2009年12月08日

愛情の国の安CD

かれこれ10年以上も前、20世紀の話になるけど、以前インドネシアに住んでいたことがあってね。前回の記事でNZに郷愁を感じるなんて書いた舌の根も乾かぬうちにだけど、やっぱり自分が初めて住んだ外国ということで、インドネシアという国には何か特別なものを感じてしまうよ。

今回の出張、実はあれからまだずっと日本を離れっぱなしで、週末からこの月曜にかけて、実に10年振りにインドネシアに来ている。

出張だからもちろん仕事がメインなんだけど、懐かしい友達と会ったり、会社の裏手の屋台でローカルめしを食べたり、以前とは全然変わってしまった街並みを車窓からぼーっと眺めてみたり、ずいぶん楽しい時間を過ごしてるよ。

楽しい時間といえばもちろん、CD屋巡り。巡りというほど沢山の店を廻る時間があったわけじゃないけど、日曜の夜に友達と食事に行く前にかつての行きつけのCD屋で待ち合わせ。ジャカルタでは一番充実した品揃えの2階建てのその店の1階がいまだにカセットテープのコーナーなことにちょっと驚きつつ。

今回の収穫。

Duta Suara.jpg

全部で何枚?12枚か。このうち2枚はその友達が買って僕にくれたものなんだけど、それ以外の10枚で、なんと総額68万ルピア。日本円にして6500円弱。一枚あたり650円。

真ん中にあるノラ・ジョーンズだけは輸入盤なんで17万ルピア(1600円)と、日本で買う普通の輸入盤並みの値段だったので、その他の現地プレス盤がどれだけ安いかはわかるだろう。

出たばかりの新譜3枚、前から買おうと思って買いそびれてたやつ2枚、インドネシアものの定番(?)2枚、インドネシア人の友達のお勧め2枚、音も名前も知らない完璧ジャケ買い3枚。出発前に最後に残ったルピア札を使いきろうと思って、1000円で3枚も買えるところが嬉しい。

先週シンガポールで安いと思って買い込んだものが、その七掛けぐらいになって出ててショックを受けたりも。ここの方が安いって知ってるのに、なんでシンガポールであんなに買ってしまったんだろう(答え:CD屋に行ったら後先考えずに買ってしまうからです)。

この値段でオリジナル盤が買えるのは、世界でも珍しいんじゃないだろうか。もちろん、ジャカルタ市内でも行くところに行けば、コピー盤がこの何分の一かの値段で売ってるんだけど、僕はコピー盤は買わないことにしているんで。

このブログを読んでるような人でインドネシアに行く機会があるなら、是非地元のCD屋を覗いてみればいいよ。いわゆる洋楽ものも安いし(すごく安いのは現地プレスができるぐらいのメジャーなアルバムばかりだけど)、現地のバンドのはもっと安い。ガムランとかクロンチョンとかの伝統音楽のもあるし、音楽文化の層の厚い国だと実感すると思うよ。


この10年間ほとんど使っていなかったインドネシア語が、こっちの人と話し始めた途端にスラスラと出てきて、仕事の話すらほとんどインドネシア語でできたことに自分でもびっくり。

そんな感じで友達とも楽しい時間を沢山過ごし、今はもうジャカルタには住んでいない友達とも電話でたっぷり話したりして、ちょっとセンチメンタルな気分になってるところ。ここの人って、ほんとに情が厚いというか、いい意味ですごくウェットなんだよね。

インドネシア語で「ありがとう」という意味の「Terima Kasih」を言葉通りに直訳すると、「私はあなたの愛情を受け取りました」という意味になるというのは、この国の人たちの人柄をよく表していると思う。愛情を受け渡しながら暮らしているといえばいいか。


そんな楽しい3日間を終えて、今晩(もう昨日と言った方がいいのかな)ドバイに向けて出発する。

…はずだったのに、なんとドバイ行きのフライトが5時間遅れ。このまま空港で夜明かしかよ。明日の会議の時間がフレキシブルで助かったよ。こんなところもインドネシアならではだね。やれやれ。

それにしても、ベンチもろくにないこの空港で、朝まで何も食わずにいるのかと途方に暮れ、空港ラウンジでエコノミークラスのくせに駄目もとで適当なカードを見せてなんとか頼み込んだら、「朝まで大変でしょうから、中で寝ててください」と入れてくれた。こんなところもインドネシアならではだよ。大好き、この国。


posted by . at 03:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
サイト運営をしている者なのですが、相互リンクしていただきたくて、コメントいたしました。
下記のURLから、相互リンクしてもらえると嬉しいです。
http://hikaku.link-z.net/link/register.html
ご迷惑だったらすみません。突然、失礼しました。
3gQRg4PF
Posted by yujin at 2009年12月08日 07:47
金額に万がつくと大金のような感じがするものですね。鳩山兄弟がお母さんからもらったお金が何ルピアになるのか換算しようとしたらゼロの多さに目が眩んだのでやめました。
一番奥右端の奇妙な動物のジャケが好きです。耳部分はチョウチョですか?

