2006年07月28日

人口密度の夜 Arctic Monkeys live in Auckland

どこの国の音楽業界もそうだけど、ちょっと停滞してくると音楽雑誌がぽっと出の新人を強力にプッシュして、あたかも現代のビートルズが現れたように煽ることは日常茶飯事。

アークティック・モンキーズという英国のバンドがいる。今年になって最初のアルバムを出したばかりなのに、もう世界中のメディアでものすごい持ち上げよう。

でもね、こういう音楽を20年以上も聴いてきたおっさんにはもうその手は通じないんですよ。ハイプ(誇大広告)だって判ってるから。僕はストーン・ローゼスのセカンドアルバムにどれだけ落胆させられたかを覚えてるし、オエイシス(オアシスです)のアルバムは「今度こそ」と毎回買うけど必ず中古屋に売ってしまってるし。スエードが、ライドが、ファイヴ・サーティーが、パルプが、みんなどうなったか知ってるんだから。

というわけで、巷で話題の北極猿のCDは買わなかった。買えば好きなタイプだっていうのはわかってるんだけど。オークランドに来るって聞いたときも、積極的にチケット取ろうとも思わなかった。そしたら一週間で売り切れたって。ふーん。

そしたら何週間か前に同僚が「チケット余ってるんだけど」って。まあタダなら行くかと了承したら、ちゃっかり65ドル取られてしまった。コンサート行くんなら聴いとくかとCD買ったのが運の尽き。はまってしまった。こうなるのは判ってたんだけど…


さっき行ってきました。会場は先週と同じセイント・ジェームス。こないだの記事でキャパ1000人なんて書いたけど、今日聞いたら3階席まで全部入れて2500人だって。それが一週間で売り切れたの?ふむふむ、さすがハイプ。

今日は同僚と二人で行った。身長2mの英国人。一応部下なんで「俺の前には立つなよ」と忠告。それでもものすごい混みよう。他にもあちこちに2m級がいて大変。なんとか中央すこし後ろあたりの多少は見やすいところにポジションを取った。日本の3/4の面積に4百万人しか人口のいないNZで、多分今夜一番人口密度高いのはここだろうね。


このバンド、英国はシェフィールド出身で、ロンドン出身のその同僚に言わせると、北部訛りでスラングを多用した歌詞が面白いんだそうな。

例えば、bouncer ってバーやクラブのドアの前にいる黒服なんだって。酔っ払った客やなんかをボールみたいにぽんぽん放り投げるから。そんなの歌詞聴いただけじゃわかんねえよ。英国在住経験のある方、知ってました? おまけにCDに歌詞カードついてないし。


前座のオーストラリアのバンドが終わってからもじらすじらす。さんざん待たされた頃にはもうフロアはびっしり。そこで客電が落ち、1曲目は意外にもアルバムで唯一のスローナンバー「Riot Van」。おおっ、客が皆で歌う歌う。僕歌詞覚えてないよ。適当に叫ぶ。そのまま2曲目「The View From The Afternoon」にほぼメドレーで突入。

もう後はどの曲を何曲目に演ったかなんて覚えてられない。久しぶりのモッシュ(全員で波状になること、かな?日本語がわからん)。満員電車の乗客がそのまま全員で踊っている状態といえばよいでしょうか。僕もどさくさまぎれにどんどん前へ。足さんざん踏まれたけど同じ回数は踏んでやったから。

後半「I Bet You Look Good On The Dancefloor」や「Perhaps Vampires Is A Bit Strong But...」などの代表曲が続く(それにしてもタイトル長いよなあ)。自分の前に2mがいないのはいいけど、後ろの奴、俺の肩を支点にしてジャンプするのはやめろって!

