2015年04月19日

Glenn Tilbrook live in Fukuoka 2015

一旦サボり癖がついてしまうとそれまで習慣としてやっていたことも途端に面倒になってしまうもので、このブログももう更新することはないかなと思っていたんだけど、4年ぶりのグレン・ティルブルックのライヴで4年ぶりに顔を合わせた何人もの懐かしい友達が口々に「楽しみにしてたのに」なんて背中を散々押してくれたもんだから、またちょっと書いてみようかなと重い腰を上げてみた(このダラダラと長い文章もカッコ入りの文末も、ああそういえばこのブログってこんな文章なんだったと我ながら懐かしくなってみたり)。

一番最後にアップした去年9月以降、今回のグレンまでに行ったライヴが八つもあるから、気が向けばそのうちそれらのことも思い出して書いてみるかもしれない。もう何か月も経ってしまっているから細かい部分は忘れてしまっているだろうけど、それでもここに書いて残しておくかどうかで、後々まで記憶が蘇るかどうかが決定的に違ってくるというのは、自分でもそう思うし、今回声をかけてくれた、僕と一緒のライヴに行った友達もみんなそう言ってくれたからね。

さて、途中で丸一週間の出張が入ってしまっていたというのもあって、もうすでに三週間も前のことになってしまったグレンの福岡公演、どこまで思い出せるかな。セットリストは全公演分あるから、それを頼りに思い出せることをあれこれ書いてみよう。

DSC_0246.JPG

3月30日。期末の忙しい時期だけど、月曜の昼便に乗り、翌朝一番の便で東京に戻れば会社は半休を取るだけで済むというのが福岡公演の長所だということに今回気付いた。やっぱり空港が街の中心部から近いというのはいいね。今回行くのを諦めた京都なんかだとこうはいかない。

博多のホテルに荷物を置いて、去年タマス・ウェルズを観たときにも降りた赤坂駅からすこし歩いたところにある会場のLiv Laboは、そのときの会場だったpapparayrayからもそんなに遠くない場所だった。福岡の地理にはそんなに詳しくないけど、このあたりはこういう小さなライヴ会場が多いのかな。

papparayrayもライヴ会場というよりは古民家を改造したイベントスペースという趣きだったけど、今回の会場はもっと普通に近代的なイベントスペースという感じ。建物の外階段を二階にあがったところにある、普通に椅子を置いて50人も座れば一杯になってしまうようなこぢんまりした場所。ステージのところにはスノコがいくつか敷き詰めてあるだけだけど、この広さなら一番後ろの席からでも問題なく観られるはず。

でもせっかくいい整理番号のチケットだったので、久しぶりのグレンはやっぱり一番前で観る。東京から来た僕も含めて、最前列を埋めたのはほとんどいつもお馴染みの、日本各地から集まってきた筋金入りのおっかけ衆の皆様。このうちの何人かは、このあと一週間のうち何度も顔を合わせることになる。

今回は奥さん(兼マネージャー)と二人の子供を帯同しての初めての日本ツアー(家族旅行とどちらが先に決まったのかは不明)で、二人のうち年上のレオンがグレンと一緒にステージに立つという話だったのに、この日はグレン以外の三人が体調を崩してしまったとのことで、変則的、というかいつもの二部構成のグレンのライヴだった。なのでこの日だけは、ステージ上にはグレンの二本のアコギ(どちらもいつものヤマハ)と黒いストラトキャスターが置いてあるだけ。

開演時刻の19時ぴったりに会場後方にある中二階の楽屋からグレンが降りてきて、二つのうちのシンプルなデザインの方のギターを手に取る(ヤマハのギターの種類には詳しくなかったから調べてみたら、グレンが使っているようなエレアコはもう全部生産中止なんだね)。ちなみに僕が観た今回の全公演では、グレンはもう一本の(多分LJXというシリーズの、ちょっと派手なデザインの方)は結局一回も使わなかった。

久々の日本公演最初の曲は、最新作『Happy Ending』からの「Persephone」。さすがロウリー・レイサムが制作にかかわってるだけあって今までのソロになく凝った装飾のこのアルバム、僕としてはいささか微妙な評価なんだけど、こうしてアコギ一本で聴くとずいぶんと印象が変わる。

「今のは『Happy Ending』、これは『East Side Story』から」と言って「Someone Else's Bell」へ。僕にとっては、“どこがそんなにいいのかわからないけどグレンのお気に入りプレイリストから落ちることがない”という一曲。いや、別にけなしてるわけじゃないよ。これを聴くとグレンのライヴに来たなという実感が今さらながらわいてくる。

続けて、「ナイン・ビロウ・ゼロと一緒に作った、何年前のアルバムだっけ」と言いながら「Ter-wit Ter-woo」。前回の11年の来日でもうすぐ出るそれに収められることになると「Chat Line Larry」を紹介していたから、「4年前」というのが正解なそのアルバム、今回の来日前に久しぶりに引っ張り出して予習していたときに、実はこんなに正統派のグレン節が収められていたということに気付いたのがこの曲だった。グレンが全曲リードボーカルを取っているわけじゃないし、さっきの「Chat Line Larry」やビートルズのカバーが収録されているという以外の印象が薄かったから、あまり聴いてなかったんだよね。

