまま年食って髪の毛白くなったという感じ(当たり前か)。チューニングしてたと思ったらなんとなくジャカジャカ始まったみたいなゆるいオープニングはそのファーストからの「Thinkin'」。

いろんな意味で、「こんな人だとは思わなかった」というのが一言でまとめた僕の感想。もっと、なんというか爽やかな感じでギターをかき鳴らしながらアツくせつなく歌うSSWなんだろうなと勝手にイメージしていたんだけど、初めて観るスティーヴはどちらかというとふらふらーっと動きまわり、ギターもテクニカルなフレーズを弾くというよりもあくまでもリズムキープに徹する感じで、ときおりわざと音程を外して大声で歌ったりするところなんかは、タイプは違うけどちょっとトム・ウェイツを彷彿とさせる瞬間もあった。こんな人だとは思わなかった。

演奏しながら「そこの二人は手拍子をするな」とか、同じ曲で観客が延々手拍子をしていると「手拍子するなって言ってるんだ」とかわざわざ歌の途中に言ったり、歌い終えてから「誰もが生まれついてのドラマーじゃないんだ、ジンジャー・ベイカーみたいに」とか言うから、どんだけ気難しい人なんだと思っていたら、どうやらそういうのは全部ジョークのつもりで言ってたみたい。別の曲では手拍子を促したり、観客にリクエストを募っておいて、あえて違う曲を演奏したり(あとの方で「君のことはちゃんと覚えてるよ」と言いながらリクエストされた曲を演ったり)、初対面でそんな難しいジョーク真顔で言われてもわかんないよ(苦笑)

沢山置いてあるハーモニカの中からAのキーのがなかなか見つけられず、やっと見つけて演奏し始めたと思ったら結局その曲ではハーモニカをほとんど吹かなくて「なんだあんなに探したのに要らなかった」とか、とにかくなんか思いついた可笑しなことを言わないと気がすまないんだね(それが相手にとって面白いかどうかは別にして)。そういうところは気が合う気がする(笑)

途中からは、彼がそういう人だというのを僕が把握し始めたせいか、それとも彼も静かな観客に慣れてきたのか、見るからに乗りが違ってきた。相変わらずひょろひょろふらふらしながら歌ってるんだけど、このゆるい感じに引き込まれると逃れられないというような錯覚に陥ってしまう。そんな時にファーストアルバム冒頭の「Goin' Down To Laurel」とか繰り出されてくるもんだから、こちらはいとも簡単に喉のあたりがぐっときてしまう。

「じゃあ次の曲はみんなで歌おう」と言って、観客にコーラスを任せるシーンも何度かあったけど、案の定ほとんどのお客さんは歌詞わからないから皆小声でぼそぼそ歌う。それでもめげずに何度もコーラスさせて、終わったときには(お世辞だろうけど)「ありがとう、すごくよかった」と言ってくれる(それとも、あれもジョークなのか?)。

最後「あと3曲」と言って4曲演奏した最後の2曲が、僕みたいなほとんど初期の曲しかわかりませんという観客にとってはお待ちかねの「What Kinda Guy?」と、ビートルズの「Good Night」からメドレーで出てきたハーモニカのイントロにうるっときた「Romeo's Tune」。後者も聴き慣れたスタジオ版みたいなかちっとした歌い方じゃなくて今のスティーヴのへろへろっとした感じだったけど、それでも名曲。

ここまででほぼ1時間半かな。その後、短いアンコールの拍手に迎えられて、リクエストされた曲と、最後に「You Cannot Win If You Do Not Play」で幕。もっと去年の新作から演奏するかと思って予習して行ったけど、思ったよりも初期の曲を演ってくれたね。きっと、日本のお客さんはみんな33年待ち続けてくれたと思っていたのかな。

二人を初めていっぺんに観た印象。ティムは例えて言えばカチッとチューンアップされた小型のスポーツカーで的確にギアシフトしながらぐいぐい山道を攻めるような感じ。一方のスティーヴは、でっかいアメ車のオープンカーでどこまでも続く道を砂埃を上げながらガーッと進んでいく感じ。ときどきエンジンの調子悪いのかな?と思うけど、それはそれでまた楽しい。ティムの出番が短くて残念ではあったけど、両方いっぺんに観られてよかった。


終了後は物販のところにスティーヴが来て、販売&サイン&写真撮影会。僕はもうマニラ行きの終電に間に合わないので宿を取ってあったからゆっくりと後の方にして、通常はネット通販でしか買えないCDの中からおすすめを隣に座っていたファンの方に教えてもらって買ったり、松本さんお勧めのCDを買ったり、ダグとガーランド・ジェフリーズの話をしてひとしきり盛り上がったりしていた。スティーヴが古い携帯カメラで撮ったというレトロな色合いが抜群な写真(フレーム入りで1枚3000円)も欲しいのが沢山あったんだけど、今回は現金に限りがあるので断念。

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いつまでたっても列が途切れないスティーヴと違って、ほんとにこの日はティム目当てのお客さんは少なかったんだね。手持ち無沙汰に座っていたティムのところに行ってちょっと話をしてサインをもらった(ありがたいことにその後もティムとは少し長く話せた)。ティムはやけに疲れて見えたけど、日本に来てもう一週間近くになるのにどうやらまだ時差ぼけに悩まされているらしい。

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セットリストは、各曲のイントロを聴いただけでもう題名をメモしていたほどのダイハードファンに教えてもらいました(さきほどご丁寧に追加情報も教えてくださったけど、ここにお名前を載せていいものかどうかわからないので)。ありがとうございました。


Steve Forbert Setlist 02 April 2013 @ Tokuzo

1. Thinkin'
2. Something's Got A Hold On Me
3. That'd Be Alright
4. Listen To The Mockingbird
5. Worried Life Blues
6. Schoolgirl
7. Tonight I Feel So Far Away From Home
8. Any Old Time
9. It Isn't Gonna Be That Way
10. All I Need To Do
11. Sing It Again, My Friend
12. Goin' Down To Laurel
13. There's Everybody Else, And Then There's You
14. It Sure Was Better Back Then
15. Blackbird Tune
16. Get Well Soon
17. Lonesome Cowboy Bill's Song
18. About A Dream
19. What Kinda Guy?
20. Good Night / Romeo's Tune

Encore
1. I Blinked Once
2. You Cannot Win If You Do Not Play
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2013年02月20日

2012年個人的ベストアルバム

これを書いてる今はまだかろうじて1月で、ほんとは去年のベストアルバム記事なんて年が明けたらすぐに発表してしまいたかったんだけど、いつもの仲間との年間ベスト10発表会を僕の一時帰国のスケジュールに合わせてもらったもんだから、この記事がオープンになるのは2月中旬のそのイベントが終了してからということになる。まあ、ほとんどの人にとってはどうでもいいことなんだけど、この記事はその発表会で僕があれこれ語るであろう薀蓄の抜粋ということで。

その前に、いつものように去年買ったCD類の集計から。

フォーマット   枚数   対前年
CD          282枚    -4枚
CDシングル     11枚    +2枚
CD+DVD(BD)   6枚     -2枚
DVD Audio      1枚     +1枚
DVD/BD       2枚     +1枚
ダウンロード     1枚     +1枚
LP           23枚    +17枚
シングル       1枚     -4枚
ボックスセット    0箱     -4箱


合計327枚。2010年に300枚を割り込んだのを最後に、また年々買う枚数が増えてきてしまってるな。増えてるのはご覧のとおりほとんどLP。2010年の27枚よりは少ないけど、あのときは大半が100円LPだったからね。去年は殆ど正規の値段で買ってる。やっぱりダウンロードクーポン付きとかがスタンダードになってきているのと、CDというフォーマットがもう凋落の一方で、マニアックな音楽好き向けのLPがどんどん復興しているというのが大きいんだろうね。

枚数は増え続けているけど、一枚あたりの平均単価は過去最低の1,023円。総額も1999年以降の最低額。二十一世紀最安。なかなか財布に優しくてよろしい。箱ものや映像ものをあまり買わなくなってるのも大きな理由のひとつだと思う。そういうのを通して聴いたり観たりする時間がなかなかなくて。もうすでに老後の楽しみにしている箱がうちにいくつも溜まってしまっているからね。もうこれ以上老後の楽しみ溜め込んでもしょうがないし。

では、2012年のベストアルバムについて書こう。正直言って去年は年末近くまでこれぞというアルバムがなかなかなかったのに、12月になってからめぼしいものをまとめて買い込んだら逆に10枚選ぶのにえらい苦労したという、例年のようにその年を代表する超弩級アルバムとそれ以外の9枚という感じではなく、どちらかというと平均的に小粒ながらいいアルバムが10枚というセレクションになった(本当はこの後ろにあと10枚ぐらいあって、2006年以来の20曲入りベストyascdを作ろうかと思ってしまったぐらいなんだけど)。


<第十位>
Craig Finn 『Clear Heart Full Eyes』
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クレイグ・フィンなんて名前を出して一体どれだけの人が反応するのかわからないけど、この人は僕がかつて06年にこのブログで記事にしたホールド・ステディのリードヴォーカリスト。確かそのアルバムはその年のベストアルバムにも選んでるね。二度目の受賞、おめでとうございます。『Boys And Girls In America』以降もずっとこの人たちのアルバムは買い続けていたけど、結局僕にとってはあれがピーク。今回ソロが出たということはもしかしたらもうバンドは解散してしまったのかな。

ソロになってもバンド時代とそう大きく音楽性が変わったわけでもなく、相変わらず70年代前半のスプリングスティーンみたいな歌い方でちょっとやさぐれた感じの曲を歌っている。上にリンクしたアマゾンのレビューでは散々な書かれ方をしているけど、僕はそれとは正反対の印象。地味だけど、ストーリー性満載な歌詞も含めて、聴いていてちょっとしんみりくる大人の味。アルバムタイトルの頭文字は自分の名前と同期させたんだと思うけど、ジャケットにも内ジャケのクレジットにも肝心の自分の名前を全く載せていないというのは、よほど自分が有名だと勘違いしているんだろうか。


<第九位>
The Happy Hippo Family 『Monacoville』
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これがファーストアルバムとなるスウェーデンのバンド。日本盤の紹介のされ方もリードヴォーカリストのちょび髭も今いち僕の好みではないんだけど、その紹介文にもあるように、ペット・ショップ・ボーイズがスカを演奏しているかのようなこのアルバムにはちょっとやられてしまった。このアルバムがどれだけ売れたのかは知らないけど、たぶんこの感じだとこのまま花火みたいに消えてしまうんだろうな。そういう意味ではこれをきちんと発売された年に聴けて、ここに取り上げることができたのはよかった。なんて言って、実はペット・ショップ・ボーイズみたいに何十年も生き残るバンドになったりして。


