2011年07月31日

yascd mini 納涼編

きっかけは2か月前、グレン関連で仲良くさせてもらっている友達と新宿のカラオケボックスで生涯ベスト20曲CD-Rの披露会をしていたときのことだった。10時間半ソファに座り通しで体力的にも精神的にもグダグダになりながらも、「次はどういうテーマでやろうか」という話になり、僕が提案させてもらったのが、「次にこれやるときはもう暑くなってるから、“納涼”とかどう?」。

「“納涼”って暑さを忘れさせてくれる曲ってこと?」
「“夏に合う曲”とか“夏に聴きたい曲”ならわかるけど」
「難しすぎ。意味わかんね」

いつもの僕の提案らしく、みなさんから一通りの文句を頂いた後、とにかく夏らしい曲であればなんでもOKということに落ち着いた。その発表会が先週末、去年の暮に年間ベスト10の披露会のホストをしてくれたHさん宅で開催された。東京からだとちょっとした遠征気分。特急電車に乗り込む前に500ml缶(中身は秘密)を買い込んで、久々の楽しい週末だ。

10時間半コースで疲弊しきった僕たちが決めた新ルールは、CD-Rいっぱいに曲を詰め込むのはやめようということ。半分の10曲で、昔ながらのLP程度の長さなら、6〜7人分一気に聴いてもそんなに疲れることはないだろう、と。

よし、そういうことならいっそ、LP(またはカセット)を意識した選曲にしよう。A面5曲・B面5曲を通しでCD-Rに録音するつもりで選曲してみた。偶然ながら、いつもの20曲を半分にしてみたら、80分CD-Rの容量のぴったり半分、39分59秒に仕上がったのがちょっと嬉しい。

もともとyascdシリーズとは一線を引いて、その仲間たち向けに作ったつもりだったんだけど、最近あのシリーズも全然やってないから、新規格yascd miniということでここに載せてしまおう。あえて番号をつけるなら017。では、短い選曲に合わせて、さらっと曲紹介を。


Hawaiian Steel Guitar.gif
A1.山内雄喜
Meleana Old
『Hawaiian Steel Guitar』

あれはもう10年以上も前になるのか。98年の夏、当時僕が住んでいたサウジアラビアからの一時帰国休暇で東京に来て、今は亡きHMV新宿SOUTHでこの人のインストアライヴ&サイン会を観た。普段僕が聴く類の音楽ではなかったけれど、生で聴くそのスティールギターのあまりにも心地よい音に惹かれて、その場でCDを買ってサインしてもらった。これはそのCDのオープニング曲。


The Meeting Pool.jpg
A2.バカ・ビヨンド(Baka Beyond)
Lupe
『The Meeting Pool』

それをさらに遡った95年、今は亡きシンガポールはスコッツのタワーで試聴して買ったこれ。カメルーンのバカ族の音楽をベースに、オーストラリア人(英国人だと思ってた)マーティン・クラディックがケルト風やフォーク風の音を重ねて作った音楽。いわゆるワールド・ミュージックとしてこういうのを聴くのは反則なのかもしれないけど、アルバムタイトル通り水辺でちゃぷちゃぷやってるようなこの音はとても涼しげ。


Movies.jpg
A3.ホルガー・シューカイ(Holger Czukay)
Persian Love
『Movies』

yascd010をはじめ、僕のブログにはもう何度も登場しているこの人、というかこの曲。このアラビックな響きのヴォイス・コラージュにかぶさる、あまりにも気持ちいい弦楽器の音。もう30年も前に初めてこの曲を聴いて以来、僕にとっては最上のヒーリング・ミュージックだ。ところでこのCD、今アフィリエイトして気付いたんだけど、また廃盤なんだね。あっという間にとんでもない値がついてるよ。こういう人類の宝みたいなアルバムは常に流通させとかないと。


The Best of Jeffrey Foskett.jpg
A4.ジェフリー・フォスケット(Jeffrey Foskett)
New York's A Lonely Town
『The Best Of Jeffrey Foskett』

