2010年08月01日

Them Crooked Vultures live in Tokyo

久しぶりのライヴ。初めての渋谷AX。ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズ。もうとにかく、デイヴ・グロールのドラムスがとてつもなく凄かった。今からいつも通りつべこべ書くけど、もうそれだけ書いて終わってもいいぐらい。僕は彼のライヴを観るのはこれで3回目なんだけど(3回とも違うバンド)、今回改めてそう思ったね。

まず、つべこべ始めに、バンド名の表記から。日本盤の表記は「ゼム・クルックト・ヴァルチャーズ」だけど、形容詞としての“Crooked”は“e”を発音するので、上に書いた読み方が近いはず。と、いつもながらのどうでもいいこだわり。これで、カタカナで検索する人を端から除外してしまうんだけどね(あ、でも日本盤の表記も書いたから大丈夫か。と余計な心配でまた行数ばかりが増える)。

渋谷AXとは名ばかりで、最寄り駅は原宿。そこからテクテク歩いていくと、会場前にはこんなトラックが。たった一日だけの公演によくやるね。

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結構早めにチケットを押さえたんだけど、僕が入場できたのはもうほとんど最後の方。途中でMGMTが急遽前座で出演することが発表された頃にはもうソールドアウトだったんじゃなかったっけ。とにかく、チケットの売れ行きどおりの超満員。2階席含めて2500人ぐらいは入るのかな、結構大きな会場なのにね。

定刻どおりの7時にMGMT登場。僕はCD持ってないんだけど、結構いいよと友達に聞いていたのでちょっと期待。うーん、まあまあかな。きっと、名も知れぬ新人バンドがこの演奏なら、掘り出し物だと思ってすぐにCD買いに走ったかもしれないけど、少々期待が大きすぎたか。30分の持ち時間なのに、途中で機材トラブルがあって、1曲カラオケ(?)で歌わないといけなかったのが可哀想だったな。

1時間のセットアップ後、8時ちょっと過ぎにいよいよゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズが登場。前列左から、ジョン・ポール・ジョーンズ(John Paul Jones)、ジョシュ・オム(Josh Homme)、サポート・ギタリストのアラン・ヨハネス(Alain Johannes)。中央後方にデイヴ・グロール(Dave Grohl)。

オーソドックスにアルバム1曲目「No One Loves Me & Neither Do I」からスタート。スキンヘッドのアランがベースを弾いてるので、僕からは遠い位置にいたジョーンジーは何を弾いてるんだろうと思って、背を伸ばして見てみると、例の洗濯板みたいなネックの10弦ベース。「例の」と言われても知らない人にはわからないだろうけど、とにかくこの人やたらと弦の本数の多いベースギターを弾くね。

3人ともギターを持ち替えて(ジョーンジーは今度は8弦ベース)、2曲目は「Gunman」。こういう、へヴィかつキャッチーなリフのキラーチューンがやたらと多いこのバンド、作曲クレジットは全てバンド名義だけど、きっとデイヴ・グロールの貢献度が高いんだろうな。僕はクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジは聴いたことないから、ジョシュ・オムが元々どういう曲を書くのか知らないけど、明らかにフー・ファイターズ系列な「Mind Eraser, No Chaser」をはじめ、デイヴがレッド・ゼッペリンを意識して書いたような曲ばかり。この「Gunman」もその一つ。

「Gunman」の最後、ちょっと端折ったかな。と思ったら、次の「Scumbag Blues」は延々とアドリブで引き伸ばす。タイトルに反して全然ブルーズじゃないハード・ロック・ナンバー。今度はジョーンジーは普通の4弦ベース。

全曲書いてると大変なので(セットリストは後ほど)、あとは印象に残ったところを飛ばし飛ばしで。短めのドラム・ソロで始まったのが、5曲目の「Elephants」。この、途中で突然二倍速になったりするプチ変拍子が、(おそらく)デイヴ作のゼッペリンもどきの中ではいちばん上出来かも。

アルバム未収録曲を3曲。ウィキとセットリスト.fmとYouTubeを駆使して調べた結果、6曲目に演ったのが「Hwy 1」、13曲目が「You Can't Possibly Begin To Imagine」と判明。後者ではジョーンジーがバイオリンの弓でマンドリン(かな?)の弦を弾いてた。8曲目はアランのギターソロ曲。これはタイトルわからなかった。この曲の間は他の3人は休憩。

