2011年08月13日

Nick Lowe live in Tokyo Pt. 2

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東京公演最終日。セカンドセット。ちょうど僕が会場に着いたのは、ファーストセットを終えて満足顔のお客さんがぞろぞろと出てくるところだった。みんな本当にニコニコしてるね。テレビ中継は無事行われたようで、友達に頼んである録画ビデオを観るのが楽しみだ。

前日より一つ大きな数字の整理番号で入場したのに、前日より一つ内側に寄ったテーブルに陣取る。僕とステージとの間には何人か座っているから、その人たちに遮られてステージ全体を見渡すという感じではないけれど、ポジション的にはニックの真正面。首を思いっきりひねらないとゲライントのことを観られなかった前日とは逆に、ステージ左側を向いた席。ビルボードにはもう何回も来ているから、下手に最前列まで行くよりもこのあたりの方が音のバランスがいいというのは承知済み。負け惜しみでなく。

前日同様、定時を少し過ぎたあたりでニックが登場。前日はこざっぱりしたモスグリーンの半袖シャツだったのが、この日は一面に薔薇の模様の入った濃紺の長袖シャツ。足元は前日の革靴でなく、スニーカーだった。いくつになってもスタイルいいから、何着ても似合うね、この人は。

どうせ前日と同じセットリストだろうな、最終日だから余裕持ってゆったり観よう、もうしばらく観られないかも知れないからしっかり目に焼き付けておこう、なんて思っていたら、前日と同じようにギターを抱えて弾き始めたイントロがどうも昨日の「Stoplight Roses」とは違う。なんか聴き覚えあるぞ。あ、これ!「People Change」だ。ライヴDVDでもオープニングだった、アルバム『At My Age』中、僕が一番好きな曲。そっか、セットリスト変えてくるんだ、これは楽しみだぞ。

と思っていたら、2曲目は「Heart」。メンバーがまだ楽屋からステージに向かって歩いてきている時に勝手に弾き始めて歌い始めた3曲目の「What Lack Of Love Has Done」も前日と同じ(前日はせめてメンバーがステージに上ってから弾き始めていたけどね)。その後しばらくは同じセットが続いた。

「I Live On A Battlefield」に入る前、「この曲は、ダイアナ・ロスにカバーされたんだ」と紹介。へえ、そうなんだ。まあ、あえて買ってまで聴いてみたいとは思わないけど。そして、その曲が終わったときに、前日同様にメンバー紹介。「みんな、“コンニチハ”を彼に言って」と、右端のマシューから順に。ロバートのときは、「ロバート・トレハーン。グレート・ボビー・アーウィン!」って言ってたね。

「Indian Queens」の間奏で、ドラムがコツ、コツ、と静かにリズムを刻むところでニックが「う〜ん」とか言いながら気持ちよさそうな顔してた。前日は確か「この部分が好きなんだ」とかつぶやいてたな。

曲順もわかってるから前日より冷静に聴けたとはいえ、やっぱりこの「Cruel To Be Kind」のイントロは超かっこいいよ。感動的ですらあるな。そして、この日一番の驚きは、ジョニーのギターがやたら上手かったこと。この曲に限らないけど、前日はヒヤヒヤしながら観ていたプレイの、この日はなんと安定していたことか。この曲のソロは比較的レコードに忠実なラインだったけど、それだけでなく、各曲での的確なピッキング、効果的なトレモロ使い、(もたついてるんじゃなく)タメを持ったカッティング、どれもこれも前日とはまるで別人。そう思いながら観ると、前日はちょっともっさりして見えたグレッチの黄色い大柄なギターもやけに格好よく見えるよ。いやー、さすがテレビ中継が一度入ると違うね(笑)

そんな風にジョニーもよかったけど、ステージ左側を向いて座った僕のこの日のお目当てはやっぱりゲライント。ステージ中央に向けて置かれた黒いローランドと、客席に向けて置かれた真っ赤なノード。曲によって使い分けたり、同じ曲の中で両方を弾き分けたり。この人が演奏するのを、ビデオも含めて何度か観ているけど、どうも猫背で小さくなって弾いているっていう印象があったんだよね。ところが実際にこうして見てみると、背筋はしゃきっと伸びている。大柄な体を小さくして弾いているのかと思うと、背も決して高いわけじゃない。どうしてあんな風に見えるんだろうとずっと観察していてわかったのは、あれ椅子がかなり高いんだね、きっと。それで、自然と下の方にある鍵板を手のひらでふわっふわっという感じで弾くもんだから、なんとなく大きな大人がオモチャのピアノを弾いているように見えるんだな。そしてこの人、本当にいつも目を細めてニコニコしながらキーボードを弾くんだよね。観ているこっちまでつられてニコニコしてしまうよ。

「Cruel To Be Kind」の次はスローな曲、というお決まりどおり、次はライヴDVDと同じ「You Inspire Me」。次はまた「Long Limbed Girl」かなと思っていたら、新曲だ。サビの歌詞とニューアルバムの曲目表を見比べてみると、「Sensitive Man」というやつだね。

「今のはニューアルバムからの新曲。もう一曲新曲を演るよ、“House For Sale”」と紹介して演奏しようとするニック。他のメンバーから一斉に「違うよ」とツッコミ。「ああ、そうか、“Somebody Cares For Me”だ、そっちの方がいいね」と苦笑いのニック。「なんだ、昨日演奏していない“House For Sale”を演ってくれればいいのにな」と思っていたら、「Somebody Cares For Me」のあと、「次が“House For Sale”だったよ」とニック。やった、この中盤に来て前日とかなりセット変えてきたよ。嬉しいな。これもいい曲だね。歌詞の後半に“Peace, Love and Understanding”なんて入ってたのはアドリブなのかな。

曲によって、ベースのマシュー以外の3人が頻繁にコーラスを入れる。みんなさすがに付き合い長いだけあって手慣れたものだね。あと、前日も気づいていたけど書くのを忘れていたのは、曲が終わるたびにニックが敬礼すること。なんか、すごく見馴れた光景だなと思っていたら、あ、そうか、あれ「Cruel To Be Kind」のシングル盤のジャケだ。昔からずっとああしてたんだね。

Cruel To Be Kind.jpg

「Somebody Cares For Me」の後は、本編終了まで前日と同じ流れ。「Without Love」の、あのシンプルなギターソロの格好いいこと。何度も書くけど、ほんとに昨日のあの頼りなさげなギタリストと同一人物とは思えないよ、まったく。

「I Knew The Bride」の歌詞、“At a flash hotel for a 150 guests”というところで、前日もなんかごちゃごちゃとアドリブ入れてたなと思ってよく聴いてみたら、“広尾ガーデンホテル”って歌い替えてたね。そうか、今回そのあたりに泊まってるのか(笑)

それで本編終了。前日と違ってこの日はちゃんと(?)全員楽屋に引っ込んだね。でも何分も経たないうちにニックとゲライントが二人で登場。「アンコールの拍手が止んでしまう前に出てきたよ。僕らもまだ演奏したいからね」とニック。

アンコールの曲順は前日と同じ。「When I Write The Book」を終えたとき、ニックが客席に向かって人差し指を立て、「もう一曲?」と自ら聞いてくる。そして、あの最高にクールな「Go Away Hound Dog」。一旦全員がステージを降り、それでも鳴りやまない拍手に応えてニックが一人で閉じて行くカーテンの前で唄う「The Beast In Me」。

以上。ああもう、終わっちゃったよ。前日とちょっとだけ違うセットリスト(なにげに前日より1曲多い)とか、期待してなかったところで嬉しい驚きもあったし、終始ニコニコ顔のゲライントのことをずっと見ていられたし、見違えるほど成長した(笑)ジョニーのギタープレイも観られたし、それにやっぱりなんと言っても、あの円熟味溢れる演奏と歌をもう一回聴けたというのが、この日最大の醍醐味。チケット高かったけど、二日間来てよかった。早くこの日のファーストセットの録画観たいな。


Setlist 11 August 2011 @ Billboard Live Tokyo (2nd set)

1. People Change
2. Heart
3. What Lack Of Love Has Done
4. Ragin' Eyes
5. Lately I've Let Things Slide
6. Has She Got A Friend?
7. I Trained Her To Love Me
8. I Live On A Battlefield
9. Indian Queens
10. Cruel To Be Kind
11. You Inspire Me
12. Sensitive Man
13. Somebody Cares For Me
14. House For Sale
15. Without Love
16. (What's So Funny 'bout) Peace, Love & Understanding
17. I Knew The Bride (When She Used To Rock 'n' Roll)

Encore
1. Only A Rose
2. When I Write The Book
3. Go Away Hound Dog

4. The Beast In Me
posted by . at 01:39| Comment(11) | TrackBack(1) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!