ハワイ〜アフリカ〜中近東を巡って、アメリカ西海岸に辿り着いたという感じ。これは、先日の披露会でも曲だけは聴けば一発でわかった人が多かった有名曲のカバー。「これ、ビーチボーイズ?」と訊いてくれたHさん、正確な質問をありがとう。答えは、元ビーチ・ボーイズのサポートメンバーで、現ブライアン・バンドのバンマス。本人の見た目からは到底想像つかないこの爽やかな声が気持ちいいね。


Cake.jpg
A5.トラッシュ・キャン・シナトラズ(The Trash Can Sinatras)
Maybe I Should Drive
『Cake』

期せずして全曲世界一周大会となったA面最後は、UK出身の彼らで締めよう。先日集まった面々にとっては説明不要・問答無用なこのアルバム。誰もがオープニングの「Obscurity Knocks」が好きだけど、その後ろにひっそりと隠れたこの名曲が僕はずっとお気に入り。この、異様なまでに低音の薄い音が当時の“ネオアコ”だし、今月の僕にとっては“納涼”気分いっぱい。


Trust In Numbers.jpg
B1.レイク・ハートビート(Lake Heartbeat)
Pipedream
『Trust In Numbers』

B面に移って、ちょっと新しいのを。とはいえ、これもう一昨年になるのか。フェイクなビーチ模様のジャケもいかしたこのアルバム、買った当時は結構聴いたものだ。これも、オープニングの「Mystery」がちょっとしたクラブ・ヒットになったらしいけど(その曲も素晴らしいけど)、ここにはそれに続くこの曲を入れよう。A面2曲目の法則。


A Paris.jpg
B2.スタイル・カウンシル(The Style Council)
Long Hot Summer
『a Paris』

ちょっとベタだけど、これを。僕にとってはまだ次々に刺激的なレコードを連発していた時代のポール・ウェラー。スタイル・カウンシルとしてのデビュー・シングルに次いで出たのがこれだったね。当然こんなシングル盤はもう廃盤なので、今流通している初期シングルを集めたCDをアフィリエイトしてみた。僕このCD持ってないけど(中身の曲は当然全部持ってるけど)ジャケ見てると欲しくなるね。


We Sing We Dance We Steal Things Limited Edition.jpg
B3.ジェイソン・ムラーズ(Jason Mraz)
I'm Yours
『We Sing, We Dance, We Steal Things. Limited Edition』

オリジナルもいいけど、ここはかつて『搾取』というタイトルの記事で批判させてもらったこの3枚組から、この心地よくリラックスしたアクースティック・ヴァージョンを。リンクした記事を読んでもらえばわかるけど、もちろんそんな“批判”も愛情あってのこと。こんな素敵な曲をアコギ一本とコーラス一人でこんなに気持ちよく仕上げたヴァージョンを聴けるのであれば、ほんとはいくら払うことになっても構わないんだけどね。


In Between Dreams.jpg
B4.ジャック・ジョンソン(Jack Johnson)
Better Together
『In Between Dreams』

前曲のアクースティック・ヴァージョンを聴いて、「なんだかジャック・ジョンソンみたい」と思う人もいるだろうな。前曲のエンディングの笑い声やセリフに続くようにこの曲のイントロが入るつなぎは、我ながらわりといい感じだと思う。僕がNZに住んでいた頃に大ヒットしていたこの人、最近ちょっと下火なのかな。それとも、日常的にそこらにビーチがあるような場所ではいまだに聴かれ続けているんだろうか。


The Word Girl.jpg
B5.スクリッティ・ポリッティ(Scritti Politti)
The Word Girl
『The Word Girl』

ラストは、最近このブログに頻繁に登場するこの人たちで締めよう。キラキラした高音が最高に気持ちいいレゲエ・チューン。ここに写真を載せた12インチ・シングルは当然もう廃盤だから、3月6日の記事で取り上げたベスト・アルバムをアフィっておこう。グリーンって、音作りもヴィジュアル的な方向性もコロコロ変わる人だけど、どっちの方向向いても実にクールだよね。そういえば、クリス・ディフォードの新作にコーラスで参加してるんだって。早く買わなくちゃ。


という全10曲。果たして聴いている人のどれだけに“納涼”効果を与えられるんだろう。なんてことを思いつつ、先週の披露会の場でさっそく決まった次回のお題“秋の夜長に”を考えなければ。なんといっても、僕は5年前にそのテーマで既に一枚作っているからね。なんとかまたあれこれ自己ルールでっちあげて、前回とは違う感じのを作らないとな。


posted by . at 23:47| Comment(8) | TrackBack(0) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大学生のころバカという仇名の先輩がいて、私たち後輩は「バカさん」と敬称つきで呼んでいたことを思い出しました。A2の曲とっても良さげですね。

海外出張の機内においてデブの隣で数時間過ごすことに慣れているyasさんでも10時間半カラオケボックスのソファに座り続けているのは辛いんですね。mini仕様はエコノミークラス症候群防止のためにも効果的だと思います。
500mlの中身はハチミツ入りトウガラシウォッカでしょうか。

ところでA1のジャケいいですね。子供のころこうやってギターを琴のようにして弾いていました。
Posted by ひより at 2011年08月04日 17:18
納涼というと、お化け屋敷やビアガーデンを連想します。

2枚ほど手持ちのcdがあるようなので、納涼気分を味わってみましょう。
涼しくならなかったら、きっと感性が合わないのでしょう。

自分が作ったcdを発表する前、プレゼンでもするのでしょうか?それとも、まずは聴け!ですか?
Posted by Luna at 2011年08月06日 13:28
■ひよりさん
>バカ
それは仇名ではなく罵り言葉というのではありませんか? いくら「さん」をつけても無駄な呼び名が世の中にはいくつもあります。A2はなかなかいいですよ。このCDはもう廃盤のようですが、同じグループの別CDがまだ流通しているようです。機会があれば是非どうぞ。先輩のことを思い出しながら。

10時間半カラオケボックスはデブの隣に10時間よりもマシです。先日の欧州出張では加齢臭の隣に12時間でした。シベリア上空あたりで吐くかと思いました。

>500mlの中身
もう少しお手柔らかなものです。蜂蜜入りはHさん宅への手土産にして、皆で頂きました。先日の欧州出張で、モスクワからの駐在員にロンドンまで持参させたものです。プチプチでぐるぐる巻きにして東京に持ち込みました。

>A1のジャケ
味のあるイラストですよね。では大人になられた今はぜひ琴をギターのように抱えて弾いてみてください。上手になれば←PJ→に入れてもらえるかもしれません。


■Lunaさん
お化け屋敷にもビアガーデンにももうかれこれ何十年も足を運んでいない気がします。ビアガーデンって必ずしも涼しくはないんですよね。でも久々に行ってみたいです。

>2枚ほど手持ちのcd
1枚は簡単にわかりますが、2枚目がどう考えてもわかりません。もしやその1枚目のすぐ下にあるやつですか?

発表会の場では特にプレゼンとかはしません。まずCDをかけ、次々に出てくる曲を皆で当てたり、その曲にまつわる蘊蓄を作成者が語ったりします。たいてい一番蘊蓄を垂れ流しているのは僕ですが。
Posted by yas at 2011年08月09日 23:26
東京はすっかり涼しくなってしまいましたね。あんなに暑い暑いと毎日文句をタレていたのに、涼しくなったらなったで何ともいえない寂しさがあります。このCDを聞いたら少しは夏気分が戻ってくるでしょうか?って、目的が逆になってますが。

>僕たちが決めた新ルールは、CD-Rいっぱいに曲を詰め込むのはやめようということ
あはは、何か笑えます。みなさん学習したんですね。行動パターンがどことなく小学生男子。

>一番蘊蓄を垂れ流している
ええ、そうでしょうね(笑)。
Posted by にんじん at 2011年08月28日 02:04
■にんじんさん
今日は半日ほど現実逃避のために新宿に出かけてCDを売ったりしていたので、こんな時間になって現実を直視しています。そろそろまた現実逃避したいと思っていたところ、おあつらえ向きにコメントが入ってきたので久々に即レス致しますよ。

現実逃避中の新宿はやたら暑かったですが、この時間帯になると涼しいですね。窓の外からは何やら虫の声が聴こえます。いまちょうど次のyascd miniを作成中なのですが、なかなか次のテーマにおあつらえ向きの気候になってきました。

