2007年10月 日本出張時に、「北欧 POP MAP スウェーデン編」、「北欧 POP MAP アイスランド、ノルウェイ、デンマーク、フィンランド編」という本を購入。自分内で北欧ブームが再燃。
2007年12月 そのノルウェイのSSWのアルバムを購入するために訪れたカナダの某北欧物専門ショップサイトに載っていた全曲を試聴(楽しかった)。そのうち気に入った6枚を購入。
2008年1月 CD到着。通して聴いたところどれもよかったので早速ブログの記事にしようと思ったが、多忙のため脳内で記事にしただけでお蔵入りに。6枚のCD自体はそれ以来繰り返し聴いている。
2008年2月 度重なる出張と残業で1月より更に忙しくなり、週末も家で仕事をする羽目に。締切前にんじんさん状態に陥った挙句、現実逃避でお蔵入り記事を復活させることに。
という、歴史年表並みの経緯を経ての今日の記事、果たして現実回帰猶予期間内に完成するだろうか。紹介するCDは6枚もあるのに。ざっと手短に書いていくことにしよう(「どうせ手短じゃないくせに」と思った人はここをクリック)。
まずは、最初に書いたノルウェーのSSW、ディラン・モンドグリーン。これは、Borge Sildnes(読み方はボーエ・シルドネスでいいのかな?)という人のソロ・プロジェクトで、このアルバムではストリング・セクションも含めて総勢十数名のメンバーが演奏している。しかしこれって、一人なのにバンド名みたいな名前をつけたバッドリー・ドローン・ボーイのパターンでもなく、自分の本名をそのままバンド名にしたタマス・ウェルズのパターンでもなく、人の名前みたいな芸名をつけた本人兼バンド名というややこしくも新しいパターン?
奇をてらわない、爽やかなアコースティック・サウンド。ギターのキラキラしたアルペジオと涼しげなコーラス。王道ポップスの流れを汲むきらびやかなストリングス。このちょっと甘酸っぱいジャケットのイメージそのままの、本当に素敵な音。
冒頭の「Wishing Well」、彼のマイスペースでPVが観られるアルバム2曲目「Girl In Grass」と続くオープニングから引き込まれる。6曲目の「That Mortal Kiss」は、ジョニー・マー風の流麗なアルペジオと曲の展開がスミスの名曲「Still Ill」を髣髴とさせる。
全10曲、裏ジャケの表記では最初の5曲と後半の5曲の間にスペースがあるんだけど、もしかしたらこのアルバム、アナログ盤が存在するんだろうか。僕が買ったカナダのサイトにもノルウェーのレコ屋のサイトにもCDしか載ってないようだけど、もしあるならこれはLPで持っていたくなるジャケと音だなあ。
では次。
Moi Caprice 「Daisies & Beatrice」
Moi Caprice 「Summerfool」
Moi Caprice 「Artboy Meets Artgirl」
デンマークの4人組、モア・カプリスの、02年発表の初期シングル3種。ショップのサイトでは03年のデビューアルバムから06年のサードアルバムまで扱っていたんだけど(しかもそのうち2枚は重量盤アナログもあり)、なんとなくすぐになくなってしまいそうなこのシングルのセットを先に買ってみた。聴いてみて気に入ったらアナログも買おうと思って。
この3枚がどういうスパンで発表されたのかは知らないけれど、上のジャケ写を見てもわかるように、なんとなく連作のような感じ。ちなみに、ジャケに写っている女の子が、このジャケを含めたCD全体のデザインと、それぞれの盤に収められたPVを作ったようだ(全てのPVに出演もしている)。
「Daisies & Beatrice」に4曲(うち一つは同じ曲の短縮版)、「Summerfool」に4曲(うち一つは同じ曲のスロー・バージョン)、「Artboy Meets Artgirl」に3曲と、全部通して聴いたらアルバム1枚分ぐらいにはなる適度な量。中には、ライヴ録音でブルース・スプリングスティーンの「Born To Run」の微笑ましくなるようなバージョンも入っている。
音的にはどう形容したらいいんだろうな。典型的な北欧ポップの、でもあんまりジャカジャカと賑やかな感じじゃない、しっとりした雰囲気。でもちょっと元気な曲では「おお、がんばってるね」なんて応援したくなってしまうような。
先述の通り、それぞれのタイトルトラックのPVが収録されているんだけど、全部同じ監督(ニーナ・ベイアー Nina Beier)の作だけあって、統一されたイメージがある。いかにも北欧らしい透き通った空気感の風景や、ほとんど真っ暗な夜の風景などを、どれもコマ撮りで見せているものだから、素人っぽい作りとはいえ、なかなか味があっていいよ。メンバーの両手両足を縛ったりとか、監督自ら頭と頭でくっついたシャム双生児役をやったりとか、パンツを下ろしてトイレに座っているところとか、無邪気な振りしてどれもちょっとマニアックでフリーキーな味付けがされているところもまた奇妙で面白い。
