2008年05月17日

恒松正敏アコースティックソロライブ

たくさん頂いているコメントにもちっとも返事していないし(皆さんごめんなさい)、今週はタマス・ウェルズの記事に追記を入れる予定だったんだけど、ネット徘徊していたときにふと気になるイベントを見つけてしまった。

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「百物語拾遺−十二支類考そしてガラス絵」という新作展に合わせて、恒松正敏がアコースティックライヴを行うというので、京橋のギャラリー椿に出かけてきた。

フリクションをリアルタイムで聴くには少し乗り遅れてしまったけれど、後追いで聴いた『軋轢』で格好いいギターを弾いていたツネマツマサトシが新たに結成したというE.D.P.S.の10インチ盤『Death Composition』やファーストアルバム『Blue Sphinx』を僕は発売当初(83年かな)に入手し、夢中になって聴いていた。その後はずっと疎遠になってしまっていて、ファンを名乗るにはちょっとおこがましいとは思うけれど。

普段あまり画廊なんかに赴くこともないし、絵についてうまく表現する言葉も持ち合わせていないので、個展については特に触れないでおこう。『Blue Sphinx』のLPジャケットを初めて見たとき以来ずっと大好きだった彼の作品を間近に見ることができたのはとても嬉しかった。

ちょっと早めに行って作品を観ようと思って、開始時刻の40分ほど前に会場に着いたら、もう本人がそこに。なにしろ僕の記憶にある彼はもう四半世紀も前の姿なので、実は失礼ながら咄嗟にはご本人だと気づかなかったけれど。。

超緊張しながら少しお話をさせてもらい、昨年末に出たことを知ってはいたニューアルバムをその場で購入し、サインを頂いた。

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さて、開始予定時刻の7時ちょうどに始まったライヴ。フリクションやE.D.P.S.での彼のエレキギターの演奏しか僕は知らないので、一体どんな曲をどんなスタイルで演るのか興味津々。

「最近絵ばっかり描いててあんまりギター弾いてないから」と、ちょっとミスしたときに照れながら話していたものの、あのシャープなカッティングはレコードで聴くエレキとまったく同じ。なにしろ、ゴリゴリと重いのに切れ味鋭いという、僕にとってはウィルコ・ジョンソンかツネマツマサトシか、っていうぐらい大好きなギタリストだから。

曲によってはちょっと声が出ていなかったこともあったけれど、まあそれはご愛嬌ということで。

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途中に10分ほどの休憩を挟んだ二部構成で、前半は自分の持ち歌(最近の曲が多かったので僕は後で調べるまでわからなかったんだけど)と、グループサウンズやジャックスの曲のカバー。マーク・コズレックのインストアライヴでは一番歳食ってたかもしれない僕だけど、さすがにGS世代ではないので、ほとんど知らない曲ばっかりだった。

後半もジャックスの「時計をとめて」で始まったものの、今度は洋楽中心のカバー。ビートルズの「And I Love Her」や、ストーンズの「As Tears Go By」(と思ったら、彼の「学生時代の唯一のアイドル、マリアンヌ・フェイスフルの」だそうだ)、ディランの「I Shall Be Released」。個人的に一番嬉しかったのは、ガーランド・ジェフリーズの「Wild In The Streets」を演ってくれたことだ。大満足。

アンコールは、「懐かしい曲を演るよ」と、フリクションの「Crazy Dream」を、弦も切れんばかりの激しいカッティングで演奏。格好よかったよ。

50を過ぎた頃からはアコースティックのライヴが中心になって、と言っていたけれど、使ってる楽器はなんであれ、中身は25年前からあんまり変わってない(プラス円熟味みたいな)、芯のしっかりした1時間強の演奏だった。早く行ったおかげで前の方で観られたし。


Object Of Desire.jpg 恒松正敏グループ 『欲望のオブジェ』

ライヴ終了後食事に行ってから遅く帰宅したので、今朝になってから昨日買ったCDをプレーヤーに乗せてみた。

げ。なんだこれは。昨晩のアコースティックの円熟味とは180度反対の、もの凄くヘヴィで勢いのある音。下手をするとこれはE.D.P.S.の初期のアルバムなんかよりも上かも知れない。それって、かなり凄いよ。なにが50を過ぎてアコースティック云々だ(笑)

昨日のライヴで披露していた「Pain In My Heart」(オープニングだった)と「天使」(前半の最後)が収録されていて、昨日の生演奏はもちろんよかったんだけど、こちらの重くて濃いヴァージョンもまた最高。

私信になってしまうけれど、1月21日の記事のコメント欄で近いうちにE.D.P.S.を買うかもしれないと仰っていたクロムさん、買うならまずこのアルバムですよ。大推薦盤。


昨日の画廊には彼の絵画を集めたカタログも何種類か売られていて、買おうかどうしようか散々迷った挙句、CDを買ったから今回は本は止めておいたら、予想通り今日になってやっぱり買っておけばよかったと後悔しまくっているんだけどね(苦笑)

この記事の最初のリンクから飛べるギャラリー椿のサイトでも彼の新作が見られるし、上に載せたニューアルバムのジャケ画も彼の作品なんだけど、僕が持っている、彼がジャケ画を担当した他のアルバムも載せておこう。一種独特な雰囲気の絵なんで、きっと好みは分かれるんだろうけど。

Death Composition.JPG Blue Sphinx.jpg
Edges Of Dream.jpg どうにかなる.jpg
posted by . at 15:36| Comment(10) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近はずいぶんとタダでいいライヴをご覧になっているようで、羨望の眼差しでyasさんの方角を眺めています。「ウィルコ・ジョンソンかツネマツマサトシか」とまで断言してしまうあたりに、ライヴ直後の高揚感を感じますね〜(笑)。
私の「近いうち」は1〜2年以内を指すので、まだE.D.P.S.は未入手。yasさんの助言に従って、このニューアルバムからチェックしてみますね♪
それにしても、50歳過ぎてもなお現役の進化を遂げられるとは!しかも、丁寧なサインからは律儀さもうかがえますね。
Posted by クロム at 2008年05月17日 16:53
良いものを観られたんですね。画廊で聴くライヴというのも雰囲気があって良さそうです。自分の作品に囲まれて演奏するのってどんな気分なんでしょうね。自分も作品も、両方とも幸せになれそうです。
下四つのジャケの中では右下のオレンジのが好き。写真に見えたけど絵なんですね。
三つ目小僧かと思ったらたくさん目がありました。目の表情が全部違ってます。

ところで新作ジャケはカタツムリ、十二支の絵にも全部カタツムリが! カタツムリが好物なんでしょうか。
Posted by ひより at 2008年05月17日 17:07
■クロムさん
いえいえ、今回のはタダではなかったんですよ。でも、そんなに高くなかったし(飲みすぎて終電を逃した後のタクシー代の方が遥かに高くつきました)、ライヴ前にはワインも振舞ってもらいましたから。

ウィルコとツネマツ論、結構僕の中では以前から確かな比較ですよ。異論はあるでしょうけれど。まあ、見た目や動きの奇抜さという意味ではウィルコの方が頭二つ分ぐらいリードしていますが。

マイスペには残念ながら彼のページはなかったのですが、どこかで是非聴いてみてくださいね。CDを聴いてみて、これはきっとクロムさん好みだろうなとまず思いましたから。

>丁寧なサイン
はい、とても丁寧にサインしてもらいました。東京ロッカーズとかのイメージからは程遠い、律儀そうな方でしたよ。


■ひよりさん
音楽も絵画も両方という人はあまりいないでしょうから、画廊でライヴというのもあまり一般的ではないんでしょうね。画廊の方がバラバラと椅子や座布団を準備しておられて、手作り感のあるいいイベントでした。

右下のオレンジ色のはいいですね。これは町田康と恒松正敏が組んだ『どうにかなる』というアルバムです。80年代初期に日本のインディーズを聴いていた人にとっては、“町蔵+ツネマツ”というのはもの凄く豪華な組み合わせに思えたものでした。なんてことを書いても、ここら界隈ではクロムさんにしか理解してもらえませんね。そういえば、音楽と絵画の恒松正敏に対して、町田康は音楽と文学ですね。

カタツムリ、今来ているのかもしれませんね。お庭で探してみてください。まだシーズンではありませんか。

ひよりさんの干支はどれかなと思いましたが、どれもあんまり可愛くないのでわかりませんでした。
Posted by yas at 2008年05月18日 18:32
短期間でいろんな音楽を聴けるyasさんは、異星人のような気がしてきました。
1週間前のライヴの余韻に今だどっぷり浸りきっている私には、理解できない(笑)

ひよりちゃんと趣味が合わなかった(笑)
オレンジの三つ目は、真っ先に避けたいジャケでした。
Posted by Luna at 2008年05月19日 07:55
私は下の4つのジャケの左下の絵が好きです。まじまじとよく見たいので、このCD欲しいくらいです。右と左の水の色が何故違うのか、次回恒松さんに会った時に聞いてみていただけますか〜?

ヘヴィな音楽と堅実さを感じる絵画、どちらもきっちりこなす二面性、かっこいいですね。
Posted by カブ子 at 2008年05月19日 12:17
■Lunaさん
>短期間でいろんな音楽を聴ける
本当は僕も一つ一つの音楽にゆっくり耳を傾けたいとは思っているんですが、好きなアーティストが次から次へとCDを出したりコンサートを開いたりするんでしょうがないんですよ。

オレンジの三つ目、お気に召しませんでしたか。ルナさんはどれがよかったですか?


■カブ子さん
左下ですね、E.D.P.S.のセカンド・アルバム『Edges Of Dream』です。なんだか真ん中に大きな悩んでいる人がいたり、左側にはイカルスが小さく水没していたりする絵です。これはLP時代のアルバムですから、CDなどと言わずに中古でLPを探してじっくりご覧ください。そんなに高くなく入手できるはずです。そのうえで、右と左の水の色の差について、ご自分で恒松さんに訊いてみてください。次のライヴは5月30日、あがた森魚さんとのジョイントです。きっとかっこいいですよ。
Posted by yas at 2008年05月21日 00:26
好きなのは左下のedges of dreamですね。

オレンジのは目が怖いんです。
ビッグブラザーみたいに、いつでも見ているようで不気味です。
Posted by Luna at 2008年05月26日 17:33
■Lunaさん
左下ですか。カブ子さんと一緒ですね。これ絵が小さすぎて見にくいことありませんか?いえ、別にルナさんだから言ってるわけではありませんが。

目が怖いですか。カラスのようですね。そんな、部屋に飾れとまでは言いませんよ(笑)
Posted by yas at 2008年05月27日 00:02
はじめまして。・・・だと思うのですが、昔、yasサンの文章をよく読んでいた気がします。気のせいかなぁ。  
Posted by nao at 2008年05月30日 18:19
■naoさん
はじめまして。もしこれがどちらかの勘違い、又はよくある釣りコメントの類でなければ、僕の文章は過去二十数年の間ちっとも進歩していないということでしょうか。

コステロ(ロッキング・オン)、ガーランド・ジェフリーズ(心斎橋ミューズホール)、ジューク、セブンティーズ、ボーダーライン、10月1日。このあたりのキーワードにお心当たりがあるようでしたら、下記の臨時アドレスにメールを頂けますか?

yas20080530@hotmail.co.jp
Posted by yas at 2008年05月30日 23:39
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