2009年07月25日

Ben Folds live in Tokyo

ben.jpg


ここ数週間、半端なく忙しい日が続いていて、慌てて終電に駆け込んだり、終電に間に合わなかったりという状況。そんな中ムリヤリ時間を割いて行ってきたベン・フォールズ 活動15周年記念ライヴ。15年前に衝撃のファーストアルバムを聴いて以来、付かず離れずみたいな感じながらずっと聴いてきている僕にとっては、実は今回が初の生ベン。

ライヴは21日の火曜日だったんだけど、そんなわけで今日まで時間が全く取れず、ようやくこの記事を書くことができる。ちょっと記憶が薄れてきているところもあるけど、なんとか思い出しながら書いてみよう。

小雨の中を恵比寿駅から歩いていくと、リキッドルームの手前の歩道橋のたもとには「チケット譲ってください」と書いた紙を持った人が何人も(外人もいたな)。単独公演としては今回日本でこの一回だけで、結構早い段階でソールドアウトになっていたとはいえ、この雨の日に買えるかどうかもわからないチケットを頼りにずっと立っているファンがこんなにいるなんて。

例によってぱっとしない僕の整理番号では、何百人もが自分より先に入場することになるので、いいポジションで観ることは端から諦めてたんだけど、会場後方の一段高くなった場所の手すり前が運よく空いていたので、そこで開演まで待つことにする。1月のグレンのライヴで知り合った方々が僕のことを見つけて声をかけてきてくださったり、空腹に流し込んだジントニックが疲れた神経を麻痺させてくれたりと、一時間はあっという間。

リキッドルームって、定員何人なんだろう。とにかく、ほとんど立錐の余地もないほどの超満員。開演直前になって、うわー満員だと思っていたその後からまだどんどんと人が流れ込んでくる。去年ファウストを観たのと同じ会場で、あのときも決して空いていたわけではないけれど、目分量ではあの倍はいるんじゃないかと思えるほどの盛況ぶり。これじゃ、きっと雨の中で余分チケットを期待してた人たちはとぼとぼと帰る羽目になっただろうね。

真ん中にグランドピアノが一台置いてあるだけのステージに、ほぼ定時にベンが登場。上に載せた写真はネットから拾ってきたものだけど、こういう感じの帽子(もうちょっと丸い感じのハンチングだったかな)と、こういう感じの無地のネイビーのTシャツ。

オープニングは「Eddie Walker」。満員の観客が歌う歌う。すごいね。ベンも演奏の途中で一瞬手を休めて、客席を見てにっこり。もうその時点で、今日のライヴは盛り上がるというのがベンと観客の共通認識になったようなもの。

5曲目の前に、ピアノの上に置いてあった紙を手に話を始めた。ニック・ホーンビィと一緒に曲を書いていること。次の曲はニックの子供が通う病院での出来事について(だったと思う。ニックは自分の息子の病気のことは本にしているから)。まだ出来たてなので歌詞を見ながらじゃないと歌えないこと。などなど。とにかく、その曲(後でネットで調べてみたら、「Picture Window」というタイトルだった)は、素晴らしかった。次のアルバムに入るのかな。

次の曲もニックとの共作。サラ・ペイリン(昨年のアメリカ大統領選挙のときの副大統領候補)の娘を妊娠させてしまったリーヴァイ・ジョンストンという男の歌。歌詞ははっきりとは聴き取れなかったけど、さっきの曲も含めて、ニック・ホーンビィらしいなあと思えるような言い回しがいくつも。そういえばニックの「Slam」まだ読んでないや、と思って検索したら、9月にもう新作が出るんだね。この人こんなにペース早かったっけ。

横道にそれてしまった。「もう一曲、歌詞を見ながらじゃないと歌えないんだ。これで最後にするから」とか言いながら歌い始めたのは、「Hiroshima」の日本語バージョン。途中ちょっととちったけど、ニコニコしながら最後まで歌ったよ。まっかっかー。

ライヴDVDで観るような、立ち上がって体を前後に揺さぶりながら弾くという場面はあまりなかったけれど、それでもあの大きなグランドピアノの隅から隅まで使いまくって弾き倒していた。こぶしや前腕部全体で鍵盤をガンガン叩いたかと思えば、クラシックみたいな繊細なタッチで厳かに速弾きしたり、上から手を突っ込んで弦を直接弾いたり、そのまま右手で弦をミュートして左手で鍵盤を弾いたり、とにかく多彩なテクニック。ピアノが上手というのはもちろんだけど、まるで遊んでいるかのように凄く楽しそうに弾いてるのがこちらにもビンビン伝わってくる。

「今日はデュエットする相手がいないんだ。一緒に歌ってね」と前置きして始まった「You Don't Know Me」から、この15年間いつどこで聴いても鳥肌が立つほどスリリングな「The Last Polka」、そして、もし何かリクエストできる機会があればこれを、とひそかに思っていた「Best Imitation Of Myself」の3曲を続けて演った中盤が、僕にとってはこの日のクライマックス。名曲揃いのベン・フォールズ・ファイヴのファーストだけど、今になって一番好きなのはこの「Best Imitation Of Myself」かも。

「Gracie」ではイントロをとちってしまい、そのままなんだかよくわからない別の曲に。歌詞も「Gracie Girl」じゃなく「Crazy Girl」とか歌ってたね。こういうアドリブが、この人みたいなエンターテイメント精神豊かで、演奏テクニックにも優れたソングライターのライヴの醍醐味。それは、僕があさって観に行く人にも共通して言えることなんだけどね。だから、こういう人のライヴはソロで観るのが楽しいし、何度も何度も繰り返して足を運んでしまう(今後ベン・フォールズが来る際には全部観に行くことが自分内ルールとして先日設定されました)。

「低い声でアーッてコーラスして」「今度は高い声で」「じゃあ次はもっと高い声で」と練習してから始めたのは「Not The Same」。今日のお客さんはほっといても歌うからと安心してコーラスを任せるベン。観客も、誰が低音パートだとか振り分けられてもいないのに、みんな適当に高いところやら低いところやら歌ってるから、こっちで聴いてても結構さまになってた。僕はもちろん低いパート。

続く、本編最後となった「Army」でも、ホーンのパートを観客にコーラスさせるベン。ろくに歌詞を覚えてないから一緒に歌えなくて結構口惜しい思いをしていた僕だけど、アーとかパラッパーとかは歌えるから、ここぞとばかりに歌ってきたよ。楽しい。ベンのTシャツもこの頃になるともう汗でずぶ濡れで、袖の部分と身頃の部分が違う色になってた。

アンコールに応えて再登場。「これは妻に捧げます」とか言って、なんか変なバラッドみたいなのを一節歌って笑わせたあと、「The Luckiest」へ。これはちょっと感動ものの演奏。もしこの時点でまだジントニックを飲み続けてたら、涙腺緩んでたかも。

さらに、「Philosophy」のあの印象的なイントロ。間奏ではお決まりの「Misirlou」を弾いたり、「(Theme From) Dr. Physer」を挟んだりと、これもまたエンターテイメント性たっぷりの演奏。さっき中盤がクライマックスなんて書いたけど、このアンコール二曲も引けをとらない。

そこでまた退場。すぐに客電が点いて音楽が流れ始めたけど、ほとんど誰も帰らずに凄い勢いのアンコールの拍手。最後は「Song For The Dumped」の日本語ヴァージョンかな、とか思ってたけど、結局そのままベンは出てこなかった。日本語サービスはさっきの「Hiroshima」で終わったんだね。ステージではスタッフが「もう終わったので帰ってください」みたいなことを叫んでるけど、まだまだアンコールの拍手と歓声は鳴り止まない。というところまで見届けて、僕はまた雨の中を帰路に着いた。


セットリストは、中盤のクライマックス以降「Gracie」前ぐらいまでとか、ちょっとうろ覚えのところがあったので、Mixiのベンコミュの書き込みを参考にさせてもらいました。「One Down」を演ったような気もしてたけど、あれは帰りにウォークマンで『Ben Folds Live』を聴いてたから錯覚したのかな。


Setlist 21 July 2009 @ Liquid Room Tokyo

1. Eddie Walker
2. Zack And Sara
3. Annie Waits
4. Sentimental Guy
5. Picture Window
6. Levi Jonston's Blues
7. Hiroshima
8. Free Coffee
9. Brick
10. You To Thank
11. You Don't Know Me
12. The Last Polka
13. Best Imitation Of Myself
14. Tom And Mary
15. Lullabye
16. Narcolepsy
17. Gracie
18. Not The Same
19. Army

Encore
1. The Luckiest
2. Philosophy


posted by . at 14:27| Comment(6) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
yasさん、こんばんは!

いやぁ〜良かったですねぇ、今回のライブ。自分も15年目にして初生ベン・フォールズだったのですが、これからは可能な限り参加することを誓いました(笑)。

整理番号が750番台と後ろだったのですが、観たのはちょうどフロアーの真ん中辺りで、時々前方の背の高い人に視界が阻まれましたが、とても良くベンが見えたので充分楽しめました。暑かったですけどね…。

アンコール、もう一度出てきてくれるかなぁと思ったのですけどねぇ。観客みんなが楽しんでいる雰囲気がすごく出ていて、とても気持ちの良い空間と時間でした。
Posted by マサ at 2009年07月25日 21:22
冒頭の写真でズキューーンときました。か、かっこええ……。サル顔ランキング、私の中では織田裕二を抑えてベンが第一位です。
ピアノ1台でこれだけ楽しませることができるってすごいですよねー。「Zack And Sara」と「Annie Waits」はめっちゃ好きな曲なのでこの時点で失神したかもしれません。

>こぶしや前腕部全体で鍵盤をガンガン叩いたかと思えば(以下略)
もし私がピアノならば(若嶋津のヨメではありません)ベンみたいな人に弾いてもらいたいです。あ、でも椅子を投げつけられるのはイヤやなー。

私もいつか生ベンが見たいです。取りあえずメガネコスプレは毎晩していますが。
良いコンサートでよかったね。明日も楽しんできてください。
Posted by ひより at 2009年07月26日 20:40
観客のレベルが高いライヴみたいですね。

副大統領候補の娘を妊娠させた男のブルースって…
そんなん歌って無事なんですか?

自分内ルールは拡大していくものです。


ピアノ男子大好きのひよりちゃん、行きたかったみたいですね。
若嶋津のヨメ(笑)
Posted by Luna at 2009年07月29日 20:14
■マサさん
フロアの真ん中辺りというと、ちょうど僕の前方数メートルという感じでしたね。気づきませんでした。あの場所だと、さぞかし暑苦しかったことでしょう。

マサさんも初めてだったんですね。前日のナノムゲンはスリーピースだったらしいですが、僕は彼一人で演奏するのを観られてよかったと思います。「Gracie」の失敗〜リカバリー・バージョンなんて、ああいうスタイルでなければお目にかかれなかったでしょうしね。

アンコール、いつまで拍手していましたか?僕は場内1/3ぐらいが出たあたりで諦めました。もう出てこないならこないで、もっと煌々とライト点けてほしいですよね。まぎらわしい。


■ひよりさん
冒頭の写真は僕が撮ったものではありませんが、気に入っていただけてなによりです。織田裕二とベン・フォールズは同じカテゴリーの顔なんですね。

「Zack And Sara」も「Annie Waits」も凄くよかったですよ。個人的には、これまでyascdに入れた彼の曲が「Jesusland」以外全部演奏されたのがひそかに嬉しかったです。

若島津のヨメはサザンの曲ですね。椅子を投げつけられるのはイヤでも、こぶしや前腕部全体でガンガン叩かれるのはOKなんですね。ひよりさん的DV境界線がどこにあるのかさっぱり理解できません。道具を使った時点で負けなのでしょうか。

生ベンを観る機会があればいいですね。あんなに人気者ですから、きっとまた来てくれるでしょう。メガネコスプレのときにはちゃんとサル顔まで真似してください。


■Lunaさん
はい、観客のレベル、高かったですよ。日本みたいに英語をしゃべらない国のお客さんがあんなに自分の曲を大合唱してくれるなんて、ベンもさぞかし嬉しかったことでしょう。

>そんなん歌って無事なんですか?
無事かどうかは知りません。どうやら次のアルバムは全編(?)ニック・ホーンビィとの共作になるようなのですが、もしこの曲が収められていたら、無事だということでしょう。

>自分内ルールは拡大していくものです
ルナさんも去年はさんざんCD買いましたしね。
Posted by yas at 2009年08月02日 16:25
yasさんはじめまして。
こちらにもやってきましたー

いやーこんなにこまかいレポを読ませて頂いて、あの日を鮮明に思い出してしまいます!特にささやかな英語トークの内容が嬉しいです(いつも分らんので・・・)。ありがとうございます。去年フジで初めて生ベンちゃんを見たのですが、5人くらいのバンド形式でした。本人もフェス&バンドモードだったのか、キーボードを横にしたり、中腰でずっと弾いていたり。今回のピアノソロは、それに比べてよりプライベートな感じというか、親密な雰囲気でかなり至福・・・私も自己ルール拡大してしまいました(笑)

奥深そうなyasさんの小部屋、また寄らせていただきますねー
Posted by desktop at 2009年08月05日 02:14
■desktopさん
こちらでは初めまして。ようこそいらっしゃいました。

ベンは去年フジに出たんですね。ということは、一応毎年日本には来ているんですね。来年が楽しみです。

今回のが親密な感じというのは、確かにそうでしたね。ああいう雰囲気のライヴは大好きです。この次の記事に書きましたが、翌週(先週)吉祥寺で行われたグレン・ティルブルックのライヴも、同じように親密で素敵なライヴでしたよ。次回は是非どうぞ。いつになるかは知りませんが。

奥深くてもろくなことを書いていませんが、よろしければまたお越しください。
Posted by yas at 2009年08月06日 23:43
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