2015年05月31日

Wallis Bird live in Tokyo

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Wallis Bird 『Bird Songs -The Best of Wallis Bird-』

虫の知らせみたいなものってやっぱりあるみたい。来日することはずっと前から知っていたんだけど、ちょっとここのところライヴ多すぎるし(この二か月、平均すると週一以上のペースになってる)、気になってるけどまあ行かなくてもいいやと思っていたこのライヴ、開催二日前になってやっぱり急に思い立ってチケットと来日記念のベスト盤(こんなのが日本で出ることにびっくり)を買って行くことにした。それが、今から書くけど、こんなの見逃してたらもう絶対に後悔してたはずという凄いライヴだったから、知らせてくれた虫どうもありがとうってな感じで。

そんなぎりぎりに買ったチケットだから、一応開場時刻にスターパインズに着いたものの、列の最後尾に並ぶことになった。まあ、その時点では別に観られれば席はどこだっていいやと思っていたから、気持ち的にはそんなに焦ることもなく黙ってゆっくりと場内へ。

前回ここで観たグレンのライヴのときに味をしめた一ノ蔵の枡を手に、客席後ろの方のちょっと小高くなってるところの最前列に席を見つけて座った。テーブルもあるし、前の人の頭は邪魔にならないし、中途半端に空いてた真ん中あたりの席に座るよりはよっぽどいい席かも。ステージからは10メートルぐらいかな。うん、悪い席じゃない。あんなとんでもなく大きな整理番号にしては。

当日券の入場が開演10分前の17時50分と張り紙がしてあったのを見たんだけど、ちょうどその時間ぐらいにまたどんどん人が入ってくる。きっと、前日にあった新宿タワレコでのインストアを観て、やっぱり急遽来ることにした人も多かったんだろうね。そういう人たちがそこかしこに残ってた空席をひとつひとつ占めて、結局開演の頃にはもう席は全部埋まってたんじゃないかな。いや、すごい人気なんだね。おどろいた。

ファーストアルバム『Spoon』はしばらく前に手に入れて愛聴してたからそこからの曲はある程度わかるものの、あとは二日前に買ってこの日までに繰り返し聴いたベスト盤の曲がわかるかどうかというぐらいのにわかファンだけど、ステージに登場したウォリスが「これまでの4枚のアルバム、私の人生が詰まったベスト盤から今日は演奏するよ」と言ってくれたので、知ってる曲が多いだろうとちょっとほっとする。

ビデオや写真で見ていたとおりの小柄な彼女。黒いワンピース(だったかな?)とあちこち好き勝手な方向に伸びている真っ白な髪の毛のコントラストがいいね。ステージに置いてあった2本のギターのうち、グレー地に白と黒とくすんだ水色で幾何学模様のようなペイントのしてある方のフォークギターを手に取って歌い始めた。最初の曲は「Daze」。

すごいよ。この距離で聴いていてもマイクいらんだろうと思うほどの声量。その色合いもあいまって、ガシガシとものすごいストロークで弾いてるギターがなんだか楽器というよりは武器みたいに見えてくる。子供の頃に事故で左手の指を全部切り落としてしまったのをつなぎ直したってエピソードはベスト盤のライナーに書いてあったけど、そんなこと言われないと全然わからないよ(ちなみに、そのライナーには親指は戻らなかったって書いてあるけど、なかったのは小指だったと思う。親指ないとピック持てないよね)。

僕の好きな「The Circle」は確か3曲目に演ったはず。4曲目と5曲目をメドレーで歌ったところまで、すべてアップテンポの曲。どの曲もガンガン動き回ったりジャンプしたりしながら演奏して、うまく活用すればこのまま発電でもできるんじゃないかと思えるほどものすごいエネルギー。「次はちょっとスローなのを演ろうね」と言ったのが冗談に聞こえてクスクス笑いが起こるほどヘトヘトに見えたよ。

