2006年10月02日

ラスヴェガスにて

出張でロサンジェルスとラスヴェガスに来ている。LAでは結局自由時間が全く取れず、楽しみにしていたアミーバ・レコード(世界最大の独立系レコード店)には行けなかった。今ラスヴェガスにいて、今日の午前中だけフリーになったのでレコード屋に行こうとしたら、調べておいたヴァージン・メガストアは閉店、それから散々歩き回ってみたが、どのショッピングモールにもCD屋などなく、唯一見つけたところはろくな品揃えも無いくせに値段はアマゾンで買ってNZに送ってもらうよりも高いという始末。こんなところでCDなんて買う人、ほんとにいないんだね… で、結局ホテルの部屋に戻ってきて、こうしてブログを書いてる。わざわざアメリカまで来て何やってんだか。

飛行機のチェックインに始まって、ほんの数日間でこの国にうんざりしたことは山のように書けるほど貯まったんだけど、昨晩素晴らしいものを見たので、今回のうんざりツアーはこのためにあったと思うことにした。今回の出張は、取引先の人達を接待するのが目的で、昨晩はシルク・ドゥ・ソレイユの「KA」を観に出かけた(遊びみたいな出張ですみませんね)。僕はこういうものに関しては殆ど何の知識もないから専門的なことは全然書けないんだけど、これには本当に感動したので、感想文程度でも書き残しておこう。

ka.jpg

Cirque du soleil、直訳すると「太陽のサーカス」かな?その名前からてっきりフランスの団体なのかと思ってたら、カナダの劇団なんだね。サーカスというよりは、アクロバットを中心にしたショーっていう感じ? 実は僕はもう20年ぐらい前に東京で一度彼らの公演を見たことがあって(演目は忘れた)、その時もそれなりに楽しんだ覚えがあるんだけど、今回のはそれとはもうスケールが全く違った。

メンバーの動きが超人的。まるで「少林サッカー」の動きを目の前で実際に再現されてるように錯覚してしまう。例えば、トランポリンでもない普通の床から飛び上がって二回転した後、前後に180度開脚したままぺたっと着地する、とか(本当はあの技には専門用語があるのかも知れないけど)。舞台には一度に何人も(下手すると十何人も)出ているんだけど、それぞれのメンバーがそういう物凄い動きをしているので、もう一体どこを見ていいかわからなくなるような瞬間も。

一番の驚きは、ステージそのもの。ショーが始まる前は、ステージのあるべき所になにもなくて、奈落から火と煙が出ているだけなのだが、一旦ショーが始まったら、普通の平たいステージだけでなく、船や工場のセットなどが次から次へと現れる。奥行きもあるから、一度に前後や上下に複数のステージが現れて、それらをメンバーが行き来することもあった。「普通の平たいステージ」と書いたけどこれがまた凄くて、縦横に回転したり斜めに傾いたりするだけでなく、果ては垂直に立ってしまう。その上(?)をワイヤーで吊られたメンバーがまた素晴らしい動きでショーを続ける。あれ、高さはきっと20メートルぐらいあったよな。奥行きもきっとそれぐらいあったから、一辺が20メートルの立方体の中全てがステージ、と言っていいと思う。その中をメンバーが、まるで水の中か宇宙空間にいるかのように自由自在に(超人的な動きで)動き回るのが圧巻だった。

そういう大掛かりな部分だけでなく、影絵を用いたり、海の小動物(カニやヒトデなど)に扮したメンバーが登場するところなど、思わずにこっとしてしまうような楽しい演出もある。そういえば、ショーが始まる前にも「カメラ撮影・携帯電話・タバコ禁止」のお知らせがあるのだが、それも普通のアナウンスでなくちょっと面白い演出になっている。

ストーリーはわりと単純な勧善懲悪の物語。普通の台詞は一切なく、何か話しているのを表現するにも、まったく何語かわからないような言葉をあえてつかっている。ちなみに結構重要な役で出ていた女性は高橋典子さんという日本人らしいが、彼女が喋っていた言葉も「ニセ日本語」みたいな感じだった。

普段紹介している音楽と違って、こういうのって映画と同じで途中でどうなるか・何が出てくるかをあんまりばらしてしまうのはルール違反になるだろうから、説明はもうこれぐらいにしておくよ。今回は出張前に予約していたこともあって、前から5列目のど真ん中という最高の席だった。ワイヤーで吊られたメンバーが客席の方まで飛び出してくるのだが、それを僕はもうほとんど真上に見ていた。残念なのは、前夜いろいろあって2時間しか寝ていなかったので、静かなシーンではつい目をつぶってしまうことがあったぐらいか。ってそれは僕のせいなんだけど。

