2014年07月04日

Tamas Wells live in Hyogo

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一夜明け、白いご飯に明太子とシラスが乗ったものに牛蒡の天麩羅を添えただけの博多丼なるものを頂いて(日本のご飯は本当においしい)、博多駅で偶然会ったタマス・ウェルズ様ご一行と一緒の新幹線で東へ向かう。会場は、旧グッゲンハイム邸というこれまた古風な洋館。僕が宿を取った三宮から電車でほんの20分足らずの場所なのに、その駅の周りだけがどこか違う時代にタイムスリップしたような錯覚に陥るとても不思議な街に建つ素敵な空間だった。

靴を脱いで中にお邪魔する(ほんとに、他人の家にお邪魔するような感じ)。リビングとダイニングをぶち抜いたような広い部屋の前方に座布団が敷き詰められ、手前側には椅子が20脚ほど並べてある。今日は椅子席でゆっくり観ようかなと思ってたけど、もたもたしてる間に座ろうと思っていた席が早々に埋まってしまったので、いつものとおり前方の座布団席へ。

今日の前座はn. markことネイサン・コリンズ。ステッドファスト・シェパード名義はもうやめたんだって。クラシカルなピアノの弾き語りが30分弱。いや、なめてかかってましたよ僕は、申し訳ないけど。すごくよかった。クラシカルと言っても別にクラシックを演奏するわけではなく、いつもの彼らの音楽(メルボルン・コネクションとかつて僕はここに書いたね)のエッセンスをグランドピアノだけで表現したような感じ。今回のタマスのライヴ、それにこの独奏を聴いて、やっぱりこの人がこの仲間の音楽的な肝なんだと再認識。

単調なフレーズの執拗な反復とそれが徐々に形を変えていくのを観る(聴く)快感。最期の曲ではクリスが入ってアンビエントなフレーズでそれに彩りを添える。正直言って疲れと寝不足で落ちそうになってしまう瞬間もあったけど(後で本人にそう言って謝ったら「ああいう音楽はそういうもんだ」と言ってくれた)、これマジでCD出してほしい。とりあえずサウンドクラウドのやつはDLできるのかな。

そういえば、ネイサンの演奏中に外の庭かどこかから子供の叫ぶ声が聞こえてきて、ふと「Sanctuary Green」みたいと思った。あと、すぐ近くの山陽電車の音がけっこう頻繁に聞こえてくるね。まあそんなに気になるほど大きな音というわけじゃないけど。

休憩後、3人がステージに登場したのが確か8時20分過ぎごろ。楽器の位置は前日と同じ。借り物のドラムキットは当然前日とは違うものだけど編成は同じ。左側にはDiapasonという僕の知らないブランドのグランドピアノ。ネイサンも知らなかったけど、凄くいい音がすると終演後にまたためし弾きして音を確かめていたほど凄いピアノだった。小さく浜松って書いてあったから日本のブランドなんだね。ヤマハと関係あるのかな。

日本に来る前の中国ツアーは四公演とも同じセットだったという話だったから(福岡公演もその同じセット)いくら僕が全部観ることを気にしてくれているとはいえタマスもそう大きく変えてくることはないだろうと思っていたら、オープニングがいきなりニューアルバムからの「Bandages On The Lawn」。ああ、ちゃんとセトリ変えてくれるんだ、嬉しいな。

と思っていたら、間髪入れずに「The Northern Lights」。昨日と全然違うセットだ。その後も、演奏している曲自体はほとんど同じだけど(後でセトリをチェックしたら初日とは2曲が入れ替わってただけ)、受ける印象が前日とは全く違った。

例のキビダンゴを電車に置き忘れた逸話を話しだしたから何を今頃?と思ったら、その話とは何の脈絡もなく「True Believers」を歌い始めた。本人の中では脈絡ないわけでもないのかな。確かこの曲って日本で書いたんだよね。あれがそのキビダンゴ事件のときだったのか。彼の書く歌詞と同じく、皆まで語らず推し量れということなのかもしれないけど、それちょっと難易度高すぎ。まあ、大好きなこの曲を演ってくれたこと自体には何の文句もないけれど。

「For The Aperture」とかいくつかの曲でのクリスの歌伴の演奏が凄い。目立たないけれど結構テクニカルなフレーズを弾いているし、それに加えてエフェクターやボリュームのフェードイン&アウトで、もう僕にとっては何十回も聴いた曲に新たな表情を加えている。今回のライヴでプロデューサー的役割を果たしている(と僕は勝手に想像している)ネイサンとのバッキングは、今のタマス・ウェルズの音楽をライヴで再現するならきっとこうなる、というのをきっちり具現化したような音だった。

部屋に大きな床置きのエアコンは置いてあるけど、たぶん音が邪魔になるせいか、電源が切ってある。なので、これだけの人数が入るとけっこう暑い。それなのに、ときおりふっとそよ風が吹いた気がする瞬間が何度もあった。大好きな曲でタマスが歌い始めた瞬間とかね。演奏後にタマスがギターを下ろしたら、シャツの前の部分が汗でびっしょりになってたね。彼も相当暑かったんだろう。

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前日は吹き抜けの天井がうんと高かったからできなかったようだけど、この日はプロジェクターを使って天井に『On The Volatility Of The Mind』のジャケットとその色違いバージョンを投影していたのが印象的だった。ただでさえ古風な装飾のランプとかが素敵な天井なのに、それにあの不思議な版画が重なったときの一種荘厳な雰囲気はなんともいえない。

「A Riddle」を「ニューアルバムからのシングルカット」と紹介して、「僕は口笛が下手だから皆で吹いてよ」と言って始める。自分で口笛を吹いていると周りの音はよく聞こえないけど、みんなちゃんと吹いてたかな。

それで最後かと思ったら、「次の曲で終わり。マイケル・オールドフィールドの曲」と言って「Moonlight Shadow」を。よっぽど気に入ったんだね、この曲。終演後、クリスに「あの曲のギターソロがいいから、今度演奏してよ。明日ウォークマン持ってきて聞かせてあげるから」と無茶振りしておいた。

アンコールはまずタマス一人で「Grace And Seraphim」。ああこれも嬉しい。ステージ脇で二人がひざまずくように座ってしんみり聴いていたのが印象的だった。そして、二人が参加して前日同様「Lichen And Bees」で締め。

前日の素晴らしかった福岡公演を貶めるつもりは全くないし、福岡で聴いた人をがっかりさせるのが目的ではないけれど、この日は、歌も演奏もセトリもどれを取っても、僕がこれまでに観た11回のタマスのライヴの中でもトップクラスの出来だったと思う。終演後にタマスと話していてそう伝えたらとても嬉しそうにしていた。

でも、「今日のセットリストがそんなによかったなら今回はこれで固定しよう」とタマスが言うのにいやそれは困ると文句をつけたり、僕が「またFire Balloons演らなかったね」とか言ってると、タマスがもう最後に「わかった、明日のセットリストは君に任せるよ」とまで言われてしまった。あのね、僕にそういうこと言うと冗談ではすまないよ、僕の性格もう知ってると思うけど(笑)


Tamas Wells Setlist 27 June 2014 @ Guggenheim House Hyogo

1. Bandages On The Lawn
2. The Northern Lights
3. Vendredi
4. I'm Sorry That The Kitchen Is On Fire
5. I Don't Know Why She Burned Up All Those Greylead Drawings
6. The Treason At Henderson's Pier
7. True Believers
8. The Crime At Edmund Lake
9. Signs I Can't Read
10. Melon Street Book Club
11. Fine, Don't Follow A Tiny Boat For A Day
12. Thirty People Away
13. Never Going To Read Your Mind
14. Valder Fields
15. For The Aperture
16. I Left The Ring On Draper Street
17. A Riddle
18. Moonlight Shadow

[Encore]
1. Grace And Seraphim
2. Lichen And Bees
posted by . at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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