2013年08月09日

Pet Shop Boys live in Manila

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結局日本での僕の初フェスはフジになったけど、本当は今年サマソニに行ってみたいなと考えていた。ペット・ショップ・ボーイズが来るからね。07年にあの濃厚な『Fundamental』ツアー公演を間近で観て以来、機会があればまた観てみたいと思っていたから。

そのうち、シンガポールとかバンコクとかジャカルタとかソウルとか、アジア各地での公演日程が次々に発表されていくのを見て、これはしばらく待ってみてもいいんじゃないかと思い始めたところ、アジアツアー日程の最後になって、8月6日マニラ公演が追加された。フィリピンに来るのは初めてなんだって。

「チケットのお買い求めはこちらで」のアイコンをいくらクリックしても何も出てこないという状態が何日も続くといういかにもフィリピンらしい仕打ちを受けても負けずにクリックし続けていたら、突然「明朝9時チケット売り場でのみ販売開始。ネットでは買えないよん」みたいな人を小馬鹿にした案内が現れたので、いつだったか忘れたけどその「明朝9時」をめがけて会社から一瞬姿をくらまして最寄のチケット売り場に行ってみたらその売り場は10時オープンだったりして、まあとにかく散々紆余曲折を経た挙句にようやくチケットを入手。

他の売り場ではもう9時に発売開始してしまっているのかも、売り場の選択を間違えたおかげで1時間ロスしてしまったかもと不安にかられていたら、手にしたチケットはアリーナ7列目中央通路沿い1番。売り子のお姉ちゃんとのやりとりから察して、どうもステージ前6列は招待席っぽい雰囲気。ということは、もしかするとフィリピンでこの公演のチケットを一番最初に買ったのが僕か? 07年のときみたいにライヴハウスのステージかぶりつきというのには到底適わないけど、1万8千人収容のアリーナで7列目中央はなかなかだよね。

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なにしろこれだからね。開演20分ほど前に席についてみたら、案の定僕より前6列にはほとんど人はいない。それどころか、前にスティングやジェイソン・ムラーズを観たときには超満員だったこの大会場がかなり閑散としている。PSBってそんなに人気ないのか。大丈夫かな。

開演時刻を30分以上押して、ようやく前6列もスタンドの方もそれなりに観客が埋まってきた頃に客電が落ち、ステージを覆うスクリーンにいろんな模様が映し出される。そのうち、鳴り続けていたBGMがいつの間にかオープニングの「Axis」になっている。この曲、なんでこんなのをシングルにしたんだろうと思うほどつかみどころのない曲なんだよね。かっこいい曲だとは思うけどさ。

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ビニールのハリネズミみたいな衣装で登場した二人(ニールは最初同じデザインの帽子もかぶっていた)。ほぼメドレーで「One More Chance」、「A Face Like That」と、かなり地味目の曲を続けてくる。おなじみ「Opportunities」が出てきてようやく場がほぐれてきたかなと思ったら、引き続き「Memory Of The Future」、「Fugitive」ときた。なんでこんな誰も知らないような曲ばかり頭から繰り出してくるんだろう(地味な前作『Elysium』をほとんど聴いていない自分のことを棚に上げて文句を言う。でも「Fugitive」がどのアルバムに収録されてるかなんてすぐ答えられるPSBファンがどれだけいるというのか)。

「Integral」を終えて二人が一旦ステージ裏に退き、同時にバッファローの骨みたいな被り物をした二人のダンサーが登場。メンバーのお色直しの間のダンス。知らない曲だと思ってたんだけど、あれが「The Rite Of Spring」なんだね。ということで、次はそのタイトルが歌詞の一節になっている「I Wouldn't Normally Do This Kind Of Thing」。PSBの二人もバッファローの角みたいな被り物で登場。そして、その曲のアウトロが延々続く中、聞き慣れた犬の鳴き声が。「Suburbia」だ! 冒頭の地味な選曲とは打って変わってPSBのポップサイドが炸裂。

ここで初めてニールがしゃべったかな、確か。挨拶して、次の曲は「I'm Not Scared」だと紹介。それと「Fluorecent」とまたしても地味路線に傾いた後、「次はミスター・ブルース・スプリングスティーンの曲です」と、新譜からの「The Last To Die」へ。これ、『Electric』の中でもかなりお気に入り。いつものPSBならではのシニカル意地悪カバーじゃなくて、意外にストレートなカバーになってるよね。まあ、とはいってもニール・テナントがあの声で歌ってるというだけで、オリジナルとはずいぶん趣が違うけれども。

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「Somewhere」の前だか後だかでまたお色直しで一旦引っ込み、今度はクリスはミラーボールをかぶって登場。天井から光を当て、全方位に反射させながら黙々とキーボードを弾く(見えてるのか?)。ニールはさすがに半円形のミラーボールハットで(ボールかぶると歌えないからね)、それでもやっぱり全方位に光を反射させながら歌う。

前回観たときは衣装を変えるだけでなく、複数のダンサーが出てきたりちょっとした小道具を使ってステージの様子を変えたりしてたんだけど、今回はどうもかぶり物に頼りすぎているきらいがあるね。ダンサーも同じ二人が(これまたいろんなかぶり物で)ずっと踊っているだけだし。あの、まるでお芝居を観ているかのような「次は何が出てくるんだろう」という楽しみがなかったのがちょっと残念。あと、個人的には一番期待していたアクースティックコーナーがなかったのはかなり残念。