アルバムで「Mind Eraser, No Chaser」を歌っているのはてっきりデイヴだと思ってたのに、リード・ヴォーカルはこれもジョシュ。コーラスの部分が他の3人。ジョーンジーまで歌ってるのにはびっくり。マイクのボリュームのせいか、あまり彼の声が聞こえなかったのが残念だったけど。

14曲目「Spinning In Daffodils」のエンディングでは、それまでベースを弾いていたジョーンジーがキーボードに移り、しめやかなピアノのフレーズで終了。もうそろそろこれで終わりかと思いきや、まだ続く。「Reptiles」。これも超クールなリフを持った曲。そして更に「Warsaw Or The First Breath You Take After You Give Up」。もうこれでアルバムの曲全部だよ。これはさすがに演らないだろうと思っていた「Interlude With Ludes」まで途中で演ったし。

その「Warsaw〜」が最終曲。エンディングに相応しい、これも凄まじくへヴィなブギ。途中でとりとめのないスペイシーな展開に入り、それが最後に収束してまた元のへヴィ・ブギ・パートに戻るところが超快感。のはずだったんだけど、肝心のキメのギターのフレーズがちょっとぼやっとした感じで今いち肩すかし。

そうなんだよね、確かにこの人(ジョシュ)、ギター上手だと思うんだけど、ソロのフレーズとかがちょっと僕の好みじゃない感じ。それもあって、ライヴの間中ずっとジョーンジーとデイヴのことばかり見ていたし、耳に入ってくるのは凄まじいドラムスの音ばかり(残念ながら、ちょうど僕の視線とドラムキットの間にジョシュがずっと立って歌っていたから、デイヴのことはほとんど見えなかったんだけど)。

そうやって見ていると、ジョーンジーがしょっちゅうデイヴの方を見ながらリズムを取り、実に嬉しそうに演奏しているのが目に入った。きっと彼も、レッド・ゼッペリン時代のボンゾとのコンビネーションを思い出してたんじゃないだろうか。年齢的には他のメンバーのお父さんと言ってもおかしくないぐらいの彼が、実に自然に溶け込んでいたね。

でも、最初に書いたように、どう贔屓目に見ても、終始圧巻だったのは、デイヴ・グロールのドラムス。まず、音圧からして違う。もしかしたら会場での音のミックスのせいもあるのかもしれないけど、あの一音一音耳に突き刺さるようなスネアの音。それに、彼に手足がそれぞれ2本ずつしかないというのが、今自分の目で見ているにも関わらず信じ難くなるあの超高速プレイ。マジでこれほどドラムスの音ばかりに集中していたライヴも珍しいかも。

「Warsaw〜」が終わって、全員が前列に並んで肩を組んで深々と挨拶。本来ならここからアンコールに入るところなんだろうけど、もうこれだけ演られたら十分。無茶なアンコールの拍手は最早誰もしない。放心状態。ふと時計を見たら、もう10時。2時間ぶっ続けで演ってたのか。改めて、あの超高速・超強力ドラムスが2時間もの間ほぼ休みなく、寸分のリズムの狂いもなく叩き続けられていたことに驚く。

帰りに物販でTシャツを購入。ジャケット通りのド派手な真っ赤なのしかないかと思いきや、結構いろんなデザインのがあってちょっと迷う。「アメリカン・サイズのLなので大きいですよ。返品ききませんよ」と親切に何度も念押しされたこいつにした。ちょっと裾長いけど、サイズぴったり。なんかこうして、よかったライヴの後にTシャツ買うのなんて久しぶり。

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会場を出ると、例のトラックがまだいた。真っ赤に光って。

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よく見ると、今回の来日を記念して、2枚組のスペシャル・エディションが日本盤で発売されたことが書いてある。さっきの物販にも置いてあったんだけど、CDはどこでも買えるからいいやと、ついTシャツ売り場に直行してしまった。

ライヴから帰ってきてすぐに書き始めたこの記事、時間が足りなくて結局こうして週末までかかって毎晩少しずつ書き足してるんだけど、その合間を縫って今日そのスペシャル・エディションを買ってきた。

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ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズ 『Them Crooked Vultures』

リンク先のアマゾンではどういうわけかDVDとの2枚組ということになっているけど、実際はライヴCDとの2枚組。今年の頭にシドニーで行われたライヴ演奏が5曲収録されている。「Elephants」冒頭のドラムソロとか、延々と演る「Scumbag Blues」とか、今回のライヴを思い出させるね。本編アルバム未収録の「Hwy 1」も入ってるし。2枚組の1枚目はもともと持っていたのと全く同じなので、また売りにいかないと。