聞くところによると、この舞台装置を他で作るのは不可能なので、このショーをこの規模のまま見られるのは、世界中でこのMGMグランドだけだそうだ。決して安いチケットじゃないし(個人的にはあれだけのショーで$150は破格だと思うけど)、カジノやトップレスショーに興味のない人はラスヴェガスに行って他に何をするのかという問題もあるけど(CD屋さえ無いし!)、でも僕は時間とお金に少し余裕ができたら、これを観るためだけにもう一回この場所に来てもいいと思った。で、帰りにLAのアミーバに寄っていくことにしよう。


posted by . at 06:33| Comment(11) | TrackBack(0) | 非音楽的 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ううううう!なんかすごい羨ましい!!
いい出張でしたね。(涎)

>「カメラ撮影・携帯電話・タバコ禁止」のお知らせがあるのだが、
>それも普通のアナウンスでなくちょっと面白い演出になっている

どんな演出だったのか、とても気になります。

高橋典子さん、確か少し前に“日本人が海外の一流チームにスカウト”とTVで話題になっていたのをチラリと観た気がします。

>これを観るためだけにもう一回この場所に来てもいい

本当にそう思うなら、帰りにアミーバに寄るのは反則です。
Posted by ひそそか@また1ゲット at 2006年10月02日 09:30
朝からそのアナウンスの演出が気になって夜も眠れません。まだ夜になってませんけど。

携帯使ってた人を確保したとニュース速報風によみあげ、ホルマリン漬け風の人間(携帯で電話中)をステージに飾った

写真撮影したら心霊写真になりますよと脅した

タバコ吸うやつの頭上に蚊柱立て!と呪った

どうして背筋が寒くなる系の演出しか思いつかないのでしょうか?こんな自分が大好きです。

ひそそかさんのお突っ込み、ごもっともです。たったひとつの目的のためだけに、時間とお金を費やして遠路はるばるやってくることが愛ではないでしょうか。
ところでミニラさんのところの写真に反応しつつもトップレスのお姉さんのショーに興味がないという男心の神秘に触れた思いがします。エチゾウさんにもお聞きしてみなくては!
Posted by かえで at 2006年10月02日 13:03
ジャパニーズビジネスマンは、忙しくて大変ね、と同情なんかするんじゃなかった!楽しんでたのね。

まあ、接待も大変でしょうが・・・でも、性格的には合っているような気もしますし・・・

帰りにLAで自由時間がありますように。
Posted by LoonyLuna at 2006年10月02日 16:37
9月に「blastU〜ブラスト2MIX」を観てきましたが(もちろん日本で)、カメラ撮影・携帯・飲食禁止のアナウンスがやはりおもしろかったです。かえでさんのほど激しくないですが。
アメリカ由来のものって、こういうところにひねりがあるというか、小技が利いてておっされ〜ですね。

本筋と関係のないところで失礼しました。
にんじんさんに倣って、力技のコメントです。
Posted by 麒麟 at 2006年10月02日 17:31
●ひそそかさん
今回の記事、絶対ひそそかさんに反応して頂けると思ってました。連続1ゲットありがとうございます。そして、僕の予想どおりに羨ましがって頂いて、ごちそうさまでした(笑)

僕はひそそかさんの演劇のご趣味がよくわかってないんですが、このショーはひそそかさんのような方には絶対に一見の価値があると思います。英語がわからなくても大丈夫なんで、梅子ちゃんにもお薦めします。子供のときにこんなの見たら、とんでもなく嬉しいだろうなと思います。ここは是非、ムッシュをそそのかして、次の休暇はラスヴェガスへ!

>高橋典子さん
さすが、そういうニュースのことは覚えておられるんですね。当然ですけど、すごく上手でしたよ。


●かえでさん
かえでさんの考えたアナウンスも最高ですが、ハズレです(笑)。それは是非ひそそかさんの次回の劇で使ってもらってください。

トップレスのお姉さんのショーって、個人的感想を言わせていただくと、A)見ててむらむらしてどうしようもなくなるけどどうにもできない、B)動物のショーを見ているような気がする、のどっちかなんですよ。動物ってのも酷い言い方ですけど、なんだか見慣れない形の生き物が揃って踊ったりしているのを物珍しそうに見ている感じでしょうか。どっちにしても、そんなものに大金を払うぐらいなら、封印しているCDのボックスセットを買いに行きます。


●ひそそかさん&かえでさん
アナウンスの演出はですね、もしかしたらこれから観に行こうとしている方がこのブログを読まれてしまったらネタバレになってしまうかと思ってあえて書かなかったんですよ。もしどうしても知りたければ、今晩あたりさそり座に向かってお祈りしといてください。説明文がお手元に届くかもです。あ、でも東京は雨でしたね。ひそそかさん、残念でした。

わかりましたよ。アミーバには今回なんとかして寄って帰ることにします。明日LAXでのトランジットが5時間もあるんで、その間になんとか空港から脱出できないかともくろんでいるんです。でも空港からそのレコード屋は遠いみたいなんで、もし渋滞のせいで飛行機に乗り遅れたら、とりあえずひそそかさんとかえでさんを呪っておきますね。


●LoonyLunaさん
またおかんにいたずら見つかった気分です(笑)

僕、接待に向いてないんですよ。実は今日もその人達を連れて飲みに行ったんですが、ぎゅうぎゅう詰めのバーで彼らタバコ吸い続けて煙かったんで、僕は一言も喋らず飲み続けて、挙句の果てに先にホテルに戻ってきてしまいました。こんなところで「乗らないパーティーからは消える」技を発揮してしまって、どうしたらいいんでしょうか。

>帰りにLAで自由時間がありますように
Lunaさんだけですよ、そんな優しいこと言ってくださるのは…


●麒麟さん
アナウンスは僕が見たのと同じような感じだったんでしょうかね(って、自分で秘密にしておいてどう確認しろというのでしょうか)。全然本筋と関係なくないですよ。コメントとても嬉しかったです。
Posted by yas at 2006年10月02日 18:03
トップレスのお姉さんのショー。
そういえばアタシもバブル期に行ったNY出張(半分以上は慰労)で連れて行ってもらいましたよ。
20ドル札が何枚も必要になるんですよね!
yasさん、何枚使いました?

Posted by ジョージ at 2006年10月04日 00:17
●ジョージの旦那
だからここに書いたとおり、僕はラスヴェガスくんだりまで行って、禁欲的にホテルの部屋でブログの記事書いてましたって(笑)

いやー、しかし旦那、慰労でそんなところ連れてってもらうんですか。僕も連れてくばかりじゃなくて、そういう出張に行ってみたいもんですよ。次のバブル期には是非ご一緒させてください。
Posted by yas at 2006年10月04日 19:53
こんばんは。今、出張で兄ぃが日本にいらっしゃるの知っててアメリカ出張の記事にコメントしてみます。

>結局ホテルの部屋に戻ってきて、こうしてブログを書いてる。わざわざアメリカまで来て何やってんだか。
ほんとですね。でも日本でも同じことやってるでしょう? 知ってますよ。

先日はホルモンの串焼き食べたそうですが、アメリカでは何かおいしいもの食べましたか?
Posted by カブ子 at 2006年10月16日 23:29
●カブ子さん
そういえば僕がなかなか記事を上げない時にじれてこのコメントを書いてくれたんでしたね。まるで仕事の遅い作家を待つ編集者のようです。頭が下がります。

日本でも同じことやってますね。何やってんでしょうね。お陰で今回は買って帰るCDの数が激減です。まあ今から最後の買い出しに出かけるんで、最後の最後までわかりませんが。

アメリカで何か美味しいもの食べたかなあ。あんまり記憶に残ってませんね。やっぱり日本の食べ物が美味しいです。昨晩は沖縄アグー豚の炭火焼でした。美味しかったです。
Posted by yas at 2006年10月21日 09:47
アメリカでも日本でもホテルで朝までブログ書いているyas兄も、きゃえで様みたいに書くために生まれてきたような人なんですねぇ...すごいなぁ。
眠らなくても大丈夫というところも感心。私はたくさん眠らないとすぐガス欠を起こして、世の中なにがなんだか分からなくなってきちゃいます。

Posted by minira at 2006年11月11日 00:50
●miniraさん
そんな、かえでさんと同列に扱われるなんて畏れ多い。文章の質が全然違いますから。あ、もちろん向こうが上っていう意味ですよ(笑)

昔は授業中でもぐうぐう寝て、睡眠学習なんて呼ばれてましたけど、最近は毎晩3−4時間睡眠でも大丈夫になってきましたね。一生のうちに寝る時間が決まっていて、それを若いうちに使い果たしたような感じです。
Posted by yas at 2006年11月11日 06:39
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