2015年05月24日

John Hiatt live in Tokyo (Part 1)

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「ジョン・ハイアット27年ぶりの来日」。その文言をビルボードからのメルマガで見たときは、それはもう身体が固まってしまったかのようだった。僕が彼の最初の来日公演を観たのが88年の確か2月か3月? 保管してあるはずのチケットがちょっと見当たらないので正確な日時は覚えてないけど、85年の『Warming Up To The Ice Age』あたりから彼のアルバムを聴きはじめていた僕にとってはその当時ですら既に待ちに待った来日だったこと、何の予備知識もなしに観たサニー・ランドレスがとんでもなかったこと、ライヴが始まったときに自分のより五列ほど前の空いていた席にこっそり移動したこと、そしてその待ち望んだライヴ自体が期待通りだったことなんかがそれこそ走馬灯のように目の前によみがえってきた。

なんて書いておきながらせこいこと言うけど、さすがに9400円のセットを四回全部観るのはちょっときついのと、初日のファーストセットはいずれにせよ間に合わなくて無理なので、とりあえずは両日セカンドセットを押さえた。悪い番号ではない。初日を観てどうしても我慢できなければ二日目のファーストも検討しよう。そして、ヒュー・コーンウェルのライヴが終わった瞬間から、編集盤やブートも含めて40枚近くある彼のアルバムを手当たり次第引っ張り出して予習(復習?)を始めた。今世紀に入ってからのアルバムはちょっと聴き込みが甘かったからね。

セカンドセットといえど、平日の夜はなかなか時間の調整が難しい。会社の会食を少し早めに切り上げ、汗だくになりながら受付時刻前にビルボードに到着。それなりに気合いを入れて取った整理番号なので、かなりの好ポジションから観ることができた。いつもゴーティで顔を合わせる方も偶然同席で、少し豪華なゴーティにいるみたいな錯覚。

開演時刻ぴったりにジョン登場。「コンバンハ」と日本語で挨拶し、間髪入れず「Master Of Disaster」を弾きはじめる。これはなんというか、嬉しいサプライズ。僕としてはリクエストしてまで聴きたいような曲ではないけど、できれば聴きたかった曲のひとつ。

ジョンのいでたちは、褪せた色のジャケットにニットタイ、シャツの裾をジーンズから出して、頭にはストローハットという、いかにも最近のジョン・ハイアットらしいスタイル。顔には年相応のしわがびっしりと刻まれている。曲間でハーモニカホルダーを装着したり外したりするときに帽子を脱ぐと、昔ながらのオールバックはかなり白く薄くなってしまっているね。

ときおり短い曲紹介を挟みながら、次々にいろんな時代の曲を繰り出してくる。我ながらびっくりしたのは、オリジナルアルバムとは全然違うアコギ弾き語りなのに、イントロを弾きはじめた瞬間に、ほとんどの曲のタイトルがわかってしまったこと。オープニングの「Master Of Disaster」をはじめ、こんなところから持ってくるかと思うようなちょっとマニアックな曲も多かったのに。アコギのアレンジを何度も聴いて覚えてしまってるグレンのライヴとは違って、今回初めて聴くようなバージョンも多かったのに。さすが伊達にこの人のことを30年聴いてきてないね。

「ロードソングを演ろう」と前置きして弾きはじめたのが「Tennessee Plates」。待ってました! 「Japanese model or make」の歌詞のところでは、こんなこと言っちゃっていいのかな風に目をキョロキョロさせながら歌ってたのがおかしかった。古いビデオなんかを観ると、結構演奏中にお茶目な寸劇風のアクションしたりしてる人だから、この日ももっと何かあるかと思ってたけど、さすがにひとりの弾き語りだとたまに変顔したりするのが精一杯だったね。

床に置いてあるセトリを観ながら次の曲を用意していると、上の方から「Living A Little, Laughing A Little」のリクエストが飛んできた。「それは古すぎてできないよ。もう脳がチーズみたいになってるんだ」とか言いながら他にリクエストを募ってみると、あちこちから結構マニアックなリクエストの声があがる。どの曲も古すぎるのか練習してないのか次々に却下されたあと、結局「Terms Of My Surrender」に落ち着いた。「それはついこないだ書いたばかりだ」って。まあ他人のリクエストに文句つけるわけじゃないけど、最新アルバムのタイトル曲なんて、べつにリクエストしなくても演ったよねきっと。

