2014年07月13日

Tamas Wells live in Tokyo 2014 Pt. 2

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梅雨の合間のものすごい晴天だったんだ、一日中この日は。真夏みたいに。なのに、新宿でちょっとタワーに寄って、マイク・オールドフィールドの『Crises』の旧規格盤が安く出ていればオリジナルを持っていないと言っていたタマスへのお土産に買っていこうなんて思ったのが運の尽き。

結局、高い『Crises』デラックスエディションかスペクトラムからの安っぽいベスト盤しか「Moonlight Shadow」の入っているアルバムはなく、それなら今度自分で選曲してあげた方がマシと思って、何も買わずに開場時刻にちょうど間に合う時間に山手線に乗って原宿駅に着いたら、ホームから階段から改札までものすごい人混み。外は滝のような雨。誰もが改札を出たところで立ち止まってしまっていて誰一人身動きができないような状態になってしまっている。

それでもなんとか人をかき分けて改札を抜け、土砂降りの雨を浴びながら信号を渡る。でもどこにも雨宿りができるような場所がない。しょうがないからもう行ってしまおう。一緒に行った友達が折りたたみの傘を分けてくれたんだけど、そんな小さな傘だと二人の頭部を濡らさないようにするのが限界。全身ずぶ濡れ、脛ぐらいまでの深い川のようになった竹下通りをじゃぶじゃぶと進んだ靴は中まで完全に水浸しの状態でようやく会場のVacantにたどり着いた。

前回(2011年)と違ってこの日は、前の方の席にも小さな箱のようなベンチが置いてあり、靴を脱ぐ必要はなかったんだけど、僕は水浸しの靴を脱いで、その日は終演までずっと裸足で過ごした。ああ気持ちいい。外に靴下を絞りに行ったら、もう雨が上がってるよ。ほんの30分ぐらいの夕立だったの? ああいうのをゲリラ豪雨っていうのか。なんというタイミングの悪さ。あのタワーでの30分ほどが裏目に出てしまった。

そんな酷い天気でも、ほとんどのお客さんは定時に会場入りしていて、大きく開演時間をずらすことなく、前座のクリス・リンチのセットが始まった。この日は最初の2日間同様にクリスがステージ右側。いつも置いてあったピアノはなく、ステージ左側にキーボード。ドラムキットは前日と同じ、バスドラがやけに小さい3点セット。

クリスのセットは福岡とは曲順が違っていたけど、演奏した曲自体は確か同じだったはず。全部で5曲だったかな。1曲目の「Church Steeples & Spires」(福岡での2曲目)がカントリーぽいメロディーと曲調で、これまでのブロークン・フライトのイメージとは大きく違うのが印象的だった。終演後にもブロンがクリスに「あのカントリーっぽい曲いいね」と言っていたな。

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最終日のオープニングは「I’m Sorry That The Kitchen Is On Fire」、そして「England Had A Queen」と続いた。これは初日の福岡公演のセットリストそのままで来るのかなと思った矢先、従弟がバイク事故で骨折したエピソードを話し始め(あの話を聞くのは初めてだったと思う)、「その実話に基づいて書いたんだ」と、「Broken By The Rise」を演奏。これ聴くのはずいぶん久しぶりな気がする(調べてみたら、僕がこの曲を最後に聴いたのは、2010年のシンガポール公演だった)。

続けて、これも今回のツアー初披露となる「Fire Balloons」。僕だけでなく、前日の光明寺で久々に再会したファンの方や、ブロンまでもがこの曲を演ってほしいとタマスにリクエストし続けてきた甲斐があって、ようやくこの最終日に演奏してくれた。というか、僕はこれを数あるタマス・ウェルズの曲の中でも名曲中の名曲だと思ってるんだけど、それが本人にとっては下手すると歌詞を忘れてしまう程度の扱いだということが信じられないんだけど。終演後タマスが僕に「ほら、今日は歌ってあげたでしょ」とニコニコしながら言ってくれたのが忘れられない。

その後のセットはほぼ福岡公演と同様だったんだけど、途中のソロコーナーではこれも今回初となった「Open The Blinds」や、前日の咄嗟のアンコールで急に思い出したのか「Opportunity Fair」を演奏。今回のツアーでのアンコール定番「Lichen And Bees」も早々に出たから、聴いていた限りではセットリストの印象はどの日ともえらく違った。

どこから聞こえてくるのか、おそらく屋根にたまった水がぽつん、ぽつんと、結構大きな音で延々と鳴っていたのが気になった。曲と合わないメトロノームがずっと鳴っているようなもんだから、きっと演奏してる方はもっと気になったことだろう。たぶん、ライヴの中盤ぐらいまでずっと鳴ってたんじゃないかな。タマスも「あれはスペシャルエフェクトだ。楽しんでもらえたらいいけど」なんて冗談めかして言ってたね。

「エスキモーの子どもが誤って友達を殺してしまうストーリーの映画を見て」と話しだしたはいいけど、タマス自身はその映画のタイトルを覚えておらず、「誰か知らない?」とお客さんやメンバーに訊いてみるけどそれだけのヒントでわかるだけの映画通もいなかったようで、そういうどこにも行き着かない話をつい始めてしまうのがいかにもタマス。後でブロンに「あの映画って一緒に観たの?」と聞くと「知らない。きっとマイナーな映画ばかりやってるケーブル局で観たんでしょ」だって。タマス、それは誰にもわからないよ。

「Draper Street」や「Signs I Can’t Read」など、ネイサンがアイパッドとシンセを使って効果音を奏でる曲では、アンソニーがネイサンの隣に行って操作を手伝っていた。アンソニーの本職が実は大学の偉い教授で、ネイサンもアンソニーと一緒に働いているという話を聞いていたので、こと演奏に関してはこうしてネイサンがアンソニーにあれこれ指示を出しているのが、きっと彼らの大学の生徒が見たら不思議な光景なんだろうなとちょっと可笑しくなった(山崎シゲルと部長を連想)。

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今回のツアーでのハイライトだと思っていたその「Signs I Can’t Read」に続けての「Melon Street Book Club」がなかったのが少し期待外れだったけど、後でタマスにそう言うと「セトリ変えろと言ったのは君だろう」と。はい、たしかにそのとおりですね。

本編最後は解説付きの「Valder Fields」と、口笛指導付きの「A Riddle」。そういえば、「Valder Fields」をこうしてライヴ終盤の重要な場所に位置づけたのも今回のツアーが最初じゃなかったっけ。だいたいいつも中盤にぽつんと歌って何事もなかったかのように残りのライヴを続けてたもんだけど、ようやくお客さんがこの曲を一番聴きたがってるというのに気づいたのかな。

アンコールには何を持ってくるんだろうと思っていたら、まずは「True Believers」、そしてメンバー紹介の際にまたアンソニーがいないという定番ジョークみたいなのを挟み、本来のアンコール定番「For The Aperture」。そこで一旦メンバーが退き、さあ昨日同様もう一回最後のアンコールを演ってくれるかなと思っていたら、あっという間に客電が点いてしまった。うー、残念。後で床に置いてあったセトリを見てみたら、ちゃんとそこには「Grace And Seraphim」と書いてあったから、なおのこと残念。

ニューアルバムのジャケットにサインをもらう(本当はこの日にもらったんじゃないんだけど)。「またずっと一緒に居ることができて嬉しい」と、あの綺麗なジャケいっぱいに銀色のペンで書いてくれた。こちらこそ、こんなに長い時間を共有できて、ほんとうに嬉しいよ。でもそのジャケをすぐにビニール袋に入れてしまって、せっかくのサインを滲ませてしまうどんくさい僕。

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アンソニーに「ずっと前に話してた、制作中だというソロアルバムはどうなったの?」と聞くと、「1年半ほど前にいくつか録音はしたんだけど、そこからなかなか進まなくてね」と。「じゃあ、もしそれが完成して、地元でお披露目ライヴをやるってことになったら、メルボルンまで観に行くから」と言ったら、タマス達も(半分冗談めかして)それはいいと。でも、もしそんなことになったら、無理やりにでもタマスにも同日にライヴ企画してもらうからね。さて、次はいよいよメルボルンでタマスのライヴを観るのを実現できるかな。


Tamas Wells Setlist 29 June 2014 @ Vacant Harajuku, Tokyo

1. I'm Sorry That The Kitchen Is On Fire
2. England Had A Queen
3. Broken By The Rise
4. Fire Balloons
5. The Northern Lights
6. Thirty People Away
7. Fine, Don't Follow A Tiny Boat For A Day
8. I Left The Ring On Draper Street
9. Moonlight Shadow
10. Open The Blinds
11. Opportunity Fair
12. Never Going To Read Your Mind
13. Lichen And Bees
14. Vendredi
15. The Treason At Henderson's Pier
16. Signs I Can't Read
17. The Crime At Edmund Lake
18. Valder Fields
19. A Riddle

[Encore]
1. True Believers
2. For The Aperture
posted by . at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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