BBSの書き込みありがとうございました!

とっても羨ましいです!

ニック・ロウをご覧なられたのですね!

おかげさまで自分も体験したような気持ちにさせていただきました。

新作は、アナログで注文しています。

届き次第、BBSにてアップしたいと思います。


ボーダーラインレコードの話ですが、

コステロが福岡公演の際は必ず立ち寄り、両手に抱えきれないほどの

アナログレコードを購入していくようです。

オーナーが、笑顔でおっしゃっていました。
Posted by jerry at 2011年08月13日 04:03
こんにちは!

BBSの書き込みありがとうございました!

とっても羨ましいです!

ニック・ロウをご覧なられたのですね!

おかげさまで自分も体験したような気持ちにさせていただきました。

新作は、アナログで注文しています。

届き次第、BBSにてアップしたいと思います。


ボーダーラインレコードの話ですが、

コステロが福岡公演の際は必ず立ち寄り、両手に抱えきれないほどの

アナログレコードを購入していくようです。

オーナーが、笑顔でおっしゃっていました。


http://8215.teacup.com/tomtom/bbs?
Posted by jerry at 2011年08月13日 04:04
今回も素晴らしいレポートですね!
ニック本人も楽しげで、観ていてすごく幸せな気持ちになりました。凄く良いギター弾く人だなぁと思ったんですが、ジョニーさんは前日とは演奏の差があったんですね〜調子が悪かったんでしょうか。
また元気なうちに来てくれる事を祈ります^^
Posted by うささこ at 2011年08月13日 09:06
yasuさん、こんばんは!
読ませていただきましたよ〜〜!!やはりニックともども、ワトキンスさんもお目当てだったんですね(^^)私も98年にW氏に惚れて以来待望の来日だったので極力常にキーボード寄りになるように陣取ってました(^^)
素晴らしいライブでしたよね!いま大阪から戻ってしみじみ余韻に浸ってます。。。
夏休みでよかった。。日常に戻れそうにありません!!
大阪のセカンド後にはNeil含めいろんな皆さんの尽力で、Nickがサインと写真会やってくれたんですよ!
ワトキンスさんはとくにそういうものはなかったけど、たくさん遭遇してたくさん話せました・・
ステージもアフターも忘れられない夜になりました!!
最高のバンドですよね!
よかったらチーム合同で打ち上げやりましょう〜!
Posted by ちえ。 at 2011年08月13日 22:49
■jerryさん
コメント2回入ってますが、末尾の部分が微妙にバージョン違いで貴重っぽいので(笑)残しておきますね。もしどちらかを削除した方がよければ仰ってください。

新作、アナログでオーダーされましたか… 僕も前作はLPで買ったのですが、どうも今回のは大きなジャケで持っておきたい気になれなくて。逆ジャケ買いという珍しいパターンです。

そのうちまたボーダーラインに行ってみたいと思っていたのですが、次回コステロが福岡公演を行うときに合わせればいいんですね。貴重な情報をありがとうございました。


■うささこさん
先日はどうも。ゆっくりお話もできずに残念でした。ジョニーのギター、初日もそんなにヘタクソという訳でもなかったんですけど、どうもイマイチ安心して観ていられなかったんですよね。一緒に観ていた友人も同じ感想だったので、あながち僕の先入観だけではないと思うのですが。

そちらにもコメントしに行きますね。


■ちえ。さん
。の付き方がモー娘。風ですね。先日はどうもでした。初日のセカンドから左前方に珍しいLPを持って来ている人がいるなと思っていたんですが、それほどまで筋金入りのファンだったとは、恐れ入りました。

大阪はサイン会と写真撮影があったんですね。それは羨ましいです。昔、九段会館で観たときに出待ちをしたときには、僕の他に数名しかいなかったので、ゆっくりサインをもらったり話しながら写真を撮らせてもらったりしたものですが、それから何度か来日を重ねるうちに、もうとても出待ちしてサインをもらえるような状況じゃなくなってきましたからね。

打ち上げ、是非やりましょうね。
Posted by yas at 2011年08月21日 00:40
お久しぶりで訪問しました。私も初日のセカンドをステージ上手の自由席で観ました。

本当に良いliveで、付き合いで今回4度目のNickさん体験となる妻も「今までで一番」と感激していました。客席が満員になっていなかったのが勿体なかったけど…NHKホールや九段会館でもやったことあったのにね。

やはり、名のある人とのジョイントではなく、自身のバンドは最高。特にゲラントとボビーのサポートが良いと感じました。付き合い長いからね。

80年代パワー・ポップ期の曲に反応してしまうのは同感。やはり多感な?20代に出逢ったリアルタイムのNickさんだから。今回も「Raining Raining」と「When I Write The Book」が聴けたから満足。

フジテレビCSの録画discは、宝物になるでしょう。
Posted by skywhale at 2011年09月05日 04:12
■skywhaleさん
ご無沙汰でした。初日のセカンドですか。ニアミスだったんですね。確かに一階席も後ろの方が空いていましたし、指定席も指定解除になっていました。今の日本ではニックほどの人でもビルボード4回はきついのでしょうか。悲しい話です。ただ、あれがもしクアトロあたりで4回なら僕も確実に4回とも足を運んだのですが。

自身のバンド最高に同意です。ギタリストについては辛口なコメントを書いてしまいましたが、いいバンドだと思います。ところで、先日買ってきた『The Old Magic』の内ジャケ写真を見て、そのスコットのあまりにも適当なあしらわれ方に思わず吹いてしまいました。

80年代パワーポップ期の曲、今のアレンジで演奏するのも味があっていいのですが、一度でいいから今のバンドでブリンズリー・バージョンの「Peace, Love & Understanding」を聴いてみたいものです。
Posted by yas at 2011年09月10日 22:50
□ yasさん
コメントありがどうございます。
私も新譜を入手しました。アナログとCD、両方とも。
家庭の事情で音が出せない(プレーヤーはあるのに繋がっていない)のに関わらず、思わずアナログを発注。実際に聴くためにCDも追加した次第。でもアナログには、全曲フリーダウンロードのパスが付いていたので、PC(iPod)用にはそれで用が足りたんですね…。それにしても、45rpm!音は良いのでしょうが、ますますアルバム尺が短くなっているのでは?やはり彼は、30cmビニール盤の人ですね。ちなみに、アナログ盤に内ジャケはありませんでした。

パワーポップ期の曲をバンドで聴きたいというのは同感です。僕的には、Rockpile のメンバー若しくは、ポール・キャラックの居た、Noise to Go の面子が理想です。絶対無理でしょうが…。
Rockpile は最近、モントルーのライブが出ていますね。まだ聴いていませんが、入手しない訳にはいかないですね。
Noise to Go のライブは、昔NHK-FMでOAしていましたよね。カセットでエア・チェックしたものです…。
Posted by skywhale at 2011年09月14日 23:36
■skywhaleさん
再訪ありがとうございます。アナログとCD、両方買われましたか。どうもこのブログに来てくださる方にはそういう傾向があるようですね(笑)。アナログは45回転でしたか。それはうれしいですね。というか、12インチシングル並みの長さだということですね(笑)

ロックパイルのライヴ盤、いいですよ。ロックパイルの曲のみならず、ニックのソロ曲、デイヴのソロ曲、カバー曲と盛りだくさんです。意外とビリー・ブレムナーも目立っています。もしまだ未入手でしたら、是非ともお早目に。
Posted by yas at 2011年09月18日 21:33
はじめましてー。教えて欲しいことがありましてカキコしました。
ビルボード大阪に今度行くことになったのですが、アーティストの入り待ちとか可能なんでしょーか?知ってたら教えてくださーい(^_^)
Posted by バカボンドワンゴ at 2013年01月25日 21:07
■バカボンドワンゴさん
はじめまして。返事が遅くなってすみませんでした。残念ながら、僕は大阪のビルボードには行ったことがないんですよ。東京でも入り待ち・出待ちはしたことがないですが、なんとなくできないようになっている(別の出入り口がある?)んじゃないかなと思います。

最近あまり更新していないので訪れる方も減ってしまったブログですけど、もしここをお読みでご存知の方がいらっしゃったら、コメントをくださるといいのですが。
Posted by yas at 2013年01月27日 11:57
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