<第八位>
Bruce Foxton 『Back In The Room』
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少なくともこの名前にはクレイグ・フィンよりも沢山の人が反応するだろう(そうあってほしい)。ブルース・フォクストン、ジャム解散直後の『Touch Sensitive』以来28年振りとなるセカンド・アルバム。当時はジャム関連のものならなんだって集めていた僕だから、12インチシングルも含めてブルースが発表した音源は全て聴いていたんだけど、同時期に秀逸なシングル盤を連発していたスタイル・カウンシルと比較してしまうと、当然のことながらどうにも見劣りしてしまっていた。

今回このアルバムを買ったのも、はっきり言ってしまえば郷愁以外の何ものでもなかったんだけど、そこはもう、フロム・ザ・ジャムなんて開き直ったジャムのコピーバンドまでやってしまっていたブルースのこと、今のポール・ウェラーの音楽に今ひとつ馴染めないでいる僕のようなオールドファンをピンポイントで狙い撃ちしたかのような、あの時代そのままの音。これはちょっと、反則だとはわかっていつつも反応してしまう。ポールもギターとピアノで数曲に参加。大人になったねえ。


<第七位>
The Corner Laughers 『Poppy Seeds』
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全然知らないアーティストだったんだけど、アマゾンでお勧めされたのをきっかけに試聴してみたらよかったので買ってみた。届いたアルバムを開封して内ジャケのクレジットを見てみると、ゲストヴォーカルにマイク・ヴァイオラの名前が。そして、ライナーを書いているのはウェズリー・ステイス。ジョン・ウェズリー・ハーディングじゃないか。そういう系統の人たちだったのか。といっても、マイク・ヴァイオラとジョン・ウェズリー・ハーディングとの共通点が僕には思い浮かばないけど。

どことなくスクールを思い起こさせる、60年代テイスト満載の音。基本女性ヴォーカルに、曲によって男性とのデュエットが絡む。これと一緒に買った、09年のセカンド『Ultraviolet Garden』はポップオーヴァーというレーベルからの発売。先のライナーを読んでみると、ファーストを聴いて気に入ったジョン・ウェズリー・ハーディングがこの人たちのために設立したレーベルだとのこと。彼がそこまでこのバンドを気に入ったというのも驚きだけど、それにもうなずける好盤。


<第六位>
Aimee Mann 『Charmer』
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目立たないけれどいい曲の詰まったいいアルバムをコンスタントにリリースする中堅どころのシンガーソングライターという意味で、僕にとっては去年のベストアルバム第七位に取り上げたロン・セクスミスと似た位置付けの人。せっかくの美人さんなのにジャケットに自分の写真を使うことがほとんどなく、今回もこの、誰の購買意欲をかきたてようとしているのか今いち定かでないイラストジャケ(ひっくり返して見ると別の顔というやつですね)。でもその低いハードルさえ乗り越えれば(笑)、中身はいつものとおり、男前な声でメロディアスな旋律に気の利いた歌詞を乗せて歌っているエイミーがいる。


<第五位>
Green Day 『!Uno!』
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本体のバンドはなんだかどんどん組曲風の大仰な作りのアルバムを発表し続け、ちょっと気軽な曲を演ろうと思ったら変名バンドになりすまさないといけなくなってしまった近頃のグリーン・デイ。いつの間にか4人組になってるな。去年後半は『!Uno!』、『!Dos!』、『!Tre!』と3枚のアルバムを毎月発売するというからまたどんな大仰なことをやってるんだろうと思っていたら、なんとこれがフォックスボロ・ホッタブスのセカンド(とサードとフォース)かと思うような、あるいは昔のグリーン・デイに戻ったかのようなポップなアルバム群。

かつてガンズ&ローゼズが二枚組のアルバムを二つに分けて発売したときに「金のない奴は友達と一枚ずつ買って一緒に聴け」みたいなことを言ってたと思うけど、どうも今回のグリーン・デイの3枚はどちらかというと「おまえら全部聴きたいんだろ?だったら3枚とも全部買え」と言われてるみたいでちょっと金の匂いがしてしまう。とはいえ輸入盤(僕の買ったフィリピン盤も)は行くところに行けばかなりクタクタな値段で手に入るから、3枚全部買ってもさほど懐には響かないはず。

ここでは『!Uno!』だけを取り上げたけど、『!Dos!』にも相当いい曲がいくつか入ってるし、『!Tre!』も(個人的には若干劣るかなとは思うものの)そんなに悪くはない。どちらかというと3枚の合わせ技でのこの順位ということで。もう少し曲を厳選して、普通に二枚組のアルバムにした方がきりっとまとまったとは思うけれど、これはまあ3ヶ月連続発売という話題作りの面が大きかったんだろうね。


<第四位>
Hans Rotenberry & Brad Jones 『Mountain Jack』
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パワーポップファンなら大抵誰でも、ブラッド・ジョーンズの95年作『Gilt-Flake』が家のCDラックに入っているはず。その後もあちこちのアルバムでちらちら名前を見かけてはいたものの、もうリーダーアルバムを作ることはないんだろうなと思っていたら、かつて彼がプロデュースしたことのあるシャザムのフロントマン、ハンス・ロッテンベリーとの共作アルバムを出していた。クレジットを見るとオリジナル盤が出たのは10年のようだけど、ボートラ入り日本盤が出たのが12年の暮れのようなので、入選決定。

パワーポップと呼べばいいのか、一昔前ならオルタナカントリーと呼ばれたような曲もあるし、ちょっとほろ苦いコーラス満載のメロディアスなアルバム。個人的にはツボ突かれまくり。僕も上のような書き方をしたし、日本盤のアーティスト名表記もブラッドが先だけど、ジャケットに書いてあるのはハンスの名前が先。どういう力関係なんだろう。ちなみに日本盤にはエアメールレコーディングス特製のおまけミニシングルが付いていてちょっと嬉しいんだけど、それがアルバム収録曲の同一バージョンだというなんだか喜んでいいのかよくわからない仕様。


<第三位>
Team Me 『To The Treetops!』
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5月の素晴らしかったライヴの余韻もあり、僕の中ではけっこう年末あたりまで去年の年間ベスト1の位置に君臨していたアルバム。このアルバムの前に出たEPに始まり、フロントマンのマリウスがウォンバッツの人と一緒に作ったSin名義のアルバム、それに宮内優里が加わったEPと、去年はとにかくティーム・ミー関連の音源が沢山出たし、どれもこれも質が高かった。創作意欲にかきたてられてしょうがないんだろうね。

もうそのまま1位にしてしまってもよかったんだけど、強いてケチをつけるなら、アルバム中盤ちょっとだれてしまうところがあるのと、大量に追加された日本盤ボートラのせいで聴き通すのがやたら長いことか。決して駄曲が追加されてるわけじゃないからいいがかりも甚だしいんだけど、まとまりという意味ではボートラのない輸入盤の方がいいのかも(なぜかせっかくのキモかわいいコラージュジャケが白黒なんだけど)。


<第二位>
Susanna Hoffs 『Someday』
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1位にしたかったという意味ではこれもそう。ここ数年来の僕の個人的アイドルの彼女が久々にソロアルバムを出したので当然早々に入手したんだけど、これがもう、今までの2枚のソロや再結成バングルスのアルバムを遥かにしのぐ出来。ミッチェル・フルームのプロデュースって言われるほど僕は印象に残っているアルバムはないんだけど、これは音のバランスといい、ストリングスの入れ方といい、かなりいいね。

曲も粒揃いだと思うけれど、やはりなんといってもこの声。前にライヴ評にも書いたけど、なんでこの人はいくつになってもこんな声で(きっと3年前に東京で観たときと変わらない見掛けで)いられるんだろう。いったいどんな魔法を使ってるのかと思う。早々に入手した輸入盤からかなり遅れて、ボートラ2曲入りの日本盤が出たことだけが難点。2200円もするけど、買いなおすしかないだろう。ジャケもいいよね。LPが出たらきっとそれも買ってしまう。来日が決まったら何があっても帰国して観に行く。バージョン違いのシングルとか出たら全部買う。いかん、勝手に自分からアイドル追っかけモードになってしまってる。


<第一位>
中村一義 『対音楽』
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そんな接戦を押さえて昨年度第一位に輝いたのがこれ。ここのところ100s名義のアルバムがずっと続いていたので、随分久しぶりとなる個人名義のアルバム。もちろん初期のアルバム同様、歌も演奏も全部一人で。ベートーベンの九つの交響曲の印象的なメロディーを取り入れた9曲(+アンコール1曲)という企画は、特によく知っている五番や九番なんかを聴くとちょっとあざといかなと感じてしまうこともあり、僕が09年のベストアルバム第二位に選んだ前作『世界のフラワーロード』と比較すると劣ってしまうかなと思ったのも事実。

でも、やはりこの人の書く、初めて聴くのにどうしてなのかいつもほろ苦い懐かしさを感じてしまうメロディーにはどうしても抗うことができない。いつも何を歌っているのか聞き取れない歌詞のことばかり書いているけど、ちょうどウィルコ・ジョンソンの来日時の話を知ったときに聴いていた9曲目「歓喜のうた」の「ちゃんと生きたものに、で、ちゃんと死んだものに、ありがとうって、僕はなんで想うんだろう」という歌詞を聞いて、まだ存命中の彼には大変失礼ながら、泣きそうになってしまった。

ちなみに僕の買ったCD+DVDの映像パートは、1時間にわたるインタビュー(演奏風景あり)。ちょっと何度も観ようと思うようなものでもないかな。よほどコアなファンでなければ、今回のはCD版だけでも十分かも。あと、僕はクラシックはあまり詳しくないんだけど、ベートーベンの曲をよく知ってる人ならもっと楽しめるのかもしれないね。


以上10枚。1月に書き始めたのに書き終えたらもう2月になってしまった。去年は、最初のほうに書いたとおり飛び抜けてすごいアルバムがあったという感じではないから、順位に関しては多分に今現在の気持ちを反映していると思う。少し経ったら順番を並べ替えたくなってるかも。さて、13年に入ってもう何枚かのCDを買い始めているけど(まだ13年発表のものは買ってないけど)、今年はダントツに凄いアルバムは出るかな。噂によるとメルボルンに戻った例の彼が新作を出すとのことだから、とりあえずそれには大いに期待。
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2013年02月18日

Jim Boggia & Pete Donnelly live in Kamakura Pt. 2

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ジム・ボジア&ピート・ドネリー日本公演の最終日。朝っぱらから大船のカラオケボックスに集合し、約半日かけて2012年ベストアルバム発表会を終えたいつもの仲間たちと鎌倉に向かう。駅前で軽く蕎麦など食しつつ、寒風吹きすさむ中をゴーティへ。

日曜の夜だというのに、観客の入りは前日より数割増しといった感じ。店中のベンチや椅子を総動員した上で、最後部は立ち見のお客さんがずらりと並び、身動きも取れないほど。前の方に陣取っているのはいつも見る顔ぶれだけど、あまり見かけないお客さんもちらほらと見かける。きっと、初日の東京公演を観て、もう一度観てみたいと思った人たちかな。なんにせよ、客層が広がるのはいいことだ。

開場から開演まで、またできればジムやピートと話そうかなと思っていたけれど、二人がおそらく腹ごしらえに出掛けてしまったのと、びっしり詰まった座席から身動きするのが大変だったのとで、結局ずっと椅子に腰掛けたまま半時間ほどを過ごす。

腹ごしらえに出かけるときに、ピートがすれ違いざまに「ああ、昨日訊かれた(金曜日の3曲目に演奏した、僕の友達が曲名がわからなくて前日にピートに教えてもらった)カバー曲、昨日教えたルー・リードの曲じゃなかったよ。あれはNRBQの『Kick Me Hard』のCDのボートラ曲だった」と、わざわざ正解を教えてくれる。なんと律儀な。

開演予定の19時を何分ぐらい回った頃だろう、半袖Tシャツ姿のジムと、昨日のスーツとはうって変わってラフなネルシャツ姿のピートが登場。「今日は最終日だし日曜の夜だから長く演るよ」と言いながら、前日と同様にピートのヴォーカル、ジムのベースで開幕。

基本的な進行は前日と同様、二人でベースとエレキとアコギ(これはジムのみ)をとっかえひっかえしながら、お互いの持ち歌を数曲ずつ交互に歌う。演奏している曲自体は前日とそう大きく変わらないけど、曲順を大きく変えてきているね。ジムは前日の後半1曲目だった「Made Me So Happy」を自分のパートの最初に持ってきたのに続き、エンディングの定番曲「Several Thousand」をここで早くも披露。

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前日にはなかった組み合わせが、ジムにアコギを任せたまま、ピートが1曲でピアノを弾いたこと。最後ちょっととちったりしてたけど、随分上手に弾くね。この曲のとき、ジムがギターをマイクスタンドにぶつけてしまい、ピートがびっくりして振り向いたり、ジムのエフェクターの具合がおかしくなったりといったハプニングも。

ジムは前日断念した「Once」を歌ったり、「Three Steps At A Time」を入れたり、常連のファンのリクエストに応えて「O/P」を歌ったりと、前日とは微妙に曲を変えてきている。「次の曲は『I Can Barely Wait』」と言ったときに咄嗟に反応した僕と隣のNさんのことを指差してうなずいたり。それにしても、何故未発表のままなのかわからないほどのいい曲。前日終演後にジムと「次のスタジオアルバムはいつ作るの?」という話をしていて「まだアルバムを作れるほどの曲が書けていなくてね」とやけに消極的だったけど、こんなレベルの曲ばかりが入ったアルバムなら、あと何年でも待つよ。

ピートもフィグスのファンのリクエストに応えて、これまで演奏したことのないというフィグス時代の曲を何曲か披露。でもこの日の(僕にとっての)ピートのベストは、アンコールの最後で手書きの歌詞カードを見ながら歌ったクラッシュの「Train In Vain」だろう。「僕は他人の曲の歌詞を覚えるのがとんでもなく苦手なんだ」と、前日に僕があれこれとリクエストした曲を却下したときと同じく、「僕には脳みそというものがないんだ」なんて冗談めかしながら譜面台を持ってきて歌い始めたけれど、やっぱりかっこいいよな。無理やりな見方をすれば、(若い頃の)ミック・ジョーンズに似ていなくもない。

ジムのパートは、どちらかといえば前日の後半に演奏した曲を前半に持ってきて、前日の前半の曲を最後の方に演ったりしていたけど、ラスト前のこの曲の位置だけは変わらない。すでにライヴのクライマックスの定位置を確保した感のある「Listening To NRBQ」。4フレットにカポをつけて、実に静かに弾き始めるけれど、最初の一音でこの曲とわかり、いつも息を呑んでしまう。本日はラストのNRBQ曲の挿入曲も含め、かなりオリジナルに忠実な仕上がり。

続く「To And Fro」で本編は終了。「最後はロックするぜ!」とか「盛り上がってるか!」とか、散々ロックンローラーぽく叫び、「これで一旦終わった振りをするぜ!」とやはり最後は笑わせる。

その言葉通り、一旦後ろに引っ込んだ後、すぐにジムが再登場。ウクレレを抱え、日本に来てから書いたというヴァレンタインの曲(帰りにタイトル訊いてくるの忘れた!)と、最近彼の別ユニット、マッド・ドッグス&ドミノスで演奏しているレオン・ラッセルの「A Song For You」を。その後、ピートをステージに呼んで、先述のクラッシュのカバーともう1曲を演奏したところで幕。

<追記>
ジムにツィッターでヴァレンタインの曲名を訊いたら教えてくれた。「Candy Heart」。いい曲。

3枚にも亘る手書きのセトリの写真を撮らせてもらってきたけど、またしてもジムが即興で歌った変な歌や、ピートが突然弾き始めたベースラインに合わせてジムも乗ってきた「Tighten Up」なども含めて、どこまでが本日の実際の演奏曲に忠実なのかはもうよく覚えていない。一応参考までに写真を載せておこう。

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アンコールが終わったのはもう22時を大きく回っていただろうか。またしても二人と談笑したりサインをもらったりするお客さんも多かったけど、そろそろ終電に間に合わなくなりそうな人たちがバタバタと帰りを急いでいくのも見える。

そんな感じだから、僕ももうジムにあれこれ話しかけるのをやめておいて、「今度はいつ来るの?クリスマスぐらいかな」みたいに軽くジャブを振ってみたら、「ゴールデンウィークに来るよ」だって。ははは、いいね。「ジムが来るときには僕も必ず飛んでくるから」と、サインと一緒にジャケに書かれても差し支えのない話題に誘導しながらサインをもらう。

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外でタバコを吸いながら他のお客さんと歓談していたピートのところにも(タバコを吸い終わるのを見計らって)行き、サインと写真をもらう。前日に僕がお土産として渡したフィリピン産のドライマンゴのことを「あれすごくおいしかったよ。あっという間に全部食べてしまった」とかわざわざ感想を言ってくれる。写真を撮るときにも、何度も「Nice to meet you」と言ってくれる。もちろんそんなのお世辞にすらならない単なる挨拶だけど、(こんなかっこいい奴に)こんなに嬉しそうに言われると、こっちも心底嬉しくなってしまう。

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あっという間の二日間だった。二人だからその場での咄嗟なリクエストができないとか、ジムの曲がどうしても定番に固まってしまうとか、ジムがちっとも新曲を披露しないとか、リラックスし過ぎたせいか歌詞忘れなどのチョンボが多かったりとか、小さな不満がないわけではないけれど、こんなに楽しいライヴを観られるなら、そんな不満なんて全然たいした問題ではない。ゴールデンウィークなんてとても無理だろうけど、また近いうちに来てほしいな。まあ、僕がマイレージを使い果たしてしまわない程度の頻度でね。
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2013年02月17日

Jim Boggia & Pete Donnelly live in Kamakura Pt. 1

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2013年海外追っかけ企画第一弾。下手な日本人アーティストよりも日本ツアーの回数が多いことで知られるジム・ボジアが、去年の6月以来となる来日公演を行うのに合わせ、マニラから片道4時間(プラス成田〜鎌倉約2時間)の道のりを駆けつけた。今回のツアーは、フィグスのベーシスト、ピート・ドネリーとのジョイント公演。

「フィグスの」とは書いたものの、僕はフィグスのことなんて90年代の一時期にグレアム・パーカーのバックを勤めていたことぐらいしか知らないし、彼が一時的に在籍していたNRBQもろくに聴いていないから、去年出たソロアルバムがほぼ僕の持っている彼の全音源。それなりに予習してきたけど、果たしてどれだけわかるものか。

一週間前の東京に始まり、日本各地でほぼ毎日のように公演をこなしてきた二人の、この週末の鎌倉3Daysが最終公演となる。3Daysとは書いたものの、金曜日の公演はわりと最近になってから急遽発表になった追加公演。二人で(事前リクエストに答える形での)カバー曲だけを演奏するという興味深い催し。くーっ、それを先に知っていたら、マニラからのフライトをあと半日早めたのに。残念ながら僕が成田空港に降り立ったのは、ちょうどそのカバー曲大会が始まったのと同日同時刻だった。

いつものように開場時刻より少し前に鎌倉に集合し、初日の東京公演・前日のカバー曲大会に参加した友達からそのときの様子を聞かされつつ(あの曲もあんな曲も演ったなんて)、事前の腹ごしらえ&アルコール摂取。

ボジアのライヴでよく見る面々と一緒に入場し、カウンター近くでセットリストを作成しながら話しているジムとピートに挨拶。嬉しいことにジムは僕の顔を覚えていてくれたようで、「やあ、来てくれたの」と向こうから声をかけてくれる。「今マニラに住んでいるんだ。このライヴのために飛んできたんだよ」と言うと、サービス精神旺盛なジムらしく、大げさに喜んでくれた。

ピートもセットリストを書く手を休めて向こうから握手をしてくれ、「名前はなんていうの?」と聞いてくれる。「yas」と答えると、ジムが「ああそうだった、Y-A-S-Sだよね?」と言うから、「いや、それは別のYassさん。僕はSが一つ。ややこしいよね」と、その後しばし談笑。

セットリストを指差しながら「今日はリスト決まってるなら、リクエストなんて駄目だよね?」と聞いてみると、ジムが「いや、そんなことはないよ。言ってみて」と言うから、「じゃあ、NRBQの『Me And The Boys』できる?」と聞くと、ジムは「それはお前の担当」と言わんばかりにピートの方を見る。ピートは「うーん、あの曲は歌ったことがないんだ。それにあれほとんどドラムがメインだから」と。「じゃあ、デイヴ・エドモンズのカバー・バージョンがあるよね。あれならギターメインだし」としつこく振ってみるけど、今度までに練習しとくよ、とかわされた。

「それなら、『Chalk One Up For Albert's Side』は?」と聞いてみたら、ジムがその曲がどんな風に二つのコードを同時に重ね合わせて(?)複雑に演奏されているかを説明してくれた。あんまり難しくてここに正確に書けるほど覚えていないけど、「(その曲でメインに使われている)ピアノで演奏するのは無理だけど、明日の昼にギターで練習してみて、できそうなら明日演ってあげるよ」とのこと。「じゃあ、あの印象的なベースはピートに弾いてもらってよ」とさらに無理強い。ピートも「うーん、曲は知ってるけど」とちょっと自信なさげ。果たして、最終日にこの曲を演ってくれるだろうか。

「今回ってほんとに僕らのライヴのためだけに来たの?」と聞いてくれるから、「いや、たまたま翌日にベン・フォールズ・ファイヴのライヴがあるから、それも観てから帰る」と言うと、ジムはBFFがいかにロバート・スレッジがメインのバンドであるかを切々と語りだす。「それに、あのドラマーも凄いよね。名前何てったっけ(ダレンです)ああそうそう、ダレン、あんな凄いビートを叩き出す奴もなかなかいないよ」みたいな。ベンは?「BFF好きなんだ。じゃあ、何かカバー演ってよ」と振ると、0.1秒で「無理。あんなピアノできない」と却下。

明らかにセットリスト作成の邪魔をしているので、「じゃあ、続きはライヴの後で」と、自分の席に戻る。ライヴは、定刻の19時をちょっと回った頃に始まったかな。ちょっと遅れたのは僕のせいでなく、その後もいろんなお客さんと話していたジムのせいだと思う(ことにしよう)。

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まずは、ピートがフェンダーのテレキャスター、ジムが同じくフェンダーのマスタングベースを抱え、ピートのリードヴォーカル曲から開始。予想通り、付け焼刃の知識だとピートの曲名はほとんどわからない。噂通りの阿部寛似。背丈はジムよりちょっと高い程度だから180もないと思うけど、顔が小さい。というか、顔の面積に対してやたら目鼻がくっきりしてるから余計に小さく見えるんだな。ジムのベースは、コードに沿って基本的な音を押さえているだけのようだけど、まあこの人は何をやらせてもサマになるよね。

ピートが2曲歌った後、お互いの楽器を交換して、ジムの「Bubblegum 45s」、さらにジムがピアノに移って「Let Me Believe」、またギターで「Annie Also Run」と定番曲が続く。今回の来日前に、僕がこれまでに見た5回のジムのライヴ(4人編成の1回を含む)で、どの曲を何回演奏したかをリストにしてみたら、「Bubblegum」はソロ公演の4回、「Let Me Believe」と「Annie」は全5回で演奏しているほどの超定番。なんでそんな暇なことをしたかというと、今回はこれまでライヴで聴いたことのない曲をリクエストしてみようと思って(それがあっての「Albert's Side」話)。

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ピートはさすが本職のベーシスト、しかも色んなアーティストのバックを勤めてきた経歴の持ち主だけあって、ジムの曲に合わせて実に綺麗なベースラインを入れる。時折ベースギターを持ち上げるようにして弾くのがまたかっこいいね。まあ、かっこいい人は何やらせてもかっこいいと。

その後もジムがギブソンのアコギにピートがベース(あるいはテレキャスター)など、様々な組み合わせで楽器をとっかえひっかえしてセットが進行する。ジムがアコギのソロで演った曲(確か「Annie」?)のときには、ピートはたまたま空いていた客席に座ってご観覧モード。ゴーティならではの風景だよね。ピートの曲名はなかなかわからないけど、彼のソロ『When You Come Home』で僕が今のところ一番気に入っている「Can't Talk At All」はピート2度目のリードパートで演ったかな。

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お互い(確か)6曲ずつの持ち歌を演奏したところで前半終了。1時間弱といったところか。休憩時間も沢山のお客さんと延々と話しこんでいたジムとピートのせいで、ほとんど30分ぐらいあった途中休憩を挟んで、後半はジムの「Made Me So Happy」からスタート。

アンプの上に無造作に置いてあったセトリのせいで、後半1曲目がこの曲だというのはわかってしまっていたんだけど、次に書いてあった曲名「Once」をちらっと見たジムは、なにやらあやしげな即興曲を歌いだす。「♪このカポをどこにつけよう」「♪この曲にカポはいらないんだった。ピートにあげよう。ピートはカポを使うかな」みたいな可笑しな歌詞を次々に繰り出し、ピートもつられてベースの(結構上の方、11フレットあたり?)にカポをつけて伴奏。ああおかしい。

引き続き、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの「Just The Two Of Us」を突然歌いだすジム。ピートも慌ててベースで合わせたりしてたけど、完奏せずに終了。ジムはそのまま(セトリにはなかった)「To And Fro」へ。なんだ、「Once」やらないのか。終了後に訊いてみたら、「あー、今日の喉の調子だと『Once』は無理。最後絶対に声出ないし」だって。「明日演るよ」という言葉に期待。

第二部はピートもフィグスの曲(「Some Desperate Measure」って言った?)などを交えつつ、前半よりもかなりいいペースで進む。僕にとっての後半最初のピークは(さっきのカポの即興曲を別にすれば)、ジムが「昨日のカバーソングナイトではこの曲を演奏しようと思っていたけど演らなかったんだ」と言いながらアコギで弾き始めたポール・マカートニーの「Junk」。ああこれ、いつか機会があればジムに歌って欲しいと思ってたんだ。よくぞ昨日演らないでおいてくれたものだ。大好き、この曲。

そして、後半最大のピークは、ピートが「これは僕が少しの間在籍したバンドについてジムが書いた曲。あのバンドにいられたことはとても光栄だ」みたいなことを話し始めた時に訪れた。もちろん、「Listening To NRBQ」だ。ライヴ前の飲み会で、「前にやった人生の20曲、今の僕ならこれを入れるね」と言ったほどに、僕にとっての存在が大きくなってしまった一曲。いつものジムの弾き語りもいいけど、ピートの雄弁なベースに支えられての演奏は最高だった。

「ああもう、これで終わってもいい」と思ったけど、最後に続けてこれも定番の「Several Thousand」。ちなみにこの最後の2曲も、僕が観た過去のライヴで必ず演奏している超定番曲だ。演奏終了後、「アシタノバン」とか流暢なジムの日本語を交えて一旦ステージ(?)を下りたものの、ほとんど間髪入れずに戻ってくるジム。

この日初めてウクレレを持ち(プラグを挿してアンプにつないだのは今回が初めて?)、これも定番のブルース・スプリングスティーン「Thunder Road」〜「Over The Rainbow」のメドレー。いつ聴いてもいいよね、これ。実はマニラで現地製のウクレレをもらってポロポロ弾いているんだけど、目の前で見ているこの楽器がとても同じものだとは到底思えない。

「すごいね、それ」とか言いながらピートもステージに戻ってくる。「なんて素晴らしい観客なんだ。ここに住みたいよ。あ、それより君たちアメリカに来なよ」みたいなこと言ってる。ジムもいつも言う台詞だね。そりゃ、これだけ密接なライヴができたら、ずっとこれを続けたいと思うよね。僕もそう思うよ。アメリカには住まないと思うけどね。

ピートのソロ『When You Come Home』からタイトル曲を演奏し、一旦下がってまた出てきた二人は、最後にキンクスの「Waterloo Sunset」を。ジムの最新ライヴ盤『Ample Seating Available』とゴーティでのライヴ盤を彼のサイトから買ったらおまけで付いてくるCD-R『Handmade Live Rarities』の最後を飾るカバーだ。そのライヴ盤同様、観客にコーラスを求めるジム。例によってそんな高い声は出ない僕。隣に座っていたNさんは最初からしっかりコーラスを入れて、ジムに指差されてたね。

アンコールも含めた第二部はしっかり1時間以上演ったかな。最後の曲が終わってBGMのCD(最初はブルース・ヒューズの「Several Thousand」だ)が流れ始めてもほとんど誰も席を立たない。やがて、二人にサインを求めに行ったり話しかけたりする人がちらほらと。僕も頃合いを見計らって、持参したCDを持って行く。まずは、友人のRさんが持ってきた『Songs Of No Consequence』(ピートがプロデューサー)をきっかけにグレアム・パーカー話でひとしきり盛り上がる。ピートは「新しいアルバム聴いた?『Three Chords Good』」と熱心に話し出す。確か「Live In Shadows」が一番好きって言ってたかな。「もうグレアムとは一緒に演らないの?」なんて訊いてしまったけど、それは愚問というもの。なんといってもピート自身が「ルーモア再結成だよ。最高だね」なんて言ってたのにね。

僕は、グレアム&フィグスの97年のライヴアルバム『The Last Rock 'n' Roll Tour』のジャケにサインをもらう。裏ジャケの写真を見て、「これは確か20代前半ぐらいの写真だよ。この当時にしてもずっと若い。グレアムがどっかから探してきて載せたんだ」だって。

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その後、ジムのところに行って『4 Way Street』のジャケにサインをもらう。「これって何年のアルバムだっけ、結構古いよね」という話をしていたら、案の定脳内ダダ漏れジムにそのときの会話をそのままサインと一緒に書かれた。ちなみに、開演前にジムが僕と間違えていたYassさんへのサインは「君の名前は少し長いからインクを沢山消費するよ」というものだった。僕とジムがその会話をしていたときにはYassさんはいなかったから、彼にとっては完全に意味不明のメッセージだよね。たまたま帰り道が一緒になったので、説明させてもらった。(僕のせいでは全くないはずなんだけど)なんだか申し訳ないよ。

別れ際に「また明日」と言ってジムと握手をしてゴーティを後にする。実は今回は鎌倉2Daysだったので大船に宿を取ってあるから、もっと終電ぎりぎりまでいてもよかったんだけど、まだ先は長いからというのと、このブログを今晩中に上げてしまいたかったからというので(もう4時過ぎてしまった!)、早々に切り上げることにした。というわけで、明日の最終日につづく。

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2012年11月05日

Matt The Electrician live in Fuji

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この季節になるとかなり早い時間に日が落ちてしまう。20時開場の富士でのライヴ会場にたどり着く途中で雪を被り始めた富士山が見られるかなと期待していたけど、もうあたりは真っ暗。

生まれて初めて降り立つ富士駅。駅前にあるチェーン店の顔ぶれは地方駅でも東京でも同じだね。もちろん、この地方ならではの海産物を売り物にするお店もあちこちに見受けられるけれど。会場のネヴァーランドは駅からほど近い建物の、外から上がる階段を2階に上がったところにある、ほんとに小さなお店だった。

長方形の店のかたちに沿ってコの字型のカウンター。その手前部分だけに何脚かのスツールが置いてあり、向こう側には椅子が7脚とPA卓、あとはマットの楽器とマイクスタンドがところ狭しと設置してある。一番前の椅子に座るためにはマイクにぶつからないように注意しないといけないような至近距離だ。

開演時刻が近づくにつれて店は満杯になる。でもほとんどのお客さんはカウンターの演者とは反対側から場所を埋めていくね。最終的にはコの字の短辺の椅子のない場所にまで立ち見のお客さんが何人もいたから、全部で30人弱はいたことになるのかな。おそらく、今回マット・ジ・エレクトリシャンというアーティスト目当てでわざわざこの場所に足を運んだ客は、僕と一緒に行った友達の他にはあまりいなかったんじゃないだろうか。ほとんどのお客さんは顔見知りみたいで、きっとここでライヴがあるたびに集まってくるんだろうね。

なんだかこういうのいいね。まるでロンドンのパブやNYのコーヒーハウスみたいに、行きつけのお店で(きっと)名も知らぬアーティストのライヴを観て盛り上がるなんて。しかも、ゴーティー主催のライヴは結構な頻度でここを使っているから、(大変失礼ながら)こんな地方都市の小さなお店でこんな質の高い(でも一般的には無名の)アーティストのライヴを何度も観られて、富士の音楽ファンは相当目が肥えてしまうよね。

開演前に外の階段のところで一服しているマットのところに行く。「昨日帰るときにリクエストしてくれた曲は『Breathing』とあと何だっけ?」と、向こうから訊いてきてくれる。あれとこれと、それから今日新たにリクエストしたい曲もいくつかあるんだけどと、相手がきっちりセットリストを作ってライヴに臨むような人じゃないとわかった途端に図々しく何曲もリクエストする僕。「オーケー、それとそれはできるかどうかわからないけど、やってみるよ」と、一応承諾してくれた。はたして全部覚えていてくれるかな。

開演予定時刻の8時半を過ぎてしばらくした頃、他のお客さんや松本さんと歓談していたマットがようやくステージ(というものはないけど)のところに来てギターのチューニングを始める。昨日と同じ赤と黒のチェックのネルシャツの下に着ている赤いTシャツはさすがに昨日とは違うね。彼が腰掛けているのはスツールじゃなくてカホンだ。「これは座っていてしっくりくるね」とマット。曲によっては右足でカホンを叩いてリズムを加えていた。

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オープニングは僕の知らない静かな曲だった。終演後にマットに聞いてみたら「あれも新曲」。今回聞いたどの新曲も結構レベル高いよ。来年のアルバムが楽しみ。2曲目は昨日のオープニングだった「Accidental Thief」。

続いて弾き始めたイントロでわかった、僕のリクエストした「I Will Do The Breathing」。去年の僕のベスト10の第九位だった『Accidental Thief』の粒揃いの曲の中でも、悲しげなメロディが際立つ名曲だ。歌い終えたときに、おそらくこの曲を知らなかった沢山のお客さんがひときわ大きな拍手をしてくれたのは、あながち僕の思い込みのせいではなかったと思う。

前半では他に「My Dog」とか「Osaka In The Rain」とか演ったかな。1曲僕の知らない曲があったからまた新曲かと思っていたら、演奏後にカバーだと説明。説明されても知らない人だったけど、松本さんのツイートによると、アーロン・リー・タスジャン(Aaron Lee Tasjan)という、ニューヨークドールズの再結成に参加したギタリストの「Summer Of Legs」という曲だそうだ。マットが「ニューヨークドールズに参加していたギタリストで当時19歳、今でもまだ若くて26歳ぐらい」と説明したときはてっきり冗談かと思ってたけど、再結成のときの話だったんだね。

「今日も45分のセットを2つ演るよ」と言っていたのに、最初の曲から30分ほどで「次が前半最後の曲」と言って「Milo」を始めた。途中にポール・サイモンの曲を2つとグレイトフル・デッドを挟む。確か去年の横浜でのライヴでポール・サイモン・メドレーを演ったのもこの曲だったかな。当時はまだこの人の曲を全然知らなかったからわからなかったけど。デッドを演ったのは、ちょうど演奏しているマットの真後ろにデッドのロゴのネオンがあったからだって。

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休憩時間中にマットに「前半短かったね」と言うと、「今日は後半しっかり長く演るから」とのこと。その言葉通り、後半は充実したセットだった。まずは、「Got Your Back」でスタート。

続いて、僕がリクエストした「Wish You Didn't Feel Like My Home」。地味でライヴ映えするような曲じゃないけど、これも『Accidental Thief』の中で大好きな曲。しっとりと滲みる。

さらに続けて、これもリクエストした「Permanent Record」。さっきできるかどうかわからないと言われた曲なのに、ちゃんと演ってくれた。スタジオバージョンではリズムボックスやらホーンやらがせかせかと入った曲だけど(それはそれでいいアレンジなんだけど)、素のメロディはコステロばりの名曲だと思う。これは是非弾き語りで聴いてみたかった。案の定素晴らしい演奏で、このときも大きな拍手が。

次が「College」で、その次が「Diaryland」だったはず。とにかく僕がリクエストした曲をこの第二部前半で立て続けに(きっと、忘れてしまう前に)ほとんど演奏してくれたのが嬉しかった。マットは特に何も言わなかったけど、僕にとっては一大リクエストコーナーだった。いやー、満足。

小さなバンジョーを“バンジョレレ”と紹介し、昨日同様「Animal Boy」を。でもこれが最終曲というわけではない。続けてスタンダードの「On The Sunny Side Of The Street」を。ユーチューブではもっとベタな(アバとかの)カバーが沢山観られるけど、この日は地味渋なカバーが多かったな。

「All I Know」を歌い終えたときに、何人ものお客さんがおもしろがってサビの「アウーー」ってところを繰り返して歌ってたのが可笑しかった。

この日は常連のお客さんの一人の誕生日だったらしく、「Happy Birthday」を歌う一幕も。そして、「最後の1曲」と言い、左膝に置いた歌詞を見ながら、ピーターパンの「I Won't Grow Up」を、観客にコーラスを要求して歌う。途中の「I will never grow a mustache」って歌詞が可笑しかったね。

アンコールに答え、「じゃあもう1曲だけ」と言って、カバー曲をファルセットで。これも知らない曲だったので終演後にマットに訊いて、それでもわからなかったから紙にメモしてもらった。メルヴァーン・テイラー(Melvern Taylor)の「Sad And Blue」という曲だそうだ。このアンコールも含めて後半は1時間超。合計で辻褄合わせてくれたね。

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マニラから持参した『Made For Workin』のジャケに、前日鎌倉の文房具店で買った白い油性ペンでサインをしてもらう。このどう見ても「nb」としか読めない簡単なサイン、本人によると「Sever」と書いてあるんだそうだ。でもどの部分がどう「Sever」なのかは本人にも解読不能(笑)

「リクエストした曲ほとんど演奏してくれてありがとう。でも『For Angela』は演ってくれなかったね」と言うと、「うん、あの歌詞は日本人にはきっと難しいから」と。まあそうだね。今度いつかアメリカに観に行ってリクエストすることにするよ。

帰り際、「マニラまで気をつけて帰って」と言ってくれる優しいマット。「来年も日本に来てくれたら観にくるから。またそのときに」と言い残して、もうすっかり寒くなった道を富士駅に向かった。
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2012年11月04日

Matt The Electrician & Goro Nakagawa live in Kamakura

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先月のジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンはたまたま入った東京出張のついでに観たんだけど、去年の横浜でのライヴを観て以来すっかりファンになってしまったマット・ジ・エレクトリシャンの来日公演を観るために、今度は自腹で(と言っても航空券代はマイレージで賄ったんだけど)日本に駆けつけた。おあつらえ向きに11月1日からフィリピンでは4連休。ちょうどそのスケジュールに合う、1日の鎌倉と2日の富士での公演を観ることにした。

まずは鎌倉公演。この日は通常のライヴではなく、中川五郎とのジョイントライヴ+トークショー。マニラの自宅を朝7時半に出て、飛行機とNEXと在来線を乗り継いで鎌倉に着いたのは夕方5時前。開場までまだ2時間ほどあるなと思いつつ、キャリーバッグを転がしてカフェゴーティーへ。ちょうどリハーサルというか打ち合わせが始まるところだったので、バッグだけ預かってもらって時間まで鎌倉の町をうろうろする。

08年にタマス・ウェルズを観て以来、その後は主にゴーティーでのライヴのたびに何度かうろついている小町通り、来るたびにあちこちのお店が変わってる気がする。やっぱりこういう観光地の商店街は競争が激しいんだろうね。そんな中、(表通りではないとはいえ)ゴーティーさん地道にがんばってるよなあ。あの規模で、決して毎回儲かってるという訳でもないであろう(失礼)、でも凄く質の高いライヴを提供しながら。

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開場と同時に入店し、正面の席を確保して、あとは時間までいつものように店頭のCDを見たりしながら過ごす。店の外でタバコを吸っているマットに話しかけ、しばし世間話も。前日の新丸子でのライヴは45分のセットx2という充実したものだったそうだ。去年の横浜でのジム・ボジアを含めた4人のライヴの話とかもした。でもトークショーの際に質問コーナーもあるということなので、音楽関係の質問は控えめに。

まず最初は中川五郎。バンジョーを抱えた姿がなんだウディ・ガスリーみたいだなあと思っていたら、後のほうのMCで、自分が音楽を始めたのはウディやピート・シーガーに影響を受けてということを話していたから、きっと意識しているんだね。マットとはオースティンつながりだということでジェリー・ジェフ・ウォーカーの「Mr. Bojangle」を日本語でカバーしたものを含めて5曲を披露。3.11以降に書かれた反原発の曲が2曲もあったのを聴いて、この人は過去45年間ずっと(いい意味で)このままなんだろうなと思った。

10分の休憩の後、中川さんとマットの座談会、というか質問コーナー。「一番最初に影響を受けたアーティストは?」「ポール・サイモン」(だから去年のライヴでポール・サイモン・メドレーを演ったんだね)。「一番最初に書いた曲は?」「94年に詩のクラスで、詩の代わりに当時の彼女のために曲を書いたのが最初。でももう忘れた」。「覚えている中で最初に書いた曲は?」「確か96年に書いた曲で、『Heater』というやつ。でももう長い間演奏していない」。などなど。中川さんは話を聞くのに夢中でつい訳すのを忘れがちで、結局ゴーティーの松本さんがほとんど通訳をすることに。それにしても松本さん詳しいな。マットが話してないことまで注釈つきで解説してるよ。

この会のために特別に中川さんが翻訳したマットの3曲「Accidental Thief」「Animal Boy」「Osaka In The Rain」のプリントを全員に配布し、それらについての本人による詳しい解説も。こういうのはいいね。

観客からの質問コーナー。「マットの祖先はどこから来たの?」「スロベニア。セヴァー(Sever)という苗字はスロベニアのものなんだ。でも僕はサンフランシスコ生まれだから(と、アメリカ人だということをしきりに強調)」。「トム・フロインドのためにマットの奥さんがデザインしたシャツは日本からも買える?」(なんてマニアックな質問・笑)「買えるはずだよ。ramonsterwear.comにアクセスしてみて」(見てみたけど、とても日本人が着こなせる感じではない相当カウボーイッシュなシャツでした)。

