2008年12月26日

唯一無二 - Jeff Hanson

Madam Owl.jpg Jeff Hanson 『Madam Owl』

特異な声は要らない。一昨日の記事にそう書いたばかりだけど。では、素敵なメロディーの、心に染み入るドラマチックな曲を歌うのが、唯一無二の特異な声だとしたらどうだろう。

ジェフ・ハンソン。彼の歌を初めて聴く人は、それを歌っているのが男性だということをにわかには信じられないかもしれない。透き通るような、少女のような歌声。

これだけ素晴らしい曲を書いて、しかもファーストアルバムではピアノ以外の全ての楽器を自分で演奏していたほどの優れたマルチプレイヤーが、この声だけで評価を受けてしまうことは避けたいとは思うんだけれど。

僕はこの歌声しか知らないから、彼の地声が一体どんな風なのかはわからないけれど、写真を見たところごく普通のアメリカ人青年である彼がいきなりこの声で歌いだすのを聴いた人はさぞかし引いたことだろう、なんて余計な心配をしてしまうほどのインパクトはある。

感動的な03年のデビューアルバム『Son』、05年の自らの名前を冠したセカンド(散々NZの中古屋で見かけたこれを何故か僕は未聴)に続く三枚目『Madam Owl』。発売元が一貫してキル・ロック・スターズなのも、彼がことあるごとに故エリオット・スミスと比較される一因なのかも。

確かに、エリオット・スミスを好きな人はきっと彼のことも気に入るとは思うけど、同時に、彼を単なるエリオット・スミス・フォロワーの一人みたいな座に彼を置いておくのはあまりにも勿体無いことだとも思う。それほどの、オリジナリティー。

マルチプレイヤーである彼があえて沢山のゲストを呼んでの、豪華な音作り。クレジットに載っている楽器を読み上げてみると、ギター、ベース、ドラムス、バンジョー、ラップスティール、ピアノ、キーボード、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、トランペット、フリューゲルホーン、テナーサックス、トロンボーン、アコーディオン、ソウ(横山ホットブラザースか)。

弾き語りの曲はあくまでもシンプルに。弦や管を加えた曲は、控えめながらもじわじわとドラマチックに盛り上げる。それでいて、あくまでも主人公はこの声。いいプロダクションだね。プロデューサーは、ジェフ本人と、ロバート・バートルソン(Robert Bartleson)という人。この人のことはよく知らない。

マイスペースに載っている4曲が果たして彼を代表する4曲かどうかはともかくとして、興味のある人は聴いてみてほしい。そして、少しでもひっかかるところがあれば、是非このアルバムを手にしみてほしい。決してキワモノじゃない、優れたSSWのアルバム。

地味なジャケの裏側は更にこんなに地味
Madam Owl Back.jpg

虫嫌いな人、ごめん。こないだうちにスキャナー買ったんで、つい嬉しくて何かスキャンしてみたくなっただけ。
posted by . at 22:33| Comment(6) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
蛾がカッコいいですね。白っぽいでしゅ。
Posted by ひより at 2008年12月26日 23:52
カストラートみたいなのを想像したけど、そうゆうのでもないですね。
マイスペースのでは4曲目が好きです。ささやくような声ですが、同性が聴くと、やっぱり女性の声には聴こえなかったですよ。
ころがるような声で、おとなしいけど陽性の声やと思いますた。
地味音読んでたら、知らないアーチストばっかりなんですが、ほんとにいろんな才能持った人がいるんやなと思います。
Posted by 青グリン at 2008年12月27日 00:14
2ndに収録されている「This Time It Will」が完璧すぎて、それを越えられない彼がいじらしくなっています。あくまで個人の意見ですが。

SSWはどうしてもNeil HalsteadやWhiskey Priestあたりと比べてしまいハードルを上げてしまいます。
この記事を読ませていただいて改めて聴いてみたんですがなかなか良い作品ですね。変な意識を持ちながら聴くのはダメですね。
Posted by Manta at 2008年12月28日 16:27
■ひよりさん
虫嫌いな人がいるかと思えば、虫に引き寄せられる人もいることを失念しておりました。飛んで火にいる何とやらですね(違)

そろそろ記事は読んで頂けましたでしょうか。


■青グリンさん
そうですね、中性的というか、あからさまに女性の声でもなく、単なるファルセットとも違うような気がします。僕には、聴いていて妙に耳に馴染む声ではあります。

エリオット・スミスをご存知ないのですね。ではそのうち何とかします。


■Mantaさん
ちょうどこのコメントを頂いた前日、Neil Halsteadの新譜を中古屋で見かけたのですが、いまいち値段がこなれていなかったのと、お店の推薦文がもう一つ僕の心に響いてこなかったのと、最近あまりMojave 3もSlowdiveも聴いていなかったので、そのまま放流してきてしまったところでした。来週東京に戻ったらまた探しに行くことにします。

また、このコメントを頂いた翌日、旅先の中古屋で僕が唯一持っていなかったセカンド『Jeff Hanson』のボートラ入り日本盤をかなりの破格値で引き当てました。最後の最後に今年の運を使い果たした気分です。

Whiskey Priestは全く未聴でした。後でマイスペースにでも行って聴いてみます。ありがとうございました。
Posted by yas at 2008年12月31日 00:34
うーん、Jeff HansonとPaul HeatonとJoshua Radinがごっちゃになります。Mark Kozelekはわかります。ウシの人ですね。

ジャケ裏の蛾を見てからミミズクを見ると、蛾とミミズクもごっちゃになります。この子たち、似てますね。
Posted by カブ子 at 2008年12月31日 01:54
■カブ子さん
久々にごっちゃになって頂けましたね。それでこそ連日記事を書いた甲斐があるというものです。

蛾とミミズクもごっちゃになりますか。それは僕のせいではありません。どちらも保護色を纏っているからです。

そろそろマイスペース観られるようになりましたか。
Posted by yas at 2009年01月04日 15:55
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/111750486

この記事へのトラックバック