結構気に入ったから、やっぱりアナログ盤のアルバムも買おうかな。MP3音源がダウンロードできればいいんだけど。
最後はこれ。
Ronderlin 『Wave Another Day Goodbye』
Ronderlin 『The Great Investigation』
こちらは北欧ポップの聖地、スウェーデンのバンド。ロンダーリンと読むのかな。左側のトンボの死骸ジャケが02年のデビューアルバム。これは今回取り上げた中でも唯一アマゾンでもHMVでも取り扱われている。右側の花火っぽいジャケが昨年発売のセカンド。
ファーストのブックレットには6人のメンバー名が載っているが、セカンドではそのうちべーシストがいなくなり、二人いたギタリストのうち一人がベースとスライドギターを担当するようになっている(ちなみに、ベースとスライドギターって、両方とも僕がもしバンドを組むなら一番やりたい楽器。こいつ僕と気が合うかも)。
まずトンボジャケから聴いてみたんだけど、これがまた、愁いを帯びたメロディーを80年代中期〜90年代初期のUKインディーズっぽい音で鳴らすという、相当僕の心のツボを突いた音。2曲目「Reflected」なんて、初期のベル&セバスチャンみたいなメロディー展開。11曲目「Black Eyebrows」でのオルガンの音もたまらん。
かなり期待しながら、5年のブランクを置いて発表された(僕は両方一度に知ったからいいけど、新人バンドが5年も新作発表しなかったら普通は解散したと思われてただろうね)花火ジャケの方へと移る。
いきなり、ペット・ショップ・ボーイズかと思うようなチャカチャカしたシンセのイントロが聴こえてきて、かなり期待を裏切られる(でも、言っとくけど、これはけなしてるわけじゃないよ。PSBはこのブログの最初の一年で最もよく取り上げられたアーティスト第二位だからね)。
ファーストの雰囲気を期待しないで聴けば、今回はニュー・オーダーばりの哀愁メロディの曲が続けざまに出てきて、これはこれでいいかも。初期のティアーズ・フォー・フィアーズかと思うような曲もあるし、ピアノとストリングスだけでしっとり聴かせる「Hands And Feet」なんてちょっとしみじみするし。
これだけ派手な音作りの方が素朴なファーストよりも飽きずに聴けば聴くほど味わい深くなるってのも妙な話だけど、最初に「あれっ?」と思ってしまった分だけ、このセカンドは僕にとってスルメ級に長く楽しめるアルバムになった。もともとPSBもニュー・オーダーもTFFも大好きなグループばかりだからね。
あえてひとつ難点を挙げるとすれば、最後の曲「The Sound Of The Ice When It Cracks」のイントロのメロディーが「屋根よーりーたーかーい♪」と聞こえてしまうことか。日本人ならではの空耳メロディー。いい曲なのに。
というわけで、年末からこっち、ずっと北欧ポップスにはまっている。今回取り上げたような、普通のCD屋やメジャーなネットショップに売ってないものは取り寄せが面倒だったり単価が高かったりもするんだけど、そこのところはブックオフの250円コーナーでクラウドベリー・ジャムとかポゴ・ポップスとかを買ってうまくバランスを取るようにしている。



久しくこういう音の新しいものはチェックしておりませんが、聴いてみたくなりました。
アマゾンなどでは取り扱いがないようですね。
ああ驚いた。
Dylan Mondegreen 、ジャケットがね…
とてもいいんだけど、だめ。
7,8年経つと私の気持ちがわかります。
トンボの死骸と花火は、ちょっと引かれますね。ジャケではなく中身が。
5年の空白はちゃんとご飯食べていたんだろうとか気になります。
ブックオフの250円コーナーはバランスをとるためにあるんですか。
私のほうは、これが終われば1年間つきあった刑務所とおサラバできます。
それにしてもこれだけの長さの記事、現実回帰猶予期間に間に合ったのでしょうか。
>「北欧 POP MAP スウェーデン編」、「北欧 POP MAP アイスランド、ノルウェイ、デンマーク、フィンランド編」
そういう本が世の中に存在するわけですね。
>カナダの某北欧物専門ショップサイト
そういうサイトが世の中に(以下略)
紹介された中でいちばん興味が湧いたのが、死んだトンボのCDです。
でもBorn to Runも聞いてみたいですね。
>そこのところはブックオフの250円コーナーで…うまくバランスを取るように
ここは突っ込むところですね?
ジャケが甘酸っぱいかどうかは判断しかねますが、サウンドは甘酸っぱいですね。眩しくて直視できない感じでした。爽やかPVで終わるのかと思いきや、終盤のトイレットペーパープレイはウケました。ウサギがシュール。こういうの結構好きかも。
トンボジャケ人気がありますね。私もこれが一番気になりました。ジャケに惹かれたわけではありません。あと、「屋根よーりーたーかーい♪」も聴いてみたいかな。
「ここをクリック」はのけぞりました。目がおかしくなったのかと思いますた!
「ここ」もちろんクリックしました。これいい考えですね。「どうせ手短じゃないくせに」と思った人が一日に何人いたか統計がとれますね。・・・サブリミナル効果で仕事がたくさん舞い込むような気もします。
さて、北欧ポップスとはたぶん違うとは思いますが、先日取り寄せたmarko haavistoはイスケルマロックのバンドだったみたいで、昭和歌謡のCKBに妙に通じるところがありました。哀愁ただよう感じがグーです。
マイスペのPV見てみました。爽やかですね! 木の根元まで芝がきれいに生えているのは、もちろん日本のものとは芝の種類が違ったり手入れがよいこともありますが、緯度の関係で日差しが届きやすいのかなとも思ったり。そんなことが気になってしまいました。
しかし、音がないと夜中の仕事がはかどりませんです。昨日やっと修理の見積がきたとこ。カセットのために、何だか余計な出費になってる気がしないでもないんだけど・・。
●piouhgdさん
こういうのもお好きでしたか。piouhgdさんには生易しすぎるかと思いましたが。アマゾンやHMVなどの大手サイトでの扱いはまだないようですね。僕もそのカナダのサイトを友達に教えてもらって買うことができました。話によると、渋谷の某CDショップにも入荷することがあるそうですが、僕は何度か足を運んだところ、いつも品切れでした。あのシングル曲もいい感じですが、アルバム全体も十分一般受けする内容だと思いますので、そのうちメジャーなお店でも扱われるようになるんじゃないでしょうか。
●Lunaさん
そんなに素直に驚いていただいて、ありがとうございます。ルナさんって本当に純粋な方なんですね。
あのジャケはだめですか。おかん目線ですね。それは言われてみて気づきました。そうですよね。7-8年経ってルナさんの気持ちがわかった気持ちになりました。
今回の説明ではトンボと花火に興味を持って頂けましたか。ルナさんにはちょっと脂っこさが不足気味かもしれませんが、そのうち聴いてもらえるようになんとかします。
>5年の空白はちゃんとご飯食べていたんだろうとか気になります
ここでもすかさずおかん目線ですね。さすがです。
>ブックオフの250円コーナーはバランスをとるためにあるんですか
もちろんですよ。宴会で散々脂っこいものを食べた後に、「腹にたまるものを」とか言いながら駅前で屋台のラーメンまで食って帰った翌日は、カロリーメイトとか軽いものを食べてバランスを取るようなものと同じです。250円コーナー、別名ダイエットコーナーとも呼ばれます。
●にんじんさん
締め切りは無事通過され、刑務所と古城は過去の話になったでしょうか。そのうち僕がそれを読む機会がありましたら、そのときのBGMはもう決まっています。
僕はまた明後日からしばらく出張に出るため、その準備が全然終わらなくて、この週末もずっと家で仕事をしています。よくおわかりのとおり、現実逃避のためにコメントを書きにきました。あくしゅあくしゅ。
>そういう本が世の中に存在するわけですね
はい。思っていたよりも初心者向けの内容で、ちょっと食い足りないところもありますが、ブックオフのダイエットコーナーで時間を潰すのにちょうどいいような、90年代スウェーディッシュ・ポップの名盤とかも沢山載ってて、懐かしいです。僕がこの本を最初に見かけたとき、スウェーデン編だけを買おうかと思ったのですが、どう転んでも僕はこういう組物の片方だけを買うということができないのです。誰しもそうかもしれませんが。
>そういうサイトが世の中に(以下略)
はい、こないだは日本のアイスランド音楽専門ショップサイトというのも見つけました。
トンボ、人気がありますね。僕の書き方の熱度の違いが原因でしょうか。でもやはりにんじんさんらしく、「Born To Run」にも触れてくださってますね。ではちょっとその話をしましょう。実は、この記事を書いたときは、全体を短くまとめようと思ったばかりに、モア・カプリスのところとかはかなり端折ってしまったんです。あまり愛情のこもってない、事務的な書き方になってしまったかと悔やんでいたのですが、実はあれからもこの6枚を繰り返し聴いていたところ、ひそかに一番気に入ってるのがこのグループなんです。
「Born To Run」のカバーが入っている2枚目のシングルの2曲目「Riding In Cars With Girls」は、カーラジオのダイヤルを回してあちこちの局がかかったり雑音が入ったりという演出から始まるんですが、自分たちの前のシングルの曲「Daisies」とかに混じって、スプリングスティーン本人の「Born To Run」が1秒ほど聴こえたりするというお遊びも入っています。だいたい、この「Riding In Cars With Girls」というタイトル自体が、かつてプリファブ・スプラウトに『車と女の子のこと以外にも歌うことはいくらでもある』と、その名も「Cars & Girls」という曲の中でスプリングスティーンが揶揄されたことに対する小さな横槍みたいなもので、このシングル盤では次の曲になるこのゆったりした「Born To Run」も、きっとこの子たち本当にスプリングスティーンのことが好きで、昔からずっと演奏してたんだろうなと思わせるバージョンです。そういった意味で、記事中では「微笑ましくなるような」という表現を使いました。そういえば、某友人に買ってきてもらって聴いたポプシクルの古いアルバムの中にも、「Born To Run」のリフをそのままコピーしている曲が入っていました。スプリングスティーン、スウェーデンでも大人気ですね。ただ、こちらは14年も前のCDですが。ああ、すっきりした。やっぱり記事は端折ると精神衛生上よくないですね。
ジャケはやっぱり甘酸っぱくないですか。おかん目線ですね。失礼しました。結構凝ったPVですよね。お金はかかってないけど、アイデア勝負というか。でもそのアイデアも特に凄いというわけでもないので、やっぱり曲勝負というか。自分でも何を書いているのかよくわかりませんが。
ひよりさんもトンボですか。ジャケに惹かれたわけではないといいながら、実はジャケも好きなんですよね。あ、いいこと思いついた。「そそるジャケ」シリーズで、虫ジャケ記事を書きましょうか。昔から、虫の話をすればブログが炎上するという言い伝えもありますしね。炎上なんかしてもらってもコメントをお返しするのに何ヶ月もかかってしまうのでどうしようもないですが。
のけぞっていただいて恐縮です。ひよりさんはもしかしてこの写真を見られるのは初めてでしょうか。このおっさん、実は栓抜きなのです。前にオークションで見つけたので、そのうち買おうと思っています。買ったら、関西でのオフ会に持っていって、それで栓を抜いてあげますね。
重量盤はもちろん重いですよ。せいぜい180グラムですので、世間一般的に「うわー重い」という感想は持たれないかもしれませんが。
●カブ子さん1号
大量のカセットテープ、それは気になりますね。カブ子さんがどんどん音楽に詳しくなってしまいますね。実は僕もこないだ引越し前に大量のカセットテープをリアル・グルーヴィーに売ったり、自分でエアチェックしたような売れないのは捨てたりしてきたばかりなのです。カブ子さんにあげればよかったですね。
ラジカセ、もう届いた頃でしょうか。コワい犬のレコードは聴かれましたか?CDとは違うでしょうか。「違う」でも「全然違わん」でもいいですから、何か感想を書き殴って頂ければ幸いです。
>これいい考えですね
ちっとも驚いていないところがいいですね。さすがです。統計、取ってみようと思ってアクセス解析のページを見てみたんですが、全然記録されていないんですよ。もしかして、皆さんクリックしてびっくりしたフリしてますが、実は誰も実際にはクリックしていないのでは?
>イスケルマロック
なんかものすごいものを聴いていますね。フィンランドですか。北欧趣味がシンクロしましたね。興味があるので、そのうち聴かせてください。それにしても、カブ子さんも海外のサイトからCDを取り寄せたりするんですね。ローマ字で会話されているんでしょうか。
●カブ子さん2号
>6日ほど放っとかれ状態
このコメントを見て、あとどれだけ放っとけるか試してみたくなりました。嘘です。ジミオン名物タメコメ、最近では断事観三昧や穴の空気でもおなじみですね。
>木の根元まで芝がきれいに(後略)
やはり植生に目が行くようですね。詳細な推理、さすがです。そういえば、NZの南島の植生を調べてくるのを忘れていました。最近物忘れが激しいので、調べてくることになってたのを思い出しただけで許してください。
やっぱり音があると家での仕事がはかどりますよね。何年も前に買って封も開けていなかったボックスセットなどをまとめ聴きするのに最適です。ディス・ヒートのボックスとか聴きはじめてしまうとあまり仕事になりませんが。
マイスペースであれこれ聴いてくれたんですね。勝手に決め付けますが、これはきっと両方ともグリンさん好みだと思いますよ。トンボの次の花火ジャケはちょっと音がハデすぎるかも知れませんが。