2015年04月21日

Glenn Tilbrook live in Tokyo 2015 (Part 2)

一夜明けて、なんだかすっきりしない天気の中を再び吉祥寺へと向かう。ハモニカ横丁の、こんどは前日とは別の店で腹ごしらえしていたら、そういえばグレンにサインをもらうためのCDを持ってくるのを忘れていたことに気付いた。開場時刻よりもちょっと早めに飲みを切り上げ、スターパインズ側に新しくできたブックオフに向かう。

比較的大きめの店舗だから、スクイーズなら何のCDでもいいから置いてあるだろうと思って280円コーナーを物色していたら、案の定あった。『Frank』の旧盤か。『Frank』なんてもううちに2枚もあるし、カットアウトの米盤なんて珍しくもなんともないけど(ちなみに既にうちにあるのは英プレスの旧盤とボートラ入りの08年欧盤)サイン色紙を買うより安いからと購入。500円コーナーには初回プレスの日本盤『Ridiculous』が置いてあって、サイン用なら余白の多いそっちのジャケがいいかなとも思ったんだけど、こういうところで220円けちってしまうしみったれた僕。『Frank』と『Ridiculous』の旧盤があるということは、これは08年のボートラ入りを買った奴が放出したんだろうなと、しなくてもいいブックオフ客のプロファイリングまでしてしまう。

前日とほぼ同じポジションだけど少しだけ前の席に座り、最前列の仲間は前日とまったく同じ並びだなあと、グレンにとってはスポット・ザ・ディファレンスみたいな客席だろうなと思いながら、この日も並々と注がれた一ノ蔵をゆっくり空けていく。

登場と同時にピアノに向かうグレン。このオープニングのパターンは初めてだね。と思っていたら、全然聴いたことのない曲を歌い始めた。ちょっと高音の音程が不安定かな、ピアノも弾きなれていない感じだしと思っていたら、「今のはスクイーズの新曲」だって。おお、今公演で四曲目だ。終演後にサインをもらうときにタイトルを訊いて、「ウェイト」って言うから「ウェイトってW-A-I-T?」って念を押したら、グレンとレオンがほぼ同時に否定し、「いやそっちじゃなくって、W-E-I…なんだっけ」とグレンが言うから、てっきり「Weight」だと思っていたんだけど、最近あきまもさんのサイトみたらグレンの直筆で「Wait」って書いてあるね。一体どっちなんだ。

「次は1987年の曲」と紹介した「Tough Love」に続き(今回のグレン、やけに曲紹介のときの年号にこだわるね。グレアム・パーカーみたい)、「デニス・ウィルソンのことを書いた曲」と新作から「Dennis」を。実はろくに歌詞を聴いてなかったからこの曲があのデニスのことだとは知らなかったのでちょっとびっくりしたと言ってたら、タイコウチさんが「せっかく訳してんだからSong By Song読んでよ」と。すみません。。そういえば、歌詞にホウソーンだとかファンファンだとかでてくるよね。

やけにひねくりまわしたフレーズをたくさんくっつけたイントロから、もうこの序盤で「Black Coffee In Bed」へ。こういう余計な(失礼。もちろんいい意味で)フレーズを弾きまくるときのグレンって調子いいんだよね。今日は楽しみだ。そしたら、特にグレンから何も催促していないのに、この日のお客さんはこの曲の掛け合いコーラスを大声で入れる入れる。思わず歌いながら顔をほころばせて「サンキュー」というグレン。もうこの日の盛り上がりはこのあたりで確約されたようなもの。

ここで前日同様にレオンが登場。内容はまったく同じだったけど、前日より少しはリラックスしていたかな。くすくすと照れ笑いしながら大人びたMCをはさむレオンがかわいい。グレンは「Take Me, I'm Yours」の途中で(その前曲の)「Why」の歌メロをソロで弾いたりして、絶好調ぶりをアピール。もう、指が動いてしょうがないって感じだよね。何度も観ていると必ずこういう状態のグレンに出くわすことがある。

ここまで全公演で聴いてきた、新譜ではかなり正統派グレン曲な「Everybody Sometimes」に続き(京都では演ってないみたいだけど僕は行ってないからね)、なにやら聴いたことあるようなないようなイントロを弾きはじめたと思ったら、「♪When daylight appears〜」ときた。わあ、「I Won't Ever Go Drinking Again(?)」だ。この曲ってこんなメロディーだっけ。昔のブログを読み返してみたら、11年の東京二日目でも演ってるね(そのときも僕はイントロでこの曲を当てられなかったんだった)。

さらに続けて同じアルバムから「No Place Like Home」。うー、福岡に着て行ったこのシングルのジャケTシャツ、この日に着てくればよかった。『Cosi Fan Tutti Frutti』好きを公言していたK君は大喜びだろう。どうせならさらにさらに続けて「King George Street」も演ってもらいたかったけど、さすがの絶好調グレンもあの面倒くさい曲はやめておこうと思ったのか。

もうさっきから曲紹介もなく(それどころか曲間もほとんどなく、まるでメドレーのように)次から次へと曲が出てくる。「Persephone」(今公演での定番曲)、「The Truth」(今公演ではこの日だけ。せっかくあの6弦ペグ緩め技があったのに、その6弦にはほとんど触れずにやたら弾きまくったギターソロ)、「Black Sheep」(最近のこの曲は僕の好きなあのギターソロを端折ったバージョンばっかりだったから、ギターの調子のいいこの日こそは弾いてくれるかなと期待したけどやっぱり駄目だった)、「Some Fantastic Place」(オープニングにもエンディングにもアンコールにも、こういうなんでもない途中にも使える万能の名曲)、「Ter-wit Ter-woo」(今公演の定番曲その2、というかこの曲こんなにいいというのに今さらながら気付いた)と、ここまで一気に通して、グレンも「こんなに続けて歌ったの初めてだよ」と一息つく。一気に書いたこの段落もメドレー感を表せたかな。単に読みづらいだけか。

なにやら書いた大きな紙を取り出してきた。「Ice Cream」だな。てっきり今公演では毎回この曲を歌うことになるんだろうと思って練習してきたのに、前日まで全然機会がなかったから一体どうしたのかと思ってたところだ。歌詞を説明して、「これをちょっとこの壁に貼っておこう。皆が見やすいようにね」と、最前列のNさんにセロテープを渡して壁に貼らせる(この方は6年前にも僕が持参した同じような模造紙の「Grouch Of The Day」の歌詞を持たされた、グレン公演ではなぜか常にテレビのAD並みの扱いをされてしまう運命のようである)。でも、せっかくステージ横の壁に貼ったその紙、たぶん客席の半分ぐらいからはちゃんと見えてないよ、グレン。

「この曲は僕のひいひいひいじいさんが110年も前に書いた曲で、彼は道化師とかやってたんだ」とか一通り紹介した後、飄々と「もちろんウソだけどね」と歌い始めるグレン。さすがに何も言わなくても「Black Coffee」のコーラス部分を全部大声で入れられるこの日のお客さん、何の問題もなくこの曲を歌い、グレンを大はしゃぎさせる。彼もよっぽど気分いいのか、続けてまた僕らが歌える「Annie Get Your Gun」へ。大声で歌えるのはこっちも気持ちいいね。やっぱり周りのお客さんが歌えるかどうかでこっちのムードも左右されてしまう。

次の「Up The Junction」ももちろんソラで全部歌えるけど、さすがにそんな野暮なことはしない。せいぜい小声でつぶやきながら、イントロのブレイクでタカタッタ、タカタッタと膝を叩く程度にしておく。そして、ここから本編ラストまではもう怒涛の定番曲オンパレード(今回結局全公演で演奏した新曲「Haywire」は仮定番曲扱いにしておく)。「Is That Love?」のエンディングのところは当然のように全員でしっとりとコーラスで締める。ラストの「Tempted」は再びピアノに戻って演奏。この日はピアノで初めてピアノで締めたね。

この日もアンコールはエレキで。まずは「Slap & Tickle」。前日にも増して冴えわたるギター。もうイントロからこれでもかというほど弾き倒してたね。こちらも絶好調の「Pulling Mussels (From The Shell)」を終えたところでレオンを呼び戻し、彼が11歳の頃に一緒に書いたという曲を紹介。ところがレオンは「あのちょっと安っぽい曲ね」と一蹴。ショックを受けた(笑)グレンは「まあ、成長するというのはそういうことだ」と構わず、レオンと一緒に「Bongo Bill」へ。もう12歳で大人のレオンは曲中の「It's me!」ってセリフは言ってくれなかったね。

レオンの「Walking Away」に続けての「Goodbye Girl」への流れは前日と同じ。ところが「Goodbye Girl」の途中でレオンが急にしゃがんでエフェクターをいじりはじめ、グレンがまだギターを弾きながら歌ってるのに、すごいノイズを出し始めた。これ、わざとなのか?それともレオンが自分のギターのエフェクターを調整しようと思って失敗してるの?まあ、これはこれでめったに聴けない不思議なバージョンの「Goodbye Girl」でよかった。いつもは入れないようなソロも弾いたし、コーラス部分ももちろん大合唱で、もはやグレンはその部分は自分では歌ってなかったぐらい。

再度引き上げたグレンをアンコールの拍手が引き戻す。そりゃ、今日の調子ならもうちょっとやってくれるよ。まだ「Another Nail」残ってるしね。と思ったら、再登場して黒のストラトを肩にかけたグレンが何音か試し弾きした後、あの印象的なイントロを弾きはじめた。「Another Nail In My Heart」だ! ギターソロの入りでちょっととちって、「あ、失敗」みたいなこと言いながら再挑戦。でもそのあとはもちろん今公演最高のソロを聴かせてくれた。あのソロって、ほんとに0.000何秒みたいな微妙なタイム感で聴こえが全然違ってくるんだよね。

「上で待ってるから、ハローって言いにきてよ」と言ってステージを後にするグレン。ああもう終わってしまった。前日がレア度一番なら、この日は演奏的には今回の日本公演で一番だったと思う。お客さんのノリも、人数的にはより多かった前日よりもむしろよかったと思うし。

さっき買った『Frank』にグレンとレオンにサインをもらい、一緒に座っていたウェズリーにも「日本語で名前書けるようになったんでしょ。サインちょうだいよ」と書いてもらう。あとで近くにいたスザンヌにもサインをもらって、ティルブルック一家全員のサイン入りフランクが完成したと思ったんだけど、やっぱりこのジャケだと見づらいね。220円けちらないで『Ridiculous』にしとけばよかった。

DSC_0251.JPG

サインをもらいながらレオンに「さっきの“Goodbye Girl”のときのノイズ、あれわざとやったの?」と訊いたらニヤニヤしてるから、グレンが「ねえ、あれわざとなのかって訊かれてるよ」と念を押されて「Yes」って言ってた。あ、やっぱりそうだったんだ。あんまりノイズが大きくて途中でグレンは笑ってしまってたけど、ああいうのをやってみようかって二人でライヴ前に相談したりしてたんだろうね。いいね、こんな親子。

これで本公演は終了。二日後の火曜日に追加公演が出たけど、この時点では僕はちょっとあれこれ事情があってそれには参加しないつもりでいた。今年のグレンのライヴの最後がこの凄まじい演奏ならもういいやとも思ったしね。


Setlist: 05 April 2015 @ Star Pine's Cafe Tokyo

1. Wait (Weight?)
2. Tough Love
3. Dennis
4. Black Coffee In Bed
5. Instrumental (Leon Tilbrook)
6. Living The Dream (Leon Tilbrook)
7. Why (Glenn + Leon)
8. Take Me, I'm Yours (Glenn + Leon)
9. Everybody Sometimes
10. I Won't Ever Go Drinking Again (?)
11. No Place Like Home
12. Persephone
13. The Truth
14. Black Sheep
15. Some Fantastic Place
16. Ter-wit Ter-woo
17. Ice Cream
18. Annie Get Your Gun
19. Up The Junction
20. Haywire
21. Is That Love?
22. Someone Else's Bell
23. Chat Line Larry
24. Tempted

[Encore 1]
25. Slap & Tickle
26. Pulling Mussels (From The Shell)
27. Bongo Bill (Glenn + Leon)
28. Walking Away (Glenn + Leon)
29. Goodbye Girl (Glenn + Leon)

[Encore 2]
30. Another Nail In My Heart
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