二本置いてあったギターのうち、少し小ぶりな方だけを使ってたな。もう一本はスペアだったのかな。例の曲でキーボードかピアノを弾くかと思ってたけど、ステージ上には楽器はそれだけ。あとは曲によってハーモニカホルダーをつけて、いくつかのハーモニカを(結構間違えながら)付け替えて吹いてた。ちょっと感心したのは、何曲かで披露した口笛がすごくいい音だったこと。「Perfectly Good Guitar」でちょっと音外したかなとは思ったけど、それ以外はオリジナルならギターソロが入っているようなところで吹いたりして、印象的だった。

「これは2008年のアルバムから。ちょっとアレンジが違うけど」と言って始めたのが、僕としてはこの日唯一イントロを聴いて何の曲かわからなかった「Like A Freight Train」。うわーこんな渋い曲演るのか。と思ったけど、これって『The Open Road』の曲だよね。2010年ですよ先生(笑)

後半の「Crossing Muddy Waters」〜「Feels Like Rain」〜「Riding With The King」〜「Lipstick Sunset」と続いたあたりが一般的にはハイライトか。「Riding With The King」のリクエストを受けたときに「あの男の歌か」って言ってたね。BBキング亡くなったばかりだから、リクエストなんてしなくてもこの曲は演るとは思ってたけどね。

「Lipstick Sunset」なんて、誰もが間奏のところでライ・クーダーのあのスライドを空耳してしまうから、ジョンのアコギ弾き語りだときついかもと思っていたんだけど、これがまた驚いたことに実に聴かせるソロを披露してくれた。この人って、こんなにギター上手かったんだ。一応脳内ではライのギターがサポートしてはいるものの、この曲のこの演奏がこの日のベストだったかも。

本編ラスト前の「My Old Friend」も確か観客からのリクエストだったかな。「それはいいね」と言って即答。僕的には待ち望んでいたというほどではないけど、これも聴けるとは思ってなかったような曲なので嬉しい。そして、本編ラストが「Drive South」。やっぱり締めるところはこういう定番を持ってくるね。

アンコールは一曲だけ、こちらも定番中の定番「Have A Little Faith In Me」。ギターでこの曲を聴くのは初めてかも。もうあまりにもスタンダード化してしまったこの曲だけど、どんなバージョンでもよいものはよい。もう何曲か演ってくれるかなとは思ったけど、この時点で開演から1時間20分ぐらい経ってたのと、ステージを降りようとするジョンにファンが群がってサインを求め、ジョンも承諾するもんだから、その場でもう客電が点いてしまった。あーなんかもったいない。

いやよかった。声が全然衰えてない。いぶし銀なんて、この人のことを形容するのに使い古された文言を使いたくはないけど、あの声をまたこんな間近で聴くことのできる日がくるなんて思ってもいなかった。すぐに受付のところに行って、翌日のファーストセットの状況を訊いてみたけど、自由席はもうすでに90番台、上のカジュアルシートはほぼ満席で、(僕的には自由席よりもよっぽどランク下の)指定席はわずかに空いてはいたけどとんでもない値段。うーん、ちょっとこれは迷うなあ。もう既にいい番号を押さえている東京最終公演に期待するかな。


Setlist 22 May 2015 @ Billboard Live Tokyo [2nd Show]

1. Master Of Disaster
2. Real Fine Love
3. Marlene
4. Lift Up Every Stone
5. Tennessee Plates
6. Terms Of My Surrender
7. Perfectly Good Guitar
8. Through Your Hands
9. Like A Freight Train
10. Crossing Muddy Waters
11. Feels Like Rain
12. Riding With The King
13. Lipstick Sunset
14. My Old Friend
15. Drive South

Encore
1. Have A Little Faith In Me
posted by . at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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