2009年09月12日

09.09.09のタワーとグレンの新録(とその他諸々)

出張続きの合間を縫って、会社帰りに新宿のタワーレコードに立ち寄った。JR東南口を出たところでビートルズのチラシを受け取り(ティッシュは受け取らないけどこういうのはもらう)、その日が9月9日だったことに気づいた。

あの建物は待っても待ってもエレベーターが来ないので、そのままエスカレーターの右側を歩いて上がる。左側の人たちには「ビートルズのCDを急いで買いに行く人」だと思われているんだろうか。JR改札がある2階から、タワーの一番下の階(7階)まで上るだけでも結構な運動。この日はそのまま最上階の10階まで。

さすがに凄いね。全階のBGMがビートルズ。それも館内放送とかじゃないから、それぞれの階で違う曲がかかってる。7階のイベントスペースではコピーバンドが演奏してるし。

今回のリマスターCDは、いつも回遊しているいくつかのブログなどでも沢山取り上げられているし、あちこちで随分前から相当な話題になっていたのはもちろん知っていたけど、どうも個人的にはそれほど盛り上がらず。

87年版のCDは(何故かファースト以外は)出てすぐに全部揃えたし、その後あれこれ出たCDも、確か赤盤青盤以外は全部家にあるけど、家でビートルズを聴くことってもうほとんどないからね。とりあえず今はいいかって感じ。

初日のタワーにそんなに人が群がっていた理由の一つであったであろう話題のモノボックスにしても、なんだか初回限定生産というその発売方法が嫌で。こんな確実に需要の方が大きい商品、予約販売や初日に買った人のうち何割かはきっとオークションとかで一儲けしてやろうという考えに決まってる。こんな売り方して、アーティスト、レコード会社、ファンの誰がハッピーなんだろう。試しにヤフオクでちょっと見てみたら、もう数十件出てるし、アマゾンの中古マーケットでも最安値で5万円強だ(定価は39,800円)。

もちろん各階でかかっているBGM自体には罪はないので、それはそれで心地良く耳にしながら、目的の10階書籍コーナーへ。


MojoOct09.jpg

この日のお目当ては、界隈のグレン・ティルブルックのファンの間でしばらく前から話題になっていた、MOJO10月号。付録CDが『Abbey Road Now!』という、いろんなアーティストが『Abbey Road』全曲をカバーしたというCD。

MOJOなんて、まだNZにいた頃に07年の2月号を買って以来、2年半振り。あのときは『Love Will Tear You Apart』っていうジョイ・ディヴィジョン絡みのコンピCDに釣られたんだった。

さて、その『Abbey Road Now!』、グレン以外の有名どころではロビン・ヒッチコックやゴメス、コーナーショップといった人たちが参加しているが、こういうコンピCDの例に倣って、ほとんどは知らないアーティストばかり。掘り出し物はあるかな。というわけで、数回聴いてみた上での一言コメント。

1.Come Together インヴィジブル (The Invisible)
頭からいきなり意表突かれる。アンビエントというかトリップ・ホップというか、とにかく原曲のゴリゴリ感を完全に取っ払ったアレンジ。スペイシーな電子音とベースの絡みが秀逸。

2.Something レジャー・ソサエティ (Leisure Society)
キンコンと可愛い音の鳴る打楽器と、ストリングスとウクレレで奏でられるイントロを聴いただけで、これが掘り出し物だというのはすぐにわかる。ギターソロのラインをなぞるウクレレのソロもよし。

3.Maxwell's Silver Hammer レッツ・レッスル (Let's Wrestle)
んー、これはダメ。「ちょっとローファイ風に演ってみました」ってつもりだろうけど、世の中には星の数ほど存在するビートルズのカバー、そんなにハードル低くないよ。

4.Oh! Darling ブロークン・レコーズ (Broken Records)
こいつはどうしたものか。演奏も声もわりと僕好みだけど、“陰鬱な「Oh! Darling」”というものの捉え方が難しい。オリジナル曲を聴いてみたくなったので、xiaoさんのブログに載ってたアルバムを買ってみようかな。

5.Octopus's Garden ジェフリー・ルイス (Jeffrey Lewis)
前曲の陰鬱な雰囲気を払拭するためだけに配置されたようなこれが間髪入れずに入ってくる。ちょっと冗談ぽい曲を早口で歌うときのジョン・ウェズリー・ハーディング、てな感じで、嫌いではない。

6.I Want You (She's So Heavy) ロビン・ヒッチコック (Robyn Hitchcock)
グレンと並んで界隈では話題になってるこの人の参加だけど、僕はそれほど思い入れがないので淡々と。それにしてもジョンそっくりの声だね。原曲まんまのストレートなカバーにテルミンのソロ。オバケの音。

7.Here Comes The Sun チャーリー・ドア (Charlie Dore)
ちょっとハワイアンというか、レゲエ調というか、ジャック・ジョンソン一味というか。スラックキー・ギターとウクレレの音がとても心地良いけど、2と違ってこれは今の僕にはちょっと緩すぎかな。

8.Because マーティン・ジョン・ヘンリー (Martin John Henry)
原曲の綺麗なハーモニーを再現、プラスアルファという演奏。悪くはないけどすごくいいわけでもない。申し訳ないけどここまで来ると次の曲のこと考えてしまってるからね。順番負け。

9.You Never Give Me Your Money グレン・ティルブルック・ウィズ・ナイン・ビロウ・ゼロ (Glenn Tilbrook with Nine Below Zero)
何故かフラッファーズとではなく、80年代のパブロック仲間(なのかな?他に接点が思いつかない)との共演。間奏のハーモニカが格好いいね。(おそらく)グレン自身によるギターソロも当然格好いいけど。

アビーロードB面組曲の頭を飾るこの曲はそれ自体でミニ組曲っぽい作りだけど(「Band On The Run」の祖先?)、その最初の部分はグレンも結構抑えた歌い方で、なんかあっさりしすぎかなと思った。

けど、“Out of college〜”の辺りから次第に盛り上がり、ソロ後の“One sweet dream〜”からはもういつものノリノリのグレン。これ生で聴いてみたいな。

実は僕はいつも頭の中でこの曲を歌ってるとき、最初のヴァースからすぐ「Carry That Weight」につなげてしまって、てっきりこのB面メドレーの中ではこの曲は1分ぐらいだと思い込んでしまっていた。

だから、グレンがこれを選んだと知ったときには「なんだそんな短い曲なのか」と思ったけど、もちろんこれはオリジナルに近い4分の演奏で、大満足。

曲後半もたっぷりグレンのソロを満喫。オリジナルはここからサウンド・エフェクトも含めてメドレーになるんだけど、いろんなアーティストの寄せ集めのこのCDは当然それぞれが独立。

10.Sun King ゴメス (Gomez)
でも律儀にSEから始まるこの曲。確か僕は2枚組のベスト盤だけ持ってるこのバンド。原曲の不思議な雰囲気を壊さず、素直にボワーッと仕上げてて、しかもちゃんと聴かせるのはさすがベテランの味。

11.Mean Mr Mustard / Polythene Pam コーナーショップ (Cornershop)
僕は結構好きなバンドで、02年の『Handcream For A Generation』なんてよく聴いたな。もっとバンドの持ち味である南アジア風味に仕上げてくれてもよかったのにと、インド帰りの身としては素朴な感想。

12.She Came In Through The Bathroom Window カリーマ・フランシス (Karima Francis)
惜しいなあ。アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズにも通じる荘厳な歌と演奏はかなりの風格だとは認めるけど、B面メドレーで一番カタルシスを感じるはずのこの曲でこれはちょっと肩すかし。

13.Golden Slumbers ブルー・ローゼス (Blue Roses)
さらに荘厳なのが続く。歌い出しのキー間違えたんじゃないの?と思うほどのソプラノ・ボイスが、サビの部分で朗々と歌い上げるという感じ。悪くはないけど、好みじゃない。ごめん。

14.Carry That Weight ノア・アンド・ザ・ホェール (Noah And The Whale)
ポツポツとした歌いかたと、どこかの廃屋で録ったんじゃないかと思うようなアレンジは結構好きだな。要チェック。それにしても、12〜14と続いて、このB面メドレーちっとも盛り上がらないね。

15.The End ルース・サルート (Loose Salute)
そこをなんとか一所懸命盛り上げようとしてくれてるのはわかるんだけど、この曲もこう見えて結構ハードル高いんだよ。敢闘賞。きっといいバンドなんだろうけど、出会いが悪かった。

16.Her Majesty ロウ・アンセム (The Low Anthem)
オリジナルとは違って15からすぐに続くこれ。これ以外にどう演奏しようもないというカバー。このバンドも別に悪くないとは思うんだけど、30秒では判断不可。またどこかで会おうね。

ちょっとグレンのとこだけ六言になってしまったけど、まあ文句言う人はいないよね。いろいろネガティブに書いたところもあるけど、全体的にはそこそこ気に入ってるよ。価格も良心的だったしね。


日本のものも含めて音楽雑誌って久し振りに買ったけど、なんか、いいね。大特集のビートルズやプリファブ・スプラウトなどの長編記事はまだ全然読んでないけど、こまごました囲み記事とか広告に惹かれる。

へえ、ポール・ウェラーの次のアルバムでブルース・フォクストンがベース弾いてるんだ。一体どんな屈辱的な扱いを受けてるんだろう(笑)とか。

ちょうど今イギリスでレイ・ラモンターニュのツアーをやってて、サポートしてるのがジョシュ・リターか。いいなあ、そんな組み合わせで観られたら最高なのにな、とか。


7 Worlds Collideという聞き覚えのある名前の広告が。ニール・フィンのライヴ盤のタイトルだよな、と思っていたら、なんとあの時みたいにまたニールがお友達集めてアルバムを作ったのか。

以前記事にしたOxfamへのカンパを目的にまた友達を集めてライヴをし、アルバムも作ったという話。ライヴは今年の1月にオークランドだったのか。僕がいた時期とはかすりもしてないけど、なんか悔しい。

お馴染みのメンバーは、ジョニー・マー、ウィルコ御一行、レディオヘッド御一行、NZ友達のビック・ルンガ、ドン・マグラシャン、などなど。エディ・ベダーは今回はパスか。新譜のレコーディングで忙しかったのかな。

お兄ちゃんのティムと息子のリアムはもちろん、Finn姓の人間が他にも沢山。リアムの兄弟姉妹なのかな。あと、ナイル・マーとスペンサー・トゥイーディーってのはそれぞれジョニーとジェフの息子か。

これは早速買おう。前のライヴ盤も結構よかったし(ニール・フィンが歌い、ジョニー・マーがギターを弾く「There Is A Light That Never Goes Out」なんて鳥肌ものも入ってるよ)。

あ、限定2枚組も出てるって書いてあるぞ。2枚目はオークランドでのライヴか。もちろんこっちにしよう。アマゾンでは売切れてるけど、まだそんなに入手困難ってほどでもなさそうだし。


なんだかとりとめもなくダラダラと、Twitter換算で40つぶやき分ぐらい?書いてみた。明日からまたしばらく出張なので、そろそろパッキングでもしようかな。
posted by . at 14:04| Comment(9) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「Abbey Road Now」のなかで初めて聴く人たちでは、やはりLeisure Societyがいちばん気になりますね。

このアルバム全体では、それほど何回も聴かない気がしますが(笑)。
Posted by タイコウチ at 2009年09月15日 23:14
思いがけずBroken Recordsの名前が出てきて驚きました。彼らがBeatlesを演るなんて想像もつきませんね。ホントに陰鬱な音ですから…(笑
Gomezのカヴァーも聴いてみたいです。
Posted by xiao61 at 2009年09月16日 21:50
順番負けしたマーティン・ジョン・ヘンリーさんに少し同情しますた。
好きな作家が2、3人参加しているようなアンソロジーを読むとき、そこだけ先に読んじゃうとあとがつまらないので、最初から我慢強く読むわけですが、やっぱりあの人のが早く読みたい落ち着かない〜とそんな感じでしょうか(マイフィールド)。

後半のyasさんの脳内ダダもれのようなつぶやきが面白かったです。いや、何のことを言ってるんだか9割方分からないんですけど、なんかいろいろと嬉しそうだなあと(笑)。
Posted by にんじん at 2009年09月19日 00:02
MOJO、捕獲失敗してしまいました(泣)。深追いしないことにしました。最近の動画見るとすっぱり髪切っててびっくりしました。>Glenn

Twitter、やってみると結構ハマりますよ(笑)。人のをフォローするだけでも面白いかも。始めた際には教えて下さいねー。
Posted by YUNKO at 2009年09月19日 14:33
■タイコウチさん
Leisure Societyはまあ誰が聴いても確実に気に入る音でしょうね。うささこさんのブログでも取り上げられていましたし。僕は全然知らないバンドだったんですけど、記事を読むと昔のアルバムがEPの曲を入れて来月再発されるようですね。買い候補です。

あと僕が気に入って買うつもりでいるのは、Noah And The Whaleです。この「Carry That Weight」も味があってよかったですが、マイスペで聴いてみた自作の曲もなかなかでした。UK盤はもう出ていますが、US盤は来月発売のようですね。上のも同時期に再発なので、まとめて買うことにします。

あ、僕は結構このアルバム気に入って、何度も聴いてますよ。記事に書いた程度の好き嫌いの差がありますので、気が散るところももちろんあるんですけどね。


■xiao61さん
確か『Let It Be』のリマスターを買われたんでしたよね。是非『Abbey Road』も聴いた上で、このMOJOも探してみてください。Broken Recordsの違和感をたっぷり味わえます(笑)。一方Gomezは全然違和感なしです。

今日Broken Recordsを探しに行ったんですが、ありませんでした。置いてある店を知っているので、この連休中にまた行ってきます。


■にんじんさん
そのマイフィールドはよくわかりますよ。お目当ての人が最初に入っていた場合の、残りを惰性で読む気持ちとか。

脳内を見られてしまいましたか。脳内メーカーみたいになってましたか。にんじんさんがわかった1割は、レイ・ラモンターニュの名前ですね。


■YUNKOさん
グレン、僕の髪型を見てマネしようと思ったのでしょうか(妄想)

Twitter、もちろん毎日読ませてもらってますよ。ブログと違ってコメントの仕方がよくわからないので、読むだけになってしまってますが。YUNKOさんがあんなにはまっているのを見て、逆に恐ろしくなって自分では始めるのは躊躇しています(笑)

MOJO、売り切れてましたか。僕もあちこち出たときにチェックしておきますね。あ、それとも、多分オークランドのリアル・グルーヴィーにはまだ置いてあるはずなので、来月末東京に出張してくる予定の友達に買ってこさせましょうか?
Posted by yas at 2009年09月20日 01:15
>>YUNKOさんがあんなにはまっているのを見て、

あはは、では参入しやすいように控えめに・・・っと言いたいところですが、フォローしている人がガンガン書いているとつられちゃうところがあって、今のところ無理な話です(苦笑)。

コメントはアカウントがないと出来ないのです。したかったら登録しろっというTwitterの目論見なのでしょう(笑)。何人かSqueezeファンの方と交流できたし、当初思ったより得るものはありますね。

MOJOの件、お忙しいのにお気遣い有難うございます。でもあの4人組が表紙だから、海外でも売れてるんじゃないかと思うし、お手を煩わすのも気が引けるので縁がなかったということで・・・。しっかし、最近の大型本屋は洋書を全然置かなくなったことがよっくわかりました(*_*)。
Posted by YUNKO at 2009年09月20日 14:40
こんにちは!
GomezとNoah And The Whaleに反応しました。Gomez はわたしのオールタイムベストなバンドでして・・・Sun King とは!あの多重コーラスっぽいところ、確実に本領発揮していることでしょう・・・でも大仰すぎずいい感じ、と予想します。聴きたいなー Noah And The Whale は1stがとてもお気に入りです。手作りっぽい、ストリートミュージシャンっぽい雰囲気で・・・我が道を行くタイプな気がしたので、こういう企画ものにも顔を出すのだなーとちょっと意外。2nd 楽しみです。

で、全然知らなかったけど実に素敵そうな 7 Worlds Collide を探してみようと思います!!
Posted by desktop at 2009年09月20日 21:25
素晴らしいですね、全曲解説!
結局全体聴いたのは1,2回くらいで、繰り返し聴くのはグレンくらいです(苦笑)

英語が苦手なのでMOJOの記事はほとんど読めていませんが、
プリファブ・スプラウトの新作が楽しみです。

>ジョニー・マーがギターを弾く「There Is A Light That Never Goes Out」
ってのも気になります。早速検索してみます。
Posted by うささこ at 2009年09月21日 01:56
■YUNKOさん
今のところこのブログの更新頻度で自分的には満足していますので、しばらくは面白そうな人のつぶやきを見ているだけにしておきます。自分でも始めたら、連絡しますね。

MOJO、了解しました。縁があればきっとYUNKOさん自らどこかでゲットされることでしょう。陰ながら声援を送っておきます。


■desktopさん
Gomezがお好きなことは貴ブログを読んで存じ上げていますよ。このコンピ内では、音楽的な質はかなり高い方の部類の属します。機会があれば聴いてみてください。

Noah And The Whaleのファーストは、アマゾンだかどこかのサイトでちょっとずつ試聴してみました。結構セカンドとは雰囲気違ったような気がします。セカンドのUS盤、まだ出ていませんが、今朝アマゾンUSでオーダーしてしまいました。7 Worlds Collideと一緒に。


■うささこさん
もとはと言えばこのMOJOにたどり着いたのも、うささこさんのブログを読ませていただいたのがきっかけでした。記事内にそう書こうと思っていて、なんか文章の流れの関係でうまく書けず、失礼しました。うささこさんの記事でも写真入りで紹介されていたLeisure Society、やっぱりいいですね。アルバムが出たら買おうと思います。

>英語が苦手なので
偉そうなことを言わせてもらって恐縮千万ですが、こういうの読んでいるうちにわかってくるもんですよ。僕だって長年海外に住んでいたのに、知らない単語とかいっぱいありますし。まずはお互いがんばってプリファブ・スプラウトの3ページ読んでみましょうか。

「There Is A Light That Never Goes Out」は、わかりにくい書き方をしたかもしれませんが、今度出た新作でなく、01年に出たニール・フィンのライヴ盤『7 Worlds Collide』というのに入っています。DVDも出ていますよ。
Posted by yas at 2009年09月22日 01:42
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック