2013年07月01日

ジミオン七周年記念対談

yas:さて、今日でこのブログを始めてからちょうど7年。とはいえ、最近の休眠状態ぶりじゃ、7年きちんと続けてきましたとはとても胸を張って言えるような感じではないけどね。

やす:あほやな、そんなん気にせんでええねんて。そもそももう誰もこのブログの存在なんて気にもかけてへんし。胸でもエラでも勝手に張ってたらええよ。

yas:先月なんてとうとうこのブログ初めて以来の一か月間ゼロ更新だからね。

やす:そやからそんなこと気にしてんのはお前だけやっちゅーねん。ゼロ更新でも入場行進でももう好きにしてたらええんやて。

yas:右側の「新着記事」のところにあがってる10記事のタイトルを見てみても、去年のベストアルバム記事を除けば、ライヴレポートと追悼記事だけだもんな。

やす:おう、これがほんまの「Live And Let Die」ちゅーやつやな。

yas:何を言ってるんだかひとかけらもわからないよ。

やす:何言うてんねんな、俺が中学のときに最初に買うたLPやで、オーバーアメリカは。なんやら今度えらい豪華な仕様で再発されたらしいやん。はよ買えよ、限定盤が売り切れてまう前に。

yas:いいんだよ、ポールのこういう限定盤は簡単には無くならないようになってるんだから。それよりもうさっさと本題に行くよ。記事数リストからね。

  アルバム: 40 ⇒ 25 ⇒ 35 ⇒ 19 ⇒ 13 ⇒ 2 ⇒ 5
  コンサート: 10 ⇒ 7 ⇒ 12 ⇒ 14 ⇒ 16 ⇒ 28 ⇒ 11
  ビデオ: 2 ⇒ 0 ⇒ 4 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 2 ⇒ 0
  yascd: 10 ⇒ 0 ⇒ 2 ⇒ 3 ⇒ 1 ⇒ 5 ⇒ 0
  雑記: 24 ⇒ 11 ⇒ 12 ⇒ 11 ⇒ 15 ⇒ 7 ⇒ 9
  非音楽的: 6 ⇒ 2 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 0
  創作: 0 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 0 ⇒ 0 ⇒ 0 ⇒ 0
  日記: 0 ⇒ 2 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 1

やす:なんかもう、どうコメントしたらええんかわからんような結果やな。いつもやったら「ライブばっかり行きやがってお前は!」とか言うてたらええんやけど、それすら半減以下やからな。どんだけ半減期短いんやお前は。

yas:いや僕は放射能でもなんでもないから。これでも年末年始あたりは頑張ってアルバム評を増やそうとしてたんだけどね。たったの5枚じゃとても威張れたもんじゃないけど。

やす:まあそれにしてもコンスタントに年一回ずつ日記続けてるのは偉いな。それだけは一応フォローしといたるわ。

yas:うん、それが日記のあるべき姿かどうかは別にしてね。じゃあ次は、誰について沢山書いたかランキングだね。

やす:まあ、誰についても沢山書いてないのは火を見るより明らかやねんけどな、一応恒例やから付き合って聞いたるけど。

yas:まあそうだね、複数回ライヴを観た人が上位に来るのはもうわかってるんで、今さらサプライズもないんだけど、一応こんな感じになったよ。

  一位:ピート・ドネリー(大特集2、小特集1)
  二位:マット・ジ・エレクトリシャン(大特集2、小特集0)
  二位:ジム・ボジア(大特集2、小特集0)
  二位:スティーヴ・フォーバート(大特集2、小特集0)
  五位:ディラン・モンドグリーン(大特集1、小特集1)

やす:ほぼ全員二位で、ピートが頭一つ抜け出してるんはあれやな、年間ベストでピートのアルバム選んだ人がいっぱいおったからやろ。

yas:そうだね、僕はベスト10には選ばなかったけど、いいアルバムだったからね。つい最近新作が出たから、それも買って聴いてみなくちゃ。

やす:ライヴも観てへんのにランクインしたんはディラン・モンドグリーンだけか。小特集て何やっけ。ああ、あれか、マニラ来てこんなCD売ってたでっちゅーしょうもない記事やな。

yas:まあそんな、自分でしょうもないなんて卑下することもないとは思うけどね。それにしても、あのときのサプライズを思うと、僕がこっちに来てしばらくしてからはめっきり北欧ものとかのマイナーなCDが出なくなったね、フィリピン。やっぱりこっちでもCD不況なのかな。

やす:そやな、おまけにこのペソ安と円安で、ローカルプレスCDの値段は350ペソから最低450ペソとかに跳ね上がるわ、それを円に換算したらとんでもない値段になるわで、とてもこっちでどかどかCD買う気分んはなれんようになってしもたしな。だいたい俺がCD買わんようになったら現地のCD屋が潰れてまうのは、ニュージーランドの例を出すまでもなく明らかやのにな。

yas:まあ僕らの購買力がそこまでの影響力を持ってるとはとても思わないけど、新譜がフィジカルでどんどん出ない状況というのはやっぱり淋しいものがあるよね。

やす:そやな、淋しいっちゅーたら、このブログの右下あたりに載ってる、お気に入りリンクのブログも、もう皆さんことごとく休眠状態やな。うちだけやのうて、もうこのご時世、ブログとか一所懸命書くのも流行れへんのやろな。

yas:その中でも、ブログがブームになる以前からクオリティの高い文章を書いておられたようないくつかのサイトは引き続き健在で、今でも毎日訪れて楽しませてもらっているけどね。まあうちは、このまま最近の傾向どおり、ライヴに行った感想を書き記しておくためのブログとして細々と継続していくんだろうね。

やす:そやな、あとは誰か死んだときとかな。

yas:まあそんな記事はあまり書きたくないもんだけどね。というわけで、これからも月一みたいなペースで続けていく予定なので、まだ今でもこのブログを楽しみにしてくださっている方がもしいらっしゃったら、今後もよろしくお願いしますね。

やす:そやな、とりあえず8月と9月は行くライヴも決まったしな。誰のライヴかは秘密やけどな。

yas:秘密にする意味すらわからないけど、まあそれは、おそらくこの次にアップする記事を楽しみにしておいていただくということで、今年の記念対談はこのへんで。あ、そういえば言い忘れたけど、この記念対談のジンクスも切れてしまって、今年は去年と同じくマニラでの更新になってしまったね。

やす:そやからええんやて、そんなジンクスなんてお前以外にこの世の中で誰ひとり気にしてへんねんから。


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2013年04月19日

追悼 ストーム・トーガソン

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中学生ぐらいの僕にジャケ買いというのを教えてくれたひと。
もうこの人の作る新しいジャケを見ることがないのかと思うことが、自分でもびっくりするほど堪える。

<4月20日追記>
これもまだうちにある。
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2013年03月20日

追悼 ジェイソン・モリーナ

Fading Trails.jpg

ひさしぶりに会う友達に誘われて、計算上一人あたりワイン一瓶あけて帰ってきたところにこの訃報。こんな酔った頭で書くようなことじゃないとはわかっているけれど、酔った勢いで少しだけ。

ソングス:オハイアもマグノリア・エレクトリック・カンパニーも、僕にとっては常に追いかけているという対象ではなかったけれど、新しいアルバムが出たとなると、いつも少しだけ気にかけてはいた。安く手に入るとか、たまたま見かけたサイトで限定盤が売り出されているとか、そういうときには散々迷った挙句、買ったり買わなかったり。ああ、なんだか自分ののめり込んでなさが露呈してしまうような書き方だね。

数枚しか持っていないけれど、どのアルバムも、ふと思い出して聴いてみたらすごくいいんだ。いつも、なんで僕はもっとこの人のファンじゃなかったのかなと聴くたびに思ってしまう。

もう、この人が作った新しいアルバムを聴くことはないんだと思うと、なんでそんなもったいない聴き方をしていたのかなと思ってしまう。いいと思ったアルバムはもっとちゃんと何回も聴き返そうよ。たくさんCDを持っていることが別に必ずしもえらいわけじゃないんだと。

アルコール摂取過多による臓器不全だとか。39歳だったとか。酔った頭には辛い言葉だけれど、今この頭ではそれについてなんて書いていいかわからないよ。今CDラックを見てみたら、残念ながら彼のアルバムは全部東京に置いてきてしまっているな。なのでCDを聴きながらの追悼はしばらく先になってからか。

酔った勢いで夜中に書いた文章なんてあとで読み返してみるとろくなことはないけど、まあこんな感じで。
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2013年03月03日

うちの仲間のベストアルバム2012

前回の記事に書いたとおり、ジム・ボジア来日公演最終日に合わせて、毎年恒例の個人的ベストアルバム発表会をいつもの友人達と開催した。ジムの鎌倉公演に合わせて来日した僕の都合で、いつもの某県Hさん宅ではなく、大船の某カラオケボックスでの開催。カラオケボックスに半日こもって延々自作CDを聴かせ合うのは、この一連の企画の一番最初だった生涯ベスト20のとき以来だ。

今回はいつもの常連メンバーのうちMさん(二人いるうちの一人)が都合で欠席。去年は参加してくれたxさんも大船開催ということで断念。代わりに、ときどきライヴ後の打ち上げで一緒になるYさんが参加。Tom、N君ことうーららさん、Mさん(二人いるうちのもう一人)、Nさんという常連メンバー4名と僕の計6名。

去年は、参加した8名のうち4名が同じアルバムを選び、そのことがアーティスト本人に伝わって、人づてにお礼を言われるなんてちょっと嬉しい出来事もあったんだけど、今年はさすがにそこまで大勢に選ばれるアルバムはなかった。

でも、集計してみたら、誰か二人に選ばれたアルバムが全部で11枚。うちの仲間のベスト10というにはちょっと字余り気味だけど、それは後述する某Nさんのせい。今日は、あの日集まってくれた5人以外にはあまり意味のない企画だけど、あの発表会についてと、その11枚のアルバムについて書いてみよう。

今回ちょっとした苦難を乗り越えてカラオケボックスを予約してくれたTomは、手回しのいいことに発表順を決めるくじ引きまで持参してくれた。そのTomが先頭で発表。のっけからあるある状態。特に冒頭のワールド・パーティーのブック型ボックスセットについてはMさん大いに盛り上がるの図。僕も、かぶってしまったもの、候補には挙がっていたもののベスト10には入れなかったもの、聴いてみたいと思っていたものなど、10枚のうちかなりが自分好み。やはりいつ聴いてもこの人とは趣味がかぶるなあ。生涯ベスト20に続いて、「なんでこれが?」と思う重複盤もあったし。

続いては、今回初参加のYさん。全然違う趣味の人だったらどうしようと身構えながら聴いてみたら、さすがコーギスサイト運営者、かなりツボを押さえた選曲に納得。今回の僕のセレクションとのかぶりはなかったけど、僕の2011年第三位のアルバムが入っていた。

うーららさんの今回の選曲には驚かされた。いつものパワーポップ&地味系SSWはすっかり影を潜め、ほぼ全曲女声ヴォーカル。本人曰く「去年はメロウな一年だったから」とのこと。そんなメロウなうーららさんの一年を代表する10枚は、今回誰ともかぶらず(僕の候補に入ってたのはあったけど)。

生涯ベスト20の際にはニック・ロウとヨラテンゴばかりを終わりのない夢のように何曲も選出し、混沌とした選曲状況をあらわにしていたNさん。今回のCD-Rのジャケに書かれたタイトルは「My 11 Songs Of 2012 +1」。10曲に絞りきれずにベスト11にしたまではよかったものの、さらに1曲どうしても削れなかったという経緯がこの一行に凝縮された、まるで秀逸な俳句のようなタイトル。気持ちはわかるけど、12曲も入れるのは反則ですよ、Nさん。

一方のMさんは10曲入りなのにも関わらずジャケには9枚分の画像しか載っていないというおおらかさ(笑)。パワーポップありサイケあり渋味系あり日本語ありと、一番分裂気味だったのはMさんセレクションかも(褒め言葉ですのでお気になさらぬように)。ここにも僕が候補に入れて落としてしまった数枚が。

くじ引きで6番を引いたのは僕。何回か前の反省を活かして、途中で眠りこけてしまわないように、アルコール摂取しつつトイレ休憩しつつ、ようやく自分の番にたどり着いた。前回の記事の10枚から選んだ10曲をそれなりの順番でCD-Rに焼いていったんだけど、Tomやうーららさんから「アルバム全部こんな感じ?(それなら買おうかな)」とか「(躊躇していたけど)やっぱりこれは買うしかないかな」みたいな感想を貰うと嬉しいね。「グリーン・デイって、パンクとか言わなければこうしてちゃんと聴けるんだよね」とかね。

クレイグ・フィンの所属バンドの名前がもう曲が終わってしまう段になるまで出てこなかったのはアルコールのせいです。あと、ブラッド・ジョンズとハンス・ロッテンベリーのアルバムをうーららさんが去年のベストに選んでいたことに気づいていなかったのは自分的には大チョンボ。いや別に他人が選んだアルバムから選ぶのはなしという訳じゃないんだけどさ。


さて、ここからは、今回誰か二人が選んだ11曲をリストアップしてみよう。そのうち僕が絡んでいるのは4枚だけなので、自分の持っていないアルバムのジャケ写は載せないという偏屈なこのブログのルールに則って、代わりに久しぶりにビデオを貼り付けてみようかな。それも、できるだけ今回二名のうちどちらかが選んだ曲を(できるだけ僕が選んだのじゃない方を)。発表会に参加できなかった人へのおすそ分け。

まずは、僕のベスト10堂々第二位のこの人。

これは何のときのビデオなんだろう。ハンディカメラ内蔵マイクでそのまま一発で録ったような感じなのに、ちゃんと聴かせるね(あくまでも贔屓目)。

そして、僕の第三位のこの人たち。

一方こちらはオフィシャルPV。北欧風インテリアがいいね。

僕の第六位だったこの人。最初のとこれはNさんとの重複。どうやらNさんとは去年は女声ヴォーカルの好みが似ていたようだ。


Tomのセレクションからこれが聴こえてきたときの驚き。なんでこれがかぶるかね。

静止画のしか見つからなかった。僕が誰かとかぶったのはここまでの4曲。

ここからは、僕の候補には入っていたけど落としてしまったもの。他の人が選んだのを聴くとやっぱり入れとけばよかったという気になってしまうね。

これは静止画ばかりの構成だけど、綺麗なビデオだね。

続いて、これも候補から落とした一枚。

これも静止画のしかなかった。

今回のライヴの予習のお陰で、これを入れてくる人が多発するだろうことは予想してたけど。

これ、ピート&テリー・アダムス&フレンズになってるけど、ピートの左でギター弾いてるのボジアだね。

いつだったか某タワーを訪れたときに散々プッシュされまくってたのが逆に癇に障って買わなかった一枚。

やたら若いことばかり強調するもんだから(年寄りのひがみ)ちらっと試聴して買わなかったけど、こうして聴くとやっぱりいいね。そのうち買おう。ボジアもビリー・ブラッグも推してるし。

これは名前だけは聞いてたものの、ちょっと今の気分に合わないかとまだ買っていない一枚。

この時代にこれが売れるというのはやはりとんでもないことだと思う。これもそのうち買おう。

これもいいとは聞くけどなんとなく聴き逃している一枚。

20年ぐらい前ならゴドリー・クレームが撮ったかもしれないようなPVが秀逸。

最後に、全然知らなかったアーティスト。

Yさん曰く、HPでアルバム全曲無料DL可らしいけど、この内容なら買っても惜しくないと思う(ジャケットがかなり反ジャケ買い促進モードだけど)。アマゾン見てみたら高かったので買わなかったけど、そのうち是非に。これは今回の発表会での掘り出し物のひとつ。


マニラはインターネット回線が日本に比べてやたらと遅いので、YouTubeでビデオを観ながらこの記事を書いてたらえらく時間がかかってしまった。

ここには取り上げなかった(=誰か一人にだけ選出されていた)アルバムの中にも気に入ったのが何枚かあって、こないだ(一瞬円高に振れたのを逃さず)アマゾンで数枚買ってみた。こういうのが、この友人達と発表会をやる楽しみのひとつ。今回唯一気になったのが、カラオケボックスの音響設備の音の悪さ。あれはかなり残念だった。今年の年末はまた帰省して、久しぶりに某県Hさん宅でゆったりくつろぎながらいい音で発表会できるかな。
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2013年02月20日

2012年個人的ベストアルバム

これを書いてる今はまだかろうじて1月で、ほんとは去年のベストアルバム記事なんて年が明けたらすぐに発表してしまいたかったんだけど、いつもの仲間との年間ベスト10発表会を僕の一時帰国のスケジュールに合わせてもらったもんだから、この記事がオープンになるのは2月中旬のそのイベントが終了してからということになる。まあ、ほとんどの人にとってはどうでもいいことなんだけど、この記事はその発表会で僕があれこれ語るであろう薀蓄の抜粋ということで。

その前に、いつものように去年買ったCD類の集計から。

フォーマット   枚数   対前年
CD          282枚    -4枚
CDシングル     11枚    +2枚
CD+DVD(BD)   6枚     -2枚
DVD Audio      1枚     +1枚
DVD/BD       2枚     +1枚
ダウンロード     1枚     +1枚
LP           23枚    +17枚
シングル       1枚     -4枚
ボックスセット    0箱     -4箱


合計327枚。2010年に300枚を割り込んだのを最後に、また年々買う枚数が増えてきてしまってるな。増えてるのはご覧のとおりほとんどLP。2010年の27枚よりは少ないけど、あのときは大半が100円LPだったからね。去年は殆ど正規の値段で買ってる。やっぱりダウンロードクーポン付きとかがスタンダードになってきているのと、CDというフォーマットがもう凋落の一方で、マニアックな音楽好き向けのLPがどんどん復興しているというのが大きいんだろうね。

枚数は増え続けているけど、一枚あたりの平均単価は過去最低の1,023円。総額も1999年以降の最低額。二十一世紀最安。なかなか財布に優しくてよろしい。箱ものや映像ものをあまり買わなくなってるのも大きな理由のひとつだと思う。そういうのを通して聴いたり観たりする時間がなかなかなくて。もうすでに老後の楽しみにしている箱がうちにいくつも溜まってしまっているからね。もうこれ以上老後の楽しみ溜め込んでもしょうがないし。

では、2012年のベストアルバムについて書こう。正直言って去年は年末近くまでこれぞというアルバムがなかなかなかったのに、12月になってからめぼしいものをまとめて買い込んだら逆に10枚選ぶのにえらい苦労したという、例年のようにその年を代表する超弩級アルバムとそれ以外の9枚という感じではなく、どちらかというと平均的に小粒ながらいいアルバムが10枚というセレクションになった(本当はこの後ろにあと10枚ぐらいあって、2006年以来の20曲入りベストyascdを作ろうかと思ってしまったぐらいなんだけど)。


<第十位>
Craig Finn 『Clear Heart Full Eyes』
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クレイグ・フィンなんて名前を出して一体どれだけの人が反応するのかわからないけど、この人は僕がかつて06年にこのブログで記事にしたホールド・ステディのリードヴォーカリスト。確かそのアルバムはその年のベストアルバムにも選んでるね。二度目の受賞、おめでとうございます。『Boys And Girls In America』以降もずっとこの人たちのアルバムは買い続けていたけど、結局僕にとってはあれがピーク。今回ソロが出たということはもしかしたらもうバンドは解散してしまったのかな。

ソロになってもバンド時代とそう大きく音楽性が変わったわけでもなく、相変わらず70年代前半のスプリングスティーンみたいな歌い方でちょっとやさぐれた感じの曲を歌っている。上にリンクしたアマゾンのレビューでは散々な書かれ方をしているけど、僕はそれとは正反対の印象。地味だけど、ストーリー性満載な歌詞も含めて、聴いていてちょっとしんみりくる大人の味。アルバムタイトルの頭文字は自分の名前と同期させたんだと思うけど、ジャケットにも内ジャケのクレジットにも肝心の自分の名前を全く載せていないというのは、よほど自分が有名だと勘違いしているんだろうか。


<第九位>
The Happy Hippo Family 『Monacoville』
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これがファーストアルバムとなるスウェーデンのバンド。日本盤の紹介のされ方もリードヴォーカリストのちょび髭も今いち僕の好みではないんだけど、その紹介文にもあるように、ペット・ショップ・ボーイズがスカを演奏しているかのようなこのアルバムにはちょっとやられてしまった。このアルバムがどれだけ売れたのかは知らないけど、たぶんこの感じだとこのまま花火みたいに消えてしまうんだろうな。そういう意味ではこれをきちんと発売された年に聴けて、ここに取り上げることができたのはよかった。なんて言って、実はペット・ショップ・ボーイズみたいに何十年も生き残るバンドになったりして。


<第八位>
Bruce Foxton 『Back In The Room』
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少なくともこの名前にはクレイグ・フィンよりも沢山の人が反応するだろう(そうあってほしい)。ブルース・フォクストン、ジャム解散直後の『Touch Sensitive』以来28年振りとなるセカンド・アルバム。当時はジャム関連のものならなんだって集めていた僕だから、12インチシングルも含めてブルースが発表した音源は全て聴いていたんだけど、同時期に秀逸なシングル盤を連発していたスタイル・カウンシルと比較してしまうと、当然のことながらどうにも見劣りしてしまっていた。

今回このアルバムを買ったのも、はっきり言ってしまえば郷愁以外の何ものでもなかったんだけど、そこはもう、フロム・ザ・ジャムなんて開き直ったジャムのコピーバンドまでやってしまっていたブルースのこと、今のポール・ウェラーの音楽に今ひとつ馴染めないでいる僕のようなオールドファンをピンポイントで狙い撃ちしたかのような、あの時代そのままの音。これはちょっと、反則だとはわかっていつつも反応してしまう。ポールもギターとピアノで数曲に参加。大人になったねえ。


<第七位>
The Corner Laughers 『Poppy Seeds』
Poppy Seeds.jpg

全然知らないアーティストだったんだけど、アマゾンでお勧めされたのをきっかけに試聴してみたらよかったので買ってみた。届いたアルバムを開封して内ジャケのクレジットを見てみると、ゲストヴォーカルにマイク・ヴァイオラの名前が。そして、ライナーを書いているのはウェズリー・ステイス。ジョン・ウェズリー・ハーディングじゃないか。そういう系統の人たちだったのか。といっても、マイク・ヴァイオラとジョン・ウェズリー・ハーディングとの共通点が僕には思い浮かばないけど。

どことなくスクールを思い起こさせる、60年代テイスト満載の音。基本女性ヴォーカルに、曲によって男性とのデュエットが絡む。これと一緒に買った、09年のセカンド『Ultraviolet Garden』はポップオーヴァーというレーベルからの発売。先のライナーを読んでみると、ファーストを聴いて気に入ったジョン・ウェズリー・ハーディングがこの人たちのために設立したレーベルだとのこと。彼がそこまでこのバンドを気に入ったというのも驚きだけど、それにもうなずける好盤。


<第六位>
Aimee Mann 『Charmer』
Charmer.png

目立たないけれどいい曲の詰まったいいアルバムをコンスタントにリリースする中堅どころのシンガーソングライターという意味で、僕にとっては去年のベストアルバム第七位に取り上げたロン・セクスミスと似た位置付けの人。せっかくの美人さんなのにジャケットに自分の写真を使うことがほとんどなく、今回もこの、誰の購買意欲をかきたてようとしているのか今いち定かでないイラストジャケ(ひっくり返して見ると別の顔というやつですね)。でもその低いハードルさえ乗り越えれば(笑)、中身はいつものとおり、男前な声でメロディアスな旋律に気の利いた歌詞を乗せて歌っているエイミーがいる。


<第五位>
Green Day 『!Uno!』
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本体のバンドはなんだかどんどん組曲風の大仰な作りのアルバムを発表し続け、ちょっと気軽な曲を演ろうと思ったら変名バンドになりすまさないといけなくなってしまった近頃のグリーン・デイ。いつの間にか4人組になってるな。去年後半は『!Uno!』、『!Dos!』、『!Tre!』と3枚のアルバムを毎月発売するというからまたどんな大仰なことをやってるんだろうと思っていたら、なんとこれがフォックスボロ・ホッタブスのセカンド(とサードとフォース)かと思うような、あるいは昔のグリーン・デイに戻ったかのようなポップなアルバム群。

かつてガンズ&ローゼズが二枚組のアルバムを二つに分けて発売したときに「金のない奴は友達と一枚ずつ買って一緒に聴け」みたいなことを言ってたと思うけど、どうも今回のグリーン・デイの3枚はどちらかというと「おまえら全部聴きたいんだろ?だったら3枚とも全部買え」と言われてるみたいでちょっと金の匂いがしてしまう。とはいえ輸入盤(僕の買ったフィリピン盤も)は行くところに行けばかなりクタクタな値段で手に入るから、3枚全部買ってもさほど懐には響かないはず。

ここでは『!Uno!』だけを取り上げたけど、『!Dos!』にも相当いい曲がいくつか入ってるし、『!Tre!』も(個人的には若干劣るかなとは思うものの)そんなに悪くはない。どちらかというと3枚の合わせ技でのこの順位ということで。もう少し曲を厳選して、普通に二枚組のアルバムにした方がきりっとまとまったとは思うけれど、これはまあ3ヶ月連続発売という話題作りの面が大きかったんだろうね。


<第四位>
Hans Rotenberry & Brad Jones 『Mountain Jack』
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パワーポップファンなら大抵誰でも、ブラッド・ジョーンズの95年作『Gilt-Flake』が家のCDラックに入っているはず。その後もあちこちのアルバムでちらちら名前を見かけてはいたものの、もうリーダーアルバムを作ることはないんだろうなと思っていたら、かつて彼がプロデュースしたことのあるシャザムのフロントマン、ハンス・ロッテンベリーとの共作アルバムを出していた。クレジットを見るとオリジナル盤が出たのは10年のようだけど、ボートラ入り日本盤が出たのが12年の暮れのようなので、入選決定。

パワーポップと呼べばいいのか、一昔前ならオルタナカントリーと呼ばれたような曲もあるし、ちょっとほろ苦いコーラス満載のメロディアスなアルバム。個人的にはツボ突かれまくり。僕も上のような書き方をしたし、日本盤のアーティスト名表記もブラッドが先だけど、ジャケットに書いてあるのはハンスの名前が先。どういう力関係なんだろう。ちなみに日本盤にはエアメールレコーディングス特製のおまけミニシングルが付いていてちょっと嬉しいんだけど、それがアルバム収録曲の同一バージョンだというなんだか喜んでいいのかよくわからない仕様。


<第三位>
Team Me 『To The Treetops!』
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5月の素晴らしかったライヴの余韻もあり、僕の中ではけっこう年末あたりまで去年の年間ベスト1の位置に君臨していたアルバム。このアルバムの前に出たEPに始まり、フロントマンのマリウスがウォンバッツの人と一緒に作ったSin名義のアルバム、それに宮内優里が加わったEPと、去年はとにかくティーム・ミー関連の音源が沢山出たし、どれもこれも質が高かった。創作意欲にかきたてられてしょうがないんだろうね。

もうそのまま1位にしてしまってもよかったんだけど、強いてケチをつけるなら、アルバム中盤ちょっとだれてしまうところがあるのと、大量に追加された日本盤ボートラのせいで聴き通すのがやたら長いことか。決して駄曲が追加されてるわけじゃないからいいがかりも甚だしいんだけど、まとまりという意味ではボートラのない輸入盤の方がいいのかも(なぜかせっかくのキモかわいいコラージュジャケが白黒なんだけど)。


<第二位>
Susanna Hoffs 『Someday』
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1位にしたかったという意味ではこれもそう。ここ数年来の僕の個人的アイドルの彼女が久々にソロアルバムを出したので当然早々に入手したんだけど、これがもう、今までの2枚のソロや再結成バングルスのアルバムを遥かにしのぐ出来。ミッチェル・フルームのプロデュースって言われるほど僕は印象に残っているアルバムはないんだけど、これは音のバランスといい、ストリングスの入れ方といい、かなりいいね。

曲も粒揃いだと思うけれど、やはりなんといってもこの声。前にライヴ評にも書いたけど、なんでこの人はいくつになってもこんな声で(きっと3年前に東京で観たときと変わらない見掛けで)いられるんだろう。いったいどんな魔法を使ってるのかと思う。早々に入手した輸入盤からかなり遅れて、ボートラ2曲入りの日本盤が出たことだけが難点。2200円もするけど、買いなおすしかないだろう。ジャケもいいよね。LPが出たらきっとそれも買ってしまう。来日が決まったら何があっても帰国して観に行く。バージョン違いのシングルとか出たら全部買う。いかん、勝手に自分からアイドル追っかけモードになってしまってる。


<第一位>
中村一義 『対音楽』
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そんな接戦を押さえて昨年度第一位に輝いたのがこれ。ここのところ100s名義のアルバムがずっと続いていたので、随分久しぶりとなる個人名義のアルバム。もちろん初期のアルバム同様、歌も演奏も全部一人で。ベートーベンの九つの交響曲の印象的なメロディーを取り入れた9曲(+アンコール1曲)という企画は、特によく知っている五番や九番なんかを聴くとちょっとあざといかなと感じてしまうこともあり、僕が09年のベストアルバム第二位に選んだ前作『世界のフラワーロード』と比較すると劣ってしまうかなと思ったのも事実。

でも、やはりこの人の書く、初めて聴くのにどうしてなのかいつもほろ苦い懐かしさを感じてしまうメロディーにはどうしても抗うことができない。いつも何を歌っているのか聞き取れない歌詞のことばかり書いているけど、ちょうどウィルコ・ジョンソンの来日時の話を知ったときに聴いていた9曲目「歓喜のうた」の「ちゃんと生きたものに、で、ちゃんと死んだものに、ありがとうって、僕はなんで想うんだろう」という歌詞を聞いて、まだ存命中の彼には大変失礼ながら、泣きそうになってしまった。

ちなみに僕の買ったCD+DVDの映像パートは、1時間にわたるインタビュー(演奏風景あり)。ちょっと何度も観ようと思うようなものでもないかな。よほどコアなファンでなければ、今回のはCD版だけでも十分かも。あと、僕はクラシックはあまり詳しくないんだけど、ベートーベンの曲をよく知ってる人ならもっと楽しめるのかもしれないね。


以上10枚。1月に書き始めたのに書き終えたらもう2月になってしまった。去年は、最初のほうに書いたとおり飛び抜けてすごいアルバムがあったという感じではないから、順位に関しては多分に今現在の気持ちを反映していると思う。少し経ったら順番を並べ替えたくなってるかも。さて、13年に入ってもう何枚かのCDを買い始めているけど(まだ13年発表のものは買ってないけど)、今年はダントツに凄いアルバムは出るかな。噂によるとメルボルンに戻った例の彼が新作を出すとのことだから、とりあえずそれには大いに期待。
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2013年01月20日

ウィルコ・ジョンソン

今回の来日のニュースを最初に読んだのはいつだったかな。逐一来日情報を追っかけてる相手じゃなかったから、「なんだ、また来るのか。つい最近来たばっかりじゃなかったっけ」というのが率直な気持ちだった。もちろんそのニュースを知ったときには僕はもうマニラに引っ越してきていたから、わざわざライヴを観るために日本に行くつもりもなかった。まさか、こんな話になっているなんて知りもせずに。

もう来日公演もとっくに終了し、ネット上のあちこちで沢山話題になっているから、今頃になって取り上げるのもなんだか間の抜けた感じではあるんだけど、やっぱりちょっと書いておきたくて。

今回の来日公演の初日だった東京公演の確か前日だったと思う、ウィルコ・ジョンソンが末期のすい臓がんだということを公表したのは。化学療法を受ければ延命の可能性はあったけれど、あえてそれを拒否して、予定通り来日公演を決行し、その後フランスでの短期ツアーと英国でのフェアウェルツアーを行い、最後のCDを発表して自らの活動を終えるとのこと。

もし、日本公演を発表したときにこのことを発表していれば、公演の売り上げなんて全く心配する必要なかったろうに、あえて公演前日までそれをひた隠しにし(もちろんそんな心配なんてする必要もなく、東京・京都の両公演ともソールドアウトだったようだけど)、そのうえで満員の観客に対しては、これが最後だとお互いに認識した感動的なライヴを行ったようだ。沢山のゲストが飛び入り出演したらしく、ファンにとってはたまらなかっただろうね。

東京公演では、知らせを聞いて駆けつけたけれども会場に入れなかったファンのために、会場の外にモニターを置いてくれたりしたらしい。そして、ウィルコは今回の公演の収益を全て東日本大震災の被災地に寄付するとのこと(自分もチケット代を払ったとかいう話も)。そのために病を押して最後の日本公演を決行したのか。

思えば、さっき僕が書いた「つい最近来たばっかり」というのは、東日本大震災の直後の11年4月のことだった。あの、来日公演が軒並みキャンセルされていた時期に(そりゃそうだろう、日本人だって東京から脱出するべきかなんて話をしていた頃だったからね)、そんな時だからこそと来日を決行してくれたんだった。そして、今回の寄付。なんでそんなにまでしてくれるんだろう。日本人として頭が上がらないよ。


最初に書いたとおり、僕はウィルコ・ジョンソンの熱狂的なファンというわけではなかった。唯一、彼のことを観たことがあるのは、87年にイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズと一緒に来日したときのことだ。確か前座としてウィルコ・ジョンソン・バンドが登場し、本編でもブロックヘッズの一員としてウィルコが(アンコールだけだったかな)演奏していたのを覚えている。ライヴ自体は物凄くよかったという記憶はあるものの、細部は全く覚えていない(そういうのがもったいなくて嫌だから、観たライヴの内容はこと細かく書き残しておこうと思ってこのブログを始めた。そのライヴより20年近くも後の話だけど)。でも、まだ髪の毛のあったウィルコがあの素っ頓狂な顔をしてステージの上をカニみたいに横走りする姿は今でも脳裏にくっきり焼きついているよ。

先日、英国でのフェアウェルツアーの日程が発表された。3月6日のロンドンから始まる、たったの4公演。ウォルヴァーハンプトン、ホルムファース、グラスゴーと、選択基準のよくわからない4都市(ホルムファースなんてどこにあるのか知らなかった。マンチェスターとリーズのちょうど中間ぐらいなんだね)。見たところ、どこも小さな会場のようだ。明日発売のチケットはきっと瞬時にソールドアウトだろう。行ってみたいとは思ったけど、再来月なんて到底無理。それに、彼のことをずっと追っかけてきたファンからお別れツアーのチケットを横取りするわけにもいかないしね。

そのかわりと言ってはなんだけど、先日出張のついでに日本に置いてあったウィルコ・ジョンソン関連のCDを持ってきた。これ以外にもドクター・フィールグッドのアルバムがいくつかあったはずなんだけど、探し出せなかった。せめて、これを聴きながらマニラで擬似お別れツアーをしよう。あとは、最後のCDが発売されたら、真っ先に正規の価格で買って、日本のことをずっと気にかけてくれた彼に恩返ししないとね。

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2013年01月08日

ラスヴェガスにて 2

2年前のあの痛恨の出張時からここのところ毎年1月初旬恒例となっているラスヴェガスに今回も来ている。日本からでも決して近くはない場所だけど、マニラからだと成田まで4時間、飛行機を乗り換えてLAまで9時間、さらに乗り換えてラスヴェガスまで1時間と、乗り換え時間も入れると20時間ほどの長旅。

今回は、一昨年・昨年と続けて泊まったハード・ロック・ホテルではなく、ラスヴェガス大通り沿いにあるミラージュというホテル。今年は誰の写真の部屋かなと期待していたので、ちょっと残念。ところが、ミラージュといえば、ここを読んでくださっている方でも知ってる人はご存知だろう(あたりまえ)、あのシルク・ドゥ・ソレイユの「LOVE」の本拠地だ。そう、ビートルズをモチーフにした公演。ホテルの外壁にも4面にわたってでかでかと広告が。

一昨年・昨年と今回が違うのはホテルだけではない。今回は、6年前に初めてここに来てMGMグランドで「KA」を観たとき同様、取引先の勉強会と接待が目的ではるばるラスヴェガスくんだりまで来た。7日の早朝にマニラを出て、20時間かけて飛んできたのに時差でひっくり返されて、ミラージュにチェックインしたのは7日の午後2時。到着日の夜から早速簡単な勉強会があったんだけど、それが終わったら取引先の皆さんは時差ぼけで速攻部屋に退去。で、調べてみたら本日の「LOVE」の最終公演が21時半から。今20時50分。これはもう、時差ぼけとか言ってられないよ。早速その場でチケットを押さえ(迷わず一番高い180ドルの席)、スーツを着替える暇もなく入場。

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かなり満席に近かったのに、そんな直前に取った割にはさすが180ドルのすごくいい席で、前から6列目(というか、前にいくにつれて細くなっている場所だったから、僕の目の前には誰もいない)、演者がどんどん出てくる通路際という、臨場感たっぷりの場所。開演前、まだ携帯禁止のアナウンスが入る前に僕の席からこっそり撮った写真がこれ。通路際とは言っても、ステージは360度どちらが前とか後ろとかないから、全然気にならない。砂かぶり感満点。

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シルク・ドゥ・ソレイユの記事を書くときはいつもネタバレしないように苦労するんだけど、今回もできるだけ内容がわからないようにしよう。とはいっても特にはっきりとしたストーリーがあるわけでもなく、この公演のサントラ盤を聴いたことがある人ならご存知のとおり、ビートルズの歴史を順に追っているというわけでもない。

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『Love』

確か06年にこのサントラが出たときは結構な賛否両論だったと思ったけど、公式音源もお蔵だし音源も含めてビートルズの演奏やスタジオでの台詞などをジョージ・マーティンと息子のジャイルズがマッシュアップして作り出したこのアルバム、僕はまあ面白いなとは思って聴いていたんだけど、いざ目の前で繰り広げられる公演を観ながら聴くともう印象が全然違う。これ凄い。

たとえば、「A Hard Day's Night」のあの「ジャーン」ていうイントロが「The End」のドラムソロに繋がり、歌が入るときにはそれが「Get Back」になっているなんて、ビートルズのオリジナル信望者からするととんでもない冒涜なのかもしれないけど、目の前では例によって人間業とは思えないような十数人によるアクロバットが展開しているもんだから、もうこれはこの人たちのためのオリジナル音楽だと思えてしまう。

「KA」ほどもの凄いメカニカルなステージではないが、それでもさすがラスヴェガスのレジデント・ショー、ステージの形がどんどん変形したり、下からいろんなものが出てきたりと、ツアー・ショーでは味わえない醍醐味。いつものシルク・ドゥ・ソレイユと違うなと思ったのは、大きなシャボン玉を沢山作ったり、レンガの建物を壊したりと、偶然性に頼るような演出がいくつかあったこと。あと、演者がステージ上で英語を使っているのを初めて聞いたよ。まあ、音楽自体がいつもと違って英語の歌詞付きだからね。きちんと英国訛りだったのは、当然だけど感心。

「Lady Madonna」のときに出てきた黒人女性、お腹が丸見えだったんだけど、臨月かと思うほどの大きなお腹。きっと歌のテーマに合わせて着ぐるみみたいなのを着てるのかなと思ってたら、その後大団円で別のドレスを着て出てきたときもしっかりと大きなお腹。あれってほんとに妊娠してたんだ。大丈夫なのかな、あんなに激しいアクションして。隣にいた黒人男性とやけに親しげにしていたから、きっとお腹の子のお父さんはあの人なのかな。

その黒人男性は、大団円で僕の隣を走り抜けてステージを往復するときに僕の方を見てVサインするから、カーテンコールのときに親指を立てて返事してあげたら、左胸に手を当てて挨拶してくれたよ。砂かぶりで観たいい思い出のひとつ。他にも、あれ何の曲だったかな、ステージから前方の客席全部を白い布で覆ったときには、僕のいた場所はゆらゆらと揺れる布ですっぽり覆われてしまって、ステージがぼんやりとしか見えないとか(それはそれで楽しい)。

スクリーンに時々映されるビートルズの映像なんかも含めて、普段のシルク・ドゥ・ソレイユとはまた違った楽しみが沢山。それでいて、アクロバットはかなり激しいし、恒例の幻想的なシーンも感動的だし(「Octopus' Garden」の海底のシーンとか)、これはかなりお勧め。ビートルズをよく知らない人が普通のシルク・ドゥ・ソレイユ以上に楽しめるのかどうかは僕にはわからないけど、音楽ファンがシルク・ドゥ・ソレイユをまず何か体験してみたいというなら、まずはこれかな。もっとも、そのためにラスヴェガスまで来ないといけないのがかなりのネックではあるけれど。

終了後にギフトショップで見かけた、4人のサイン入りのポールのベース。こんなのを見られただけで、今回はハード・ロック・ホテルじゃなくてもよかったよ。

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あまりに混雑していたから何も買わずに出てきたけど、「LOVE」製作にまつわるドキュメンタリーDVD『All Together Now』が20ドルだっていうから、このホテルにいる間にまた時間見つけて買いに行こう。

さてと、時差ぼけが逆に効いてきてもう夜中の2時だというのに全然眠くないけど、今寝ておかないとまた明日大変なことになるから、さっさとシャワーしてもう寝よう。出張初日からいいもの観れてよかった。この後も無事過ごせますように。

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ちなみに前回の「ラスヴェガスにて」という記事は「非音楽的」カテゴリーに入れたんだけど、さすがに今回のを非音楽的と呼ぶのはあまりにも抵抗があるね。というわけで、「雑記」カテゴリー、と。
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2012年09月30日

ポリ塩化ビニル頭

フィリピンのCD屋さんが意外に充実しているという話は8月8日の記事に書いたけど、ネットで知り合ったとある方のためにフィリピンプレスのアナログ盤を探すことになったときには、はたと困ってしまった。マニラに来てかれこれ2ヶ月、仕事柄あちこちのショッピングモールに出かけるけれど、どこのモールも判で押したように二つのCDチェーン店が出店しているだけで、当然のごとくアナログレコードを置いているような店なんてない。そもそもこの国の人は今でもレコードなんて聴いているんだろうか。

検索してみたら、あった。マニラに一軒、アナログ専門店が。僕の家から車だと30分ぐらいで行ける距離だ。さっそく先週末足を運んでみた。仕事の取引先の人に挨拶に行くたびに「いつ始めるんですか?」と訊かれ続けているゴルフは一向に始める気配もない僕も、こういうことに関してはアクション早いよ。

店の名前はVinylhead Records。二階建ての古びた建物の二階にある、日本で言うと10畳間ぐらいの小さな店。まず、依頼されたフィリピンプレスのシングル盤を探すが、残念ながら見つからなかった。この店のオーナーがアメリカ在住で、そっちから月一で送ってくるのが主な入荷源だそうだ。

続けて自分用に何かあるかなとLP棚をざっと見てみる。ほとんどが80年代にヒットしたアルバムだけど、たまに珍しいものもちらほら混じっている。値札を見ると、だいたいが日本円に換算して1000円前後。東京でレコファンやフラッシュに行けば100円で買えるようなものばかりだけど、もはやそんなところに気軽に足を運べない身には、こういう店の存在はありがたいね。

一時間近くいたけど、最後のほうになって若い客が一人入ってきた以外は、客はずっと僕一人だった。大丈夫なのかこの店。店員は意外にも若い女の子が一人。暇なのか、僕がLP棚をトントンやっているとしきりに話しかけてくる。ジェイムズ・テイラーの『JT』を試聴用プレイヤーに乗せながら「これなんてどう?」。「うん、いいね、それ持ってる」。「じゃあこれは?」「ありがとう、それも持ってる」。という会話がしばらく続く。まあこちらも急いで何か探してるわけじゃないから、しばしお付き合い。

「たくさんレコード持ってるんですね。いつ頃から集め始めたんですか?」「君が生まれる前」。「CDじゃなくてLPを買うのはどうして?」「いやCDもいっぱい買ってるし」。そのうち僕のことを何かの権威だと思い始めたのか、「これはどのジャンルに入れればいいかしら?」とか訊いてくる。

挨拶代わりに2枚ほどお買い上げ。
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イアン・ゴムの『Summer Holiday』、US盤は『Gomm With The Wind』っていうんだね。1979年当時はこの程度のギャグが通用したのか。タイトル見たことなかったからなんか珍しい盤なのかと思って買ったら、ごく普通のUS盤だった。もちろん中身は日本人が『Summer Holiday』と認識しているゴキゲンなアレ。久々に聴いたけどやっぱりいいね。300円弱で買えたし。

右側のドリーム・アカデミーのファーストはフィリピンプレス。ジャケットもいかにも再生ダンボールに印刷しましたといわんばかりのプリミティブな感じだし、裏ジャケとかレーベルとかうっすらカビっぽくなってたけど、記念にフィリピンプレスを買ってみようと思って。聴いてみたら、案の定バチバチとノイズが入るし音はかなり薄っぺらい。まあ記念品だから。

「新入荷があったらテキストするからお得意様名簿に名前と番号を残していって」と言われたのでそのとおりにしたら、一週間しないうちに新入荷のお知らせ。前回からちょうど一週間後の昨日、また行ってきた。「12時開店だから、時間どおりに来たほうがいいですよ」と言うから、日本人らしく11時55分に着いたら、もう既に店の中には客がびっしり。なんだこれは(a.開店時刻前に開けるなよ。b.この店こんなに繁盛してるのか)。

新入荷のお知らせでほしいと思ってたブツを「すみません、取り置きはできないので」と前夜に断られたけれど、僕が入店したらすぐに例の女性店員が「ここにあるから」と棚から探し出して渡してくれた。ありがとう。それをキープしてもらって、後は小一時間かけて満員のお客さんを掻き分けながらLP棚を物色。先週来たばかりだから品揃えはほとんど同じだったけど、今回も2枚お買い上げ。

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NZから帰国する直前に東京ドームのチケットを押さえたのに会議で行けなかったという悔しい思い出の08年再結成ポリースのライヴアルバム。出た当時はその悔しさのために無視していたけど、米ベストバイ限定発売という3枚組重量盤LPがシールドで入荷したというから、これは迷わずゲット。さっき書いた、店員とやりとりしたのはこれ。日本円にして4000円ちょっとはリーズナブルだと思うんだけど。さっき通して聴いてみたら、なんだかやたらごつい音を出すバンドになってしまったねというのが印象。特に初期の、アンディ・サマーズのスペイシーなギターが広い空間を感じさせていた曲ほど、なんだかべったり音を塗り込められたように思えて、ちょっと違和感。

CDは出た当時に買ったけど、2枚組3面(D面には音は入っていない)のこの『Big World』のLPもずっと欲しかったんだ。LPだけについている6ヶ国語の歌詞カード(英独仏伊西日)も26年越しでようやく見ることができた。そして、2トラック・デジタル・ライヴ・レコーディングだったこのアルバム、もちろんCDでもいい音だったけど、こうしてアナログで聴くとまた抜群に音がいい。盤もジャケも歌詞カードも状態いいし、こんなのを850円程度で買えるなんてラッキー。

狭い店内でわいわいと試聴したり歓談したりしているアナログファンのフィリピン人たちを後に、いい買い物したとニコニコしながら店を出て、帰りに立ち寄ったショッピングモールの閉店セール中のゴルフ用品店で(観念して)ゴルフシューズと手袋と(安いからこれも買ってけと押し付けられた)ボールを買って帰った。来週からちゃんと練習しないとな。
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2012年08月08日

マニラ5日目

日本でどれだけ報道されてるのかわからないけど、月曜の夜あたりからマニラちょっと大変なことになってて、激しい雨が降り止まない。僕がいま泊まっているホテルとオフィスの間はなんとかもちこたえてるけど、マニラ北部のケソン市とか、ルソン島のもっと北の方では大洪水になってて、今朝時点で死者14人、家屋浸水などで被害を受けたのが54万人というから相当なものだ。さすが台風の生まれる国だけあるな。とか感心してる場合じゃないけど。

新聞から勝手に盗ってきた写真で見るとこんな感じ。
flood1.jpg

あとこんなんとか。
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テレビのニュースでも見たけど、子供は道を泳いでるね。たくましい。

まあそんなこんなで、着任早々いきなりの洗礼という感じだけど、なんとかがんばりますよ。

これだけだと普通のブログみたいなので、もう少し追加。KL出張から戻ってきた先週末、ホテル近くのショッピングモールをぶらぶらしていたら、早速CD屋発見。チェーン店っぽいので特に大きな期待もせずに覗いてみたら、なんと。

北欧もの、北UKものがざくざく。なんでこんなものがフィリピンにと思うようなものばかり、次から次へと。たとえば、前にブログに載せたこんなのとか。
Wave Another Day Goodbye.jpg

こんなのとか。
The World Spins On.jpg

あとこんなんとか。
Loveless Unbeliever..jpg

普通に置いてある。僕の持ってるのでブログに載せてないやつだと、

Clinging To A Scheme.jpg
こゆやつとか、

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こいつとか、

React Or Die
あとこれとか、もうタイトル書くのもめんどくさいからわかってくれる人だけびっくりしてくれればいいけど。

で、とりあえずということでこの3枚を買ってみた。
all blackshirts to me.jpg

helping hands.jpg

hits in the car.jpg

で、これまたびっくりなのが、これ全部フィリピンプレスで、一枚当たり350ペソ。今の為替で計算すると、630円也。新譜一枚630円ですわよ奥さま。ちょっと持ってないやつ全部買いたくなる。ホテルの部屋に戻ってもCDプレイヤーもないのに。

買った3枚のうち最初の2枚を手に持ってパタパタ検索してたら、なんの変哲もない普通の売り子のおばちゃん(と呼ぶのはちょっと失礼な年齢だろうけど、見かけおばちゃんのお姉さん)が、それ好きならこれはどう?と持ってきてくれたのが最後のストロベリー・ウィプラッシュとホットチップの新譜(そっちは買わなかったけど)。なんでそんなに詳しいの。チェーン店の雇われ店員なのに。

品揃えの深さで言ったらリアルグル―ヴィーなんかには全然敵わないけど、何故フィリピンで北欧ものが受けるのかという謎も含みつつ、これからの音楽生活がちょっと楽しみになりそうな感じ。
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2012年07月01日

ジミオン六周年記念対談

yas:なんとかぎりぎり7月1日中に間に合ったね。

やす:そうやな、ちょうど今日の便で移動なんていう出張に当たってしもたから、どないしよかと思ってたけど、機内の時間とか駆使してなんとか。それにしてもなんでこうほとんど毎週末移動みたいな過酷な出張ばっかり入れよるんやろなうちの会社は。

yas:まあ景気悪いからしょうがないけどね。週末動いて平日きっちり働けと。さて、というわけで、この7月1日恒例記事を投稿する場所が、一年目のオークランド、二年目の台北、三年目の東京、四年目のクアラルンプール、五年目のロンドンに続いて、今年はフィリピンのマニラ。

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やす:マニラは初めて来たな。夜中に着いたばっかりやから、空港と真っ暗で土砂降りの道路とホテルの部屋しかわからんけどな。そやけどまあとりあえずなんとかジンクスはつないだと。それにしてもあれやね、この空港に降り立ったときの東南アジア独特の匂い、懐かしいよな。チャンギとかKLIAやと洗練されてしもて、もうこんな匂いないもんな。

yas:そうだね、アジアに来たって感じするね。じゃあ、早速恒例の記事数リストからいこうか。今回は数えなくてもだいたい傾向はわかるけどね。

  アルバム: 40 ⇒ 25 ⇒ 35 ⇒ 19 ⇒ 13 ⇒ 2
  コンサート: 10 ⇒ 7 ⇒ 12 ⇒ 14 ⇒ 16 ⇒ 28
  ビデオ: 2 ⇒ 0 ⇒ 4 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 2
  yascd: 10 ⇒ 0 ⇒ 2 ⇒ 3 ⇒ 1 ⇒ 5
  雑記: 24 ⇒ 11 ⇒ 12 ⇒ 11 ⇒ 15 ⇒ 7
  非音楽的: 6 ⇒ 2 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 1 ⇒ 0
  創作: 0 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 0 ⇒ 0 ⇒ 0
  日記: 0 ⇒ 2 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 1

(数字は左から、一年目 ⇒ 二年目 ⇒ 三年目 ⇒ 四年目 ⇒ 五年目 ⇒ 六年目)

やす:全部で、えーと45記事か。見事なまでにライヴ記事しか書いてへんな。去年まではまだそれに拮抗するぐらいの数のアルバム記事書いてカムフラージュしてたけど、もう完全に開き直ってライヴ行きまくってる感じがよう出てるな。そんなことしてるから週末に飛行機乗ってどっか行け言われるんやで。

yas:まあしょうがないね、このライヴ記事の中には、ロンドン出張中に時間をやりくりして観たレジャー・ソサエティとかジュールズ・ホランドとかもあるから、文句ばかりも言ってられないよ。

やす:だいたいライヴ記事の数が行ったライヴの数やから、この1年間で28回、平均したら月2回以上観てたことになるもんな。

yas:それでいて、「あれはちょっといまいちだったな」なんてレベルのがぱっと思い出せないぐらい、いつもいいライヴばかり観てるよね。ほんとラッキーだよ。タマス・ウェルズとかラディカル・フェイスとかジム・ボジアとかサニー・ランドレスとか、来日したら観られるだけ全部の公演観るという人たちもこの一年は沢山来たしね。

やす:そやな、時々「去年のベストライヴは?」とか聞かれることあるけど、今ざっとその28記事見直してみたら、そんなんとてもやないけど選ばれへんわ。これでも、あんまり多いからちょっと行ってみたい程度のアーティストはことごとくスルーしてるぐらいやもんな。特に、カフェ・ゴーティさんが誘ってくれはるライヴは、マット・ジ・エレクトリシャンとかゲイリー・ジュールズとか、俺にとっては超大当たりの人が多いから、ほんまは時間さえ合うたら全部行ってみたいんやけどな。

yas:前にお誘いメールが来たけど行けなかったティム・イーストンも、こないだCD買って聴いてみたら凄くよかったしね。また来ないかな。今度はなんとか都合付けて生で観てみたいよ。

やす:そやな。ところで、yascdがなにげに増えてるやん。

yas:10曲入りのminiとか5曲入りのとか、ちょっとした企画で手軽に作ったのがメインになってきたからね。それもこれも、最近よく一緒にライヴ行ったり夜通し集まったりしてくれるグレンヘッズの仲間たちが楽しいお題を出してくれたり乗ってくれたりするお蔭だよね。最近だと「私のコステロ5曲」とか。

やす:あれは楽しかったよな。自分で選曲とか考えんのも楽しいし、他のメンバーのセレクション聴くのも、更に言うたら他のメンバーがどんなセレクションで来るかを予想するのも楽しいからな。たった一個のお題でどんだけ楽しめるんやっちゅー感じやね。次はいつ何のテーマでやろかな。

yas:テーマを考えることからもう既に楽しいよね。まあ、面倒なお題を与えられて、忙しい中を渋々選曲させられる人たちにとってはたまったもんじゃないかもしれないけど。さて次は、誰について沢山書いたか、だね。ライヴ記事ばかり書いてるから、当然沢山ライヴに行った人たちが上位に来るのは予想できたんだけど、結果はこう。

  一位:ジム・ボジア(大特集4、小特集1)
  二位:ニック・ロウ(大特集2、小特集3)
  三位:ウェリントンズ(大特集2、小特集2)
  四位:ロン・セクスミス(大特集1、小特集3)
  五位:サニー・ランドレス(大特集3、小特集0)

やす:さすが、この1年で3回も来日してるだけあって、ダントツ1位やなボジやん。

yas:誰がボジやんだよ、馴れ馴れしい(笑)。去年の10月に横浜で1回鎌倉2回、そして今現在このブログで最新のライヴ記事となる5月末の鎌倉でのライヴと、とにかくこの1年はボジアのライヴを観まくったという感じだね。7月で区切ってるからこの集計には含まれてないけど、去年の5月にも観てるからね。

やす:四位以外は全部複数回ライヴ観てレポート書いたのがそのまま反映されてるんやな。ロンちゃんの小特集て何やと思って見てみたら、去年のベストアルバム記事のダブルカウントみたいなやつと、あとはブックオフでこんなん捨て値で買うたでとかいうしょーもない記事か。そんなんで四位入れてロンちゃんラッキー。

yas:まあ、こんなランキングに入れたからってラッキーでもなんでもないのは明白だけどね。それで、去年も訊かれたけど、大特集の多いのがランキングが上なのか合計数なのかという問題、僕にしては珍しくルールも決めず適当に順位をつけていたら、今回は本当に接戦で参った。だから今回からは、合計回数の多い方が上、同点の場合は大特集の数の多い方が上、というルールにしたんだ。

やす:それでロンちゃんラッキー、と。

yas:いや、だからラッキーではないと思うけど、そのルールのせいで2回ずつライヴ観たのにたまたま小さい特集で取り上げられなかった人たちがランキングを外れるのはいかがなものかと思ってね、今回はベスト10にした。

  六位:ラディカル・フェイス(大特集2、小特集1)
  七位:ファウンテンズ・オヴ・ウェイン(大特集1、小特集2)
  七位:レジャー・ソサエティ(大特集1、小特集2)
  九位:タマス・ウェルズ(大特集2、小特集0)
  九位:ジョニー・ウィンター(大特集2、小特集0)

やす:おう、なんかタマスの名前が入ってるだけでいきなりこのブログっぽくなるな。それにしてもラディカル・フェイス、レジャー・ソサエティ、タマス・ウェルズと、白鳥マークでお馴染みのリリコレーベルばっかりやん。賄賂でも貰ってんのかお前は。

yas:なにが白鳥マークでお馴染みのだよ(笑)。勝手に変なキャッチフレーズ付けられて向こうも迷惑だって。だいたい賄賂払ってまで名前を載せてもらうほどの価値がこのブログのどこにあるんだよ。

やす:そやな、こんなアルバムレビューも全然載らんようになった音楽ブログ、ほんまに最近は単なるライヴ行ってきました日記にしかすぎへんからな。せいぜいトイレットペーパー使い切ったら最後に出てくる芯に書いてある「ありがとうございました」並みの価値しかないわな。

yas:そこまで言うかね。まあ、最近は確かにいいアルバム買ってもなかなか集中してそのことばかりを考えてブログの記事に仕立てる気力がなかなか湧かなくてね。ちゃんと書きたいなと思ってるのは何枚もあるんだよ。例えば先月買ったものの中では、スクイーズのライヴアルバムとか、ブライアン入りビーチ・ボーイズとか、月末ぎりぎりにやっと届いたジェブ・ロイ・ニコルズの新作とか。

やす:ああ、「この人のアルバムを紹介すると僕の生活に転機が訪れる」っちゅう、かの悪名高きジェブ・ロイやな。

yas:いや別に悪名高くはないけど(苦笑)。でも、そのジンクスもまたつなげるために、ここでちょっとだけ紹介しておこうか。裏ジャケのコピーライト表記は2011年になってるけど、実際に出たのは今年になってからのはずの新作『The Jeb Loy Nichols Special』。調べてみたら、ラフトレードでだけ流通している2枚組限定盤があるっていうから、なんとかそれを探して買ってみた。そしたら2枚目はジェブがコンパイルしたスタックスレコードのミックス。なんだつまんないと思いきや、これが見事に本編の1枚目から繋がっているような優れた内容。というか、本編の種明かしみたいなコンピ。どこででも手に入るわけじゃないけど、まだ入手困難というほどでもないから、興味のある人は是非2枚組の方をどうぞ。中身はいつものジェブ・ロイ印。上にリンクを張った『Parish Bar』収録の「Countrymusicdisco45』の再録も入ってるよ。

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Jeb Loy Nichols 『The Jeb Loy Nichols Special』

やす:何を一人で一気に喋って、おまけにジャケ写まで貼っとんねん。今日は対談記事やいうの忘れたんか。それに、そのジンクスつなげるってなんやねんな。

yas:「僕の生活に転機が訪れる」ってやつ? そうなんだよ、実は来月からマニラ駐在が急に決まってね、今回はその事前出張なんだ。

やす:なんやて? ほなさっきから散々書いてた、誰それがまた来日したら行きたいとかいうのはあれ何やったんや。全部ウソか。そんなん行かれへんやんけ。お前な、ウソツキは泥棒の始まりやねんぞ。

yas:子供か君は。まあ確かに今みたいに二週間ごとにライヴに行くなんて生活ではなくなってしまうだろうけど、前に住んでたオークランドとは違って東京まで4時間半ほどのフライトだから、本当に観たいアーティストが来日したらまた駆けつけるよ。

やす:お前の得意な仮病使うんやな。

yas:人聞きの悪いこと言わないでくれよ。まあそんなわけで、8月からはこれまでとはまた生活が一変してしまうだろうから、このブログもどれだけコンスタントに更新できるかわからないけど、できればまたマニラ版リアル・グル―ヴィーみたいなお気に入りの店を見つけて、ちょっとずつでも書いていきたいな。

やす:このブログ始めて最初の1年半がオークランド、次が東京で4年半、ほんでこれからはマニラ発になるんか。ジミオン第三章っちゅうわけやな。まあお互いこれからも頑張ろうや。
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2012年06月24日

レコファン下北沢の83枚

2年前の8月22日に「HMV渋谷の110枚」という記事を書いた。その日で20年間の営業を終えた、かのアイコン的CDショップで僕が買ったものについて、若干の感傷を込めて書いたものだ。当時は僕のブログだけでなくあちこちで取り上げられていた話題だし、テレビのニュースにもなったぐらいの大きな現象だった。

それから約2年、僕の知る限りでは一部のブログやツィッターなどで小さく話題になっているだけだけど、僕にとっては別の意味でHMV渋谷と同じぐらい重要なCDショップが本日その生涯を終えることになったので、この記事を書くことにした。題して「レコファン下北沢の83枚」。中途半端な数字だけど、最後の買い物に出かけた昨日買ったものを足すとたまたまそうなった(どうしても3枚落とせなかった)。

HMV渋谷記事のコメント欄に僕は「僕がよく利用するCD屋であるディスクユニオンやレコファン、それからNZ時代のリアル・グル―ヴィーでは僕はほとんど中古ばかり買っていますから、こんな風に何年に何を買ったという記録をつけても、ちっともそれがその時代を写す鏡になり得ないのです」と書いた。確かにそれはそうだけど、今回この83枚のリストを眺めてみると、「新譜をどこよりも安く売るレコファン」と「大量に中古を揃えるレコファン」という、このチェーン店の二つの顔を僕はフル活用していたんだなと改めて思い知った。HMV渋谷で買ったものほどその年を象徴しているわけではないけれど、僕にとってその後ずっと重要な位置を占めるアルバムが沢山。


<1988年>

1. Sting 『...Nothing Like The Sun』
2. Don Dixon 『Romeo At Julliard』
3. Morrissey 『Viva Hate』
4. Billy Bragg 『Help Save The Youth Of America』

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5. Graham Parker 『The Mona Lisa's Sister』
6. The Beatles 『Past Masters Volume 1』
7. Scritti Politti 『Boom! There She Was』


88年は僕が東京に移り住んだ年。自分の生活に大きな変化があった年なので、この頃に聴いたアルバムはどれも思い出深いね。最近自分内でブーム再燃のモリッシーもこの時がソロ活動の開始だったし、僕がグレアム・パーカーのアルバムを本格的に聴き始めたのは実はこのアルバムが最初だった(この後、自分内大ブームが来ることになる)。


<1989年>

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8. The Housemartins 『The People Who Grinned Themselves To Death』
9. The Pogues 『Peace & Love』


自分内大ブームといえば、この前年にFMでライヴ放送を聴いて大ファンになったハウスマーティンズもこの時期にまとめ買いしている。まとめ買いといってもオリジナルアルバムは2枚しか出ていなかったから、解散記念に出した2枚組ベストの他に、12インチや10インチのシングル盤や、各メンバーがバラバラと出した別ユニットのレコードなども小まめに買い集めたな。別ユニットの中では当然のごとくビューティフル・サウスしか生き残らなかったけど。


<1990年>

10. John Wesley Harding 『It Happened One Night』

この年には1枚しか買ってないね。しかもこのアルバムは後に拡大版『It Happened One Night & It Never Happened At All』として再発されたので、そのとき売っ払ってしまった。


<1991年>

11. Billy Bragg 『Don't Try This At Home』
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12. Garland Jeffreys 『Don't Call Me Buckwheat』


この年まで今とは駅の反対側になる北口を出てしばらく歩いた商店街のはずれの建物の2階にまるで隠れ家のように居を構えていたレコファン下北沢店のことを僕が一番鮮明に思い出せるのは、このガーランド・ジェフリーズ久々のアルバムを買ったときのこと。店に入るとこのアルバムがBGMとしてかかっていて、聴いたことのないガーランド・ジェフリーズのアルバムだ!と思って即座にレジに直行し、在庫がないというのでそこでかかっていたそのCDをそのまま売ってもらったんだった。懐かしいな。