前作からのシングル曲(でもこれまた地味)「Leaving」、新作からの「Thursday」と新しめの曲を続け、次の「Love Etc.」のときにはステージ前方にベッドが二つ立てられ、ニールとクリスがそれぞれ布団の下に入り、白いシーツに投射された体がめまぐるしく動くという楽しい演出。ニールは口の前に持ってこられたマイクで歌っているけど、クリスはただじっとしているだけ。

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ベッドを片付けた後、「I Get Excited」というこれまたオブスキュアなシングルB面曲に続けて、ほぼメドレーで「Rent」へ。いよいよこのあたりから大団円に向けてのヒット曲攻勢が始まる。やっぱりPSBのライヴはこうでなくちゃね。

静かな「Miracles」に続いて、「It's A Sin」で大爆発。ここらでようやく、それまでおとなしく写真を撮ったりおしゃべりしながらまったりしていた前列の招待客らしき人々も立ち上がる。アジアに回ってくる前に南米の熱狂的なライヴの様子をツイートしていたりしたニールだから、ここまでさぞかしこの冷めた前列の客にはがっかりしていたことだろうね。なんだかこちらもこれでようやく一安心。

まあそれにしても、どいつもこいつも写真撮りまくり。僕もこれだけ現場で撮った写真を載せておいて言えた立場じゃないかもしれないけど、こいつら一体何百枚撮れば気が済むんだ?一体ライヴ観に来たのか写真撮りにきたのかどっちなんだと思ってしまうぐらい、もうとにかく僕の前は(きっと後ろも)カメラやスマホが林立。演奏終わったときぐらい写真撮ってないで拍手しろよ、まったく。

スティングのときもジェイソン・ムラーズのときも、フィリピン人って本当に歌うの好きなんだなと思うぐらいにどの曲でも大合唱だったのを見てきたから、この日の(特に僕より前の)冷めた観客の様子には本当に辟易してしまった。きっと、僕より後ろの、本当に彼らのことが観たくて高いチケット代払って来ていた人たちはもっと盛り上がっていたと信じたいけど。

そんな状況だったから、「Domino Dancing」のサビを思いがけず大合唱で終えたときはニールも思わず「マニラ、歌えるじゃないか」みたいなことをニコニコ顔で言って、いよいよ「Go West」、そして「Always On My Mind」へ。ありきたりといえばこれ以上ないありきたりな展開だけど、こんなイントロ一発で即死みたいな曲を最後に立て続けに持ってこられたら、どれだけ叫んでも足りないぐらいだ。今思い出してもゾクゾクするよ。

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ステージの両袖から無数のオレンジの紙吹雪が飛び出してきたのはこの時だったかな。あれは綺麗だったな。この写真見て思い出したけど、そうそう、相変わらずクールでシニカルははずのニールがガニマタ気味に足踏ん張って歌うのがなんだか微笑ましいんだよな。

ここで一旦ステージを降り、残念ながら僕の位置からはほとんど聞こえなかったアンコールの拍手に迎えられて、PSBの二人が再登場。「West End Girls」か。まあ、アンコールの1曲目としては妥当なところかな。デビュー曲だし、ある意味一番有名な曲かもしれないけど、こういうときにわーっと盛り上がる曲ではないよね。

ここから何をやってくれるんだろう。でもめぼしいのはさっき本編ラストで連発したからなあと思っていたら、「あと1曲」と言って、最新シングル「Vocal」を。ああそうなのか。別にこの曲に文句があるわけじゃないけれど、どうもここ数年、PSBってアルバムの中の一番のキラーチューンみたいなのをシングルカットしないんだよね。悪い曲ではないけれど、アンコールのラストを担うにはちょっと荷が重いよ。

アルバムから4曲もシングルが切られたのに「The Sodom And Gomorrah Show」はその中に含まれていなかった06年の『Fundamental』、ツアータイトルにもなった「Pandemonium」はシングルにならなかった09年の『Yes』、アルバム全体かなりソフトな、ある意味PSBとしては異色なアルバムだったのに3枚もシングルカットされた12年の『Elysium』に続いての今作『Electric』、どうして「Love Is A Bourgeois Construct」や「The Last To Die」がシングルカットされないんだろう(と思っていたら、「Love Is〜」は次のシングルになるらしい。それなら今回のツアーで演奏してよ)。

と、そんな感じで写真撮りまくりの前列の招待客(アンコールのときにはもはやステージも見ずに演奏するPSBをバックに記念写真を撮ってたよ、あーあ)とか若干カタルシスに欠けるセトリとかに不満が残らないでもなかったけど、たっぷり2時間弱の久しぶりのPSBのライヴはやっぱりよかった。日本では確か今日がソニマニで、明日あさってがサマソニ本番なんだったよね。日本のみなさん、楽しんできて。


Setlist 06 August 2013 @ Araneta Coliseum Manila

1. Axis
2. One More Chance / A Face Like That
3. Opportunities (Let's Make Lots Of Money)
4. Memories Of The Future
5. Fugitive
6. Integral
7. The Rite Of Spring
8. I Wouldn't Normally Do This Kind Of Thing
9. Suburbia
10. I'm Not Scared
11. Fluorescent
12. The Last To Die
13. Somewhere
14. Leaving
15. Thursday
16. Love Etc.
17. I Get Excited (You Get Excited Too)
18. Rent
19. Miracles
20. It's A Sin
21. Domino Dancing
22. Go West
23. Always On My Mind

[Encore]
1. West End Girls
2. Vocal


<8月10日追記>
制限いっぱいだったブログのディスク容量が増えたので、せっかく買ってきたTシャツの写真を載せよう。今回は2種類のデザインから選びきれず、大人買い。
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