2009年06月28日

期間限定1ドル - Fanfarlo

Reservoir.jpg Fanfarlo 『Reservoir』

ここのところちょっと忙しくしていて、スクイーズとニック・ロウの記事に沢山頂いている超マニアックな(笑)コメントにもろくに返事ができておらず、申し訳なく思っている。まあ、そちらの方はこの週末になんとかするとして、もう一つ、次の週末になる前に書いておかないといけない記事があるので、手短にやっつけてしまおう。

確かあれは、先月アップル・クランブル・レコードでまとめ買いをしようと、気になったのを片っ端からクリックして試聴していたときだった。この、シャイニングの双子を思い出させるセピア色の写真が目に留まり、試聴してみたらよさそうだったので買おうと思ったら、生憎売り切れていた(今日時点でもまだ売り切れているみたい)。

よく似た雰囲気のジャケのシングル盤もあって、そっちも気になったんだけど、確かその時は全部で8枚ほど、金額にして1万円を余裕で越える枚数が既にショッピングカートに入っていたので、いくら数十秒試聴して気に入ったたとはいえ、知らないバンドの、2曲しか入っていない7インチ盤、しかも1000円越えモノはやむなく選から落としてしまったんだった。

それからしばらくして、ふと何かのきっかけでこのバンド名を思い出し、検索してみたところ、なんと、あの売り切れていたアルバムが、7月4日まで1ドルでダウンロードできるというニュースを見つけた。しかも、アルバム全曲に4曲のボーナストラック付き。

この「1ドルで」ってところが上手いと思うんだよね。誰にでも当てはまる心情かどうかわからないけど、少なくとも僕は、もしこれが「無料ダウンロード」とかだと、逆に興味を失っていたと思う。もちろん、例えば今アイアン&ワインのオフィシャルサイトでやっているみたいな、既に自分が持っているアルバムのアウトテイクだとか、好きなバンドのライヴだとかなら喜んでダウンロードするけど、よく知らない新人バンドのアルバム1枚タダ!って言われても、「いや、他に聴くものいっぱいあるからいいっす」という気持ちになってしまう。

たまにCD屋でオマケに付いてくるサンプラーCDも積極的に聴きたいと思うことは少ないし、例えは変だけど、駅前で配っているティッシュとかをわざわざ受け取りたくないと思う心情に似てるのかも。それが、1ドルと値段をつけられた途端、自分はこのアルバムを意思を持って買うんだという気持ちに切り換えられてしまうんだろう。しかも時期限定のうえ、おまけに安い(笑)

と、なんだかわかったようなわからないような自己分析は置いといて、とにかく1ドル払ってダウンロードしてみたこのアルバム、ジャケ写から受けたイメージとは微妙に違ったんだけど、かなり僕の好みのツボを突いたものだった。

さっきリンクを載せたアップル・クランブルの解説によると、ペイル・ファウンテンズが引き合いに出されているロンドンのバンドだという。そういうイメージを持って聴いてみたんだけど、どうも僕にはアメリカのバンドばかりが頭に浮かんできた。ほんとにこれ、イギリスのバンドなの?

ヴォーカルのよれ具合、アコースティック楽器主体でガチャガチャと(でも決してやかましくはなく)かき鳴らされるちょっとねじれた楽曲、曲によってストリングスやソウ(アミーナのアルバムでお馴染みの、木霊が出てくるときみたいなあの音)の効果的な使われ方。僕には、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー、オカヴィル・リヴァー、ベイルートあたりの良質なアメリカのグループのエッセンスをぐるぐるとよくかき混ぜたような音に聴こえる。ボートラを含めて数曲の短いインストも、とてもいい雰囲気。

1ドルダウンロードが上手いやり方だと書いたけど、普通の人はそうやってダウンロードしてしまったらそれで満足してしまうのかな。だとすると、期間限定だとはいえ、本当はセールス的には上手いやり方とは言えないのかもね。でも、僕は例えばこの素敵なジャケットのアルバムがLPで出たら、買うと思う。残念ながらLPは出ていないようだけど、彼らのサイトを見ていると、5月25日にロンドンのラフトレードで無料ライヴを演った際に、枚数限定でこのアルバム手作りパッケージ版を出していたみたい。ちょっと間に合わなかったよ。悔しい。

同じくオフィシャルサイトから、アルバム中の一曲「Finish Line」のアコースティック・ヴァージョンのビデオが配られていたので、貼り付けておくね。こういう映像を観ると、ああロンドンのバンドなんだ、って気がするね。誰かの裏庭に集まって演奏しているような風景(三輪車がいいね)。英国風のジャケットを着た女性メンバーがマンドリンを弾いたり膝を叩いてリズムをとったりするのも味があるし、グロッケンを弾いていたメンバーが曲の途中でメロディカからトランペットへと忙しく動き回るところもいいね。それに、曲が終わったときにちょっと聴こえる鳥のさえずりがまたなんともいえない。



ビデオの最後にも出てくるけど、1ドルダウンロードの期限まであと一週間。これ観て聴いて気に入った人はダウンロードしてみて。もし7月4日までにダウンロードできなかった人は、次にアップル・クランブルさんに入荷するのを待ちましょう。
posted by . at 12:36| Comment(5) | TrackBack(1) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>1ドルと値段をつけられた途端(中略)意思をもって買うんだという気持ちに切り換えられてしまう

私はこれをダイソー効果と呼んでいます。
タダ大好きな関西人ですけどオマケ的にもらったものはついつい後回しにしたりとか、確かにぞんざいに扱う傾向がありますねー。しかしティッシュは必ず貰いますしティッシュ以外のものなら故意に二回通りかかります。

ビデオの最後にカートを叩いて「$1.00」と出るのがお洒落ですね。このときに流れる曲も好きです。あ、「Luna」って曲もありますね。
Posted by ひより at 2009年06月29日 22:32
このジャケの写真、とってもいいですね。
仮面ってぞわぞわします。
最後に聞こえる鳥のさえずりは、この子の声なんですね。
Posted by カブ子 at 2009年07月02日 01:35
聴きましたよ〜。
どれも穏やかで感じがいい曲ですね。ビデオのやつが一番よかったです。小鳥のさえずり、私もいいなと思いました。かかしみたいにしてある子供の雨ガッパも良かったです。

Posted by 青グリン at 2009年07月02日 23:09
こんばんは。
映像の曲が良かったので、思わず買ってしまいました。
でも、1ドルでなければ、まだ買ってなかったかも。
まんまと乗せられてますね。(笑)

個性的ではないかも知れないけど、曲が良いですね〜。
結構気に入っております。
Posted by piouhgd at 2009年07月05日 22:33
■ひよりさん
ダイソーでは意思を持って買い物をされているんですね。何を買っても100円というのはいいですね。最近行きつけのレコード屋から、100円均一セールのメールが何度も届いて困ります。100円だと思うと気になったものを全部買ってしまうからです。

>ティッシュ以外のものなら故意に二回通りかかります
そういえば以前まだNZにいた頃、日本に一緒に出張に来た2メートルが、会社近くの駅前で配っていたペラペラのマウスパッドを何回も通りかかって貰っていました。特に日本人に限った風習ではないようです。

カートを叩いて1ドルと出てくるときの曲がなんだったか調べようとさっきからこのビデオをクリックしているんですが、どうもこのホテルのインターネットがそんなに速くないようで、ブツブツ途切れてしまいます。なのでよくわからないのですが、このアルバムに入っている曲であることは間違いありません。「Luna」かもしれません。


■カブ子さん
このジャケの写真のことを調べていて、びっくりすることがありました。この仮面を被った女の子、シガー・ロスのヨンシーの妹さんなんですって。彼女の名前が、シガーロス。あのバンド名が、結成時期に生まれた自分の妹と同じ名前だというのは知っていましたが、まさかこんなところにいたとは。隣にいるのがシガーロスのいとこで、この写真を撮ったのもヨンシーの妹だそうです。ヨンシーの妹なら、鳥の声ぐらい簡単に出せそうです。ということで、カブ子さんの読みもあながちハズレでもないです。

http://www.myspace.com/liljabirgisdottir
これ彼女のマイスペです。カブ子さんのお好きそうな写真がたくさんありますね。


■青グリンさん
気に入ってもらえましたか。よかったです。もう1ドルセールは終わってしまいましたが、買いましたか?子供の雨ガッパはカッパの種類だから好きなのですね。


■piouhgdさん
結局誰も買わなかったのかなと思っていたら、買っていただけたんですね。僕も確かに、1ドルでなかったらこんなに気軽に買わなかったかもしれません。まあ、このジャケなら、ちょっとでも安ければ手を出していたとは思うのですが。

気に入っていただけたようで、なによりです。
Posted by yas at 2009年07月05日 22:52
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Tracked: 2009-07-05 22:30