僕の持ってるファーストアルバムからは目ぼしい曲はほぼ全部演ったし、僕の知らない曲も数曲演奏。その中にもいい曲があったからまたEPだのシングルだの集めないといけないよ… あれ、ハイプだとか言って興味なかったくせに。

コンサートは1時間弱で終了。アンコールなし。うん、もういいよ、汗だくだから。なんか耳聞こえないし。あ〜あ、靴が床にこぼれたビールでびちゃびちゃ。でも楽しかった。やっぱりこの手のバンドはライヴに限るよ。

やれやれ、こういう音楽聴き始めた頃はロックミュージシャンって憧れの対象だったのに、このままじゃすぐに自分の子供みたいな人たちのライヴに行くようになるんだろうな。いつになったらこういう若者向けの音楽に飽きるんだろう…


北極猿 アークティック・モンキーズ「Whatever People Say I Am, That's What I'm Not」
posted by . at 21:30| Comment(13) | TrackBack(1) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>bouncer
この手の単語は息子から仕入れましたよ、私は。

私にとっては、しっかり子供の年のバンドですよ。とってもブリティッシュなバンドですね。
私が、イギリスにいた頃は、男性の北部訛りはセクシーだと言われていました。

観客の年齢層はどんなものだったのでしょう?
Posted by LoonyLuna at 2006年07月28日 22:04
>LoonyLunaさん
すごい!記事アップしてシャワーして戻ってきたらもうコメントが入ってた!恐れ入りました。

このバンド、ご存知なんですね。お好きですか?

バウンサー、あちらでは一般的に使うんですかね。僕はもう長いこと黒服のいるような店には行ってないんで知りませんでした(恥)

観客の年齢層は結構幅広かったですよ。20代から40代までってとこですかね。満員電車状態だったんであまり遠くの方は見えませんでしたけど。ティーンエイジャーももちろんいたんでしょうけど、僕の周りではあまり見かけませんでした。背の高い奴らを避けたからかな?
Posted by yas at 2006年07月28日 22:45
アーティックモンキーズってライブいいんならちゃんと聴いてみようかなって思いました。この記事の冒頭にかかれてあるバンドみんなイギリス人。ハイプで煽られて失敗するのはイギリス人が多いですね(笑)。だから当時も今もイギリス人の新人を購入するのはちょっと躊躇します。日本のメディアは特に昔も今もイギリスびいきのような気がするし。
Posted by gaku69ab at 2006年07月28日 23:55
北部訛りはセクシーですか。デヘ。

業務上(やむを得ず)黒服の立っているような店にも、お客様をお連れする事がありますが、この前の人は六本木で働いていたとかで、むちゃくちゃ丁寧な日本語を喋りました。
Posted by 北のおじさん at 2006年07月29日 03:09
>gakuさん
いや、僕もきっとこのバンドはアルバム3枚もたないと思いますよ(笑)でもこのファーストは流石に売れるだけのことはあります。曲の出来に多少ばらつきはありますけど、基本的にはメロディアスでエッジの効いたいい曲が多いです。とりあえず買ってみて、気に入らなければ中古屋に大量に出回る前に売ってしまうというのが正解では(爆)

アメリカの新人バンドは国中を地道に廻ってからデビューというケースが多いから、内容薄いのにメディアで煽られて急に爆発、なんてことが少ないんでしょうね。ちなみに僕が上に書いたバンド、けなしてるんじゃないんですよ。皆好きなバンドなのに消えたりしぼんでしまって悲しいんです。
Posted by yas at 2006年07月29日 07:48
>北のおじさん(敬称をつけるべきかどうか迷いました。「おじさんさま」じゃないし)。

ようこそいらっしゃいました。以前別のサイトで北のおじさん(に似た方)のお住まいの緯度が書いてあり、それはどこなのか調べようと思ったままになっておりました。僕も昔いくつかの町を旅行しましたが、それぞれ町に個性があっていいですね。もうそちらに住まれて長いんですよね。すっかりセクシーな北部訛りになられていますか?(笑)

bouncerというのはどういうニュアンスの呼び名なんでしょう。黒服本人にそう呼びかけると怒られる、とか?
Posted by yas at 2006年07月29日 07:56
私が住んでいたところの近くで、毎年今頃、音楽フェスティバルがあるんです。その時期、街に出ると、我が子なら着て欲しくない服装をした若者がウジャウジャ集まっていました。たぶんテント張って一週間居るんでしょうね。女の子もいたけど、う〜ん、危ないな〜。去年は(私はもう日本でしたが)、arctic monkeysも参加していたそうです。
そういうきっかけもあり、宣伝に乗せられて、好きそうな気もしたので、買ってみたわけでして・・・損はなかった。
おじさんばかり聴いていると、若いのも聴きたくなるものです。3枚で消えたらそれもよし、気の迷いだったと奥深くしまい込むでしょう(笑)

