2006年09月11日

The Jam 「All Mod Cons Deluxe Edition」

All Mod Cons Deluxe Edition.jpg少し前のパワーポップの回のコメント欄でのLoonyLunaさんとのやりとり、無人島にはどうやってたどり着くか(笑)。いや僕、無人島っていうとどうも乗ってた船が難破して、命からがら流れ着くっていうイメージがあったんでね。それで、そのときたまたま手にしていたレコードがあの回に採りあげたやつのうちどれであっても問題ないと、そう書いたつもりだったの。でも、一般的に無人島レコードというと、Lunaさんが仰っていたように、今から無人島に行くという時に一枚持って行くとしたら、さあ、どれ?っていう意味合いだよね。要するに、あなたの一番好きなレコードはどれですか?と。僕の好きなマンガ「レコスケくん」にもそういうエピソードがあったけど、そういう時に1枚に絞るっていうのは至難の技。僕らみたいにある程度レコードを集めてる人にとっては、それはもう決して答えられない究極の質問みたいなもの。

当然僕も1枚に絞るのは無理なんだけど、でも昔からいつも必ず最終選考まで残るアルバムは何枚かある。クラッシュの「London Calling」、ブルース・スプリングスティーンの「The River」、そして今回採りあげようとしているジャムの「All Mod Cons」(と「Setting Sons」)。それら全部が1979-1980に発表されているのは、それが最も多感な年齢の僕が音楽を聴き始めた時期だったことと関係しているんだけれどね。

ユニヴァーサル・レーベルの「デラックス・エディション」シリーズの一環として、ジャムの「All Mod Cons」が発売された。この「デラックス・エディション」ってのは、過去の名盤(そうでないものも混じってるけど)に当時の未発表曲やライヴ録音などを組み合わせて、ちょっと豪華なパッケージで売り出しているシリーズ。当たり外れあるけど、僕みたいなコレクターにとっては結構気になる存在。

で、これは当たりか外れか。内容はCD1枚にDVD1枚。CDの方はオリジナル・アルバムのリマスター、プラス当時のアルバム未収録シングル、シングルB面曲、アルバム収録曲のデモ・ヴァージョン。DVDの方は各メンバーと側近が語る当時の思い出、ライヴ演奏付き。

もしあなたが既に「All Mod Cons」を持っている、ないしはポール・ウェラーのファンであるなら、これを買ってもいいかも。僕はすごく楽しめたよ。もう過去四半世紀に亘って数百回と聴いて、どんな細かなディテールまでも耳に残ってる曲を、そのデモ・ヴァージョンと聴き比べる楽しみがあるから。僕、ジャムのシングルは全部持ってたし、ファンクラブ向けのソノシートなんてのまで集めてたほどのマニアだったけど、その僕でも聴いたことのないヴァージョンが入ってるし。ただ、DVDの方に入ってるライヴ演奏は、殆どが既出だけどね。完奏してる曲もないし。DVDはもうすっかり禿げ上がったリック・バクラーの姿を見て驚くのが正解かと(笑・それにしても、「Westway To The World」に出てきた、変わり果てた元クラッシュのメンバーの比ではないけど)。

でも、そうでない大半の人は(せっかくアフィリエイトしておいてこういうこと書くのもなんだけど)、この「デラックス・エディション」は止めておいたほうがいい。同じ曲が何回も出てくるし、DVDの方は日本ではPCで観るしかないPALヴァージョンで、しかもインタビュー中心の内容なのに字幕も付いていない。

代わりに、おそらくこれが出たことによって中古市場に放出された通常仕様の「All Mod Cons」が捨て値で出回っているはず。それを是非聴いてみて。今また何度目かの全盛期を迎えているポール・ウェラーが遺した最初の傑作。僕はもう全部の音を覚えてるし、全曲をそらで歌える。僕に無人島レコードの質問をすれば、5回に1回はこのアルバムを挙げるよ。

僕が学生の頃に英語がそこそこ出来たのも、先に書いた3〜4枚のLPのお陰。「Pretty」を片仮名の「プリティー」でも米語の「プレリィー」でもなく「プリツィー」だと教えてくれたのはポール・ウェラーだった(ちなみにもう一人の先生だったジョー・ストラマーは、同じ単語を「プエッィ」みたいな発音して混乱させてくれたけど)。同じく、ポールに習って「Hate」も「ハイト」と発音するようになったお陰で、英国訛りの強いここNZでも普通に悪口を言ってるよ(笑)。

で、僕みたいなジャム・ファンからの、さっきの質問への回答。これは「デラックス・エディション」としては、大当たりじゃないけど、そう悪いわけでもない。願わくは、これ以降のジャムのアルバムを全部「デラックス・エディション」化して、それぞれのツアーのライヴ録音をボーナスとして付けてくれたら最高なんだけど。そしたら僕はそれぞれを「聴く用」と「保存用」に2枚ずつ買っても惜しくないね。


posted by . at 20:15| Comment(5) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お邪魔します。だいぶ元気になったので。

>クラッシュの「London Calling」

Billy Elliotという映画をご存知ですか?
北部の炭鉱の町の労働者階級の少年Billyは、ボクシングよりもバレエが好きになりました。ロンドンのロイヤルバレエのオーデションを受けに行きたいシーンで,確かこの曲が流れるんです。とてもシーンにマッチしていると思いました。
80年ごろの炭鉱ストライキのシーンとかもあり、面白い映画です。

本筋じゃないことで食いついてしまいました(笑)
Posted by LoonyLuna at 2006年09月11日 20:42
●LoonyLunaさん
Billy Elliotは僕の大好きな映画です。何度観ても泣けます。他にもTレックスとかスタイル・カウンシルの曲が効果的に使われてて、格好いいんですよね。僕あんまり映画のサントラなんて買わないんですが、これはつい買ってしまいました。

お元気になられてなによりです。
Posted by yas at 2006年09月11日 21:08
Prettyは「プリリ(プルィリ?)」のように聞こえることを教えてくれたのは、アメリカ帰りの少年でした。
そうです、「可愛い」とほめられたのではなく、「かなり」の意味でした。

The Riverは兄に勧められて私も聞いていました。Riverの

〜down to the river
And into the river we´d dive

ここはソラで歌えました。
(ソとラだけで歌うという意味ではありません)
有名な曲なんだから当たり前じゃ、威張るな!と思われるかもしれませんが、yasさんのブログの膨大な未知の音楽の中で私の知っている曲が出てくるのはかなり珍しいことです。
Posted by かえで at 2006年09月13日 20:48
>Billy Elliotという映画をご存知ですか?

知っている話題が出てきて、やっと書き込みができる〜。
私もこの映画大好きです!2回観てしまいましたよ。日本では「リトル・ダンサー」っていう邦題がついてましたね。
うんうん、確かに懐かしのLondon Calling流れてましたね〜。
それにしてもあの映画、英語がぜんっぜん聞き取れなかったです(いや、ほかの映画なら聞き取れるのかと聞かれても困るんですが)。
Lunaさま、yasさんはいかがでしたか?

ところでThe Riverは二枚組だったように記憶していますが、それは反則にはあたらないのでしょうか?
Posted by にんじん at 2006年09月15日 00:11
●かえでさん
お久しぶりです。かえでさんのご趣味に引っかかる話題が出せてよかったです。威張るな、なんてもちろん言いませんよ。ちゃんと歌詞覚えてるなんてすごいです。

そのアメリカ帰りの少年に、「かなり」どうだと言われたのかが気になります(笑)。「かなり、可愛い」でしょうか。


●にんじんさん
こちらもお久しぶりです。「リトル・ダンサー」ですよね。僕日本盤のDVD持ってますから。あれはイギリス北部の訛りなんでしょうね。確かに聞き取りにくかったように思います。

「The River」は二枚組ですが、「London Calling」も二枚組ですし、ここに挙げた「All Mod Cons」も僕はその次に出た「Setting Sons]とほぼ同時期に聴いたので、その二枚を対のように思っています。要は、僕の無人島レコは全部二枚組なんです。反則かもしれませんが、ルールを決めてるのが僕だからいいんです(笑)。

Posted by yas at 2006年09月16日 07:52
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