飛行機5時間遅れは路上お札ばら撒き事件(2万8千円)よりもどっきり度が高いですね。お疲れ様でした。恩地さんのように引き続きお仕事がんばってください。
Posted by ひより at 2009年12月09日 00:11
出張、お疲れ様です。世界中飛び回れていいなあ〜と言いたいところですが、かなりハードですねぇ。

飛行機遅れは、昔モスクワの空港で4時間待ちっつうのをしたのを勝手に思い出して、勝手に涙ちょちょぎれてました。中に入れてもらえて情の厚いお国柄で良かったです。

そういえば、来年3月にJoolsとGilsonがブルーノートで公演するとのこと。Squeezeな楽しみが増えてウキウキしてます。それでは!。
Posted by YUNKO at 2009年12月12日 13:15
■yujinさん
サイト拝見させて頂きましたが、どうにも僕のブログがリンクを貼って何かのお役に立てそうにもないので、せっかくのお誘いですが、やめておきます。
3gQRg4PF


■ひよりさん
ルピアやらドンやらは、持ってるだけで大金持ちになった気がする麻薬のようなお金です。使いすぎないように気をつけましょう。

一番右の耳の部分は蝶ですね。さすが虫博士。実は歯の部分も蝶なのですが、そこまではさすがの虫博士でも見抜けなかったようですね。

飛行機5時間遅れの後はそれほど大きなトラブルもなく、先ほど無事日本に帰還しました。それにしても、インドネシアの後は、道を譲ってもらうのが当然と思っている人やら列があれば割り込むものと思っている人やらの国ばかりに行って心が荒んで帰ってきたので、あらためてインドネシアの有難味が身に沁みました。

Nirvanaは沖雅也が待っているところですね。もうずいぶん昔の話ですが、待たれているのは誰でしたっけ。


■YUNKOさん
モスクワで4時間ですか。それはジャカルタの5時間よりも相当ハードシップ高いですよ。よく凍え死にませんでしたね。

はい、ジュールスとギルソン、来るみたいですね。結構なお値段で二部制複数日なので、どの回に行くか検討中です。グレンのときみたいに複数回行くことはしないと思いますが、またお会いできればいいですね。
Posted by yas at 2009年12月12日 17:01
音楽を通じて世界中の人々への理解を深めたいと願っている今日この頃、おかげさまで「列があれば割り込むものと思っている人やらの国」のことも愛することができましたよ〜(笑)。音楽平和党実現のあかつきには、どうか清き一票を〜♪

インドネシアに関しては、まだ残念ながらこれは〜!ってアーティストには巡り会えていないんですけど、東南アジアの中でもとりわけ音楽の層は厚そうな国ですよね。何かオススメがあったら教えて下さ〜い。

ハードそうなお仕事の合間に、CDショップ訪問や友人とのお付き合いも大切にしてるyasさんのパワーって、一体どこからくるんでしょ?
Posted by クロム at 2009年12月15日 22:53
■クロムさん
久々にご登場願ったのに、一週間近く放置してしまい、大変失礼致しました。そちらでは久々に英語圏の音楽ネタが登場ですね。コメントしようと思っているうちに、BCファンの集いの如き様相を示してきたので、大縄跳びに入れない子供のように躊躇している最中です。

インドネシアもの、今回いくつか仕入れてきて、これはもしかしたらクロムさんのお好みでは、というのもちょっとありましたので、またご紹介しますね。本当はこのコメント欄にたっぷり書こうかと思っていたのですが、そんなことをしてるといつまでもコメント返しができないので、今日のところはこのいい加減なコメントでお茶を濁しておきます。
Posted by yas at 2009年12月22日 00:30
出遅れたので、のんびり順番に読んでいます。今年中に狂い咲いたジェブ・ロイの記事とかまでたどり着けるでしょうか。途中どこかで遭難するかもしれません。

かれこれ17、8年ぐらい前に(もちろん20世紀)、ジャカルタ駐在の友人宅に泊まりにいったことがありました。そのときインドネシア語のあいさつをいろいろ憶えこんだのですが、今となっては「テレマカシー」(多分発音微妙ですね)以外は全部忘れちゃってます。そういう素敵な意味の言葉だとは知りませんでした。
「テレマカシー」というと「サマサマ」と返されるので、友人に意味を聞いたら「“こちらこそ”みたいな意味だよ」といわれました。「愛情を受け取りました」「はい、こちらも受け取りましたよ」ということだったんですね。いいですね、なんだか。
Posted by にんじん at 2009年12月28日 17:22
■にんじんさん
お久しぶりです。冬のシメキリは無事通過されたでしょうか。こちらは冬休み恒例でなんだかやたらと書きまくっていますが、適当に読んだフリしておいてくれれば万事OKです。

テリマカシーのその意味は無理矢理直訳というか、日本語でいう「ありがとう」が本来は「(私にはもったいない)有難いことでございます」というのと同じような感じです。でも、英語の「私はあなたに感謝します」というのより、ちょっと気が利いてますよね。バリあたりのこじゃれたホテルに泊まったら、枕元に綺麗な熱帯の花がそっと置いてあったというぐらいの地味な気配り加減が気持ちいいです。
Posted by yas at 2009年12月29日 11:57
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