2009年10月04日

また出た - Mark Kozelek

Lost Verses Live.jpg Mark Kozelek 『Lost Verses Live』

去年の4月に『April』、年末に『Finally LP』と、かなりのハイペースでアルバムをリリースしているマーク・コズレック。彼は実はその上にさらに何枚ものライヴアルバムも出している。

『April』とほぼ同時期に出た彼の詩集に付属していた『Nights LP』(*1)。『April』のすぐ後に出た1500枚限定の『7 Songs Belfast』(*2)。今年の4月に出たサイト限定のフリーCD『Find Me, Ruben Olivares - Live In Spain』。そして、5月には今日取り上げる最新ライヴ盤『Lost Verses Live』。

 *1:これは純粋なライヴ盤でなく、ライヴ録音やデモバージョンを集めたもの。
 *2:もたもたしていて買う機会を逸してしまった僕に、親切な上に同じCDを何枚も買うことで有名なマサさんが譲ってくださった。マサさん、ありがとうございました。

それら以前にも、06年の暮れに出た『White Christmas Live』と『Little Drummer Boy Live』という、クリスマスというテーマで対になった2種類のライヴアルバム(実際その二つは限定盤LPでは4枚組の一つのアルバムとして出た)があったから、今現在彼のサイトに載っているだけで6種類のライヴ盤が出ていることになる。

いくらレッド・ハウス・ペインターズ時代から20年近くに亘るキャリアを誇る彼とはいえ、これだけの短い期間にそれだけの数のライヴ盤を出せば、当然内容は似通ってくる。そんなに演奏スタイルに幅のある人でもないしね。

今回のアルバムも、数曲を除いてほぼ全部、以前のどれかのライヴ盤に収録されていた曲ばかり。だから、3月に彼のサイトを観ていて、フリーCDの『Find Me〜』に続いてこのアルバムが出ることを知ったときの僕の正直な感想は、この記事のタイトルと同じようなものだった。

そのうち、6月にはカラービニールの限定LPが出ることも同じサイトで案内されたが、そのニュース自体は6月を過ぎても更新されることはなかった(ちなみに、今でも同じ文句が書いてある)。

9月になり、サイトのトップページを見て「まだ出ないな」と思いながら何の気なしにショップのページに移ってみたら、そこには既に売り出し中のアイコンが。黒ビニールと白ビニールの2種。限定100枚ずつ。おまけに、LPにはCD未収録の「I Am A Rock」と「Last Tide / Floating」を収録とのこと。

White Vinyl.JPG

というわけで、今僕の目の前には、この白盤があるというわけ。「また出るのか」とか思ってた気持ちも、限定の二文字には簡単に折れる。ちなみに、僕が買った数日後に同じサイトを見てみたら、白盤は売り切れていたけど、今日見たらまた再入荷したようだ。いずれにせよ、過去の例からみても、今回のがなくなったらもう入手困難になるのは明らか。

2枚組アナログ盤の各面に4曲ずつ、全16曲のうち8曲が『April』から。そのアルバムは11曲入りだったから、ほとんど全部を演奏していることになるね。逆に言うと、今回のライヴ盤は“April + Best Selection Live”という趣。さっきも書いたとおり、収録曲のほとんどが過去のライヴ盤でも取り上げられているような代表曲ばかりだし。

07年の10月から08年の暮れにかけて主にアメリカとヨーロッパで録音されたようで、どの曲がどことは書いていないものの、日付と会場が内ジャケに明記してある。その最後に載っているのが、Kings Arms Tavern - Auckland, New Zealand, August 1, 2008。懐かしいな、僕がスリッツを観た場所だ。

内容は、これまたいつものマーク・コズレックとしか言いようがない。マークとフィル・カーニーのアコースティックギター2本に、マークの声、それだけ。今みたいな晴れた日曜の昼下がりにあまり似合うタイプの音楽ではないけれど、夜一人で聴いていると確実にどこかに連れて行ってくれる音。ボートラ収録のサイモン&ガーファンクルの曲ですら、しっかりとこのジャケットのように鈍い光を放つ黒色に染められているようだ。

残念ながら最近よくあるアナログ盤を買えばMP3音源が付いてくるといったものではないから、これを聴くときは必ずレコードプレーヤーを使わないといけないんだけど、オフィシャルサイトから買った僕にはさっき書いたフリーCDが付いてきたから、ウォークマンに入れて聴くのはもっぱらこちら。

Find Me, Ruben Olivares.jpg
Mark Kozelek 『Find Me, Ruben Olivares - Live In Spain』

フリーCDだからといって、内容が悪いというわけじゃない。13曲入り64分のフルアルバム。『April』以降のライヴ盤が必ずそうであるように、ラスト前のクライマックスに「Tonight In Bilbao」が来るのも定番。この曲を聴くと今でもあの素晴らしかったインストア・ライヴを思い出すよ。


同じようなライヴ盤ばかり買ってもしょうがないと思う気持ちを限定商法で押し切られ、でもオマケとしてもう一枚立派なライヴ盤をつけてくれるという、憤っていいんだか喜んでいいんだかわからない状態だけど、あのインストアのときの眉間にシワを寄せたぶっきらぼうな喋り方や、サイトのトップページの4月のニュースが未だに更新されていないいい加減さに付き合っていくのが、この人のファンでいるということなのかと、妙に自分を納得させていたら、