僕からもいくつか質問。「ニューアルバムは作ってる?」「曲を書き始めたところ。春になったらデンマークに行って録音するよ。たぶん来年の9月ぐらいにはリリースできるはず」「デンマークにはバンドは連れて行ってないからソロアルバムになるね」。「(アルバム『Animal Boy』収録の)「For Angela」の歌詞は実話?」「うん、ウォルマートに実際に手紙を送ったし、彼女にCDを渡そうと思って何度かあの店に行ってみたけど、もう会えなかった」などなど。

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45分の予定だったトークショーは、なごやかに(時にゆるーい感じで)過ぎてゆき、あっという間に1時間近くになってしまった。また5分ほどの休憩を挟み、いよいよ本日のメインイベント、マット・ジ・エレクトリシャンのライヴへ。

18フレットしかない小柄なギターを抱え、オープニングは「Accidental Thief」をしめやかに演奏。2曲目に入るところで「バンジョー使っていい?」と、中川さんのバンジョーを弾き始める。ほとんどチューニングもせずにそのまま弾けるものなんだね。その後知らない曲がいくつか続いたのは、ニューアルバムのための新曲かな。

5曲目でまた自分のギターに持ち替え、「Osaka In The Rain」を。どうやら今日は短いセットの中に、トークショーで話した3曲を全部演奏するつもりだな。それどころか、なんと次の曲は「Heater」。さっきのトークショーで自分はライヴのときには特にセットリストは作らないで、最初の数曲以外は思いつきで演奏するって言ってたけど、今日話題に出た曲を全部こうして聴かせてくれようという気配りが嬉しいね(さすがに「For Angela」は演らなかったけど)。

別の新曲を弾き始めようとして途中で止め、「やっぱりこっちの曲にしよう。これも新曲」と途中で別の曲にし、「やっぱりこの曲はバンジョーで演りたい」とまた途中で止め、後ろに置いてあったバンジョーに持ち換えるという場面も。

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最後は自分の小柄なバンジョーで「Animal Boy」。その後、客席で観ていた中川さんを呼んで「Goodnight Eileen」を二人で分け合って歌い、終了。全部で10曲ちょっと演ったかな。あっさり終わってしまったけど、まだ翌日もあるし、トークショー楽しかったからこれはこれでいいや。

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終演後にまた外でタバコを巻いていたマットをつかまえ、持参した『One Thing Right』にサインをもらう。一緒に写真も撮ってもらった。もう少しゆっくり話してたかったけど、終電の時刻が刻々と近づいてきていたので、ゴーティー印のCDを何枚か急いで買って帰路についた。

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2012年09月29日

復活の挨拶 - Squeeze

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Squeeze 『Live At Th Fillmore』

前の記事から7週間以上もブランクを空けてしまったのはこのブログを始めて以来初めてのことかも。今朝久しぶりにアクセス記録を見てみたら、全然更新していなかったこの7週間の間にも結構なアクセスがあったようで、ありがたいやら申し訳ないやら。きっと皆さん、もうここは更新されないかと思い始めた頃かもしれないね。

僕がこのブログを始めて、グレン・ティルブルックやスクイーズについてあれこれ書き始めた頃には、よもや後にグレンとクリスが仲直りしてスクイーズが再結成するなんて、ファンの誰もが(期待こそはすれ)本当に起こるとは思いもよらなかったはず。10年近くのブランクを置いて見事に復活したスクイーズにちなんで、僕の52日振りの記事は、ちょっと時期を逸してしまったけれど、彼らの最新アルバム、『Live At The Fillmore』について書くことにしよう。

07年に、元々バック・カタログと新しいベスト・アルバムをプロモートするために(当時は一時的なはずだった)スクイーズは再結成を果たし、そのときのツアーを記録した『Five Live』をリリース。その後、グレンとクリスが久々に一緒に新曲を書いているという噂に反してリリースされたセルフ・カバー集『Spot The Difference』が出たのが10年の夏。その直後に、サンフランシスコはフィルモアでのライヴ録音を収録したボーナスディスク付きのバージョンも出て、新しいのが出たらすぐ買う熱心なファンほど馬鹿を見るという経験も味わわされた。

そして、今年の4月になってオフィシャルサイト+アイチューンズ限定でリリースされたのが、今回取り上げるこのライヴ・アルバム。なんだか、再結成してもう5年も経つというのに、ライヴ盤とセルフ・カバー集しか出してないなんて、傍から見たらもう立派な金目当ての再結成レトロバンドだと思われても仕方ないよね。しかも、LP2枚組の今回のアルバムの1枚目は『Spot The Difference』の再発盤と同じ内容ときた。

3000枚限定ということだったので、アナウンスされた直後にオーダー。うちに届いたのが6月16日で、それからすぐにブログに何か書こうと思ってたのに、こんなに遅くなってしまった。ちなみに、さっきオフィシャルサイトを見てみたら、まだ入手可能みたいだね。たった3千枚が半年近くも売り切れずに残ってるなんて、全世界のスクイーズファンはもうレコードプレイヤーを売っ払ってしまったか、もしくはスクイーズオフィシャルが3千枚と煽っておいて実は3万枚ぐらいプレスしているかのどちらかだな。

『Spot The Difference』に付属していた方の10曲入りライヴ盤、あれはあれでベストヒット的内容でまあそれなりに納得はしてたんだけど、それにしても変な曲順だとは思ってたんだよね。本編の『Spot The Difference』が一見とりとめないように見える曲順でいて実はアルファベット順だったという謎解き(というほどのものでもないけど)があったから、前半に大ヒット曲ばかりを詰め込んで後半どんどん地味な曲が増え、(いくらアメリカでのシングルヒット曲だとはいえ)『If I Didnt't Love You』なんて歯切れの悪い曲で終わるなんて、いくらおまけ盤だとはいえ、なんて中途半端な選曲かと。

その謎解きは2年後にやってきたというわけ。まあ、熱心なファンはきっと当日のセットリストを調べて、先のおまけ盤は当日のライヴ前半しか収録していないということぐらいはとっくにわかっていたのかもしれないけど。というわけで、『Cool For Cats』から始まるLPの2枚目まで全部通して聴くと、この日のセットがいかに楽しいものだったかがよくわかるという仕組みになっている。

このブログで何度も書いてきたグレンのソロ・ライヴ同様、ファンなら誰でも一緒に歌えるヒット曲と、全アルバムをしっかり聴き込んだコアなファンが聴いてみたいと思うような隠れた名曲が絶妙なバランスで混ざり合っている。もちろん、一人で2時間以上にわたって30曲以上も演奏するグレンのソロに慣れてしまった身としては、あの曲もないこれも無いという気にはなってしまうけれど、それは贅沢というもの。

さっきも書いたとおり、A面トップから3曲、通常のグレンのライヴなら本編最後からアンコールにかけて演るのが定番な大ヒット曲が続く。B面での意外な聴きものは「It's So Dirty」のグレンのギターソロかな。若干荒くはあるけど抜群のタイム感で弾き倒す感じが最高にかっこいい。あとB面では『Difford & Tilbrook』アルバムから「Hope Fell Down」を演ってるのも個人的には満足。どの曲のときだったか、「小さなステージは楽しいね」とグレンが言ってるけど、フィルモアってそんな小さな会場なのかな。

LPを買ったらMP3がダウンロードできるコードが付いてくる。基本的にLPとMP3の内容は(後述する大きな違いを除けば)同じなんだけど、一点違うところに気がついた。LPはB面の最後「If I Didn't Love You」が終わったところでフェードアウト。それは『Spot The Difference』のボーナス盤と同じなんだけど、MP3バージョンだとその曲が終わって歓声がフェードアウトせずに突然次の「Cool For Cats」のイントロが入ってくるところがものすごく快感。

その曲に加え、珍しい「Someone Else's Heart」でもクリスはソロで歌う。僕は特に好きな曲でもないけど、グレンのソロ・ライヴでは当然聴くことはなかったから、この曲をライヴヴァージョンで聴くのは初めてかも。ちょっとマイナー調なその曲に続けて明るい「Mumbo Jumbo」を今度はグレンが歌うところも、スクイーズというグループの特徴をよく表しているね。

その曲から間髪入れず出てくるC面5曲目の「Up The Junction」からD面全部まで通して、再び大ヒット曲集。鉄壁。さっきの「It's So Dirty」もそうだったけど、いろんな曲でグレンが追加でギターソロを長めに入れる。調子いいときのグレンってこうだよね。

最後の「Pulling Mussels (From The Shell)」であー終わったと思っていたら、LP版は最後にシークレットトラックが。おそらく『Spot The Difference』のときのアウトテイクだと思われる、とある名曲の「Differenceだらけの」セルフ・カバー。グレンがこれぐらいのテンポで歌うのを彼のライヴで見たことはあるけど、バンド・バージョンでこうして聴くのは初めて。アイチューンズのダウンロードもいいけど、LPを買うファンのためにこういうのをちゃんと隠しておいてくれるところが嬉しいね。

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LPは4面とも違った色合いのレーベルが付いたホワイトヴァイナル。こういうのは持ってるだけで楽しくなるね。本当は色とかついてない方が音はいいのかもしれないけど、そこまで聴き分けられる耳があるわけでもなし。

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そして、LPにはおまけのポスターとかステッカーとかいろんなおまけがついてるのがまた嬉しい。CDが出ないからと躊躇しているスクイーズファンの皆さん、3000枚だか30000枚だかがなくなってしまう前にこれ買っといた方がいいよ。まあ、もうしばらく躊躇し続けてても当分なくなりそうにないけどね。
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2012年06月24日

レコファン下北沢の83枚

2年前の8月22日に「HMV渋谷の110枚」という記事を書いた。その日で20年間の営業を終えた、かのアイコン的CDショップで僕が買ったものについて、若干の感傷を込めて書いたものだ。当時は僕のブログだけでなくあちこちで取り上げられていた話題だし、テレビのニュースにもなったぐらいの大きな現象だった。

それから約2年、僕の知る限りでは一部のブログやツィッターなどで小さく話題になっているだけだけど、僕にとっては別の意味でHMV渋谷と同じぐらい重要なCDショップが本日その生涯を終えることになったので、この記事を書くことにした。題して「レコファン下北沢の83枚」。中途半端な数字だけど、最後の買い物に出かけた昨日買ったものを足すとたまたまそうなった(どうしても3枚落とせなかった)。

HMV渋谷記事のコメント欄に僕は「僕がよく利用するCD屋であるディスクユニオンやレコファン、それからNZ時代のリアル・グル―ヴィーでは僕はほとんど中古ばかり買っていますから、こんな風に何年に何を買ったという記録をつけても、ちっともそれがその時代を写す鏡になり得ないのです」と書いた。確かにそれはそうだけど、今回この83枚のリストを眺めてみると、「新譜をどこよりも安く売るレコファン」と「大量に中古を揃えるレコファン」という、このチェーン店の二つの顔を僕はフル活用していたんだなと改めて思い知った。HMV渋谷で買ったものほどその年を象徴しているわけではないけれど、僕にとってその後ずっと重要な位置を占めるアルバムが沢山。