bouncerは、素手で向かっては勝てないような体格の人がやってますよね。
Posted by LoonyLuna at 2006年07月29日 12:44
>LoonyLunaさま
音楽フェスティバルは、グラストンベリーですか?ああ一度行ってみたい。日本のフジロックとかが始まったのも僕が日本を離れてからなので、あの手のお祭りには参加したことがないのです。こちらNZでも毎年1月にビッグ・デイ・アウトというのがあるんですが、やはりUKや日本のイベントと違って出演者がしょぼくって…

LoonyLunaさま、この手の音楽もお好きなんですね!嬉しいなあ。損はなかったですよね。僕もこれは中古屋に売り飛ばすことはないと思ってます。多分これから出る(かもしれない)2枚目や3枚目はつまらないので売ることになるでしょうが(笑)

p.s. いつもピンクフロイド関連の話題に反応して頂けるLoonyLunaさまには報告しておきますが、さっき再発された「PULSE」のDVDを買ってきました。観たらまた記事にしますね。
Posted by yas at 2006年07月29日 19:28
この記事、若者文化を斜に構えて見ようとしてはつい身体をまっすぐにして前のめりになって、また「いやいや大人はだまされんぞ」と斜めになり、またじっと見てしまうyasさまの姿が浮き彫りになっていて、失礼ながら「萌え〜」でした。どことなくツチヤなかほりも漂っていたりして、すごく文体に惹かれました。あいかわらず音楽に造詣が浅くてごめんなさい。

前回の書き込みで誤解があってはいけないので補足しますが、私のこれまでの人生において「上司と飲みに行く」というのは知的好奇心を満たす楽しいイベントでしたので、お間違いのないように。普通の人の感覚では説教を聞かされるなど、あまり楽しくないイベントのようですね(笑)。

ちなみにバウンサーは幼児持ちにとっては、ビヨンビヨンと揺れる赤ちゃん椅子です。
Posted by かえで at 2006年07月30日 10:21
あ、間違えました。まだ7月ですね。フェスティバルは8月の末でした。グラストンベリーではありません。南東部の街なんですよ。
こういう大規模なのは、ちょっと怖くて行けませんでした。ノリ方間違えると、ケガしそうで(笑)運動神経も反射神経も鈍くなっていますので。

赤ちゃん椅子のバウンサー、かわいい!
Posted by LoonyLuna at 2006年07月30日 11:59
>かえでさま
いや、あの、そんな風に言っていただけると、照れるなあ・・・(「照れタビー」はこないだ使ってしまったので)。

しかも、かえでさんのような方に文体を褒めてもらえるなんて、すごく嬉しいです。なんか今日はお互いのブログで褒め殺し合いですね(笑)

かえでさんと二人で呑みにいけるような上司がうらやましいです(褒め殺しアゲイン)。

バウンサーはこちらでは休日にショッピングモールとかに出る、大きな子供用のビニールの遊び場です。


>LoonyLunaさま
ああいう大きなフェスは皆酔っ払ったりしてるから危ないんですよね(って、僕行ったことないからよくわかってないんですけど)。ちなみに今日仕事で会った2mと話したら、彼はモッシュが始まった途端に一番後ろまで下がって見てたとのことでした。僕より若くてでかいくせに(笑)
Posted by yas at 2006年07月30日 19:12
今日CD屋へふらっと寄ったらどっかで見た顔が。
この顔だった〜。あー、すっきりした。
Posted by カブ子 at 2006年12月27日 18:01
●カブ子さん
独り言コメント、ありがとうございます。すっきりして頂けたようで、なによりです。で、これ買わなかったんですか?
Posted by yas at 2006年12月29日 13:26
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

ビートルズ詩集について
Excerpt: ビートルズの歌詞についてすばらしいコメントがありましたのでちょっとだけ紹介させてください。
Weblog: ビートルズだいすき
Tracked: 2006-08-19 12:12