同じサイトに、去年の12月に出た『Finally LP』が“09年6月に”2曲の未発表曲を追加してアナログで再発されることが書いてあるのを見つけた。

・・・やっぱり憤ることの方がちょっとだけ多いかな。
posted by . at 16:10| Comment(5) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは〜。同じCDを何枚も買ってしまうマサです(笑)。

いやぁ〜、当初の予定から随分と遅れてのリリースとなってしまいましたね。同時にリリース予定の「Finally LP」は一体何時になってしまうのでしょうか?もちろん、私も白盤を入手。しかし今回は1枚だけにしてみました。いや、ちょっとよくよく考えると2枚買う必要はないのかなぁ…と(笑)。そう言いながらジョシュ・ティルマンの新作は2枚買ってしまいましたけれど…(汗)

ただ、ちょっとライブ盤ばかり続いていて、しかも内容が似通っているから食傷気味であるのは確かです。どうせならばフルバンド形式のライブ盤だったらなぁ…と想ってしまったり。でもまた出たら買ってしまうんだろうなぁ。

追伸:オフィシャルサイトのニュース、9月頃から一応更新されていますよ〜。
Posted by マサ at 2009年10月04日 23:26
この人は昨年末の白黒の牛の人ですね。
せっかくカラービニールなのに、やっぱり白と黒の二種なんですね。黒だとカラービニールの限定LPを買ったという実感は得にくいのではないでしょうか。私が買うとしてもきっと白を選ぶと思います。
Posted by にんじん at 2009年10月09日 17:51
■マサさん
『Finally LP』の再発予告も同じ時期に出ていたんでしたっけ。あのアルバムはもう持っているからと、文字までちゃんと読んでいませんでした。ドアーズのカバーに興味があります。「今年中には出ない」に1000点ぐらい賭けたい気分ですが(1000円ではないところがミソです)。

マサさんも白盤を入手されましたか。さすがに手堅い。やっぱり黒はあまりそそられませんよね。でもきっとこれでこの後Aural Exploitsとかからマーブル盤が限定発売とかいうことになったら、きっとマサさんはそれも買ってしまうことでしょう。ちなみに僕のは白盤ですが、どうも元の白ビニールに黒い材料が一滴垂れてしまったのか、部分的にマーブルっぽくなっている箇所があります。ちょっと得した気分です。

確かにちょっと食傷気味ですよね。『Live Phish』のシリーズとか、アイアン&ワインのサイトに出ていたオフィシャル・ブートレッグとか、最初から沢山の種類が出るとわかっていたら、多分僕も最初からあまり手を出さなかったかもしれませんが、こうやってちょっとずつ出されるとつい騙されてしまいます。商売のうまい人です。

オフィシャルサイトのニュース、今見てもまだ「5月に出る予定」とか書いてますよ。サン・キル・ムーンのサイトのことでしょうか。


■にんじんさん
はい、よく憶えていらっしゃいましたね。もうずっと昔から白黒とか単色とかのジャケばかり作ってる人です。でも昔のLPは限定青色とかもあったようですよ。

黒盤は限定にするつもりはなかったんでしょうけど、こういう人のLPってずっと継続してプレスしているわけではないでしょうから、結局どうしても限定生産になるんですよね。だからサイトにも「限定」の文字を入れておいたと。ウソではないですからね。そして、その文字につられて黒盤も売れると。商売のうまい人です。
Posted by yas at 2009年10月10日 10:51
どうも、こんにちは。
いつの間にか「Finally LP」のアナログもリリースされましたね!当初の9月下旬に延期というのは守られませんでしたが、年内に出ちゃいましたね(笑)。今回も500枚の黒盤と500枚の白盤の2種類のようです。

いやぁ、「April」の時のようにAural Exploitsだけの特別盤が出ちゃうと困るので、オフィシャルショップでポチっとする前にAural Exploitsのサイトをチェックするのがお約束になっております。

白盤と黒盤だったらやっぱり白を選んでしまうんですけれど、毎回のようにほんのわずか黒いインクが混じっていますねぇ…。製造工程でどうしても仕方ないのかなぁと想ってますが。たまには夏に出たレッドハウスの「Songs For A Blue Guitar」のような青盤みたいにもう少しカラフルな色が出ても良いのになぁ
…。

そう言えば、大概重量盤なのに、今回は通常のヴィニールのようですね。製造工程で問題があって延期しちゃったみたいですが、なにか関係があるのでしょうか?

オフィシャルサイト、サン・キル・ムーンのサイトのことでした!最近はもう、そっちのサイトしか確認していないかも…。
Posted by マサ at 2009年10月15日 13:53
■マサさん
こんばんは。『Finally LP』出ましたね。「今年中には出ない」に1000円賭けなくてよかったです。

もう白盤をオーダーされましたか?僕はなんとなくもたもたしてしまっています。ボートラ2曲だけのために大枚を、とか、重量盤ではないというのを聞いてしまって、とか。最近CDを買いすぎというのもあって、ちょっと気持ちにブレーキがかかってしまっているのも原因かもしれません。そんなことを言ってるうちに白盤が売り切れてしまって口惜しい思いをするんでしょうけど。

白盤、いつも黒が混じっているんですね。僕は今回初めて買ったので、珍しいものかと思っていました。他のアーティストの白盤は真っ白なんですけどね。

サン・キル・ムーンのサイトはちゃんと更新されているんですね。マメに更新できないのなら、一つにまとめればいいのに。
Posted by yas at 2009年10月18日 00:45
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