2009年11月22日

安定感 - Spitz

Sazanami OTR Custom.jpg
Spitz 『Jamboree Tour 2009 "Sazanami OTR Custom"』


01年と03年のライヴDVDがすごくよかったので、日本に帰ったらコンサートに行こうとずっと思っていたのに、いまだに機会のないスピッツ。去年から今年にかけてのツアーの映像がDVDになったので、早速買った。初回限定盤でDVDが2枚、CDが2枚と写真集がちょっと豪華めのケースに入っている。限定盤じゃないのは本編のDVD一枚だけなんだね。

本編DVDが、ツアー終盤になる今年1月のさいたまスーパーアリーナ公演を(おそらく)フル収録。ボーナスDVDに郡山と神奈川でのライヴを10曲。2枚組のCDは、本編DVDがまるごと入った23曲入りライヴアルバム。全部通して観て聴くと、4時間以上もかかる大作。

本編DVD。ツアータイトルどおり、07年のアルバム『さざなみCD』からの「ルキンフォー」でスタート。過去のアルバムから満遍なく1〜2曲ずつ織り交ぜながら、全13曲入りのそのアルバムからは10曲を演奏。

過去曲は、古くは91年の『名前をつけてやる』収録の「恋のうた」から、02年の『三日月ロック』収録の「けもの道」、「夜を駆ける」までバラエティに富んだ選曲。

最近のライヴDVDらしく、画質も音質もいいんだけど、どうもカット割がせわしいのと、手持ちのカメラで撮ってると思しき安定しない画像が多くて、落ち着かない。意図的でないピントの外れた瞬間が頻繁に出てくる編集にも疑問。1時間40分続けて観ているとちょっと疲れてしまう。

もちろん、ライヴの内容自体は文句なし。草野の書く曲って結構どれもこれも似通ってるとも言えるんだけど、それが何故かワンパターンに陥らず、20年近くのスパンで作られた曲達がこれだけ一貫したクオリティを保っていることに驚く。

演奏も上手いよね、この人たち。ベースの田村なんてあれだけ走り回りながら、ジョン・エントウィッスルばりの高音高速フレーズ弾くし。三輪はもちろん、草野が時折り入れるちょっとしたギターソロも実にセンスいい。それから、崎山のドラムの安定感。さっき書いた、新旧の曲達の(少なくとも演奏面での)一貫したクオリティは彼のこのドラムに負っているところが大きいと思う。

サポートのキーボーディストは、前回のライヴDVDからずっと(ということは00年のツアーからずっと)同じくクジヒロコ。サポートなのであまり映らないけど、いいところでコーラス入れたり、最後の「漣」ではフルート吹いたりと、結構要所要所を締めている。

本編DVDの方は、最後の曲の前にちょっとだけ挨拶する以外は全くMCなしで曲をつないでいた(さっき編集に文句つけたけど、これだけは高く評価する)のに対し、ボーナスDVDの方はどちらかというとMCを聞かせるために編集されたような作り。10曲の合間合間にけっこう長めのMCが7回も入っている。

この人たち(というか、主に草野と三輪)ステージで結構喋るんだね、しかもなんだか妙にとぼけた味のある話ばかり。草野の書くヘンテコな歌詞を思えば、こういう思考回路を持った人だということには納得いくけど。

10曲は、『さざなみCD』から本編に落ちた残り3曲と、古くは93年の『Crispy!』からの「君が思い出になる前に」から、05年の『スーベニア』から「みそか」、「春の歌」まで(ちなみに本編の方には『スーベニア』からは一曲も選ばれていない。僕結構好きなアルバムなのにな)。それから、最近(といってももう去年)のシングル「若葉」も。

ボーナスDVDの方も1時間10分ある。こういうライヴもののDVDって、大抵それぐらいの長時間ものが多いから、なかなか観る時間取れないんだよね。買ったままでまだ観ていないDVDが他にもうちに沢山ある話はこのブログに何度も書いているとおり。

その点、CDならこうしてパソコンしながら聴いたり、ウォークマンに落として電車の中で聴いたりできるから、やっぱり僕はどうしてもそっちに興味を持ってしまうよ。今回のこのセットも、僕はどちらかというとライヴCD目当てで買ったと言っても過言ではないほど。

これまでライヴDVDはさっき冒頭に書いた2種(01年の『ジャンボリー・デラックス Live Chronicle 1991-2000』と03年の『放浪隼純情双六 LIVE 2000-2003』)が出ているけど、ライヴCDは何故か一度もリリースしてこなかったスピッツの、いわばこれが最初のライヴアルバムということになる。

内容はさっき書いたとおり、新旧織り交ぜた磐石の選曲。過去の2種のライヴDVDには必ず入っていた「ヒバリのこころ」がないのが残念だけど、「夜を駆ける」とか「8823」とか比較的新しめの隠れた名曲が収録されているのが嬉しい。

