2014年08月31日

Mike Peters live in Tokyo 2014

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2010年のラヴ・ホープ・ストレンクス(LHS)のイベント以来となるマイク・ピーターズのソロ来日公演。あのときのライヴが半エンドレスのミニフェスみたいな趣で本当に楽しかったから、今回の会場がビルボードだと聞いてその点だけはちょっと残念。

チケット発売時刻がちょうど地方に出張に行く飛行機に乗っていた時間で、これはあまりいい番号が取れないだろうなと思っていたら比較的若い番号だったので、もしガラガラだったらどうしようと危惧していたものの、ふたを開けてみるとこのセカンドセットは1階席はほぼ満員。上の方のさらし首席はそれほど混んでいるようには見えなかったけど、マイク・ピーターズってこんなに集客力あるんだと改めて感心した。

最近のライヴ写真同様、足元にバスドラが置いてあるステージ。ソロ公演なのになぜかマイクが3本も立ててある。後ろには黒いアコギが2本とマンドリンが1本。開演時刻が迫ってステージ後ろのカーテンが降りると、そこには最近リリースされた『Declaration』(マイクが一人でアラーム名義で再録したもの)のジャケットのデザインが。

そう、今回はそのアラームのファーストを30周年記念で全曲演奏するというツアーの一環。もともと僕はアルバム一枚通して演奏するライヴってあんまり好きじゃないんだけど、まあそれ以外にも演るっていうし、インタビューを読むとアンコールも受け付けるとは書いてあったから、それなりに楽しめるだろう。

アラームのサイトで買い忘れていたその新録版『Declaration』、マイク・ピーターズ・オフィスに問い合わせてみたら今回のツアーに持ってきているとのことだったので、席に着くやいなや早速購入。もう一枚、アラーム極初期の曲をこれもマイクが一人で再録音した『Peace Train』というアルバムと、あとはこの六本木公演特製デザイン(上の版画)のTシャツも。

で、その新録版『Declaration』、曲順までもがオリジナルと全然違う。あのアルバムを「Declaration / Marching On」以外の曲で幕開けできるものかと思うんだけど、なぜか1曲目に書いてあるのは「Shout To The Devil」。中の曲もほぼ順不同に近い順番で収録されていて、最後が「We Are The Light」。なにその盛り上がらなさそうな曲順。もしや、今回の“全曲演奏”というのもこの順序なのか。

そう思いながら待機していたら、ステージに現れたマイクが最初に歌ったのは「Unsafe Building」。「この曲でバンドが始まったんだ」と。たしか前回の来日公演もこの曲が最初だったな。1曲目からすでに『Declaration』と関係ないし。まあその方が僕としてはサプライズがあって嬉しいけど。

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続いて「Shout To The Devil」。最初の曲もそうだったけど、何年の何月(ときには何日まで)にその曲をリリースしてとかいう事細かな説明をして歌い始める。そうか、今回の新録版がこの曲で始まっているのは、この曲がアルバムで一番最初に録音されたから(作曲された?)からなのか。

足元のバスドラをずっと踏みながら歌うのかと思っていたら、ループを駆使してドラム、タンバリン、ギターとどんどん音を重ねていく。後の曲ではコーラスも聞こえてきたから、その場でのループだけでなく結構いろんなプリレコーデッドの音も使ってたようだ。その点は自分内でもちょっと賛否両論というか、もっとシンプルな弾き語りを聴きたかったというのと、ここまで厚い音ならいっそバンドで観たかったというのと、でもこんなに頑張ってループとか駆使して少しでも意図した音を聴かせようとしてくれるのを評価したいというのとちょっと複雑な思い。

曲間の語りが長い。84年に最初に日本に来たこと(「12月15日に渋谷で観た人もこの中にいるだろう」って、あれ日付は事前に予習してるんだろうね、まさか覚えてるなんてことは…)、その次の年に初めてTOTPに出たときのこと。エコー&ザ・バニーメンが共演だったと「Killing Moon」の一節をイアンの真似して歌ったり、同じ日に出たマドンナはほとんど服なんて着てなかったとか、自分たちはこんなすごい髪型で、とか笑わせる。

同様に出演していたモリッシーとマーにサインをもらおうと楽屋を訪ねたら、モリッシーはズボンの後ろに花を挿していて、(当時まだ新人だった)マイクのことを知ってただけでなく「その場で次の曲のコーラス部分を歌ってくれたんだ。この曲はモリッシーに捧げるよ。みんなも同じ個所を歌ってくれ」と、「Where Were You Hiding When The Storm Broke」へ。

この曲の途中ではお馴染みの、トランプをばらまくパフォーマンスもあった。結構いい席に座っていたので、特に苦労もせず自分のところに落ちてきた3枚をゲット。3・4・5のストレート。拾えたのはうれしいけど、3枚もあると逆に持て余してしまうな。

そこからは新録版の曲順に沿って「The Stand」、(デイヴ・シャープによる素晴らしい歌詞との前ふりで)「Tell Me」、(イントロでまずマンドリンの音をループさせて)「Howling Wind」と続けた後、4年前の来日の話に。LHSの説明を始めたからもしかしたらその同名の曲を始めるのかと思ったら、その言葉を最初に歌詞に使った「Strength」だった。あれ?ファースト全曲演奏じゃないの?

さらに、「Walk Forever By My Side」に続けて76年にセックス・ピストルズを観た話を始めたものだから、ああこれは「Spirit Of '76」だとわかる。もうこの辺まで来ると『Declaration』全曲演奏なんてお題目はどっか行ってしまって、単にアラーム初期の曲だけを演奏するライヴになってしまっているよ。もしかして時間制限があって端折ってるのかな。まあ、最初に書いたとおり、僕としては予定調和じゃないそっちの方が逆にうれしいんだけどね。

次の「Sixty Eight Guns」で『Declaration』に戻る。これまでの曲もオリジナルと若干違ったアレンジが施されていたけど、これはなんだか、オリジナルにあったカタルシスを一切排除したようなもっさりしたバージョンだな。テンポも緩いし、あのジャカジャカジャッジャーンという恰好いいリフが、ドドンガドン、ドドンガドンなんて音頭みたいになってる。本当にマイクは今はこっちのバージョンの方がいいと思ってるのか。

ほとんどの曲で、ほぼ1コーラスごとに3本のマイクの間をうろうろと移動して歌う。それほど広いステージでもないのに、ちゃんと両端のお客さんにも見えるようにとの配慮だろうね。こんなことをする人を見たのは初めてだ。さすがの気配り。ほんとにこういうところも含めてファンになってしまうんだよね、この人。

「もし君が30年前のライヴに来ていたなら、オープニングで僕がギターを高く揚げてこの曲を演奏するところを見たはずだ」と言って、「Declaration」、そしてもちろんそれに続けて「Marching On」(これもまたちょっともっさりしたアレンジだった)。これが本編ラスト。うーん、なんか違和感。結局、マイクのボーカルで聴いてみたかったと思っていた「Third Light」や、彼が使っていたギターに大きなステッカーが貼ってあった「The Deceiver」は演らなかった(一度も使わなかった予備のギターにも同じステッカーが貼ってあった)。

アンコールで登場し、「来年また来れたらいいね」と言いながら、「One Guitar」を。ここでとうとう初期の曲縛りまで外れてしまった。そこからメドレーで「Rescue Me」、「Absolute Reality」と畳み掛ける。もうこのあたりで(少なくとも僕のいた位置ぐらいまでは)観客は総立ち。やっぱり、下手に(失礼)ドラムのループを入れたりするよりも、こうしてアコギ一本で観客とのコール&レスポンスを絡ませて歌う方がいいよ。まあ、この辺は楽曲の良さというのが歴然としてあるんだけどね。

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最後は、『Declaration』からこのオーラスに取っておいた「Blaze Of Glory」。さっきからずっと立って歌ってた客が最後のコーラスと両手を上げるのもお約束。後ろのカーテンが開いて、六本木の夜景が綺麗。最後にマイクが「Stay Alive!」と何度も叫ぶのを見て、この人がくぐり抜けてきた試練を思い出してちょっとうるっとなる。ライヴ中ほとんどの歌でずっと歌ってたつもりだったけど、やっぱり4年前の長丁場とは違って喉は全然大丈夫。とはいえ、アンコールも含めて1時間20分というのはこの会場にしては長かった方だろう。さあ、これからサイン会だ。

9時半開始のセカンドセットで1時間20分も演るもんだから、サイン会で最後の方に並ぼうなんて余裕はあまりない。それでも数十分並んだ後、ようやく自分の番に。マイクが僕を見て「Hey Yas」と言ったように聞こえたんだけど、まさかそんなことないよね。「4年前にも観ました、あと30年前にも」と言うが早いか、「知ってるよ、クラブドクターでね」と返してくれる。本当に覚えてくれてるのか??まさか。

会場で買った2枚の新譜のほかに、もし買えなかったときのためにと思って持参して行った3枚のCDを「ほら」って見せたら、それにもサインしてくれようとするマイク。係員にも注意されたし、いやそんな全部はいいからって言っても、「いいから貸して、あとそっちの新しいやつはビニール外して」と全部にサインをくれる。そんなやりとりがあったもんだから、もう少し時間があれば話そうと思っていたこともスコーンと頭から抜けるし、係員に撮ってもらった写真は手ブレがひどかったけどそれもろくにチェックもせず、「また来年ね」とだけ言ってその場を後にした。

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家に帰って、買ってきた2枚の新譜を聴く。『Declaration』は会場で聴いたのとほぼ同じアレンジと曲順だ。『Peace Train』の方も、かつてボックスセットに収められていたオリジナルのバージョンとはずいぶん違った感じになっているものが多かった。どちらも、申し訳ないけど素晴らしくいいというわけではなかったけれど、うちにある20〜30枚のマイク/アラーム関連のアルバムのうちの一部だと思えば、もちろん持っている価値十分なものだ。ときどき引っ張りだしては、このもっさりしたアレンジを聴きながら、今回のライヴを思い出すことにしよう。


posted by . at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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