<1992年>

13. Guns n' Roses 『Appetite For Destruction』
14. Graham Parker 『Sweet Home Chicago』
15. Neil Young & Crazy Horse 『Weld』
16. Ian Dury 『New Boots & Panties!!』
17. Little Village 『Little Village』
18. Beautiful South 『0898』
19. Bruce Springsteen 『Human Touch』
20. Bruce Springsteen 『Lucky Town』
21. Squeeze 『A Round And A Bout』
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22. Five Thirty 『Bed』
23. Billy Bragg 『Sexuality』
24. Nils Lofgren 『Crooked Line』
25. The Who 『Tommy The Movie』
26. Brinsley Schwarz 『The New Favourites Of...』
27. Peter Gabriel 『Us』
28. Paul McCartney 『Unplugged - An Official Bootleg』
29. Neil Young 『Harvest Moon』
30. Neil Young + Crazy Horse 『Ragged Glory』
31. Queen 『Magic Tour Live』 LD


前年まで年に1-2枚しか買っていなかったのに、この年いきなり19枚も買っている理由の一つは、南口店がオープンしたこと。南口といっても今のレコファンがある場所じゃなく、本多劇場近くの小田急線沿い。店の場所を正確に覚えていないんだけど、あの場所今は何になってるんだっけ。元の下北沢店はそのままの場所で下北沢北口店に名称変更。この19枚のうち11枚を僕は南口店で買ってるね。やっぱり駅から近かったのが大きい。

僕にとって重要なアルバムが何枚もあるけど、この年を代表するものを1枚と言われたらやっぱり画像を載せたファイヴ・サーティーの『Bed』かな。この人たちもこのアルバムを聴いて大好きになり、シングル盤とか後のポール・バセットやタラ・ミルトンの関連アルバムまで小まめに集めたものだった。


<1993年>

32. Queen 『Live Killers』
33. Bob Dylan 『Hard Rain』
34. Bob Dylan 『Blood On The Tracks』
35. Paul Weller 『More Wood』


この年の2月に僕は東京を離れて15年に亘る海外生活を始めている。出張で東京に来たときは主に渋谷や新宿で買い物をしていたから、下北まで足を延ばす回数はぐっと減ってしまった。ポール・ウェラーの日本企画盤以外は全部所謂過去の名盤みたいなのを中古で買っているだけだね(全部北口店にて)。そして、この翌年の94年には僕はレコファン下北では一枚も買っていない。


<1995年>

36. Nova Mob 『Nova Mob』
37. Dave Edmunds 『Riff Raff』
38. Garland Jeffreys 『Hail Hail Rock 'n' Roll』
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39. Graham Parker 『12 Haunted Episodes』


さっきからタイプしてて気づいたんだけど、どうも僕はガーランド・ジェフリーズやグレアム・パーカーのCDとなるとこの店でよく買っているな。グレアムは僕が本格的に聴き始めた『Mona Lisa's Sister』や『Live Alone In America』あたりから既にそれまでの熱いロックンローラータイプから渋めのSSW風のアルバム作りにシフトし始めていたんだけど、もうこの頃になるとかなり枯れた趣。上3枚は北口店、写真のアルバムを南口店で同日に購入。


<1998年>

40. Marshall Crenshaw 『The 9 Volt Years』
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41. John Fogerty 『Premonition』
42. The Beach Boys 『Smiley Smile』


96年・97年はゼロ。98年はすべて南口店でこの3枚を一日で購入。もうこの頃には僕にとって下北沢というのはそれほど縁の遠い街になってしまっていたということか。タイトルを書いていてジャケが思い出せなかったけど、ジョン・フォガティのこのライヴ盤、結構よく聴いたよな。

そして、翌99年から僕が帰国する07年まで、レコファン下北沢での購入はぴったり止んでしまっている。その間に、あの懐かしい北口店はいつの間にか店を畳んでしまって、南口店は南口2店として今の場所(駅から遠くなってしまった)に移転。僕にとってのレコファン下北沢の失われた10年だ。


<2008年>

43. Dreamboy 『Dreamboy』
44. Grin 『1+1』
45. Low Season Combo 『Low Season Combo』
46. Golden Smog 『Blood On The Slacks』
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47. Biff Bang Pow! 『L'amour, Demure, Stenhousemuir』
48. Youssou N'Dour 『Rokku Mi Rokka』
49. I Am Robot And Proud 『Uphill City』
50. Teddy Thompson 『A Piece Of What You Need』


前年暮れに日本に戻ってきて、以前と同じく小田急線沿いに住むことにしたので、僕の下北沢詣での日々が復活することになった。中古盤と新譜のほどよいミックス。前にyascd012に入れたロウ・シーズン・コンボ以外にはそれほど聴き込んだといえるアルバムはないことに気づき、10〜20年前と比べて買う枚数は増えたけれど1枚1枚にかける時間と情熱がそれだけ減ってしまっていることを反省。

そんな中でもよく聴いたそのロウ・シーズン・コンボのファーストアルバムでなく、あえてビフ・バン・パウ!のこのベスト盤を載せたのは、地味なこげ茶色のジャケでなくこちらのジャケ写を載せて少しでもブログを華やかに見せようという作戦。

ディランの『Blood On The Tracks』をもじったゴールデン・スモッグの『Blood On The Slacks』(『血の轍』ならぬ『ズボンに血』)を、僕がそのディランのアルバムを買ったのと同じ店(正確には移転してるけど)で15年後に買った偶然に今回リストを見て気づいたのがちょっと嬉しい。


<2009年>

51. Owsley 『Owsley』
52. Tom McRae 『King Of Cards』
53. Midlake 『Bamnan And Silvercork』
54. Bananaskin 『Countryside Has Opened My Tired Eyes』
55. Dungen 『Ta Det Lugnt』
56. David Mead 『Indiana』
57. Matthew Sweet 『To Understand - The Early Recordings Of』
58. Owl City 『Of June』


全て中古。これ全部で計5605円。前年のロウ・シーズン・コンボもそうだったけど、ここでのバナナスキン(フィンランド)とかドゥンエン(スウェーデン)とか、この頃の僕は北欧づいていたというのがよくわかるリスト。後にザキヤマ扱いされるデイヴィッド・ミードのCDもここで初めて買っている。


<2010年>

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59. Them Crooked Vultures 『Them Crooked Vultures』
60. Squeeze 『Spot The Difference』
61. Bruce Springsteen & The E Street Band 『London Calling Live In Hyde Park』 BD
62. The Futureheads 『The Chaos』
63. Wyatt / Atzmon / Stephen 『...For The Ghosts Within』
64. Various Artists 『Short Circuit Live At The Electric Circus』
65. Bon Iver 『Blood Bank』
66. The Derek Trucks Band 『Roadsongs』
67. Brian Wilson 『Reimagines Gershwin』
68. Paul Weller 『Heavy Soul』


ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズとかスクイーズとか、当時このブログで取り上げたアルバムが並んでるね。中古も何枚かあるけど、この年は比較的たくさん新譜をここで買ってるな。


<2011年>

69. Huey Lewis And The News 『Soulsville』
70. Department Of Eagles 『Archive 2003 - 2006』
71. Panic! At The Disco 『Vices & Virtues』
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72. Nick Lowe 『The Old Magic』
73. Everybody Else 『Everybody Else』
74. Peter Blegvad & Andy Partridge 『Orpheus The Lowdown』


このニック・ロウのアルバムを買ったのは、パワーポップ・アカデミーの日だったな。おばさんジャケにはいまだに慣れないけど、その前月に観たライヴ共々、いい内容には満足。ピーター・ブレグヴァドとアンディ・パートリッジのこのアルバム、元はいくらだったのかわからないけど、僕が買ったときには1080円の値札に赤い200円引きのステッカー、更に店内あげて200円引きセール中だったから、新品なのに680円という嬉しいお値段。レコファンって、しょっちゅうこういうセールやってるからつい足を運んでしまうんだよね。


<2012年>

75. Elvis Costello & The Imposters 『The Return Of The Spectacular Spinning Songbook!!!』 CD+DVD
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76. Chilli Willi And The Red Hot Peppers 『Bongos Over Balham』
77. Chris Von Sneidern 『The Wild Horse』
78. The Sportsmen 『Spirited』
79. Peter Blegvad 『The Naked Shakespeare』
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80. The Red Button 『She's About To Cross My Mind』
81. Tim Easton 『The Truth About Us』
82. Jamie Cullum 『Catching Tales』
83. Del Amitri 『Twisted』


このコステロのDVD付きライヴアルバムをゲイリー・ジュールズとジム・ビアンコのライヴに行く前に立ち寄って買ったときには、まさかそのわずか3か月後にはこの店が閉店してしまうなんて思いも寄らなかった。

そして昨日。久しぶりに訪れた下北沢南口店には、「6/24(日)最終日! いよいよ最終章!」というポスターが所狭しと貼ってあった。恒例の200円オフセール中だ。もう長いことこの店で全ての棚をじっくり観るということをしていなかったけど、最後だからと思って、1階の新入荷コーナー、2階に上がって中古新入荷コーナー、通常コーナーをAからZまで、そして100円〜コーナーもくまなくチェック。2時間ちょっとで収穫は8枚。計5485円というのはまずまずかな。結構珍しいものや前から欲しいと思ってたのもうまく買えた。前年に引き続いてピーター・ブレグヴァドのアルバムをまたこの店で購入(プロデューサーがアンディ・パートリッジだという偶然も)。

下北にはまだユニオンもフラッシュもイエローポップもドラマもあるけど、まさかこの街からレコファンが真っ先になくなってしまうなんて、最終日の今日になってもまだ信じられない。なんだかこれでまた自分の足が下北から遠ざかってしまいそうな気がするよ。本当に残念。

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長い間ありがとう。渋谷BEAM店への統合という無理やりな理由をサポートしてあげるために、これからはもう少し頻繁にBEAM店にも通うことにするよ。
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2012年06月11日

4年半ぶりの買い物

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先月からまた怒涛の出張月間に突入していて、1泊5日サンパウロ行きとか0泊シンガポール行き終日仕事でそのままデリーへ移動とか、中々この歳になるとシャレにならない行程の出張を強いられている。先週デリーから成田に戻ってきてちょうど72時間後にまた成田空港から出発、経由地を経て14時間後の本日午後に降り立ったのは、空港の匂いを嗅いだだけで懐かしさのあまり腰が砕けそうになってしまったオークランド。

空港内のレイアウトこそ改装されていて以前の趣はなくなってしまっていたけれど、空港を一歩外に踏み出してからは、見る景色聴く音嗅ぐ匂いすべてが懐かしい。

昔ここに住んでいた当時は海外からの出張者を何度も泊めてロビーに送迎したホテルに初めて自分でチェックイン。なるほど、部屋はこんな風になってたんだ。そして、このホテルの裏側にあたる急な坂道を5分ほど下ると、そこには、懐かしいなんて言葉ではちょっと言い表せないあの場所が。

2007年11月24日、当時住んでいたオークランドでの最後の一日(のうち4時間)を過ごした、ニュージーランド最大の独立系レコード店、リアル・グル―ヴィー。僕がNZを離れたあと一旦倒産して、その後それぞれの支店のマネージャーや創業者が個人資本で経営を再開していたとのこと。でも今回ネットで調べてみたら、オークランド店しか出てこない。きっとクライストチャーチとウェリントンの店はその後やっぱり続かなかったんだね。

というわけで、明日からの会議に備えて準備が残っているけれど、夜7時には閉まってしまうあの店が開いている時間にホテルの部屋で仕事をしていても全くはかどらない。しょうがないから1時間半だけ抜け出して掘りに行こう。

店に入ると以前とは随分レイアウトが違う。なにより大きいのは、以前は地上・地下それぞれ1階だった店の地下部分がなくなっている。1階の、以前はDVDを扱っていた場所まで洋服やグッズが置かれていて、1階全体の半分ぐらいにCD・レコード・DVDが追いやられてしまっている。随分縮小したものだ。

とはいえ、とても1時間半で全部見られる量ではない。昔オークランドのCDショップガイドを書いたときに「気力と体力さえあれば、ここで丸一日過ごせる」と書いた店。規模が縮小したとはいえ、1時間半ではオルタナティヴのセールコーナーを網羅するのが精一杯(他に、オルタナティヴの通常価格コーナー、ロック/ポップの通常価格とセールコーナー、フォーク/カントリーの通常価格とセールコーナー、ジャズの通常価格とセールコーナー、クラシックの通常価格とセールコーナー、ワールドミュージックの通常価格とセールコーナー、R&B/ヒップホップの通常価格とセールコーナーとこれだけCDがあって、その他にLPが…え、もういいって?)。

僕がNZに住んでいた4年半前はNZ$1=約85円と、近来稀に見るNZドル高と円安のコンビネーション期。当時は何もしていないのに毎月毎月CDの価格が値上がりしていたように感じていたものだ。それが今ではNZ$1=約60円。当時と比べて3割もの円高NZドル安。何を見ても超特価。

セールコーナーの商品には正面右肩にアルファベットの載ったステッカーが(これがまたはがれにくい粗悪な糊で)貼ってあって、どのアルファベットがいくらかというのはその時々で変わる(そうやって在庫が滞留しないようにしているんだろうね)。今日は、AとFがNZ$5(300円)、BとDがNZ$4(240円)、CがNZ$15(900円)、EがNZ$12(720円)となっていた。

1時間半の時間制限付きだということでオルタナティヴのセールコーナーを決め打ち。目ぼしいものを次から次へと左手に持ち、右手で掘る。Aのコーナー(価格じゃなくて名前の)から順に見ていくと何列も行かないうちに左手の握力の鍛錬になりそうなぐらいの量になってしまう。しばらく進んだら手に持ったものを冷静な目で見つめて要らないものを棚に戻す。そうやってオルタナティヴのセールコーナーを見終えるまでが1時間弱。

同じぐらいの量があるロック/ポップのコーナーを見ていたのでは確実に時間切れになるので、比較的量の少な目なフォーク/カントリーのセールコーナーへ。この店は所謂オルタナ・カントリーをこのコーナーに入れているので、地味なアメリカン・ロックは意外とここにあったりする。が、本日はこのコーナーちょっと不発。既に持っているレイ・ラモンターニュばかり何枚も見ながら、新品未開封のリサ・ハニガンのセカンドをNZ$12でゲット。

収穫は、それを含めて8枚。暇でかつ目のいい人は下の写真を拡大して解読してくれればわかると思うけど、AとDが1枚ずつ、CとEが3枚ずつの8枚合計NZ$90(5400円)。15分ほど時間が余ったのでついでに何か買うものはないかと店内を物色。4月のレコード・ストア・デイのときにこの店もオリジナルTシャツを作ったようで、元々NZ$29.95だったそのシャツがNZ$20引きでNZ$9.95(600円)。Tシャツ好き&リアル・グル―ヴィー好きとしては迷わずゲット。サイズを合わせてみたら、どう見てもSサイズの方がMサイズより大きかったりするバングラデシュ製。

ああこれでゆっくり落ち着いて仕事ができる。冬なので陽が落ちるのが早く、外に出たときには6時前なのにもう真っ暗。心臓破りの坂を急ぎ足でホテルに帰り、何事もなかったかのように後輩と明日の会議の打ち合わせ。とりあえず目途が立ったところで近所のレストランでちょっと豪華めの食事をし(出張中だとはいえオークランドまで来て美味いワインを飲まずにいられますか)、ちょっと前に部屋に戻ってきたところ。

じゃあブログを書く前に収穫物を例のデータベースに載せて、と思ったら、ありゃ、リサ・ハニガンのセカンド、去年の11月に(あのときも怒涛の出張中に)香港で買ってるよ。またやっちまった。そういえばこのアルバム、買って聴いてみたらレイ・ラモンターニュがデュエットしててひそかに喜んでたんじゃないか。覚えてろよそれぐらい。まったく、急ぐとろくなことがない。

今回は日程の関係でオークランド在住があと数日あり、その後シドニーに移動の予定。とはいえ、この後は仕事がびっしり詰まっているので、もうCDを買いに行く時間は取れない。なので今日早々とこの記事をアップしておいた。もし数日後に<追記>とか書いてあったら、そのときは何かあったと察してください(笑)

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<6月12日追記>

このブログをいつも読んでくださっている方ならまあ概ね予想の範疇だと思うけれど、オークランド滞在2日目の今日もなんとか仕事を6時に終わらせ、ホテルに荷物を置いて坂道を下り、例の場所へ。今日は昨日チェックできなかったロック/ポップのセールコーナーに取り掛かる。閉店まで1時間しかないけど、この店内で一番大きなこのコーナーを見終えることができるかどうか。

ちなみに昨日いろんなジャンルのCDのコーナーがあることをダラダラと書いていたけど、今日行って確認してみたらあの他にメタルの通常価格とセールコーナー、レゲエの通常価格とセールコーナー、それにNZ国内アーティストの通常価格コーナーもあった(NZアーティストのセール盤は音楽性によってロック/ポップかオルタナティヴのコーナーに紛れ込んでいる)。まあ、本当にどうでもいい情報で字数稼ぎをしているけれど。字数稼ぎなんてする必要もないんだけれど。

Aの列を見ていたときにはほとんど目ぼしいものもなく、これは総数は多いけれど1時間あれば全部見られるなと思ったのもつかの間、続くBの列から引っ掛かりまくり。時折我に返って不要なCDを列に放流しながら右へ右へと進む。もう閉店時刻も間近で、火曜日の夜なんてほとんど客の姿も見当たらない。

結局、「閉店時刻の7時まであと10分」と思ったところでいきなり店の電灯が消され始め、Nの列に差し掛かろうかというところで店を追い出される羽目に。ちょっと最後の吟味が足りなかったかもしれないけど、本日の収穫は全11枚でNZ$79(約4740円)。昨日よりも平均価格をぐんと引き下げることができた。別に平均価格を下げるために買い物をしてるわけじゃないんだけど。

明日はいよいよオークランド滞在最終日。明日こそゆっくりしている時間はないので、もう追記はないよ。でも、Nのコーナーの途中から先を見ずに帰るのもこれまた気がかりなのも事実。

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2012年03月11日

500円CDと体脂肪

なんだかバタバタと慌ただしく過ごしているうちに、このブログももう3週間ほったらかしになってしまっているな。ほんとは先週フー・ファイターズのライヴに行ってそのレポートを書く予定にしてたんだけど、先月のメタル・ボックス・イン・ダブに引き続いてまたしても公演キャンセル。ほんとに最近そういうのが多いよ。僕は行く予定にはしてなかったけど、ルー・ルイスも入国できなかったらしいし(西新宿の某レコ屋兼呼び屋さんは一度お祓いに行くといいと思う)。

相変わらずCDは沢山買っているし、その中にもこれはと思うものがいくつもあるので、そういうアルバムについて書けばいいんだろうけど、なんだか公私ともに余裕のない忙しい日々を送っていて、どうもそういう気分にもならない。このままじゃ休眠ブログ化してしまうから、今日はちょっと気楽にどうでもいいことを書こう。

先月中旬の日曜日、ふと思い立って、うちから歩いて30分ほどの、いつもは行かないちょっと大型店のブックオフまで歩いて行った。暇だったものでね(すぐ上に「公私ともに余裕のない忙しい日々を送っていて」と書いていたのは誰?)。

その店に行くのはもう1年振りぐらいだったかな。前に行ったときに目ぼしいものは洗いざらい収穫したけど、さすがに1年も熟成させておくと500円以下コーナーもかなり入れ替わっているよ。500円コーナーから4枚拾い上げてレジに行こうと思ったら、ふと通りがかった100円のCDシングルコーナーになんとカーボン/シリコンのシングルが3枚も並んでる。あ、アラームのシングルなんてのもある。

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ちょっと大漁気味なので、当日限り有効の10%オフクーポン発動させて、計8枚で2180円。その後、当日限りのクーポンを有効活用するために、いつも行きつけの駅前ブックオフまで歩いて戻り、そこでも500円盤を2枚、計900円。オータム・ディフェンスのファーストなんてのがあったよ。

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最初の店からの帰り道、上り坂ですれ違った人が写真を撮ってるからなんだろうと思って振り返ってみると、遠くの富士山に沈む夕陽。ちょっと感動的な風景だったね。まさにこのジャケみたいな感じ。


それをきっかけに、週末ごとにうちから徒歩1時間圏内にある区内のブックオフの500円以下コーナーを制覇してみようということを思いついた。調べてみたら、うちの区内にはブックオフが11店もある。中にはとても1時間じゃ歩いて行けないようなところにもあるけど、とりあえず数週間分は大丈夫そう。で、先週の土日にそれぞれ別の店舗まで歩いて行った。たまたま最近会社から支給された万歩計をつけて歩いたら、土日それぞれ1万3千歩ぐらいの距離だった。

土曜日の収穫はちょっとイマイチかな。この店は確か半年ぐらい前に来たからまだ安物コーナーが完全に入れ替わってないね。一昨年あたりに世界各地のCD屋でやたらと見かけたブルーノ・マーズ(昔僕がこのブログに書いたNZのSSWと名前が紛らわしいけど音楽性は全然違う)500円也と、今になってマイブームのホワイト・ストライプス250円也。

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日曜日は初めて訪れた店。住宅地に突如としてそびえ立つ煙突とかに気を取られて適度に道に迷いながらたどり着いた。小さな店だったけど結構充実。来日が流れたフー・ファイターズの初期EPと、来日に備えて予習中のロン・セクスミスの旧譜がそれぞれ250円。スフィアン・スティーヴンスのロボットジャケが500円など、また10%オフクーポン使用で計4枚2025円。

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そして今週。昨日の土曜日はちょっと用事があって歩けなかったので、今日はちょっと多めに歩こう。もう1年ぐらい行ってないまた別の店まで歩いて40分程度。書き忘れたけど、先週から歩くときには片足1キロのウェイトを着けてるので、ちょっとした運動になるよ。

店に入っていきなり目についたのが、ちょうど買おうと思ってたスピッツの『おるたな』。500円コーナーじゃないけど、まあいいや、買おう。あとは、500円コーナーからオレンジ・ピールズの旧譜と、来日公演行こうかどうか迷い中のウィリー・ワイズリーの旧譜。それから、ビースティ・ボーイズの昔のベスト盤2枚組が250円。おるたなのせいで合計価格は跳ね上がったけど、中々の収穫。

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実はCDと一緒に、先月1〜5巻が安かったのでつい手を出してしまった某長編漫画の続きを各ブックオフの105円コーナーでコツコツと買い足してて、先週22巻まで入手済みだったのが、今日の店では24〜28巻しか置いてなかった。とりあえずそれを確保したうえで、そこから先週土曜に行った店に移動。23巻なしでこの5冊を来週までお預け状態になるのはちょっと耐えられない。

残念ながら次の店にも23巻は置いてない。しょうがないのでとぼとぼと家まで歩いて帰る。区内3か所を巡る冬の大三角形みたいな移動。

てくてく歩いたこの道は、ちょうど今日から1年前の同じ日に凍えながら歩いたのと同じ道。2時46分には立ち止まって黙祷しようと思ってたのに、ついうっかり忘れてしまって、家に辿り着いてからあらためて黙祷。

近所の商店街で早めの夕食を済ませ、家に帰る途中でいつもの駅前ブックオフに立ち寄ってみたら、105円コーナーには某漫画の23巻が。なんか今日はついてるな。冬の大三角形のおかげで今日は歩数も1万6千歩を超えたし、これで年明けのアメリカ出張で毎晩ハンバーガー食べ続けて増えた体脂肪も少しは減ったはず。
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2012年02月05日

2011年個人的ベストアルバム

本当ならこの週末はメタル・ボックス・イン・ダブのライヴに出かけて、今年に入って連続6つ目のライヴレポートを書いているはずだったのが、直前になってまさかのキース・レヴィン入国不可。楽しみにしてたのになあ。「中止」でなく「延期」ということだから、とりあえず新しい日程が決まるまで、払い戻しはしないでおこう。

そういうわけで、今日は延び延びになっている2011年のベストアルバム記事を書いてしまおう。2月にもなって去年のベストアルバムもあったもんじゃないけど、まあ一応けじめということで。まずは、例年どおり去年一年間で買ったものの集計から。

フォーマット   枚数   対前年
CD         286枚    +61枚
CDシングル     9枚     -2枚
CD+DVD(BD)   8枚     -8枚
DVD/BD       1枚     -4枚
ダウンロード     0枚     -1枚
LP           6枚    -21枚
シングル       5枚     -3枚
ボックスセット    4箱     -1箱


せっかく2010年に300枚切ったのに、去年はトータル319枚。内訳を見てみると、前年より20枚増えたのは全部CDアルバムのせいで、それ以外のフォーマットはすべて減っている。なかでも、おまけDVD付きのCDや、DVD/BDがごっそり減っている。なにしろ部屋に座って映像をゆっくり観ている時間がほとんど取れなくて、数年前に買ってそのままになっているのが沢山あるから、おのずとそういうのは買い控えている。世の中のCD店がどんどんDVD店化しているのとは完全に逆行しているね。

同じ理由で、LPの枚数もごっそり減ったなあ。部屋に座ってレコードをターンテーブルに乗せて、なんていう時間がなかなか取れない。余裕のない生活してるよな。

総枚数が増えたかわりに、一枚当たりの平均単価はぐんと下げたよ。平均1067円は僕がレコードやCDを買い始めた1979年以来の最安値。ここのところ数年間なかなか1200円台を下回れなかったのを、一気に200円近く下げられたのは、やはりこまめに3ケタ円CDを買い続けた成果だろう。

と、例によって誰のためにもならない自画自賛はこれぐらいにして、本題の2011年ベストアルバム選出に移ろう。去年の年末に友達の家に集まって年間ベスト発表会を催したときの僕のセレクションとは、10枚のうち2枚が入れ替わっている。年末ぎりぎりに買って、苦慮の挙句に差し替えたものだ。あのとき集まった友達以外にはどうでもいい話だけど(あのとき集まった友達にとってもどうでもいい話だけど)。


<第十位>
Hauschka 『Salon Des Amateurs』
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去年の5月に買ってすぐに気に入り、それ以来いつブログに書こうかとあれこれ文章を考え続けて早や9か月。結局このベストアルバム記事で初登場ということになってしまった(僕のパソコンのデスクトップで9か月間ずっと出番を待っていたこのジャケ写がようやく日の目を見ることができた)。

この細密画のようなジャケットに惹かれたのが、CDでなくわざわざLPを取り寄せた一番の理由。そして、このジャケットに包まれた音が、まさにこの繊細なイラストレーションを体現している。最近の僕が普段聴いている音楽や、このあと出てくる9枚のアルバムと比べるとかなり異色だが、このプリペアドピアノを中心に複雑に構築されたぎこちないダンス・ミュージックは、むかし中学生の頃にニューウェーヴやオルタナティヴと当時呼ばれた類の音楽を初めて聴いて、どこか知らない土地に連れて行かれたような気持ちになったことを久しぶりに思い起こさせてくれた。


<第九位>
Matt The Electrician 『Accidental Thief』
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去年10月のライヴで初めて聴いたこの人。ジム・ボジア目当てで出かけたそのライヴに出演していた4人の中ではなんだか一番ミュージシャンらしからぬ風貌で(名前も“電気屋”だし)、最初はほぼノーチェックだったんだけど、その柔らかい歌声とすっとメロディの立った曲に惹かれて数日後に訪れたカフェ・ゴーティで試しに1枚買ってみたのをきっかけに、その後こつこつと旧譜を買い足して(最後はゴーティのセールで一気に大人買いで)、あれから約3か月後の今ではもうほとんど全部のアルバムが手元に揃ってしまった。僕にとってはある意味2011年という年を代表するアーティストの一人になった。

なんだかちょっと手に取るのを敬遠してしまうヘンテコなジャケからはちょっと想像つかない、(ひと昔前のお洒落なサーフミュージックみたいなのとは一線を画す)あくまでも朴訥としたオーガニックな音が心地良い。また生で観てみたいよ。今年も来日してくれないかな。


<第八位>
The Sonic Executive Sessions 『2011』
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上にリンクを貼った昨年末の発表会で半数のメンバーに選出され、見事うちの仲間の2011年ベストアルバムの座を獲得したのがこのアルバム。もともとオリジナルは2010年に発表されていたようで、ネット上でもよく見かけるジャケ写は2011でなく2010と書いてあるものが多いんだけど、アカペラバージョンなどボーナストラック満載の日本盤が出たのは去年なのでOK。それにしても個人的には去年のかなり早い時期に買ってずいぶん聴き込んでいるので、このアルバムがわずか1年前のものだというのはちょっと信じられない感じだけど。


<第七位>
Ron Sexsmith 『Long Player Late Bloomer』
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続いてこれも、昨年末の発表会で3名に選ばれた、うちの仲間の2011年第二位作品。デビュー作は聴いたけどその後のアルバムはしっくりこなかったという僕みたいなにわかファンにとっては、このタイトルは実にしっくりくる。今まで素通りしてきた過去盤(それでも一応チェックはしているのでジャケットにはすべて見覚えあるけど)を全部今から入手しようという気にはならないものの、こんなに優れた曲の詰まった作品を作ってくれるなら、これからはもう少しきちんと注目していこうと思った。まあ、これでまた来日なんてことになったら、その予習のために慌てて旧譜の中古を探しまくるんだろうけどね。


<第六位>
David Mead 『Dudes』
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友達に勧められて聴いた前作『Almost & Always』のなんとなくゴシックな雰囲気のジャケットのイメージをずっとこの人には持っていたんだけど、お正月のテレビ番組で何度も見かけたザキヤマみたいな風貌のこのジャケに完全にイメージ持っていかれてしまった。

なんてくだらない話はさておき、年末ぎりぎりに入手したこのアルバムはかなりの拾い物だった。静かなイントロで始まる冒頭の「I Can't Wait」の芳醇なメロディーで聴き手を掴んでおいて、あとは見事なまでに様々なタイプの(でも決してとっ散らかった印象はない)佳曲の数々を繰り出してくる。ちょっとラテンっぽい小曲「Knee-Jerk Reaction」であっさりアルバムが終わるときにはいつも「あれ?もう終わりか。もう一回聴こう」と思わせられる。


<第五位>
Fountains Of Wayne 『Sky Full Of Holes』
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2007年版の個人的ベストアルバム記事に前作『Traffic And Weather』を選出したファウンテンズ・オヴ・ウェイン、4年振りのこの新作も奇しくもそのときと同じ第五位というポジションになった。そして、今作を聴いての僕の感想も4年前と同じく、一般的な意味でのパワーポップ・アルバムとしての完成度は、今回これより上位にたくさん登場する他のパワーポップ・アルバムには全く負けていないということ。

そして、そのときの記事では一足違いで来日公演が観られなかったことを悔やんでいるけれど、今回違うのは、来月ようやくライヴを観られるということ。2年前のティンテッド・ウィンドウズの来日ついでに行われたアクースティック・ライヴには行けなかったから、これが僕にとって初のファウンテンズのライヴ。楽しみ。


<第四位>
The Leisure Society 『Into The Murky Water』
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最初はグレン・ティルブルック目当てで買ったMOJOのビートルズのカバーアルバムで知ったこのバンド、そのときの記事に僕は「キンコンと可愛い音の鳴る打楽器と、ストリングスとウクレレで奏でられるイントロを聴いただけで、これが掘り出し物だというのはすぐにわかる」と書いている。あれから2年強、ファーストアルバムとそれ以前のEPがセットで再発された2枚組LPと、ここに写真を載せた親指のところに切り込みのあるセカンドアルバムと、切り込みのないUK盤にアウトテイク集のボーナスディスクを付けたセカンドと、盤の枚数で数えると合計5枚のこの人たちのディスクが僕の家には揃っているほどお馴染みのバンドに成長してしまった(付け加えて言うなら、先着特典で戴いた「This Phantom Life」のサイン入りシングル盤もある)。

去年の暮に運よくロンドンで観ることのできたライヴがよかったというのもあるけど、決してそれだけが理由でこのアルバムをこの高位置に置いたわけじゃない。キンコンと可愛い音の鳴る打楽器とストリングスとウクレレはそのままに、メジャーなポップ・フィールドでも十分に太刀打ちできるだけのクオリティの曲を満載したアルバムを出してきたこのバンド、そのうち大化けするよ。


<第三位>
David Myhr 『Soundshine』
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ライヴといえば、これも運よくつい最近すごくよかったライヴを観ることができたこの人。ライヴ記事に紛れてそのときほとんど買ったばかりだったこのアルバムのことも書いてあるね。その、アルバム以上にビンビンと声の響いた彼のパフォーマンスがこの高位置ゲットに影響したかと言われたら確かにそうかもしれないけれど、そんなのはたいした問題じゃない。これを読んでこのアルバムを聴いてみようと思ってくれる人が少しでもいたら、きっとそう遠くないうちにあるだろう彼の次の来日公演に足を運んでみてほしい。僕が書いたことの意味がわかるから。


<第二位>
The Wellingtons 『In Transit』
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去年結局2つしか書けなかった“アルバム”カテゴリーの記事のひとつ(もう一つはスクリッティ・ポリッティのベスト盤)に、さっきのファウンテンズ・オヴ・ウェインと一緒に取り上げたのがこのアルバム。その後、単独パワーポップ・アカデミーと、2度もライヴを観ることができた。なんかライヴ観て盛り上がったのばかりを上位に持ってきてるんじゃないかと思われるかもしれないけど、そんな風に勘ぐる人がいればまず聴いてみればいい。全13曲、捨て曲なしとはこういうアルバムのことを言う。


<第一位>
Radical Face 『The Family Tree: The Roots』
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この上までの9枚のアルバム、あれだけべた褒めしておいて今さらなんだと言われるかもしれないけど、正直言って去年はほとんど年末近くまで、ダントツでいいと思えるアルバムがないなと思っていた。たとえば2010年のタマス・ウェルズやロッキー・エリクソン、2009年ならグレン・ティルブルックのような。それも、10月に発売されたこのアルバムを聴くまでの話。ラディカル・フェイスは前作『Ghost』も気に入って聴いてはいたけれど、この新作はそれと比べても、そして2011年に僕が聴いたあらゆるアルバムと比べても、あきらかに別格。このアルバムについてはじっくりと長文を書きたかったな。

ノースコート家という架空の家族の壮大な物語を描いた三部作の序章となる今作は、そこで描かれている1800年代に使われていた楽器のみを使って制作されているせいもあって、実にシンプルな音作りだ。ピアノ、アクースティック・ギター、フロアタム、それだけ。あとはラディカル・フェイスことベン・クーパーの声だけ。それら限定された楽器と声が、三拍子を基調とした様々な曲を奏でている。重い。けれど、あくまでも美しい音楽。この三部作がこれからどう展開していくのかまだわからないけれど、少なくともこの物語の幕開けに立ち会うことができたというだけで、僕は2011年という年に300枚以上ものディスクを買ってこのアルバムに辿り着いた価値があった。


以上が昨年の僕の10枚。2010年はアメリカ、アイスランド、カナダ、スウェーデン、オーストラリアというセレクションだったけれど、今回もそれに負けずドイツ、アメリカ、UK、スウェーデン、オーストラリアと5か国産のバラエティに富んだ選定になった。意識してそうしたわけじゃないんだけどな。
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2011年12月31日

うちの仲間のベストアルバム

前回の記事に書いたとおり、先週いつものメンバーが某県Hさん宅に集合して、忘年会がてら夜通しそれぞれの今年のベストアルバムを発表するという楽しい集いがあった。メンバーは、いつものグレンヘッズ6人とホストのHさんに加え、数回前からこの会に参加してくれるようになったOさん、そして今回初参加となるxさんの9名。Hさんは発表会ではもっぱら聴き役なので、メンバーそれぞれの今年のベストアルバムから選りすぐった10曲を1枚に収めたCD-Rが計8枚。

去年のこの会から始まって、既に数回こういう自分たちのミックスCDの発表会を開催している僕たちなので、もうだいたいお互いの手の内が読めてきているというか、それぞれの得意分野がわかってきているので、「あの人はあのアルバムを選んでくるかな」とか「自分のこのセレクションはあの人とかぶるんじゃないかな」というのを予想するのもまた一興。

もともとが全員グレン・ティルブルックのライヴに通ううちに顔見知りになっていったという出自の僕たちだから、当然音楽の好みは似通っているんだけど、今回はここまでかぶるかというぐらい同じアルバムを選択する人が多かった。帰ってからみんなの選曲を一覧にしてみたら、複数のメンバーが同じアルバムを選んでいるというのがちょうど10組あって、この10組がうちの仲間の今年のベスト10ということなんだなと妙に納得してしまった。

僕自身のベストアルバム記事は、未聴の強力盤が何枚か今輸送中なので、それを聴いてからにしようと思っているから(先週披露したのは暫定版)、今日はうちの仲間のベストアルバムを勝手に発表させてもらうことにしよう。


<第一位>
The Sonic Executive Sessions 『2011』
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8名のうち半数の4名が選んだこれが、うちの仲間の2011年最優秀アルバムといって過言ではないだろう。日本盤に貼ってあるステッカー曰く「クイーン、ジェリーフィッシュ、ベン・フォールズ、ミーカ、ルーファス・ウェインライト、スティーリー・ダン、ビーチ・ボーイズのファンへ」。その言葉に偽りなし。素晴らしいハーモニーを極上のメロディーに乗せたピアノ・ポップの決定版。来月公開予定の個人的ベストアルバム記事の前にネタバレ覚悟で言うと、4名のうち一人は僕。他の3名がアルバムオープニングの「Someday Maybe」を選曲してきたのに対して、「Make Do」を選んだというのが僕だけというのが自分の差別化意識へのせめてもの救い。


<第二位>
Ron Sexsmith 『Long Player Late Bloomer』
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8名中3名がこれを選んだ。僕はこの人はデビューアルバムが出たときに買って、その後も確か何枚か買ったはずなんだけど、どうも自分の好みにいまいち合わないと思って、最初に買ったファーストを残して売り払ってしまっていた。その後ずっとノーチェックだったんだけど、今年の初頭に出たこの新作がいいという話をあちこちで聞き、じゃあもう一度聴いてみようかなと買ってみたら、こんなによかったというのに改めて気づかされたというわけ。これをベスト10に挙げた3名が3名とも別の曲を自分のミックスCDに入れてきたという事実が、このアルバムの奥深さを語っている。


<第三位(番外編)>
Jim Boggia 『Misadventure In Stereo』
Jim Boggia 『Safe In Sound』
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このベストアルバム発表会のルールは、「今年出たアルバム」または「今年買ったアルバム」のどちらか。僕の場合は後者の縛りにしてしまうと候補アルバムがいきなり数百枚になってしまって収拾がつかなくなるので、前からこのブログで発表しているのと同じく、2011年に発表されたアルバムから選んでいる(実は今回のセレクション中一枚は2010年にオリジナル盤が出て、僕の2010年ベストアルバム選からは惜しくも落選してしまっていたのが、今年になってボートラ満載の日本盤が出たのをいいことに再選されたもの)。

今年5月11月と二度も来日したジム・ボジアのライヴには、僕ら全員足しげく通ったものだ。僕もその5月の鎌倉公演が初ボジアで、彼の3枚のアルバムも全部今年になって入手したものだけど、他のメンバーも同じようなものだったようで、2名が最新アルバム『Misadventures In Stereo』を、1名がセカンド『Safe In Sound』を選出(上に「10枚」でなく「10組」と書いたのはこれが理由)。自己ルール縛りのある僕は08年・05年発表のそれらのアルバムは選べなかったものの、僕らにとってジム・ボジアが今年を代表するアーティストの一人だったことは間違いない。来年出すとジム自身が語っていたアルバムが今から楽しみ。


残り7枚のアルバムを、2名ずつのメンバーが選んだ。同着第四位のその7枚をずらっと並べてもいいんだけど、それをすると僕のベストアルバム候補がほとんどばれてしまうので、今日はここまでにしておこう。僕の候補がばれてしまうというのも、実はメンバー8名の中で、僕のセレクションがいちばん他の人のとかぶってしまっているからなんだ。その数なんと10枚のうち半分の5枚。他の人にとってはサプライズがなくて面白くなかったかもしれないけど、僕の趣味がこの仲間内で一番王道を走っているのだと勝手に思っておこう。

僕の他には、Tomをはじめ4枚が他の人とかぶっていたのが3名。このブログによく登場するN君が3枚かぶって、他2名が2枚かぶり。もともとグレンつながりでなかったOさんを除いた全員が誰かと少なくとも2枚以上の同じアルバムを選出してきたという、まあよくここまで皆同じようなアルバムを聴いて同じようなものを好きになっているなという、まさにつかず離れずの僕らの嗜好があらわになった。そんな似たもの同士が選んだ、自分の聴いていないアルバムを発見できるというのもまたこの会の醍醐味。


さて、今年も今日で終わり。たくさんの人にとって大変なことがあった一年だったけど、おかげさまで公私ともに充実した生活を送ることができた。2012年は大きな災害もなく、みなさん平和に過ごせますように。それでは、よいお年を。
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2011年07月22日

追悼 中村とうよう

僕がこんなに雑多な音楽をそれぞれに愛情を持って聴くようになったのも、気に入った音楽のことをつべこべ語るようになったのも、外国人の名前をなるべく発音に近い表記で書こうなんて気取ったことをし始めたのも、そしてそもそもこんな歳になっても年間何百枚もCDを買い続けるほど音楽というものを好きになったのも、今思えば全ては中学生の頃にミュージックマガジンという雑誌を手に取ったからだと思う。

多分当時もっと売れていたミュージックライフはずっと前から何冊も買っていたし、ガキとしては同時期に買い始めたロッキングオンの方により感情移入していたけれど、初めて本屋で見かけた河村要助の描いたブーツィー・コリンズのちょっと不気味なイラストの表紙のこの雑誌を買って以来、世の中にはこんなに不思議な音楽があるんだ、こんな音楽の聴き方をしていいんだ、ということを僕はこの雑誌から学び続けた気がする。

クロスレビューのページで時々とんでもない採点をしたり(0点とかそういうレビューは、たとえ彼の意見に賛同しなくても、読んでいて清々しかった)、とうようズ・トークで毒を吐き散らしたりしていた当時編集長の中村とうようさんのカラーが、たとえ彼が全ての記事に絡んでいたわけではなかったはずだとしても、物凄く色濃く出ていた雑誌だった。

彼の推していた音楽は、その勢いに押されてあれこれ聴いてみたものの、僕としては本当に好きになったものはあまりなかったし、とうようズ・トークでの彼の意見は僕のポリシーとは正反対だったことが多いから、彼個人の意見に僕がそこまで惹かれたわけではなかったはず。

だけど、寝室からさっき持ってきたその81年3月号のクロスレビューのページをめくってみると、『Sandinista!』はとうようさんの付けた9点を始め、9点・9点・9点・8点の高得点。当時、このアルバムをここまで好評価したメディアは、少なくとも僕が記憶している限りなかった。単に僕がクラッシュのファンだったからというわけでなく、そういうところが、僕がこの雑誌を信用するに足ると思うに至った理由のひとつ。

とうようさんが編集長を退いたあともしばらく定期購読は続けていたけど、アルバムレビューのページから曲目表がなくなったあたりで僕はこの雑誌を買うのをやめてしまった。あれは何年前のことだったっけ。さっき書いたように、別に僕はとうようさん本人のファンだったわけじゃないから、彼が記事を書いているかどうかは関係なかったはずなんだけど、もうその頃にはこの雑誌のカラーが変わってしまったと思ったから。

ちょっと前にどこかで見かけた、武蔵野美大で中村とうようコレクション展が開催されるという報せ。へえ、懐かしいな。まだしばらくやってるから、そのうち観に行ってみようかな、なんて思っていた。



飛び降り自殺だなんて、信じられない。

今日、会社帰りに本屋に寄って、ミュージックマガジンの最新号を買ってきた。大特集のKARAには興味なかったけど、もしかしたら今月号のとうようズ・トークが生前最後の文章なのかもしれないから。というより、一体あの毒舌家が何故自殺を選ぶような精神状態に陥ってしまっていたのかが知りたかったから。

でも、その2ページは、いつもの2ページだった。中村とうようコレクション展に出せなかったいくつかの楽器を次の機会でお見せできれば、なんて書いてあって、まさかこの人が死ぬことを考えていただなんてとても思えない。


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さっき帰ってきたばかりだから、とうようズ・トーク以外のページはまだパラパラとしか読んでない。来日アーティストのページに、30年前に僕が最初に買ったこの雑誌の表紙だったブーツィー・コリンズのことが載っていたのがなんだか奇偶。

とうようズ・トークの載らないこの雑誌を僕がこの先買うことがあるかどうか、もうわからない。そういう意味ではこのツーショットは僕にとって最初と最後のミュージックマガジンなのかも。

この2冊の間に出た何百冊ものコレクションは、今でも僕の寝室の本棚に全部並べてあって、週末前なんかでちょっと時間のある夜には、適当に目に付いた背表紙を頼りに抜き出して読み耽ったりしている。さっき名前を出した別の雑誌も置いてあるけど、何十年も前の文章を、読み物として、情報として、今でも違和感なく読めるのはこの雑誌ぐらいだ。

今までこのブログにたくさん追悼記事を書いてきたけど、もしかしたら僕に一番音楽的な影響を与えてくれた人が今日(もう昨日だけど)亡くなってしまったのかもしれない。ご冥福をお祈りします。
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2011年07月01日

ジミオン五周年記念対談

yas:ジンクスというのは続くもので、この年間恒例7月1日記事を書いている場所が、一年目のオークランド、二年目の台北、三年目の東京、四年目のクアラルンプールに続いて、

やす:ロンドンやもんな、今年は。

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yas:うん、ロンドンといっても例によって郊外のオフィスだけどね。

やす:しかも今日着いたばっかりやから、ろくにロンドンの写真撮ってるヒマもないし、かわりにホテルの近所の「老人横断注意」の写真載せといたげたで。

yas:ありがとう。それにしても眠いね。

やす:あたりまえやないか、いくら時差ボケや言うても、今明け方4時前やで。お前が律儀に今書いとかな日本時間の7月1日中にアップできへんとか言うから。

yas:しょうがないだろう、所詮このブログはそういうどうでもいい自己ルールばかりで成り立ってるんだから。

やす:なんやようわからんけど、まあええわ、ほな早速あれ行け、あの数えるやつ。もう今回は眠いんやから早いとこちゃっちゃと片づけても一回寝ようや。

yas:まあまあ、そんな味気ないこと言わないで。ではこれが記事数のリスト。総数で言うと48。去年の49記事より一つ減って、二年目とまったく同じと。大体週一回というペースで安定してるね。

  アルバム: 40 ⇒ 25 ⇒ 35 ⇒ 19 ⇒ 13
  コンサート: 10 ⇒ 7 ⇒ 12 ⇒ 14 ⇒ 16
  ビデオ: 2 ⇒ 0 ⇒ 4 ⇒ 1 ⇒ 1
  yascd: 10 ⇒ 0 ⇒ 2 ⇒ 3 ⇒ 1
  雑記: 24 ⇒ 11 ⇒ 12 ⇒ 11 ⇒ 15
  非音楽的: 6 ⇒ 2 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 1
  創作: 0 ⇒ 1 ⇒ 0 ⇒ 0 ⇒ 0
  日記: 0 ⇒ 2 ⇒ 1 ⇒ 1 ⇒ 1

(数字は左から、一年目 ⇒ 二年目 ⇒ 三年目 ⇒ 四年目 ⇒ 五年目)

やす:ほー、とうとうコンサート記事の数がアルバムを抜いてしもたんやな。今年もライヴのある日はしょっちゅう風邪引いて会社早抜けしたりしてたもんな。

yas:まあそれについてはノーコメントということで、でもやっぱり1枚のアルバムについてじっくり考えて書くという時間が取れなくなってるのは事実なんだよね。今年に入ってからなんて、スクリッティ・ポリッティのベスト盤についてしか書いてないのはずっと気になってるんだけど。

やす:仕事さぼってライヴ行った日の反動でその他の日が忙しいっちゅーこっちゃな。

yas:だからあんまりさぼったさぼった言わなくていいから。他にも週末にかけての出張とか飲み会とかあれこれ忙しいの!

やす:おう、飲み会と言えば思い出した。

yas:どうしたの?

やす:どうやらな、もう一人おるらしいんや。

yas:もう一人って?

やす:いや最近週末の飲み会とかになると、だいたい朝まで飲んでること多いやろ?そんで、始発動いて家帰ってなんや一晩過ごしたわりには記憶飛んでるな、俺寝てたんかなと思うことが多いんやけどな、あとで一緒に飲んでた人らの話を総合してみたら、俺が全然覚えてへんようなことも俺がいっぱい喋ったことになってるんや。

yas:じゃあ別人格の僕が出てきて喋ってるとか?

やす:いや、お前みたいなイキリとちゃう。どっちか言うたら俺風の性格らしいねん。ほんでそいつが、カラオケ行って勝手にどっから探して来たんかスクイーズの曲入れて歌ったり、先々週あたりの会社の送別会では延々5分以上もスピーチしてたらしいんよ。

yas:ありゃー、それはえらく人迷惑な人格だね。

やす:そやねん。そやから、俺こないだの飲み会からはな、もうそんな人格が出てけえへんようにと思って、酒を減らす努力してんねん。

yas:へえ、偉いじゃない。どうしてるの?

やす:あのな、アルコール一杯飲んだら、次はノンアルコールを一杯頼む、そういう自己ルール作ってん。自己ルールやてww、なんか俺、お前みたいやな。

yas:まあ、性格似てるところあるよね。

やす:そしたらどうなったと思う?飲むスピードが普段の二倍になって、目の前にウーロン茶とかラムネの空グラスが山積みになっただけで、結局飲んだ酒の量は普段通りや。おまけに大量のウーロン茶のせいでトイレばっかり行く羽目になって、おちおち話もしてられへん。おかげで、せっかくその別人格が出てくるのは封じ込めたものの、飲み会の最中に何の話してたかはろくに覚えてへんという困ったことになってな。

yas:今度から飲む前に「本末転倒」という字を左手の甲あたりに油性マジックで書いとくといいよ…

やす:言うとくけど、俺がそれ書いたらお前も自分の左手に同じ字が書いてあることになるんやで。で、お前は俺に書けって言うたはずやのになんで自分の手に書いてあるんやろうと不思議そうに思う一方、その字を俺らではないもう一人の別人格がまた後で発見して…ああややこしい!

yas:全然ややこしくもなんともないよ!何をわけのわからないこと言ってるんだよ。

やす:この多重人格譚、ダニエル・キイスあたりが長編小説にしてくれへんかな。

yas:絶対無理。じゃあ次のトピックに移るよ。誰について沢山書いたか。

  一位:グレン・ティルブルック(大特集4、小特集1)
  二位:タマス・ウェルズ(大特集3、小特集2)
  三位:マイク・ピーターズ/アラーム(大特集3、小特集1)
  四位:ベン・フォールズ(大特集2、小特集1)
  五位:スクリッティ・ポリッティ(大特集2、小特集0)
  五位:ピアノジャック(大特集2、小特集0)

やす:同率五位にこの名前さえ出しとけば、半自動的にひよりさんがコメントくれると思ったんやな。

yas:いや、別に狙ったわけじゃないけど、去年は自分が行ったライヴがCD/DVDになっただけでなく、そのジャケットに写り込むなんて偶然もあったからね。個人的にも思い出深いよ。

やす:一位と二位なんやけど、大特集が多い方が上っていうルールやっけ?

yas:そこも迷ったんだけど、グレンは実はこれ以外に「スクイーズ(大特集1、小特集2)」というのもあるから、まあそれも入れるとやっぱり一位かな、と。

やす:そうやな、そういや次はいよいよバンドで来日か?とかいう噂も流れてるしな。

yas:そうらしいよね。そうだ、せっかく今回また週末をこのロンドン郊外で過ごすことになるから、今度こそアンカー&ホープに行ってみようかな。残念ながらライヴを演るという告知はないけど、もしかしたらグレンやサイモンがぶらっと飲みに来てるかもしれないし。

やす:やめとけやめとけ、お前また絶対道迷うし。それよりもうあれやで、夜明けてきたで。まだ朝の4時半やのにな。

yas:昨晩は9時過ぎまで明るかったのにね。緯度が高い国のサマータイムは気持ちいいね。なんだか夏のNZを思い出すよ。

やす:そやな、そやけどお前がまたしょーもないNZの思い出話とか語り始める前に、もうひと眠りせえへんか?あと何時間かしたらまた仕事なんやし。例のもう一人の人格はどうやら仕事のときは出てきて手伝うとかいう気の効いたことはしてくれへんみたいやしな。

yas:そうだね、じゃあまた来年。

やす:おいおい、たまにはまた前みたいに俺の歌詞対訳が要るようなこってりしたアルバム記事書いてくれよな。来年とか言わんと。

yas:鋭意努力致します。

やす:政治家か。
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2011年06月19日

追悼 クラレンス・クレモンズ

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かなりそそられるラインアップが揃っていたにも関わらず今一つ気乗りがしなかった今年のサマソニに、クラレンス・クレモンズがソロで出演するというニュースが僕の背中を思いっきり押してくれたのが5月25日。8月の中旬には週末にかかるような出張は入れないようにしないとなあ、なんて思っていた。

そんな嬉しいニュースのわずか3週間後、脳溢血で倒れたという知らせが入ったのが、日本時間で6月13日。ちょうど僕が今回のアメリカ出張に出かけるときのことだった。一命は取りとめたものの、予断を許さないという状況だったから、来日どころの騒ぎではなくなってしまった。

翌14日には、手術後麻痺していた左手を握れるようになったとか、話しかけると反応するようになったという、少しは慰めになる一報も入ってきた。15日には、スプリングスティーンのサイトにあった、notestoclarence@clarenceclemons.com宛てに励ましのお便りを送ったりもした。たいしたことは書いてないけど、またメールを読めるようになったら、こんなに沢山のメールが来たのかと喜んでもらえるように、一通でも貢献しようと思って。

一週間の出張を終え、アメリカ西海岸時間6月17日の深夜にLAXを発ち、羽田に到着したのが日本時間の今朝、19日早朝。バスと電車を乗り継いで家に辿り着き、PCを立ち上げてすぐ目に入ってきたのが、僕が空の上を飛んでいた間に、クラレンスが亡くなってしまったという悲しい報せだった。


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『A Night With Mr. C』 Clarence Clemons

彼のソロアルバムの中で一番よく聴いて好きだったこのCDを、十数年ぶりに引っ張り出してきた。89年に新品で買ったのに、ジャケットの背中のきみどり色がもう何色だかわからないほど日焼けしてしまっている。ラストの「Forgiveness」のサックスソロを聴いて涙が出てきた。


アメリカにいたときに立ち寄ったウォルマートのCDコーナーに山ほど展示してあったレディ・ガガの新譜、ぜんぜん興味なかったんだけど、結局これがクラレンスの最後の参加作品になってしまったのかと思うと、買ってくればよかったと急に後悔しはじめた。たとえそれがもうこんなに覇気のない演奏になってしまっていたとしても(しょうがないよ、69歳だもんな)。



ダニー・フェデリーシの死からわずか2年。Eストリート・バンドからどんどん大事なメンバーがいなくなっていく。もう当分そんな話は聞きたくないよ。ほんとうはクラレンスについてならもっと沢山書きたいことがあるはずなんだけど、もうなんだか何書いていいのかよくわからない。


さようなら、今でも僕の一番大切な『The River』を30年も前に聴いたときからずっと、僕にとって貴方は世界で一番凄いサックスプレイヤーでした。長いあいだお疲れさまでした。

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2011年05月22日

yascd番外編の夜

きっかけは去年の年末、グレン関連で仲良くさせてもらっている友達の家に集まって年間ベスト10の披露会をしていたときのことだった。ワインを何本も開けながら夜通し飲んでいたときだったか、翌朝の朦朧とした頭で朝ごはんを食べながらだったかはもうよく覚えていないけど、誰からともなく「生涯ベスト20曲をCD-R一枚に焼いて披露し合おう」という話になった。確か、言いだしっぺはそのときホストを務めてくれたHさんだったかな。

生涯ベスト20曲なんて、無人島レコと同じでとても選べないよ、と誰もが思ったけれど、その後も何度か、誰かのコンサートの後や飲み会などで顔を合わせるたびにその話になるので、僕はひそかに選曲を進めていた。ほんとは楽しいんだよね、そういう作業って。

完成したのは先月だったかな。そうだ、確かゴールデンウィークの前だった。「できたので披露会やろう。ゴールデンウィークのいつがいいですか?」と、ひとの予定を完全に無視したメールを皆に送りつけたものの、あえなく却下。結局、最速で皆の予定が合う5月21日に集合することになった。ほとんどのメンバーは、その約1カ月で急いで選曲をする羽目になったし、中には前日ほぼ徹夜で選曲〜録音を終えて駆け付けた人も。ごめんね、相変わらずの無茶振りで。

会場は新宿の某カラオケボックス。開店時間の11時を待って入店、お店の人に接続ケーブルを持ってこさせ、僕が持参したPCをアンプに繋ぐ。ちょっとした機材トラブルのせいで、最初の2時間ほどは飲み放題のコーヒーやらビールやら日本酒やら(土曜の朝から)で雑談タイム。1時すぎになってようやくスタート。これから、メンバー6人が持ち寄った、ほぼ80分ぎりぎりまで詰め込まれたCD-Rを順番に聴いていくことになる。

いつものライヴレポートじゃないから、あれこれ詳細を書くのはやめておくけど、ほんっとに楽しかった。あんなに濃密な10時間半(最初の2時間+80分×6人分+途中のトイレ休憩)を過ごしたのは久しぶりだったよ。

トップを飾ったN君の、王道パワーポップとオブスキュアなシンガーソングライターの絶妙な取り合わせが見事。あのコンピレーションなら僕はきちんとお金出して買うよ。

続いては、先日のジム・ボジアのライヴでも一緒だったIさん(このアルファベットは活字になると非常に読みづらいので、昨日急遽決まった新しいニックネーム、トムで今後は彼のことを呼ぶことにするよ)。僕と年齢も近く、音楽的嗜好も似ているのは知っていたけど、まさか僕の選曲と2曲もかぶるとは(うち1曲はバージョン違い)。

もともとグレン・ティルブルックのライヴで知り合った仲間だから、スクイーズ/グレンの曲は誰もが入れてくるだろうと思っていたし、もしかしたら結構皆同じ曲を選んだりするのかな、なんて想像していたんだけど、意外にスクイーズを選んだ人は少なく、誰もかぶらなかった。そんな中、まさかこの曲が、と思えるアレが出てきたときは心底びっくりしたものだ。ジャケもレーベル印刷もとても凝った造りのtomcd(笑)、自分の分身が作ったミックスを見ているようだった。

前日、というか当日の朝4時半までかかって選曲〜録音を終えた挙句、新幹線で駆け付けたNさん(ご苦労さまでした)。ジャケどころか曲目表すら作ってる余裕ありません、でもせめてもの印にと、真っ白なCD-Rのケースに綺麗な模様の紙を入れてくれたのが健気(笑)。渋めの曲がきちんと選曲された部分と、「だってニック・ロウとヨラテンゴが好きなんだからしょうがないでしょう」と言わんばかりに立て続けに同じアーティストの曲が何曲も並んでいるところが昨夜の混沌を物語っています(笑)

続くはMさん1号。見事なまでの70年代縛り(笑・失礼)。「次は2011年のベスト20曲を披露し合おう」という提案に「だって私、新しいCDなんて何も買ってないから」というのがよくわかる選曲。単にアーティスト名をアルファベット順に並べただけなのに、あの整った選曲の流れは驚愕。Mさんもトムと1曲かぶっていたね。僕らの世代のラジオ・ヒット。

Mさん2号。予想通りのムーンライダーズからスタートしたものの、あとはめくるめくMkさんワールド。なんでダニー・ハザウェイとレッド・ゼッぺリンとプリファブ・スプラウトとクラフトワークが同じミックスCDに入ってるんだ?(笑)。個人的にはもしかしたら一番遠い好みかなぁと思っていたけれど、あらためて曲目表を見てみたら、半数のアーティストは僕も全部のアルバムを揃えているような人たちばかり。しかもスクイーズなしで。

当初の終了時間19時を大幅に過ぎ、機材トラブルで得た1時間のロスタイムも終了し、さらに延長タイムを申請した頃に僕の順がまわってきた。ただソファに座って飲み食いしているだけなのに、皆お疲れの様子、というかもう全身麻痺状態。心なしか口数も減ってきている。僕のCDが流れていた間ほぼ皆さん無口だったのは、内容がつまらなかったからじゃなくて、聴き入ってくれていたんだと思っておこう。

熟考4ヶ月、普通に選ぶととても20曲になんて絞り込めないからあれこれと縛りを設けたうえで、誰よりも早く選曲を完成させ、ジャケットまで作ったものの、それから約1カ月の間でもう既に相当数の曲を入れ替えたくなっていたこの(暫定)生涯ベスト20。最後の2曲が合わせて15分もあるので、CD-Rに焼くとなると19曲しか入らないので(暫定)生涯ベスト19なんだけど。

採用した1曲の歌詞から取ったフレーズをタイトルにさせてもらったこのミックス。そういう訳で自分の生涯の19曲というには選曲はまだまだ生煮えだと思うので、ちょっとyascdシリーズでこのブログに載せる気にはならないから、とりあえずジャケットだけ先にお目見え。

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楽しかったなあ。全員が選曲過程について何かしらグチをこぼしていたし、さすがに10時間半ソファに座り通しだと体力的にも精神的にもかなり参ってしまうのが改めてわかったんだけど、終わったとたん、「次はどういうテーマでやろうか」とまた誰からともなく出てしまう気持ちがまたすごくよくわかる。

単に音楽好きを6人集めて同じ企画を開催したとしても、決してこんなに楽しめなかったと思う。ほら、例えば音楽雑誌の年始恒例の誰それの年間ベスト10みたいな記事読んでも、たいていは半分ぐらい興味の持てないアーティストでリストが埋められていたりするよね。あらためて、このグループの自分と微妙に付かず離れずな音楽の嗜好に驚くとともに、感謝もする次第。とりあえず、N君のミックスに入ってたあれとあれを買いに行こう。
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2011年05月15日

モスクワの味

と言ってもパルナスの話ではなく。と書いたところで関西圏以外の方々にはパルナスなんて意味も通じるわけもなく。とにかく今日は、出張でモスクワに行ってきましたよ、という比較的どうでもいい系の写真ばかりの短いお話。

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モスクワといえばお決まりのこれ。赤の広場に建つなんとかって教会(いいかげん)。仕事の途中で通りがかったのでとりあえず記念に写真を一枚。

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帝政時代の1893年だかに建ったという由緒正しいショッピングモール。石でできた階段の、人々が歩く箇所だけがどこの中世の寺院かというぐらい擦り減ってたりしてて、歴史を感じる。

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街並みなんかおかしいと思いながら見てて気づいた。アパートだろうが高層ビルだろうが、常に電線が屋上同士をつないでいる。見えるかな。あれどうやって渡したんだ? 切れたりしたらどうやってつなぐんだろう。

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街中のあちこちに建つなんかゲンパツみたいな煙突。煙出てるから違うよね、きっと。それにしてもこんな市街地の真ん中に発電所がいくつもあるのにびっくり。そういえば、モスクワの空港に到着したら、飛行機降りるところでガイガーカウンター持った人たちにさんざん測られたよ。いや、別に日本から来た人がみんな被曝してるわけじゃないからさ。

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車で走っててよく目につくのが、コンサートの看板。この一番左のフェスみたいなのには、プロディジー、コーン、アダム・ランバート、トラヴィス(どういう組み合わせだ)。システム・オヴ・ア・ダウンとミューズがそれぞれ。一番右はリンゴ・スター・オールスターズだね。

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ブライアン・フェリーにケミカル・ブラザーズ。この他にもよく目立ったのが、ロバート・プラントとかサンタナとかスティング。シャキーラとホワイトスネイクのポスターも多かったな。新宿ユニオンでいうと6階よりも5階・7階が多い感じ。

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70年代組ばかりかと思いきや、懐かしのデュラン・デュランも。真ん中の地元アーティストのポスターを挟んで、右にジャミロクワイもあるね。あとここにもゲンパツ風煙突。

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お決まりの「ロシアのマクド」。(゚Д゚)この顔とにかくロシアではやたらあちこちで見かける。マクドナルド内にもほら。去年の「世界のマクド」シリーズの記事にも別バージョンの写真を貼っておこう。

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結構驚いたのが、普通にレコードが流通していること。この写真はとある電気屋兼ソフト屋さんなんだけど、最新の3Dブルーレイのソフトを売っているすぐ横で、プーチン似のおっさんが見ているのがLP。いにしえの名盤から最新盤まで、結構品揃え充実してたよ。仕事中だったから全部チェックする時間がなかったのは残念だけど。

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モスクワに着いた日の夜にウクライナ料理を食べに連れて行ってもらって、そこで出されたウクライナ流トウガラシ&ハチミツ入りウオッカがめちゃくちゃ気に入ってしまったので、帰りに空港で買ってきた。トウガラシデザインのショットグラス3つ付き700mlで11ユーロ(1250円)って安くない?

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仕事中でLP棚はチェックするヒマなかったけど、CD棚はざっと閲覧。なにか自分にお土産を、と思って、まだ買ってなかったペット・ショップ・ボーイズの新譜のロシア盤を。なんて書いてあるのか全然わからないけど、ジャケット(というか、全面帯)のロシア語がなんか貴重っぽくて嬉しい。あと、2枚組で299ルーブル(860円)という破格値も嬉しい。


<5月22日追記>
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底にトウガラシが沈んでる。人の指みたいで不気味。

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箱の切り込みが見事。
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