そのとき「何か歌ってほしい曲ある?」って訊くから、スローな曲ならリクエストしたいなと思ってた曲があったんだけど、曲名が出てこない。「あのほら、ファーストからの曲で、ベスト盤の最後から4曲目」とか言うわけにもいかず、他にも誰も何もリクエストしないので、ウォリスが「じゃあ、これはファーストアルバムから。2007年に出したCDだからもうずっと昔の曲」と言って、「You Are Mine」を歌いはじめた。あ、それも好きな曲だからいいや。

曲間のチューニングには結構時間かかってたね。「私は強く弾きすぎるから」と、ときにはもうイントロ弾き始めてるのに、弾きながらペグをいじったりもしてた。どの曲のときだったかな、床に置いてある(僕のところからは見えないけど)サウンドボードか何かをいじって音を出しながら、ギターを弾きながらチューニングをし、いつの間にかカポも付けて、さらにそのままビールを一口飲んでから歌い始めたなんてのもあったな。おみごと。

そう、ビールといえば、この人かなりの量のビール飲んでたよ。たぶんステージ上で大ジョッキを2杯は飲んでたと思うし、終演後のサイン会でもまたテーブルにジョッキ二つ用意して飲んでたからね。ライヴの最初の方で、乾杯って言いながら「日本に来てもう日本酒もキリンもその他も全部飲んだ」とか言ってたよ。あんなにおいしそうに飲む人は見ていて気持ちいいね。

「先週の金曜にアイルランドで大きな出来事があって」というのは同性婚が合法化されたことだね。それについての新曲と言って、アカペラで歌い始めた。タイトルを言わなかったので後でサインをもらうときに聞いたら、たしか「Life」って言ってたかな。てっきりサビで何度も出てきた「We Can Try」かと思ってた。いい曲だったし、なにより無伴奏であれだけ聴かせるのは素晴らしいと思った。この人、ほんとにすごい。

別の曲では、ウォリスが床のなにかをいじってシンセぽい音を出し、ギターを弾きはじめると、どこか上の方からバイオリンの音が聴こえてきて、僕の座ってる席の斜め後ろ上あたりからクラリネットの音も聴こえてきた。なんか不思議な聴こえ方するなあと思っていたら、最後尾のPA卓のところにいた人がクラリネットを吹きながら客席をゆっくり前の方に歩いていき、中央あたりで止まってそこで演奏しはじめた。僕の席からは見えなかったけど、二階席(いつもサイン会のある場所の奥あたりかな)にはバイオリニストが実際いたみたいだね。クラリネットの人はエイデンって名前で、ウォリスと一緒に来日したみたい。

本編ラストは、ベスト盤の中でも僕がいちばん気に入った「To My Bones」。ラストにふさわしい盛り上がりだった。この曲はセカンドアルバムからシングルカットされたのかな。ネットにかわいいPVがあるね。気に入ったのでここに載せてしまおう。


ほとんど間を開けずにアンコールで再登場。また「何かリクエストある?」と訊くと、今度は前の方にいた女性が二人リクエストして、それを両方とも演奏していた。最初のはベスト盤にも入ってる「LaLaLand」だったけど、2曲目は知らない曲だったな。これはちゃんと全アルバム集めないといけないかな。全アルバムと言ってもあと3枚も集めれば済むから、僕基準ではたぶん再来月ぐらいには揃ってるとは予想するけど。

本編を終えるときに「弦を一本も切らなかったのは珍しいよ。いつもは何本も切ってしまうから」と言っていた言葉どおり、その2曲を終えるまでに2本の弦が切れてしまい、曲の最後には残りの4弦も全部手で引きちぎってしまった。アンコール最後の曲を演奏するときにそっちのギターを使おうとして、そういえば弦がないんだった、とか。

日本がとても気に入ってくれたのはお世辞ではないと思うけど、「これは最初で、最後じゃないから。またきっとすぐに来るよ」とか「アイルランドに来たらうちに泊まってね」とか言ってたな。「最後の曲で、あなたたちをちゃんと起きたまま家に帰さないと」と笑わせて歌い始めたのは「In Dictum」。後半ではギターのプラグをぶち抜き、オフマイクで歌い始めた。マイクなくても全然遜色ないね。すごいすごい。

全部で1時間半をちょっと切るぐらいだったかな。もうとにかくエネルギーの塊を延々とぶつけられてたようで、座って観ていたはずなのにこちらもかなり消耗したよ。さて、きっとサイン会があるだろうから、上に行って並ぼう。いつもと違って後ろの方に座ってるから、すぐに階段登って列に並んだ。かなり前の方だ。きっとあの明るくおしゃべりな彼女のことだから、後ろに並ぶとなかなか順番が回ってこないはず。案の定、係員が時間節約のためにサインはいいけど写真はお断りと言ってる。ちょっとそれは残念。

案の定、サインをもらわずに帰る人はほとんどいない。満員のスターパインズは多分200人ぐらいいたのかな。これは長丁場になりそうだぞ、と思っていたところでウォリス登場。あんな壮絶なステージの直後なのに元気そうだね。お客さんに一個ずつ持って帰ってもらおうと、テーブルに大きなチュッパチャプスのケースを置いてた。なんかこういうのもうれしいね。

僕の順番が回ってきたところで、ウォリスの方から「あれ?どこかで会ったっけ?」と言ってくる。「うーん、会ってないと思うよ」と言うと「そうか、じゃあきっと前世で会ったんだね」と返してくる。くーっ、惚れてまうやろー。「さっき“All For You”をリクエストしようとしたけど、タイトルが出てこなかったんだ。次に来てくれたときにまたリクエストするね」なんて話をしていたら、CDのジャケットにこんなことを書いてくれた。
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そんなことに感動しつつ最後に握手したら、両頬にあいさつのキスをしてくれた。もうなんかこちらはめろめろである。チュッパチャプスも何色を取ったんだか覚えていない。一緒に写真は撮れなかったけど、前の人がサインをもらっているところを写したので、それでもあげておこう。

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つい最近までは日本盤のCDも出ていない状態での初来日だから東京一回以上のブッキングを入れることもできなかったんだろうけど、蓋を開けてみるとこの盛況。そして、今回このライヴを観た人は次があれば確実に来るだろうから、本人がステージ上で何度も繰り返していたように、再来日を期待しよう。そのときはきっと複数回(もしかしたら地方も?)の公演が組まれるだろうし、僕にとってはチケットを発売と同時に押さえるべきアーティストがまた一人増えてしまったということだ。


いつもこの会場でライヴを観たときは、終演後に連れだって飲みに行く仲間がいるんだけど、この日はあいにく誰も知り合いがいなかったので、そのまま帰途についた。さっさと帰って何か食べようと。そしたら、山手線新宿を出たところであの小笠原地震が発生。僕は動いている電車の中だったので全然気づかなかったんだけど、次の代々木で運転見合わせ。小一時間ほどそのまま座っていたけど進展なさそうだったので、動き出した地下鉄を3本乗り継いで、なんとか家にたどり着くことができた。

空腹で山手線にずっと座っていたときにウォリスにもらった青リンゴ味のチュッパチャプスでお腹をなだめたこと、地下鉄の乗り継ぎ間隔がすべてゼロ分だったことと、結局山手線が動き出したのが僕がとっくに家についてウィスキーでほろ酔い加減になっていた夜中の11時半だったことを考えると、この日は勝ち負けで言うと勝ち。ウォリスのライヴの件を加えていいなら、圧勝の一日だった。あとは、ウォリスが地震を怖がって日本にはもう来たくないなんて思ってなければいいけど。


p.s. 本人のFBに写真がいくつか上がってたので勝手にコピーさせてもらおう。黒い服はワンピースじゃなかったね。まあなんであれ、かっこよかった。
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