彼らの今回の来日の本来の目的であったフジロック登場は昨晩だったはず。最初にこの記事を書き始めたときはネタバレを気にしてたけど、フジで観てきた人ももうきっと同じ感想を抱いているはず。どれぐらい真面目に継続させるつもりで作ったのか知らないバンドだったけど、どうやらセカンドアルバムを年内に、という話になっているようだ。楽しみ。


Setlist 28 July 2010 @ Shibuya AX Tokyo

1. No One Loves Me & Neither Do I
2. Gunman
3. Scumbag Blues
4. Dead End Friends
5. Elephants
6. Hwy 1
7. New Fang
8. (Alain Johannes Guitar Solo)
9. Bandoliers
10. Interlude With Ludes
11. Mind Eraser, No Chaser
12. Caligulove
13. You Can't Possibly Begin To Imagine
14. Spinning In Daffodils
15. Reptiles
16. Warsaw Or The First Breath You Take After You Give Up


posted by . at 00:15| Comment(4) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日の記事は5つべこべ(単位)くらいでしょうか。
ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズさんは去年のM1グランプリをご覧になっていたんですね。まさかジャケに鳥人と据えられるとは。招待席には笑い飯のお2人がいたはずです。

MGMTさんからは、ミュージシャンはいついかなる時でもカラオケを用意しておかなければならないことを学びました。→PJ←さんにも、機材トラブルに備えてカラオケ@カホンバージョン、カラオケ@ピアノバージョンを準備することを勧めなければなりません。

次のアルバムを待ちわびる楽しみはまた格別ですね。
良いコンサートでよかったです。次は鳥人Tシャツを着て笑い飯ライヴに行ってください。
Posted by ひより at 2010年08月01日 18:22
フジで見てきました!!あまりのヘヴィーさに呼吸困難に陥りそうでした。フェスでは1時間くらいですが、単独ではあれを2時間・・・?

MGMTは、お決まりでカラオケなのが1曲あるのですが、それでしょうか(KIDSという曲)。それを見るたび、演奏してくれよーと思うのですけども。
Posted by desktop at 2010年08月03日 22:18
観に行かれたんですね。羨ましいです!
Tシャツのデザインなかなかかっこいいですね。

気付いた頃にはもうチケット売り切れでした。
フジにもきっと沢山の人が集まったのでしょうね。

デイヴのドラムは一度体験してみたいです。
Posted by うささこ at 2010年08月07日 08:18
■ひよりさん
これまで単位は定めておりませんでしたが、今後はこの長さの記事の1/5を1つべこべと規定することにします。測定ありがとうございました。

鳥人のことは記事に書こうか書くまいか迷っていましたが、きっとひよりさんが言及されることと思い、6つべこべの長さになることを避けるために省略しました。予想通り触れて頂いて感謝に堪えません。また新たな鳥人の小ネタを新記事に載せましたので、よろしければご鑑賞くださいませ。

ただの箱のように見えるカホンにも機材トラブルは起こり得るのですね。なかなか奥が深いです。フジロックにも登場された→PJ←さんには何卒よろしくお伝えください。


■desktopさん
フジのレポート、楽しく読ませて頂きました。テイラー・ホーキンスのバンドにも飛び入りしたんですね。で、やっぱり別のバンドだと音圧が違ったんですね。昔観たフー・ファイターズのライヴでも、確かアンコールで1曲だけデイヴがドラムを叩いたんですが、もう全然違いますよね。別にテイラーが下手なわけではないのに。

MGMTのカラオケ、あれは定番なのですね。僕は曲名が全然わからなかったんですけど、きっとそれでしょう。本当は別の曲を演るつもりだったのが、機材トラブルで急遽その曲にしたような感じでした。


■うささこさん
どちらも観に行かれなかったのですね。それは残念でした。TCVには是非きちんとした日程で再来日を期待したいですね。多分フー・ファイターズではデイヴは余興程度にしか叩かないでしょうから(出てくる音は余興どころではありませんが)、彼のドラムスを生で観たければ、もうこのままTCVを続けてもらうしかありません。あとは、カート・コバーンに生き返ってもらうとか。
Posted by yas at 2010年08月12日 19:07
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