「アイパッドを持ってくるのを忘れた」と言って、一旦会場後方にさがってステージに駆け戻ってきたときに、勢いあまってスノコをすべらせてしまうグレン。固定してあるわけじゃないんだ。台の上に置いてあった水はこぼれずに済んだけど、09年の京都公演(あのときもこんな感じの即席ステージだった)でビールのジョッキを倒してしまった光景が頭をよぎった。

そのアイパッドを開きながら、つい前週、日本に来る直前までスクイーズでレコーディングしていた曲を演奏しようと歌詞を探し始めるのに、なかなか見つからない。ページをスクロールするのに複数の指で操作しているもんだから、たぶん全然スクロールできないんだと思う。もう何年も前に買っていつも愛用しているはずなのに、まだ使い方に慣れてないんだね。こういうところがいかにもグレンぽくて微笑ましい。

結局お目当ての曲の歌詞が出てこず、「代わりにこの曲を演ろう」と言って歌い始めた別の新曲。曲紹介のときに僕には「Beautiful Hand」と聞こえて、後でグレンに確認したときに「Yes」と言われたんだけど、ネットで探してみると「Beautiful Game」となっているね。

またしても苦戦しながらアイパッドを操作して、やっと出てきたお目当ての新曲は「Haywire」という曲。「成長することについて」とかなんとか説明してたっけ。途中、「ページをめくる」という歌詞を歌いながらアイパッドのページをスクロールしたのが可笑しかったのか、歌詞を見ないと次のフレーズが出てこなかったのが照れくさかったのか、苦笑いしながら歌うグレン。

ちょっとたどたどしく二曲の新曲を歌い終えた後、アイパッドを脇に置いて、手慣れた感じでお馴染みの「Is That Love?」へ。ただ、この曲に限らず、この日はギターソロが若干もたついていた感じがしたかな。そんなにあからさまに失敗したとかいうわけじゃないけど、完璧なときのグレンの指さばきからはちょっと遠かった気がする。確かにいつも来日初日はちょっとエンジンが暖まってないようなことがあるから、まあこんなもんかな。

セトリ見ながら書いてると、思い出せることありったけ書いてしまうな。このままじゃ四日分書くのにとんでもない時間がかかってしまう。ちょっと端折りながら進めよう。じゃあちょっと飛ばして、新譜からの「Ray」を紹介するときに「この曲は僕ぐらいの歳の男の歌で、でも僕のことじゃないからね」とか言ってたかな。

その曲も含めて、前半最後は「Some Fantastic Place」、「Annie Get Your Gun」、「Up The Junction」など鉄壁の代表曲をずらっと並べて(なぜか途中で新参の「Chat Line Larry」も挟んで)、最後は「Tempted」で締め。45分ぴったりで休憩に入る。前半は45分と決めていたんだろうけど、よくもまあこんなにぴったり合わせられるもんだ。

後半は「Rupert」、「Everybody Sometimes」と新譜からのナンバーが続き、「この曲を書いたジミー・ウェブと光栄にも共演することができた」と「Wichita Lineman」を演奏。たしか前にもこのカバーを演ったことがあったね。09年の来日だったかな。

翌日以降はレオンと一緒に演奏することになる「Take Me, I'm Yours」をこの日はひとりで演奏(そういう意味ではレアなこの日)。ギターソロで拍手が沸いて、歌ってる途中で「サンキュー」って言ってた。つづいて僕の“どこがそんなにいいのか(以下略)”リストからもう一曲「The Elephant Ride」、実は久々に聴いた気がする(というか全部4年ぶりなんだけど)「Untouchable」と、どんどん定番曲が続く。なかでも、ソロでのこのバージョンがお決まりとなった「Tough Love」がやっぱりじんとくる。

ストラトに持ち替えての「Another Nail In My Heart」が格別だった。やっぱりギターソロがほんのちょっとだけタイム感が合ってないような気がしたんだけど、それでもエレキでこの曲を演奏してくれるのはものすごく嬉しい。もしかしたらこれまで僕が観た来日公演では初だったんじゃないかな。

大好きな『Pandemonium Ensues』から少ないなと思っていた頃に「Still」が出てきた。結局今回の来日ではこの日しか聴けなかった曲のひとつ。続けて、「Pulling Mussels (From The Shell)」。ああもうこれで終わりかと思ったけど、まだステージを降りない。アコギに持ち替えてそのままチロチロとあまり聴いたことのないフレーズを弾いていたと思ったら、なんとそれが「Vanity Fair」のイントロにつながってびっくり。こんな曲いままで演ったことあったっけ、と思って調べてみたら、僕が観た中では06年で一回だけ演奏してるね。これももちろん、今回の来日でこの日にしか聴けなかった曲。

「作成中のスクイーズのアルバムからもう一曲」と言って、「You」という曲を。うわー、今日の後半セットは長いなと思っていたら、その曲が最後だった。とりたててライヴの最後に演奏するような雰囲気の曲じゃなかったのに、その時点で実は「Annie」も「Pulling Mussels」も「Another Nail」も「Take Me」も「Slap & Tickle」も「Black Coffee」も演奏してしまっていたことに急に気付いたのかな。「Goodbye Girl」はアンコール用に取っておかないといけないんだろうし。

そんな感じで実に尻切れトンボぽく静かな二曲で本編を終えたあとは、当然アンコールで再登場。幻のビデオ撮影が懐かしい「Through The Net」(この曲のサビのところでパンパンと手を叩く人はもうあまり見かけなくなってしまったし、ましてや「ラララララララー」とコーラスを入れる人は僕も含めてさっぱりいなくなってしまった)、そしてそういえばまだこれがあった定番曲の「Hourglass」(手拍子を32回できっちり止めない人が多くてちょっとキレが悪かったけど、初めての福岡の地でちゃんと説明しないグレンが悪い)。

てっきり最後は「Goodbye Girl」かと思いきや、そこで終了。歌い終えたところで最前列真ん中に座っていたMさんに「サンキュー」と握手をしてきて、ああやっぱり常連の彼女のことは覚えてるんだなと思ったら、続いて隣にいた僕にも「サンキュー」と握手、さらに次々に同じようにお客さんに握手をしていって、とうとうそのまま一番後ろまで行ってしまった。ははは、これじゃもうアンコールできないや。それを狙ってたのかな。だとしても、こんなことしてくれる人ほかにいないよね。これでこそグレン。

終演後のサイン&写真撮影タイム。最初はどうなることかと思ってたけど開演前にはきっちり全部席を埋めた50人ほどのお客さんのほとんどが並ぶ。福岡公演は初めてだから、グレンにサインをもらうのはこれが初めてという方が多かっただろうね。グレンも時差ボケとか家族が病気で早く帰りたい気持ちとかあったろうに、いつもどおり丁寧に全員と歓談してくれる。

僕はシリーズの中で唯一サインをもらっていなかった『The Demo Tapes』シリーズの『When Daylight Appears』にサインをもらい、これまでのライヴでサインをもらっていた3枚を並べて見せて、ほらこれで全部揃ったとグレンに自慢。ところでこのシリーズ、全部で5枚出るという話だったのに、07年、08年、09年、11年と続けてリリースされた後はすっかりご無沙汰だね。年代で言うと81年〜84年、アルバムに置き換えると『Sweets From A Stranger』〜『Difford & Tilbrook』期がまだ出てない。再結成スクイーズのライヴとレコーディングが忙しくてそれどころじゃないんだろうけど、このままお蔵入りにならなければいいな。

サインをもらいながら、アイパッドの画面をスクロールするには指は複数じゃなくて一本だけにした方がいいとアドバイスをしてあげたら、ああそうだったのかと嬉しそうにしてくれるグレン。ほんとに知らなかったんだね。「じゃあまた週末に、東京で」と別れる。早く片づけて病気の家族のところに戻ってあげないとね。


グレンのライヴの後にはなぜか、知らなかった人にも声をかけて飲みに行ってしまう(本当にグレンのライヴにはそういうマジックみたいなのがあると思う)。この日も久々に会ったグレンヘッズの面々と古くからの友人に加え、たまたま近くに座った方もお誘いして近所の九州料理屋(?)へ。なんだかバタバタして結局その人の連絡先は聞かなかったんだけど、またどこかのライヴでばったり会えるかな。

久しぶりのブログなので四公演分まとめて記事にしようと思っていたのに、福岡の分だけでもうこんな量になってしまった。ちょっとこのまま続ける体力ないので、これはこれでアップしてしまおう。続きはまた明日。

fukuoka.jpg

Setlist: 30 March 2015 @ Liv Labo Fukuoka

1. Persephone
2. Someone Else's Bell
3. Ter-wit Ter-woo
4. Beautiful Hand (Beautiful Game?)
5. Haywire
6. Is That Love?
7. Black Sheep
8. Some Fantastic Place
9. Ray
10. Annie Get Your Gun
11. Up The Junction
12. Chat Line Larry
13. Tempted

14. Rupert
15. Everybody Sometimes
16. Wichita Lineman
17. Take Me, I'm Yours
18. The Elephant Ride
19. Untouchable
20. If I Didn't Love You
21. Tough Love
22. Black Coffee In Bed
23. Another Nail In My Heart
24. Slap & Tickle
25. Still
26. Pulling Mussels (From The Shell)
27. Vanity Fair
28. You

[Encore]
29. Through The Net
30. Hourglass
posted by . at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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