>目的が逆
コロンブスがタマゴを立てるのを見た思いです。と書いて急に思いましたが、タマゴを立てる程度のエピソードがよくこんなに何百年も語り継がれるものですね。あれコロンブスだから語り継がれてますが、どこかその辺のおっさんが同じことをしてもきっと誰も語り継いでくれなかったことでしょう。きっとその人は今頃「俺の方が先に思いついたのに」と天国で地団駄を踏んでいるに違いありません。

>行動パターンがどことなく小学生男子
メンバーには女子もいるのですが、おしなべて男子パターンなのでしょうか。そういえば、この自作CD披露宴を喜んでやっているのはどうも男子軍団のみで、女子グループからは一様に嫌がられています。女子に嫌がられることをしつこく続けるというのもなかなか小学生男子並みですね。

送信前に読み返してみたのですが、なんだか長々と書いている割にはろくなことを書いていませんね。あまり夜更けにコメレスなどするものではないと思い知りました。次回からはいつもどおり一週間ぐらい寝かせたあとに適当な時間に返事します。ではおやすみなさい。
Posted by yas at 2011年08月28日 02:38
まさかの即レス。見間違いかと思いましたよ。

現実逃避は大切ですよー。言うたら人生の踊り場、連綿と続く灰色の日常生活に打たれた輝く句読点です。ビバ現実逃避(何言ってんだか)。

コロンブスの卵、たしかにそのへんのおっさんがやったら「へーーえ(だから?)」ですまされそうなエピソードですね。歴史的過大評価だと思います。

メンバーには女子もいらっしゃるんですねー。でも成人女性でも血中小学生男子濃度が高い人って結構いますよね。「携帯用虫取り網がほしい」とつぶやいていた人もいたし。

「秋の夜長に」は一番リピート率の高いお気に入りyascdなんですよー。果たして1作目を超えられるでしょうか(プレッシャー)。
Posted by にんじん at 2011年08月29日 01:24
カメルーンのバカ族の音楽をベースにしたやつ、ものすごく聴いてみたいです。

>先日の欧州出張では加齢臭の隣に12時間

ちょっと顔面がうっとおしいですけど、使い捨てマスクで多少マシになります。その時タイガーバームとかユーカリのクリームみたいなのを鼻の近くにチョットだけ塗るとしばらくごまかせるかも知れません。ただ12時間もひっついて座ってると、ほんのりうつり香にならないか心配ですね。がんばれ出張。がんばれ空の旅。
Posted by 青グリン at 2011年08月29日 17:18
■にんじんさん
一週間寝かせるお約束でしたが、今のこの機会を逃すと次にコメントを書けるのが更に一週間ぐらい先になりそうなので、ちょっと早めですが慌ただしくコメント返しをします@ベルリン空港。

現実逃避は踊り場ですか。ではさしずめ僕の人生は踊り場満載のすこぶるバリアフリーな階段のようなものです。今もこうして出張中だというのにラウンジでドイツビールを嗜みながら仕事ではないことをしていますし。

コロンブスの卵、そもそもあれは(おそらく)ニワトリの卵であってどう転んでもコロンブスは生まれませんから。呼び名からして過大評価です。

携帯用虫採り網はどういう形状をしているのでしょう。そういうのを作成するのが得意そうな方もこの界隈にいらっしゃいますが(その方も血中濃度高そうですが)一度注文してみられてもよいかもしれません。

新型秋の夜長yascdは前回のものよりも縛りを多くしてありますので、前回ほどバラエティに富んだ内容ではないのです。前作を越えられるかどうかというと微妙なところですが、個人的には結構気に入って愛聴しています。


■青グリンさん
なんと一ヶ月も経ってからものすごく聴いてみたい表明をされましたね。わかりましたちょっとお待ちください。

これから乗り換え地点のフランクフルトまで1時間。その後成田まで11時間強のフライトです。果たして隣は加齢臭でしょうか、それともデブでしょうか。アドバイスに従って一応マスクは持参してきました。タイガーバームとかユーカリは忘れたので、適当に爪の垢でも煎じて塗っておきます。
Posted by yas at 2011年09月04日 00:25
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