本編DVDをそのまま収録と言いながら、そちらではカットされていた曲間MCが、実はCDでは何度か出てくる。レストランで注文を忘れられる話とか、アボカドの話とか、そこはかとなくおかしい話。

半年前のこの記事で取り上げたニック・ロウのCDは、おまけとして付いていたDVDが僕にとってはメインになったと書いたけど、この豪華なパッケージのセットは僕にとってはその逆のパターン。やっと出たスピッツのライヴアルバムに、同内容のDVDが付いたものと思っている(だからこの記事のカテゴリもビデオでなくアルバムにした)。

全部で3時間近くもテレビの前に座ってなくちゃいけないこのDVDを次に観るのはいつのことになるかわからないけど、この素敵なライヴアルバムはもう通しで10回以上聴いたし、これからもこっちを聴き続けることになるだろう。

この手のメジャーなアーティストの“初回限定盤”がどれぐらい長く流通しているのか知らないけど(実際、限定生産だった『放浪隼純情双六』はもう入手困難だと聞くし)、僕と同じく“スピッツ初のライヴアルバム”を待っていた人は、多少値が張るけど、なくならないうちに早いとここれを買っておいた方がいいと思うよ(ちなみに、アマゾンさんの価格設定、結構良心的)。


p.s. この記事を書いていたら、シーサーの新着スキンにこのDVD発売記念のデザインがあるのに気づいた。せっかくだから、これまで一度も変えたことのないこのブログのスキン、期間限定で変えてみようかな。


ビデオもあったので貼ろう。




posted by . at 22:32| Comment(9) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スピッツお好きなんですね、しかも、ブログスキンまで変えてしまうんですね。何だか意外でした(笑)。黒と赤、ピンクのハートがキュートですv。

DVDって意外とリピートしない・見ない、ですね、長ければ長いほど。音だけ落としたいって思う時あります(苦笑)。
Posted by YUNKO at 2009年11月23日 11:11
yasさんはじめまして

僕もNick Loweはそっちメインで買った派です
そして、通常、限定版のおまけのDVDは、
なかなか暇が無くて観れない派ですね
けど、スピッツはあんまり聴きません(汗

さて、黒のブログスキンはホントに期間限定でお願いします
長文読んだ後に目が疲れてシバシバってなっちゃってます
いや、長い文章はいつも楽しく読ませて貰ってるんで問題ないんですよ(為になるね〜為になるよ〜ってかんじで)
いつも更新されるのを楽しみにさせて貰ってます

ただ、このブログの内容に黒のスキンは・・・
Posted by jakalta at 2009年11月23日 18:35
いつも通りに地味音に来たのに、
え?ここはどこ、今は1Q84年?

あ〜、そういうことでしたか。
私も、このdvd買おうかと思ったんですよ。
甘存からおせっかいなメールが来るから。
でも諸般の事情からやめました。
そうdvdは、「ながら」というのがしにくいので、買うのが限られてしまいます。
ライヴcdはすごく興味がありますね。
買った方がいいのかな。
Posted by Luna at 2009年11月23日 21:54
わ。スキンが変わってます。
見やすくてなかなかいいじゃないですか。
スピッツ、アルバム通して聴いたことないんですが、どこかの店や街中で流れてるのを耳にすると、必ずいい曲だなと思うのです。
ちゃんと聴いてみようかな。
草野君トシとりませんね。ずっと男の子っぽい雰囲気がいいです。女の子にモテそー。
Posted by 青グリン at 2009年11月23日 22:28
ウッ! 黒い。へんなの!

おおー、ホンモノを初めて見ました。こんな人たちだったんですね。
表情変えずに伸びやかな声がでて、気持ちがいいですね。
ちょっとさっぱりしたい朝は、電車の中でスピッツ聴くことにしてます。あたくしはネズミの歌がすきです。
Posted by カブ子 at 2009年11月23日 22:47
違うお部屋に来たのかと思いました。
びっくりしたね〜びっくりしたよ〜って感じです。

スピッツでは田村くんが好きな渋好みの私、一瞬だけこのスキンにしようと思いましたが、音楽ブログなのにスピッツのスの字も書いていないのでやめました。記事の最初にある「ス」の字がお洒落ですね。

3時間とは「沈まぬ太陽」並みの超大作です。途中で休憩しましたか?
3時間のなかで田村くんが写っているのは正味何時間くらいでしょうか。
Posted by ひより at 2009年11月23日 22:47
出張中で返事が滞っています。すみません。色も黒いままですみません。この後直します。

■YUNKOさん
スピッツ好きですよ。結構洋楽好きでスピッツのファンというのは多いような気がします。ブログスキンまで変えたのは、それがたまたまそこにあったからです。そのうちグレンのブログスキンがあればきっとそれに変えると思いますが、そんなことはまずないですね。

DVDの音だけ落としたいというのは同感ですね。昔のビデオテープなら、音だけカセットテープに落として聴いたりしていたものですが、DVDの音をCD-Rに焼くのは難しいですね。


■jakaltaさん
初めまして。長らく放置してしまい、すみませんでした。あ、スピッツ聴かれないんですね。上で偉そうに述べた洋楽ファンの話は早速否定されてしまいました(笑)

黒のブログスキン、大変ご迷惑をおかけしています。僕もこれに変えてみたところ、自分でも読み返すのが嫌になってしまいました。皆さんよくこんなのを真面目に読んでくださっているなあと。細かい設定を変えて色を見やすくしようとしたのですが、難しくて無理でした。

これからも、もう中学生並みには為になる記事を書くよう努力しますので、よろしくお願いします。


■Lunaさん
1Q84読まれたんですね。僕はまだです。CDはなるべく早く買うようにしているのですが、本はいつも文庫になるのを待ってしまいます。あらすじはばらさないでくださいね。

諸般の事情というのが何なのか気になりますが、記事にも書いたとおり、これはスピッツのライブCDとしてはなかなかのものですよ。定価7800円というのにちょっと恐れをなしますが、おせっかいな甘存くんの5717円という価格設定はちょっと魅力的です。2枚組のライブCDに、おまけDVDが2枚ついて、写真集までついているのであれば、この値段は許せるのではないでしょうか。


■青グリンさん
>見やすくてなかなかいいじゃないですか
そんなことを言っているのはグリンさんだけです。残念ながらこのコメントを投稿したら、もとの茶色に戻しますよ。見にくくても文句は言わないでください。

スピッツ、ちゃんと聴いた方が身のためだと思いますよ。初めてなら、こんな新しいのからじゃなくても、ブッ○オフとかにスカみたいな値段でいっぱい置いてありますから、そちらからまずどうぞ。


■カブ子さん
スピッツの本物を見たことがありませんでしたか。僕も本物は見たことありませんが、動いている画像なら沢山見ました。ついでに犬のスピッツなら本物も見たことあります。動いていました。

>ネズミの歌
このDVDにも入っている「ネズミの進化」でしょうか。なぜカブ子さんがそんなものを知っているのでしょう。


■ひよりさん
一瞬だけこのスキンにしようと思われたのですね。お揃いになったかもしれないのに、それは残念なことです。

スピッツでは田村のファンですか。ベーシスト好きの地味好みかと思いきや、ビデオを観ると田村は一番動き回って派手です。ベーシストの風上にも置けません。

このDVDは2枚に分かれているので、途中休憩を挟んで観ましたよ。休憩に一日ぐらいかかってしまったのが「沈まぬ太陽」との差です。ところで僕は今沈まぬ太陽ぐらいの恩地さんぐらいこき使われている出張の真っ最中です。残念ながらカラチやナイロビには行きませんが、来週テヘランに飛ばされます。

>3時間のなかで田村くんが写っているのは正味何時間くらいでしょうか
それを確認するためにはもう一回あれを観ないといけません。ぜひご自分で観て確かめてください。
Posted by yas at 2009年11月29日 11:50
あ、元に戻しましたね。短い期間限定でしたね。

値が張るのでぐずぐずしていたクチです。
急かしてくださってありがとうございました(笑)
おかげで買いそびれずにすみました。
「今な」スピッツが聴けてよかったです。
これはすごくいいライヴですね。

去年もちょうど今頃、毎日毎日スピッツばっかり
飽きもせず聴いていた事を思い出します。
「8823」好きです。かっこいい曲ですよね。
でもヘンテコな歌詞の意味はよくわかりません。
Posted by Nao at 2009年12月01日 13:42
■Naoさん
はい、あんまり黒いと自分でも読むのが嫌になってきたので、一週間でやめました。

聴いた人だけがわかる、アボカド風味のコメントをありがとうございます。いいライヴCDですよね。ライヴDVDとしては、僕は01年の『ジャンボリー・デラックス』を圧倒的に推しますが。もし未見であれば、機会があれば是非観てみてください。『Live Chronicle』というサブタイトルの通り、いくつかのライヴが収録されているのですが、特に最初に入っているセットが秀逸です。

冒頭の「恋は夕暮れ」〜「魔女旅に出る」〜「惑星のかけら」という貫禄の3連発をまるでステージ前を漂う精霊の目から見たように撮った流れるようなカメラワークを観れば、今回のライヴDVDの編集が如何にうざったいかがよくわかります。終盤、「うめぼし」〜「ラズベリー」〜「チェリー」という赤い丸い食べ物の曲3連発(本人がそう言ってるわけではありませんが)に続くとどめの「ヒバリのこころ」。こういうカタルシスを感じるエンディングにしてほしかったというのが、今回のライヴアルバムに対する僕の唯一の小さな不満です。

>毎日毎日スピッツばっかり
スピッツはふとそういう風になることがありますよね。どのアルバムを引っ張り出してきて聴いてみてもどれもいいのがまた香ばしいです。

ヘンテコな歌詞の意味はそのうち解読してみせましょう。
Posted by yas at 2009年12月04日 23:16
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