<1988年>

1. Sting 『...Nothing Like The Sun』
2. Don Dixon 『Romeo At Julliard』
3. Morrissey 『Viva Hate』
4. Billy Bragg 『Help Save The Youth Of America』

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5. Graham Parker 『The Mona Lisa's Sister』
6. The Beatles 『Past Masters Volume 1』
7. Scritti Politti 『Boom! There She Was』


88年は僕が東京に移り住んだ年。自分の生活に大きな変化があった年なので、この頃に聴いたアルバムはどれも思い出深いね。最近自分内でブーム再燃のモリッシーもこの時がソロ活動の開始だったし、僕がグレアム・パーカーのアルバムを本格的に聴き始めたのは実はこのアルバムが最初だった(この後、自分内大ブームが来ることになる)。


<1989年>

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8. The Housemartins 『The People Who Grinned Themselves To Death』
9. The Pogues 『Peace & Love』


自分内大ブームといえば、この前年にFMでライヴ放送を聴いて大ファンになったハウスマーティンズもこの時期にまとめ買いしている。まとめ買いといってもオリジナルアルバムは2枚しか出ていなかったから、解散記念に出した2枚組ベストの他に、12インチや10インチのシングル盤や、各メンバーがバラバラと出した別ユニットのレコードなども小まめに買い集めたな。別ユニットの中では当然のごとくビューティフル・サウスしか生き残らなかったけど。


<1990年>

10. John Wesley Harding 『It Happened One Night』

この年には1枚しか買ってないね。しかもこのアルバムは後に拡大版『It Happened One Night & It Never Happened At All』として再発されたので、そのとき売っ払ってしまった。


<1991年>

11. Billy Bragg 『Don't Try This At Home』
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12. Garland Jeffreys 『Don't Call Me Buckwheat』


この年まで今とは駅の反対側になる北口を出てしばらく歩いた商店街のはずれの建物の2階にまるで隠れ家のように居を構えていたレコファン下北沢店のことを僕が一番鮮明に思い出せるのは、このガーランド・ジェフリーズ久々のアルバムを買ったときのこと。店に入るとこのアルバムがBGMとしてかかっていて、聴いたことのないガーランド・ジェフリーズのアルバムだ!と思って即座にレジに直行し、在庫がないというのでそこでかかっていたそのCDをそのまま売ってもらったんだった。懐かしいな。


<1992年>

13. Guns n' Roses 『Appetite For Destruction』
14. Graham Parker 『Sweet Home Chicago』
15. Neil Young & Crazy Horse 『Weld』
16. Ian Dury 『New Boots & Panties!!』
17. Little Village 『Little Village』
18. Beautiful South 『0898』
19. Bruce Springsteen 『Human Touch』
20. Bruce Springsteen 『Lucky Town』
21. Squeeze 『A Round And A Bout』
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22. Five Thirty 『Bed』
23. Billy Bragg 『Sexuality』
24. Nils Lofgren 『Crooked Line』
25. The Who 『Tommy The Movie』
26. Brinsley Schwarz 『The New Favourites Of...』
27. Peter Gabriel 『Us』
28. Paul McCartney 『Unplugged - An Official Bootleg』
29. Neil Young 『Harvest Moon』
30. Neil Young + Crazy Horse 『Ragged Glory』
31. Queen 『Magic Tour Live』 LD


前年まで年に1-2枚しか買っていなかったのに、この年いきなり19枚も買っている理由の一つは、南口店がオープンしたこと。南口といっても今のレコファンがある場所じゃなく、本多劇場近くの小田急線沿い。店の場所を正確に覚えていないんだけど、あの場所今は何になってるんだっけ。元の下北沢店はそのままの場所で下北沢北口店に名称変更。この19枚のうち11枚を僕は南口店で買ってるね。やっぱり駅から近かったのが大きい。

僕にとって重要なアルバムが何枚もあるけど、この年を代表するものを1枚と言われたらやっぱり画像を載せたファイヴ・サーティーの『Bed』かな。この人たちもこのアルバムを聴いて大好きになり、シングル盤とか後のポール・バセットやタラ・ミルトンの関連アルバムまで小まめに集めたものだった。


<1993年>

32. Queen 『Live Killers』
33. Bob Dylan 『Hard Rain』
34. Bob Dylan 『Blood On The Tracks』
35. Paul Weller 『More Wood』


この年の2月に僕は東京を離れて15年に亘る海外生活を始めている。出張で東京に来たときは主に渋谷や新宿で買い物をしていたから、下北まで足を延ばす回数はぐっと減ってしまった。ポール・ウェラーの日本企画盤以外は全部所謂過去の名盤みたいなのを中古で買っているだけだね(全部北口店にて)。そして、この翌年の94年には僕はレコファン下北では一枚も買っていない。


<1995年>

36. Nova Mob 『Nova Mob』
37. Dave Edmunds 『Riff Raff』
38. Garland Jeffreys 『Hail Hail Rock 'n' Roll』
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39. Graham Parker 『12 Haunted Episodes』


さっきからタイプしてて気づいたんだけど、どうも僕はガーランド・ジェフリーズやグレアム・パーカーのCDとなるとこの店でよく買っているな。グレアムは僕が本格的に聴き始めた『Mona Lisa's Sister』や『Live Alone In America』あたりから既にそれまでの熱いロックンローラータイプから渋めのSSW風のアルバム作りにシフトし始めていたんだけど、もうこの頃になるとかなり枯れた趣。上3枚は北口店、写真のアルバムを南口店で同日に購入。


<1998年>

40. Marshall Crenshaw 『The 9 Volt Years』
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41. John Fogerty 『Premonition』
42. The Beach Boys 『Smiley Smile』


96年・97年はゼロ。98年はすべて南口店でこの3枚を一日で購入。もうこの頃には僕にとって下北沢というのはそれほど縁の遠い街になってしまっていたということか。タイトルを書いていてジャケが思い出せなかったけど、ジョン・フォガティのこのライヴ盤、結構よく聴いたよな。

そして、翌99年から僕が帰国する07年まで、レコファン下北沢での購入はぴったり止んでしまっている。その間に、あの懐かしい北口店はいつの間にか店を畳んでしまって、南口店は南口2店として今の場所(駅から遠くなってしまった)に移転。僕にとってのレコファン下北沢の失われた10年だ。


<2008年>

43. Dreamboy 『Dreamboy』
44. Grin 『1+1』
45. Low Season Combo 『Low Season Combo』
46. Golden Smog 『Blood On The Slacks』
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47. Biff Bang Pow! 『L'amour, Demure, Stenhousemuir』
48. Youssou N'Dour 『Rokku Mi Rokka』
49. I Am Robot And Proud 『Uphill City』
50. Teddy Thompson 『A Piece Of What You Need』


前年暮れに日本に戻ってきて、以前と同じく小田急線沿いに住むことにしたので、僕の下北沢詣での日々が復活することになった。中古盤と新譜のほどよいミックス。前にyascd012に入れたロウ・シーズン・コンボ以外にはそれほど聴き込んだといえるアルバムはないことに気づき、10〜20年前と比べて買う枚数は増えたけれど1枚1枚にかける時間と情熱がそれだけ減ってしまっていることを反省。

そんな中でもよく聴いたそのロウ・シーズン・コンボのファーストアルバムでなく、あえてビフ・バン・パウ!のこのベスト盤を載せたのは、地味なこげ茶色のジャケでなくこちらのジャケ写を載せて少しでもブログを華やかに見せようという作戦。

ディランの『Blood On The Tracks』をもじったゴールデン・スモッグの『Blood On The Slacks』(『血の轍』ならぬ『ズボンに血』)を、僕がそのディランのアルバムを買ったのと同じ店(正確には移転してるけど)で15年後に買った偶然に今回リストを見て気づいたのがちょっと嬉しい。


<2009年>

51. Owsley 『Owsley』
52. Tom McRae 『King Of Cards』
53. Midlake 『Bamnan And Silvercork』
54. Bananaskin 『Countryside Has Opened My Tired Eyes』
55. Dungen 『Ta Det Lugnt』
56. David Mead 『Indiana』
57. Matthew Sweet 『To Understand - The Early Recordings Of』
58. Owl City 『Of June』


全て中古。これ全部で計5605円。前年のロウ・シーズン・コンボもそうだったけど、ここでのバナナスキン(フィンランド)とかドゥンエン(スウェーデン)とか、この頃の僕は北欧づいていたというのがよくわかるリスト。後にザキヤマ扱いされるデイヴィッド・ミードのCDもここで初めて買っている。


<2010年>

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59. Them Crooked Vultures 『Them Crooked Vultures』
60. Squeeze 『Spot The Difference』
61. Bruce Springsteen & The E Street Band 『London Calling Live In Hyde Park』 BD
62. The Futureheads 『The Chaos』
63. Wyatt / Atzmon / Stephen 『...For The Ghosts Within』
64. Various Artists 『Short Circuit Live At The Electric Circus』
65. Bon Iver 『Blood Bank』
66. The Derek Trucks Band 『Roadsongs』
67. Brian Wilson 『Reimagines Gershwin』
68. Paul Weller 『Heavy Soul』


ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズとかスクイーズとか、当時このブログで取り上げたアルバムが並んでるね。中古も何枚かあるけど、この年は比較的たくさん新譜をここで買ってるな。


<2011年>

69. Huey Lewis And The News 『Soulsville』
70. Department Of Eagles 『Archive 2003 - 2006』
71. Panic! At The Disco 『Vices & Virtues』
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72. Nick Lowe 『The Old Magic』
73. Everybody Else 『Everybody Else』
74. Peter Blegvad & Andy Partridge 『Orpheus The Lowdown』


このニック・ロウのアルバムを買ったのは、パワーポップ・アカデミーの日だったな。おばさんジャケにはいまだに慣れないけど、その前月に観たライヴ共々、いい内容には満足。ピーター・ブレグヴァドとアンディ・パートリッジのこのアルバム、元はいくらだったのかわからないけど、僕が買ったときには1080円の値札に赤い200円引きのステッカー、更に店内あげて200円引きセール中だったから、新品なのに680円という嬉しいお値段。レコファンって、しょっちゅうこういうセールやってるからつい足を運んでしまうんだよね。


<2012年>

75. Elvis Costello & The Imposters 『The Return Of The Spectacular Spinning Songbook!!!』 CD+DVD
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76. Chilli Willi And The Red Hot Peppers 『Bongos Over Balham』
77. Chris Von Sneidern 『The Wild Horse』
78. The Sportsmen 『Spirited』
79. Peter Blegvad 『The Naked Shakespeare』
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80. The Red Button 『She's About To Cross My Mind』
81. Tim Easton 『The Truth About Us』
82. Jamie Cullum 『Catching Tales』
83. Del Amitri 『Twisted』


このコステロのDVD付きライヴアルバムをゲイリー・ジュールズとジム・ビアンコのライヴに行く前に立ち寄って買ったときには、まさかそのわずか3か月後にはこの店が閉店してしまうなんて思いも寄らなかった。

そして昨日。久しぶりに訪れた下北沢南口店には、「6/24(日)最終日! いよいよ最終章!」というポスターが所狭しと貼ってあった。恒例の200円オフセール中だ。もう長いことこの店で全ての棚をじっくり観るということをしていなかったけど、最後だからと思って、1階の新入荷コーナー、2階に上がって中古新入荷コーナー、通常コーナーをAからZまで、そして100円〜コーナーもくまなくチェック。2時間ちょっとで収穫は8枚。計5485円というのはまずまずかな。結構珍しいものや前から欲しいと思ってたのもうまく買えた。前年に引き続いてピーター・ブレグヴァドのアルバムをまたこの店で購入(プロデューサーがアンディ・パートリッジだという偶然も)。

下北にはまだユニオンもフラッシュもイエローポップもドラマもあるけど、まさかこの街からレコファンが真っ先になくなってしまうなんて、最終日の今日になってもまだ信じられない。なんだかこれでまた自分の足が下北から遠ざかってしまいそうな気がするよ。本当に残念。

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長い間ありがとう。渋谷BEAM店への統合という無理やりな理由をサポートしてあげるために、これからはもう少し頻繁にBEAM店にも通うことにするよ。
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2012年06月17日

フジロック勉強会と称して

違法ダウンロード法が成立するとかで、僕がよく行くネット界隈やツィッターではえらく騒がしい。僕は合法だろうが不法だろうがダウンロードして音楽を聴くことにはあんまり積極的でないし、コピーガードのかかっていない普通のCDを普通にリッピングするのはどうやら今のところ違法にはならないようだし、DVDのコピーなんて面倒なこともしていないし(買ったDVDを観る時間すらないというのに)、まあどちらかというとどうでもいいやと醒めた目で見ているところ。でもこれで音楽業界の思惑通りに違法ダウンロードが駆逐され、CDがどんどん売れだして、渋谷や新宿に昔みたいに沢山のCD屋さんが林立するようになれば嬉しいな(棒読み)。

冬至と夏至が近づくといつも某県某市のHさん宅に集まってその年のベストアルバムとか夏のCDとか色々お題を設けては各々の好きな音楽を聴かせあういつもの仲間たち。今回はフジロックに出演するアーティストのCDを予習するために集まり、夜通し聴かせあうことになった。僕のカレンダーでいうと、先々週デリーから戻ってきて先週オークランドに出発するまでの72時間内の話。僕は今のところフジに行く予定はないんだけど、そういう面白そうな企画に乗らないわけにはいかない。他のメンバーが持っていないCDを持って行って貢献できるしね。

「余興として“私のコステロ5曲”やりましょう」。メールで予定のやりとりをしているうちに、N君がこんなことを言い出した。「縛りは一切ありません」とは言われたけど、縛りなしで好きな5曲なんて到底選べないから、またいつも通り自分で勝手にルールを作って、私的利用のためにCDをリッピングしてCD-Rに焼いて持って行くことにした(違法ダウンロード法成立前の話ですからお構いなく)。

もうこうなったら自分が行くか行かないかわからないフジの勉強会よりも、そっちの方が楽しくなってくる。なんとか5曲に絞り込んで、順番もちょこちょこと入れ替えたり。たった5曲だけど、せっかく頭をひねった選曲なので、ここに載せておくことにした。yascdなんて名前を付けるほどのものでもないけれど、去年のクリスマスも5曲でこのカテゴリーに入れたので、これも久々のyascdカテゴリー記事にしておこうかな。でも、いつもみたいに延々と解説するのはやめて、さらっとね。

今回自分で勝手に作った縛りは、ライヴ録音。しかも、5曲とも違った録音を別々のアルバムから、できれば違うスタイルで選んでみようと。違うスタイルというのは、アトラクションズと一緒とかソロでとかそういうこと。そういう“別スタイル”で演ったライヴ盤では、ビル・フリゼールとの『Deep Dead Blue』とか、メトロポール・オルケストと一緒の『My Flame Burns Blue』とかがあるけど、のそれらのアルバムからはどうしても選べなかった。やっぱり僕にとってのコステロは「あの頃の」コステロだから。


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1. Everyday I Write The Book
エルヴィス・コステロ&アトラクションズ
『Punch The Clock (1995 Edition)』

まずは、これだけは誰かとかぶるのを覚悟で、83年の『Punch The Clock』の95年にボートラ満載で再発された盤から、当時のシングルカット曲の82年のライヴ録音を(ややこしい書き方で恐縮)。僕にとっての「あの頃の」コステロ。彼自身が何度も嫌いなアルバムとして挙げているこのアルバムを代表する派手なシングル曲が、ランガー&ウィンスタンリーがプロデュースする前はこんなごく普通の初期のコステロ節だったということにちょっとした目からウロコ状態。ちなみにこのアルバムは僕が最初に入手したコステロのアルバムで、コステロ自身が嫌いであろうとなんだろうと、僕にとっては一番思い入れが強い(一番好きというわけではないけれど)アルバム。

後述する03年の2枚組再発版からは、このトラックはあまりにもローファイな録音のため、カットされてしまっている(かわりに同じスタイルで録音したデモ録音を収録)。まあ確かにきちんとした録音じゃないけど、82年のコステロのライヴなんてこの1曲だけじゃなく全部通して聴いてみたくなる勢いのあるいい演奏。中途半端にボートラの収録されたこの95年版は、今となっては上にリンクしたアマゾンのマーケットプレイスでは200円ほどで入手可能みたいだね。


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2. Worthless Thing
エルヴィス・コステロ
『Goodbye Cruel World (1995 Edition)』

続いて、こちらもコステロ曰く「最悪のアルバム」から、そのアルバム収録曲のアコギ弾き語りバージョンを同じく95年版に収録されたものを。今となってはソロでのツアーは特に珍しくもなくなったけれど、どうやらこの84年のアメリカでのツアーがコステロにとっては最初のソロツアーだったようだね。

コステロがこの83〜84年のアルバムを毛嫌いしているのは、80年代を色濃く反映しているクライヴ・ランガー&アラン・ウィンスタンリーのプロデュースした音のせいなんだろうけど、こうしてバックの音を全部取っ払って素のメロディーだけを聴いてみたら、この当時のコステロが作っていた曲がどんなに素晴らしいものかがよくわかるといういい見本。


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3. The Angels Want To Wear My Red Shoes
エルヴィス・コステロ&スティーヴ・ナイーヴ
『For The First Time In America』

96年にコステロがキーボーディストのスティーヴ・ナイーヴと二人でアメリカツアーをした時の記録がこの5枚組ボックス。極初期のアトラクションズとのニューウェーヴ色満載な曲からこの当時(アルバムでいうとブロドスキー・カルテットと共演するぐらいにまで振幅が広がっていた頃)のしっとりとした曲まで、二人のギターとピアノだけで聴かせるという名盤。5枚組といってもそれぞれがミニアルバム程度の短さだし、中古でも結構手頃な価格で入手可能なようなので、興味のある人は是非どうぞ。

僕が初めてコステロのライヴを観たのは87年暮れのコンフェデレイツとの日本ツアー(前座はニック・ロウ!)。まずステージに一人で現れたコステロがアクースティック・ギターで奏で始めたこの曲のメロディの鮮烈さにどれだけ心を奪われたことか。思えば、当時から今に至るまでグレン・ティルブルックやジム・ボジアがバンドで録音した曲の骨格を自らアコギ一本でステージで披露するというマジックに僕がこれほどまでに惹かれるのは、あのときに聴いたコステロのこの曲がきっかけだったように思う。この録音はそれをさかのぼること約1年半前、86年5月20日のボストンはパラダイスという場所でのライヴ。


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4. I Hope You're Happy Now
エルヴィス・コステロ&インポスターズ
『The Return Of The Spectacular Spinning Songbook』

僕にとっての「あの頃の」コステロの終盤に差し掛かる『Blood & Chocolate』。当時、久々にアトラクションズと作ったアルバムのこの曲を、昨年インポスターズと行ったツアーで再演。まあ、基本的にはベーシストが変わっただけだからほぼ同じバンドの演奏と言っても差し支えないんだけどね。再現といえば、このツアーで採用している、ステージ上の大きなルーレットみたいなのを回して次に演奏する曲を決めるというスタイルも、かつてアトラクションズと一緒にやっていた催し。せっかくDVD付きのCDを買ったのにまだ観れていないのが残念だけど、こういうライヴを一度でいいから観てみたいな。


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5. Back Stabbers / King Horse
エルヴィス・コステロ&アトラクションズ&TKOホーンズ
『Punch The Clock (2003 Edition)』

最初の写真と微妙に違うのは、こちらは03年版からだというちょっとしたこだわりから。曲としては80年の『Get Happy!!』からだけど、83年のパンチ・ザ・クロック・ツアーでTKOホーンズと一緒に回ったときの録音。前半はオージェイズのカバーで、途中で「King Horse」に代わり、最後一瞬TKOホーンズが「Back Stabbers」のフレーズを吹いて、また「King Horse」に戻るところが鳥肌もの。名演というのはこういうのをいうんだ。

83年9月7日、テキサス大学での録音と書いてあるから、学園祭か何かだったのかな。この頃確か日本のどこかの大学の学祭にもREMが来たりしていたけど(僕は観られなかったけど)、こんな演奏を大学で観られるとは、なんて羨ましい。


体調を崩して曲目&解説のみ参加のTomを含めて6名x5曲、計30曲のうち、だぶったのは僕とNさんの「Everyday I Write The Book」(Nさんのはスタジオ録音)だけという、さすがうちの仲間らしい微妙にひねくれた選曲具合が最高に楽しかった。そして、30曲のうちほとんどが初期〜『King Of America』まで、あとせいぜい『Brutal Youth』という片寄り具合。『Imperial Bedroom』はほとんどいないだろうというTomのコメントを裏切るかの如く、かなりのメンバーがそのアルバムから選んでいたというのがうちの仲間の趣味嗜好を如実に表していた。というか、殆どみんな同じアルバムからばかり選んできて、これじゃちっとも予習にならないね(笑)
posted by . at 00:14| Comment(2) | TrackBack(0) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする