2014年08月09日

FRF14

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去年のフジロックはほぼウィルコ・ジョンソンだけを観る目的で出かけたら、意外とそれ以外にも見どころがたくさんあって、土砂降りの天気はともかくとして結構楽しめたなという感想だった。あれが一年前。

そんな去年のラインアップに比べると、正直言って今年は最後の最後まで僕を惹きつけるアーティストの名前は出てこなかった。早い段階でひっそりとリストに名前が載っていたある一人を除いては。

ガーランド・ジェフリーズ。81年の名作『Escape Artist』で彼のことを知り、当時ですら既に廃盤だった過去盤を血眼になって何年にもわたって揃えていた頃、最後のアルバムリリースから4年も経った87年に突然の来日。ミューズホールで観たライヴは今でも僕の生涯ベスト5に入る凄まじいものだった。

その後、91年、97年、06年とどんどんアルバム発表の間隔が広がり(06年の『I'm Alive』はほぼベスト盤みたいな内容だったし)、この人はもう新作も出さず、たまに地元でひっそりとライヴをやるだけなんだろうなと思っていたら、12年に『The King Of In Between』、そして去年『Truth Serum』と、またしても突然狂い咲いたように立て続けに(しかも内容の濃い)アルバムを発表。そして、今年のフジロックの第一弾ラインアップに名前が。

もしかしたらフジの前後に東京で単独公演があるかもと思っていたけど、どうやらその気配もなさそうなので、これはもう他のアーティストがどんなに僕の興味から外れていようと、彼が出演する日だけを目指して行くことにした。それが何曜日であろうと問題ない。とは思っていたけど、よりによって初日の金曜日か。しょうがない、会社はサボって三連休。でも苗場に三日間いる体力も財源もないので初日だけ参加。

通勤客と観光客と中国人でごった返している金曜早朝の東京駅で友達と待ち合わせて上越新幹線に乗り込む。席について、シラス弁当と一緒にさっそく今日一本目のビール。飲んでると越後湯沢なんてあっという間だね。いったん宿に荷物を置いて、去年の教訓をもとに長靴に履き替え、雨具をバックパックに詰めて出かける。雨の気配なんて一切ない猛暑の晴天だけど。

なんか会場行きのバスの列もリストバンド交換所もやけに空いてるな。初日の朝なんてこんなもんなのかな。グッズ売り場も覗いてみたかったけど、そこだけは長蛇の列だったのでパス。先に来ているはずの仲間とはまだ連絡取ってなかったけど、去年の基地あたりに目安を付けて行ってみたら即合流できた。みなさん、今年も基地お借りします。

今日二杯目のビールを飲みながら基地で寝そべっていたら、グリーンで一番最初のバンドが始まった。後ろの方で寝転んでるから直接にはステージはほとんど見えないけど、これは豪華な顔ぶれだね。ルート17・ロックンロール・オーケストラって、毎年オープニングをやってるのか。トータス松本やら甲本ヒロトがロックンロールのカバー(オリジナルの歌詞だったり日本語版だったり)をやってて、僕がもう少しこの手の日本のバンドに入れ込んでたらたまらないだろうなと思うようなステージだった。チャボの歌った(おそらく)オリジナル曲がなにからなにまでハングリーハートだったのが印象的。でも、もしかしてあれもカバーなのか。

さらに基地でごろごろしていたら、ルミニアーズ開始。よさそうなら前に行って観ようかなと思ってたけど、なんだかこれ去年ここで観たマムフォード&サンズの二番煎じぽい感じだね。同じようにやろうとしても、どうにも曲が弱いというか。決してひどかったわけじゃないんだけど、僕を基地のシートからひっぺがして前に歩かせるほどには至らず。

まだガーランドまで3時間近くあるけど、僕はもうそっち方面に移動したくて気が気じゃない。ちょうど友達が木道亭で阿部芙蓉美を観るというから、じゃあ僕も一緒に。ヘヴンまでの通り道だしね。ところ天国で友達が飲み物を買っている間に森のハイジカレーを喉に流し込む。カレーは飲み物。でも並んでいる友達に頼んでちゃっかりモヒートも飲む。

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木道亭って、ほんとにボードウォークの横にちょこんとくっついてるだけの場所なんだね。開演少し前に行ったらもうほとんど観る場所なんてない。全然知らない人だったけど、こんなに人気なんだ。でも、繊細な曲を歌っているのに、すぐ隣のヘヴンからドカドカと大きな音が聞こえてきて、ちょっとかわいそうだったね。もう少し静かな山奥で歌わせてあげればよかったのに。

阿部芙蓉美のあと、ヘヴンへ。でもまだ前のバンドが演奏してるね。じゃあ隣で時間つぶそう。オレンジでちょうどスティーヴ・ナイーヴが始まるところだ。前にグレンと一緒に吉祥寺に来たときとほぼ同じメンバーで、ベースはスティング息子か。

15時10分開演なのに、15時すぎになっても客席にはほとんど誰もいない。一応熱心なファンが10名ほど一番前の柵のところに陣取っていたけど、とてもこれが今からライヴが始まる場所だとは思えないぐらい。ところが、スティーヴがまずひとりで登場してキーボードのインストゥルメンタル曲を演奏しだすと、そこらにいた観客がわっと集まってくる(といっても50人いるかいないかぐらいだけど)。

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2曲目からはバンドが入る。ヴォーカルはスティーヴの息子だったよね。「Peace, Love & Understanding」のカバーなんだけど、なんだかもっさりしたアレンジ。息子君はそのあとドラムに移動(別にもう一人ドラマーがいたけど、その人は息子君がドラムキットに座るときはパーカッションとかプログラミングとかほかのことをしていたので、ダブルドラムみたいな感じではなかった)。

ジョー・サムナーってこんなにスティングに似てたっけ。2曲ヴォーカルを取ったけど、歌い方までそんなにお父さんに似せなくていいのに。曲のエンディングでジャンプするところまでお父さん似。かなり流暢な日本語のMCとか聞いてる限りは、お父さんよりはよっぽど性格よさそうだったけどね。

また息子のトール君が前に出てきて「Oliver's Army」のカバー。お父さんとデュエットするんだけど、どうしてまたこんなにテンポ落としてゆっくりもっさり歌うんだろう。さらにもう一曲ゆったりと歌ったところで隣のヘヴンに移動。まだガーランドのステージ開始まで20分ぐらいあるけど、万が一お客さんがたくさんいたら大変だからね。

早めに来てよかった(というかもっと早く来ればよかった)。リハーサルやってるよ。バンドメンバーが「96 Tears」や「Hail Hail Rock'n'Roll」のイントロの音を出してる。ガーランドは前に出てきてメンバーと打ち合わせしたり後ろの方で誰かと話したり、特にリハーサルに参加してるわけじゃないけど。前に見たときよりもかなりお腹が大きくなったね。もともとそんなに背の高い人じゃないから、ずんぐりした体形がきんどーちゃんみたいな感じ。

スタッフが、ステージから下に降りるステップをセットしてる。2メートル近くあるステージだから、あの数段のステップだと降りるにしても上がるにしても相当大変だと思うけど、71歳の小太りガーランドにそんなことできるのか?まあ、もしかしたら最終曲あたりで盛り上がったときに降りて来られるようにとの準備なんだろうけど。せっかく一番前に陣取ることができたから、こっちにも来てくれたらいいな。

ガーランド以外にメンバーは4人。ドラムスのトム・キュリアーノとベースのブライアン・スタンリーは『Truth Serum』に、ギターのマーク・ボッシュは『The King Of In Between』にそれぞれ参加してる人たち。キーボードのマット・キーティングだけはレコーディング・アーティストのはずだね、僕は聴いたことないけど。一緒に観ていた友達いわく、マシュー・スウィートが太らずに歳を取ったらああなるはずと。うん、そんな感じ。

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さあ開演。黒いジーンズに黒いTシャツというシンプルないでたちで登場したガーランドの第一声が「ニューヨークシティー!」。それはどう反応すればいいのか。曲は『The King Of In Between』のオープニングでもある「Coney Island Winter」。もしかしたら懐メロ大会になるのかなとも予想していたけど、ぜんぜんそんなことない。そして、間髪入れず「35 Millimeter Dreams」。スライドが恰好いい。

「'til John Lee Hooker Calls Me」、「I May Not Be Your Kind」と、『The King Of In Between』〜『Ghost Writer』の並びがもう一回続く。後者の紹介をするときに「I May Not Be Your…」まで言ってじらすのも27年前と同じ。それに続けて「Kind!」とつい叫んでしまうのも同じ。

「I May Not〜」の最後のアドリブのところで今度は「Tokyo」「I'm in the middle of Tokyo」と歌う。それはどう反応すればいいのか。。

どの曲のときだったかな、ステージ上でうろうろしながら歌っていたガーランドがもうさっそくステップに飛び降りて、ステージ下の観客席のところまで来て歌ったのは。柵の土台に乗って、観客にばたばた触られながら歌う。残念ながら僕がいた場所からは離れていたけど。そのあとまた歌いながらステップを上がっていくのがちょっと危なっかしかった。でもよく息も切らさずに歌えるね。70過ぎてるのに、すごいや。

「ニューアルバムが出たんだ」と言って「Any Rain」を。やった、この曲が一番好き。ニューアルバムと言ってももうほとんど丸一年前になるんだね。そして続けて「It's What I Am」。新曲ばんばん演るね。現役感。「今晩この後ニューアルバムを買いに行ってくれ」なんて半分冗談めかして言ってたけど、もっと東京とかでちゃんとプロモーションツアーすればいいのに。こんなライヴの後だったらきっとその場で何十枚も売れると思うんだけどな。それとも、本当にここが東京だと思ってるのか。

「最近友達が亡くなったんだ。ルー・リードとは50年来の友達だった。あいつは俺に扉を開けてくれた。ずっとサポートしてくれた。俺も少しは扉を開けてあげたけどね」と、もしかしたらこの話が出るだろうなとは思っていたけど、それに続けて「彼の曲を歌おう」ときたのには驚いた。「I'm Waiting For The Man」だ。

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またステージから降りて客席へ。またあっちの方だよ(あとでガーランドがリツイートしてたのを読んだら、どうもクロマニヨンズご一行様がそっちの方にいたらしい)。今度はそのまま柵をよじ登り、客席を練り歩きながら歌う。僕はその時初めて後ろを振り返って客席を観たけど、100人ぐらいはいたかな。少なくともスティーヴ・ナイーヴよりはずっと多い。始まった頃はガーランドもステージの上から「前の方に来てくれているみんな、大好きだよ。後ろの方の奴らはどうして寝てるんだ」とか言って、なんか後ろの方にいたお客さんをいじってたぐらいだったのに。

冒頭から熱いライヴだったけど、ラストの「Hail Hail Rock'n'Roll」でそれが最高潮に(ただ、時間は少し余っていたから、あれは最初からアンコール目当てで切り上げたのかも)。メンバー紹介のときにマットのことを「マシュー・スウィート」と呼んだのはおかしかった。公然の冗談になっているんだろうか。

ステージから下がろうとしたところで大きなアンコールの歓声。すぐに戻ってきて、どっちの曲を演ろうかみたいなことを言ってから「96 Tears」。そして「また会おう」と言って裏に引っ込むけど、まだアンコールの歓声が続く。

ニコニコしながら「こんなのは東京じゃないよ」と言って出てくるガーランド(そうだね、東京じゃないね)。最後は「Wild In The Streets」。あー、こっちか。「R.O.C.K.」聴きたかったんだけどな。まあ、しょうがない。それにしても最後まで全然声衰えないね。そして、今度こそ時間切れ。「今度はちゃんとツアーをしに戻ってくるから」と言ったのを覚えておくからね。

もしかしたらふらっと歩いて出てくるかもしれないと思って、次に観ようと思っていたフォスター・ザ・ピープルを諦めてしばらくうろうろしていたけど、どうやら車に乗って出て行ったようなのでとぼとぼとグリーンに戻る(これも後でガーランドのツイッターを見たら、そのままバンで成田に行って、次のカナダのフェスに出るために翌朝もう出発だったそうだ。すごい強行スケジュール)。

ふう、疲れてきた。もう後はさらっと書こう。グリーンに戻る途中でフォスターの知ってる曲(曲名は覚えてない)が聞こえてきた。基地に戻ろうかとも思ったけど、せっかくなので中途半端に前の方で観ることにした。せっかく折りたたみ椅子持ち歩いてるから、座って観よう。

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でも、そこから先はあまり知ってる曲が出てこなくて、いいライヴだったけど半分で残念な感じで基地に戻る。お腹すいたね、ということで、みんなでオアシス行って牛スジ丼を食す。うまし。食ってるうちに電気グルーヴが聞こえてきたので基地に戻る。一度ライヴ観てみたかったんだ。

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でも、寝転がって聴く音楽じゃないね。なんか大がかりなセットを組んだステージは遠くてよく見えないし、スクリーンも派手に点滅するステージをずっと映してるだけだから、一緒に観ていた友達はことごとく撃沈してる。なんかの曲からガリガリ君に移るところとかかっこいいなと思ったけど、オーラスの「富士山」は「お待たせしましたー」と言われるほどには僕は待っていなかったので、いまいち盛り上がれず。

グリーントリのフランツにはいまいち興味がなかったので、モーを観にヘヴンに戻ることに。なんか道がやけに混んでる。みんな誰を観に行くんだ? ベースメント・ジャックスにはまだ早いよな。

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昼間通ったときとは打って変わって、ミラーボールとかキラキラ光ってすごく綺麗なボードウォークを歩いているうちに気持ちいいギターソロの音が聞こえてきた。長丁場のモーは座ってみよう。結構ガラガラだし。でも着いたらすぐに15分の休憩に入ってしまった。あれ? 3時間のライヴの1時間終わったところでもう休憩?

というわけで第二部からのモー。うーん、長いギターソロとかすごく気持ちいいんだけど、やっぱりどうしてもフィッシュと比べてしまうから、曲自体の出来がもうひとつかな。これまであんまり聴いたことなくて、今回聴いてみてよかったらアルバム揃えようかなと思ってたけど、どうもそこまでじゃないかな。

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というわけでずっと座ってるだけでも疲れてきたので、またみんなに合流しようとグリーンに戻ることにした。ところが、途中そこを通らないといけない作りになっているホワイトステージが、ベースメント・ジャックスの客で通れない。満員電車の中をじりじりと歩いているような感じで、何十分もかけてようやく抜ける。もうちょっとルート作り考えてよ。

ようやくグリーンにたどりついたら、もうフランツ・フェルディナンドが終わるところ。基地の撤収をちょこっと手伝って、みんなでぞろぞろとバスに戻る。フランツが終わったところだからもっと大混雑かと思ってたら、道を歩いてるのはほんの数十名で拍子抜け。みんなまだベースメント・ジャックス観てるのかな。

結局、一日中ボコボコ音言わせながら長靴はいてたけど雨は一滴も降らず。両腕だけが真っ黒に日焼け(これを書いている今はもうボロボロに皮がむけてるけど)。疲労度が去年と全然違うのは天候のせいか、それともほとんど座るか寝転がって観ていたせいか。でも、あと2日同じことを繰り返せと言われても、ちょっとその気力はないなあ。最終日のボーグスとか観てみたかったけど。

来年もまた一日だけ行こう。どうか、僕の観たいアーティストが沢山来ていろんな日にばらけませんように。
posted by . at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする