2013年08月09日

Pet Shop Boys live in Manila

DSC004233.jpg

結局日本での僕の初フェスはフジになったけど、本当は今年サマソニに行ってみたいなと考えていた。ペット・ショップ・ボーイズが来るからね。07年にあの濃厚な『Fundamental』ツアー公演を間近で観て以来、機会があればまた観てみたいと思っていたから。

そのうち、シンガポールとかバンコクとかジャカルタとかソウルとか、アジア各地での公演日程が次々に発表されていくのを見て、これはしばらく待ってみてもいいんじゃないかと思い始めたところ、アジアツアー日程の最後になって、8月6日マニラ公演が追加された。フィリピンに来るのは初めてなんだって。

「チケットのお買い求めはこちらで」のアイコンをいくらクリックしても何も出てこないという状態が何日も続くといういかにもフィリピンらしい仕打ちを受けても負けずにクリックし続けていたら、突然「明朝9時チケット売り場でのみ販売開始。ネットでは買えないよん」みたいな人を小馬鹿にした案内が現れたので、いつだったか忘れたけどその「明朝9時」をめがけて会社から一瞬姿をくらまして最寄のチケット売り場に行ってみたらその売り場は10時オープンだったりして、まあとにかく散々紆余曲折を経た挙句にようやくチケットを入手。

他の売り場ではもう9時に発売開始してしまっているのかも、売り場の選択を間違えたおかげで1時間ロスしてしまったかもと不安にかられていたら、手にしたチケットはアリーナ7列目中央通路沿い1番。売り子のお姉ちゃんとのやりとりから察して、どうもステージ前6列は招待席っぽい雰囲気。ということは、もしかするとフィリピンでこの公演のチケットを一番最初に買ったのが僕か? 07年のときみたいにライヴハウスのステージかぶりつきというのには到底適わないけど、1万8千人収容のアリーナで7列目中央はなかなかだよね。

DSC004088.jpg

なにしろこれだからね。開演20分ほど前に席についてみたら、案の定僕より前6列にはほとんど人はいない。それどころか、前にスティングやジェイソン・ムラーズを観たときには超満員だったこの大会場がかなり閑散としている。PSBってそんなに人気ないのか。大丈夫かな。

開演時刻を30分以上押して、ようやく前6列もスタンドの方もそれなりに観客が埋まってきた頃に客電が落ち、ステージを覆うスクリーンにいろんな模様が映し出される。そのうち、鳴り続けていたBGMがいつの間にかオープニングの「Axis」になっている。この曲、なんでこんなのをシングルにしたんだろうと思うほどつかみどころのない曲なんだよね。かっこいい曲だとは思うけどさ。

DSC004211.jpg DSC004200.jpg

ビニールのハリネズミみたいな衣装で登場した二人(ニールは最初同じデザインの帽子もかぶっていた)。ほぼメドレーで「One More Chance」、「A Face Like That」と、かなり地味目の曲を続けてくる。おなじみ「Opportunities」が出てきてようやく場がほぐれてきたかなと思ったら、引き続き「Memory Of The Future」、「Fugitive」ときた。なんでこんな誰も知らないような曲ばかり頭から繰り出してくるんだろう(地味な前作『Elysium』をほとんど聴いていない自分のことを棚に上げて文句を言う。でも「Fugitive」がどのアルバムに収録されてるかなんてすぐ答えられるPSBファンがどれだけいるというのか)。

「Integral」を終えて二人が一旦ステージ裏に退き、同時にバッファローの骨みたいな被り物をした二人のダンサーが登場。メンバーのお色直しの間のダンス。知らない曲だと思ってたんだけど、あれが「The Rite Of Spring」なんだね。ということで、次はそのタイトルが歌詞の一節になっている「I Wouldn't Normally Do This Kind Of Thing」。PSBの二人もバッファローの角みたいな被り物で登場。そして、その曲のアウトロが延々続く中、聞き慣れた犬の鳴き声が。「Suburbia」だ! 冒頭の地味な選曲とは打って変わってPSBのポップサイドが炸裂。

ここで初めてニールがしゃべったかな、確か。挨拶して、次の曲は「I'm Not Scared」だと紹介。それと「Fluorecent」とまたしても地味路線に傾いた後、「次はミスター・ブルース・スプリングスティーンの曲です」と、新譜からの「The Last To Die」へ。これ、『Electric』の中でもかなりお気に入り。いつものPSBならではのシニカル意地悪カバーじゃなくて、意外にストレートなカバーになってるよね。まあ、とはいってもニール・テナントがあの声で歌ってるというだけで、オリジナルとはずいぶん趣が違うけれども。

DSC004266.jpg DSC004255.jpg

「Somewhere」の前だか後だかでまたお色直しで一旦引っ込み、今度はクリスはミラーボールをかぶって登場。天井から光を当て、全方位に反射させながら黙々とキーボードを弾く(見えてるのか?)。ニールはさすがに半円形のミラーボールハットで(ボールかぶると歌えないからね)、それでもやっぱり全方位に光を反射させながら歌う。

前回観たときは衣装を変えるだけでなく、複数のダンサーが出てきたりちょっとした小道具を使ってステージの様子を変えたりしてたんだけど、今回はどうもかぶり物に頼りすぎているきらいがあるね。ダンサーも同じ二人が(これまたいろんなかぶり物で)ずっと踊っているだけだし。あの、まるでお芝居を観ているかのような「次は何が出てくるんだろう」という楽しみがなかったのがちょっと残念。あと、個人的には一番期待していたアクースティックコーナーがなかったのはかなり残念。

前作からのシングル曲(でもこれまた地味)「Leaving」、新作からの「Thursday」と新しめの曲を続け、次の「Love Etc.」のときにはステージ前方にベッドが二つ立てられ、ニールとクリスがそれぞれ布団の下に入り、白いシーツに投射された体がめまぐるしく動くという楽しい演出。ニールは口の前に持ってこられたマイクで歌っているけど、クリスはただじっとしているだけ。

DSC004288.jpg

ベッドを片付けた後、「I Get Excited」というこれまたオブスキュアなシングルB面曲に続けて、ほぼメドレーで「Rent」へ。いよいよこのあたりから大団円に向けてのヒット曲攻勢が始まる。やっぱりPSBのライヴはこうでなくちゃね。

静かな「Miracles」に続いて、「It's A Sin」で大爆発。ここらでようやく、それまでおとなしく写真を撮ったりおしゃべりしながらまったりしていた前列の招待客らしき人々も立ち上がる。アジアに回ってくる前に南米の熱狂的なライヴの様子をツイートしていたりしたニールだから、ここまでさぞかしこの冷めた前列の客にはがっかりしていたことだろうね。なんだかこちらもこれでようやく一安心。

まあそれにしても、どいつもこいつも写真撮りまくり。僕もこれだけ現場で撮った写真を載せておいて言えた立場じゃないかもしれないけど、こいつら一体何百枚撮れば気が済むんだ?一体ライヴ観に来たのか写真撮りにきたのかどっちなんだと思ってしまうぐらい、もうとにかく僕の前は(きっと後ろも)カメラやスマホが林立。演奏終わったときぐらい写真撮ってないで拍手しろよ、まったく。

スティングのときもジェイソン・ムラーズのときも、フィリピン人って本当に歌うの好きなんだなと思うぐらいにどの曲でも大合唱だったのを見てきたから、この日の(特に僕より前の)冷めた観客の様子には本当に辟易してしまった。きっと、僕より後ろの、本当に彼らのことが観たくて高いチケット代払って来ていた人たちはもっと盛り上がっていたと信じたいけど。

そんな状況だったから、「Domino Dancing」のサビを思いがけず大合唱で終えたときはニールも思わず「マニラ、歌えるじゃないか」みたいなことをニコニコ顔で言って、いよいよ「Go West」、そして「Always On My Mind」へ。ありきたりといえばこれ以上ないありきたりな展開だけど、こんなイントロ一発で即死みたいな曲を最後に立て続けに持ってこられたら、どれだけ叫んでも足りないぐらいだ。今思い出してもゾクゾクするよ。

DSC004366.jpg

ステージの両袖から無数のオレンジの紙吹雪が飛び出してきたのはこの時だったかな。あれは綺麗だったな。この写真見て思い出したけど、そうそう、相変わらずクールでシニカルははずのニールがガニマタ気味に足踏ん張って歌うのがなんだか微笑ましいんだよな。

ここで一旦ステージを降り、残念ながら僕の位置からはほとんど聞こえなかったアンコールの拍手に迎えられて、PSBの二人が再登場。「West End Girls」か。まあ、アンコールの1曲目としては妥当なところかな。デビュー曲だし、ある意味一番有名な曲かもしれないけど、こういうときにわーっと盛り上がる曲ではないよね。

ここから何をやってくれるんだろう。でもめぼしいのはさっき本編ラストで連発したからなあと思っていたら、「あと1曲」と言って、最新シングル「Vocal」を。ああそうなのか。別にこの曲に文句があるわけじゃないけれど、どうもここ数年、PSBってアルバムの中の一番のキラーチューンみたいなのをシングルカットしないんだよね。悪い曲ではないけれど、アンコールのラストを担うにはちょっと荷が重いよ。

アルバムから4曲もシングルが切られたのに「The Sodom And Gomorrah Show」はその中に含まれていなかった06年の『Fundamental』、ツアータイトルにもなった「Pandemonium」はシングルにならなかった09年の『Yes』、アルバム全体かなりソフトな、ある意味PSBとしては異色なアルバムだったのに3枚もシングルカットされた12年の『Elysium』に続いての今作『Electric』、どうして「Love Is A Bourgeois Construct」や「The Last To Die」がシングルカットされないんだろう(と思っていたら、「Love Is〜」は次のシングルになるらしい。それなら今回のツアーで演奏してよ)。

と、そんな感じで写真撮りまくりの前列の招待客(アンコールのときにはもはやステージも見ずに演奏するPSBをバックに記念写真を撮ってたよ、あーあ)とか若干カタルシスに欠けるセトリとかに不満が残らないでもなかったけど、たっぷり2時間弱の久しぶりのPSBのライヴはやっぱりよかった。日本では確か今日がソニマニで、明日あさってがサマソニ本番なんだったよね。日本のみなさん、楽しんできて。


Setlist 06 August 2013 @ Araneta Coliseum Manila

1. Axis
2. One More Chance / A Face Like That
3. Opportunities (Let's Make Lots Of Money)
4. Memories Of The Future
5. Fugitive
6. Integral
7. The Rite Of Spring
8. I Wouldn't Normally Do This Kind Of Thing
9. Suburbia
10. I'm Not Scared
11. Fluorescent
12. The Last To Die
13. Somewhere
14. Leaving
15. Thursday
16. Love Etc.
17. I Get Excited (You Get Excited Too)
18. Rent
19. Miracles
20. It's A Sin
21. Domino Dancing
22. Go West
23. Always On My Mind

[Encore]
1. West End Girls
2. Vocal


<8月10日追記>
制限いっぱいだったブログのディスク容量が増えたので、せっかく買ってきたTシャツの写真を載せよう。今回は2種類のデザインから選びきれず、大人買い。
DSC004399.jpg
posted by . at 19:13| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月01日

FRF13

いろんな人から一度は行ってみるべきだとかよく言われるし、近しい友達からも何度も誘われてはいたんだけど、「やだよあんなに金もかかるし人も多いところにわざわざ行くなんて。それにいつも雨降るんでしょ」というのが、フジロックに対するこれまでの僕のスタンスだった。そう、数週間前に突如ウィルコ・ジョンソンが参加を表明するまでは。

たまたま7月いっぱいで期限が切れてしまう会社の有給をこの週末にくっつけて、いろんな乗り物を乗り継いで、最終日の朝に苗場に到着。途中のバスの列やらホテル入口への遠路やら、その段階で相当うんざりしてたんだけど、聞いたところでは初日からちゃんと来たらあんな行列じゃ済まなかったらしいね(この時点で「来年はもう来るもんか指数」やや上昇)。

リストバンドをもらって入場しようかというところで初日から来ている友達から連絡があり、うまく合流できた。グリーンステージ後方。みなさん当然ビニールシートとか色々持参してるんだね。ありがたく使わせてもらいました。ろくにくつろいでる間もなく、この日の僕にとっての最初のアクト、ヨ・ラ・テンゴのステージが始まる。

DSC003844.jpg

09年の12月に品川で観て以来だね、この人たちは。そして、ステージの尺と新曲以外はその時と何一つ変わっていない。出てきていきなりジェームズ(別名デブ)がドラムキットのところに行き、ジョージアがギター(アイラもギターなので、ベースレス)という珍しい編成で開始。デブが歌う「Stockholm Syndrome」は3曲目だったかなと思っていたら、某所にアップされていたセトリを見ると2曲目だった。とにかく、曲ごとにデブとジョージアが楽器をとっかえひっかえ、アイラは(曲によって違う機種を使い分けてはいたけれど)ギターをもうこれでもかというほどくねくねと体をよじって轟音ノイズを発し続ける。

前回観たときからこの人たちに対する僕の知識もそう増えてはいないけど、一応予習のために買った新譜『Fade』から、1曲目の「Ohm」とあと1−2曲は演奏したはず。最後の挨拶のときのアイラの「ウィルコやキュアと共演できるなんて、僕らみたいな若いバンドにとってはとても光栄です」というジョークがどれだけの人に受けていたのかはわからないけど。


さあもう次だ。ウィルコ! 一体どれだけの人がこの人目当てに来てるんだかよくわからないけど、とりあえず万一に備えてヨラが終わった時点でトイレにダッシュして急いで戻ってくる。まだそんなにぎゅうぎゅう詰めでもなかったから、ヨラのときと同じく若干後ろで観ようとしていた友達を置いて前の方に進む。なにしろ前夜に小さ目の小屋で演ったときは、一時間以上前から長蛇の列で入場制限がかかったらしいからね。

DSC003855.jpg

出てきた! 意外に元気そう。いつも通りの、上下真っ黒ないでたちに赤いピックガードの黒いテレキャスターを抱えて。ベースがノーマン・ワット・ロイだというのがまた嬉しい。僕の目の前だよ。ちなみにドラムスはスティーヴ・ハウの息子。なんか途中もたったりしてあんまり上手くないなと思ったのは気のせいか?

ウィルコのソロアルバムはほとんど聴いてないから、知らない曲ばかりだったらどうしよう、まあどうせノリノリのロックンロールばかりだろうからいいや、なんて思っていたら、1曲目から「All Through The City」。

その後も数曲ごとにドクター・フィールグッド時代の曲がどんどん出てくる。「Sneakin' Suspicion」とか「Roxette」とか。「Back In The Night」とか「She Does It Right」とか。フェス用に素人向けの選曲にしてくれてるのかな。

上半身固定の横移動も健在(前に僕が観たのはもう20年以上も前のことだから、あのときの高速移動に比べるとずいぶんおごそかな(笑)動きにはなっていたけど)。ギターをマシンガンに見立て、ミュートしたカッティングの音でタカタカタカタカと観客めがけての銃撃ももはや伝統芸。

DSC003877.jpg

病気の本人よりもよっぽど老けて見えたノーマン。でも相変わらず不気味な顔でニコニコと、体を反らせてファンキーなベースを弾きまくる。この人、ブロックヘッズの頃はなんて気持ち悪い顔なんだろうと思っていたけど、加齢とともになんだかかっこよく見えてきたね。大人になってからモテるタイプかも。

この早い時間帯のステージで驚きのアンコール。年明けの日本公演でも最後の曲だったという「Bye Bye Johnny」で締め。演奏前に「晴れててくれてありがとう、ミスター・サン」とか話してたね。そういえば、ヨラのときは途中で降ったり止んだりしてた雨も、ウィルコのときは一切降らなかったよ。なんかこういうのも奇跡的というか。

他にもいろいろステージ上で話してたんだけど、なにしろその時点で僕の周りはモッシュ大会。足踏まれたり踏み返したりで落ち着いて演奏も聴いてられやしない。後で友達に聞いたら、「僕のために幸運を祈ってくれ」みたいなことも言ってたみたいで、演奏後もうそこら中の人が目を真っ赤にしてたよ。多少は近くで観られたのはよかったけど、ああいうステージのときはあんまり前に行かない方がいいというのを、よりにもよって肝心のウィルコのステージで学んだ次第。

会場で、限定発売されることは聞いていた前回の東京公演のDVDがTシャツとセットで売ってたので買い。収益はすべて福島への義援金というのを見てまたじわっとくる。

DSC004066.jpg


さすがに朝から駅弁だけなので、3時を回ったこの時点でもう腹ペコ。友達に連れられてところ天国に何か食べに行く。沼地みたいな道をしばらく歩いてたどり着いたら、ちょうど聴いてみたいなと思ってたサヴェージズの音が隣のホワイトステージから聴こえてくる。ベースかっこいいな。

食料調達したりアルコール補給したりしているうちにどんどんと土砂降りの雨に。不用意にもTシャツ一枚で来ていた僕は、今このままプールに飛び込んでもあんまり状態変わらないだろうというぐらいにずぶ濡れ。「来年はもう来るもんか指数」この時点でMAX。気を利かせて友達がグリーンの基地から持ってきてくれたウィンドブレーカーを羽織る頃にはすっかり雨が止んでいたのも、ウィルコのときと同じ神様の仕業だろうか。


DSC003944.jpg

友達が調子に乗ってウォッカどんどん入れさせたブルドッグで、びしょ濡れのパンツも気にならないほど心地よくなったところでグリーンに戻る。マムフォード&サンズって日本でこんなに人気あるの?ものすごい量の観客。今度は友達と一緒に、柵の後ろあたりで落ち着いて観る。

この人たちのセカンドって、ファーストと同じ曲が順不同で入ってるんじゃないのかと思うほどどれもこれも似た曲ばかりだけど、そのワンパターンさも含めてかっこいいんだよね。生では当然初めて観たけど、演奏うまいねー。4人のうちメインヴォーカルの兄ちゃん以外は結構いろんな楽器をとっかえひっかえ。そのうち3人のホーン隊(トランペット2本とトロンボーンだったかな)とかストリングス隊(チェロとヴァイオリン?)の3人とかがどんどん加わって音が分厚くなっていく。最後の方の曲では、レッドマーキーで演奏を終えたばかりだというハイムの3姉妹が飛び入りしてた。ハイムってよく知らないからいまいち僕にはありがたみ薄かったけど。

最後はセカンドからのシングル曲(これは区別つく)「I Will Wait」で終了。いやこれはいいバンドだね。純粋に演奏だけのことを言えば、僕がこの日に観た5組では一番だったかも。聞くところによると、この直後に行われた東京でのライヴもソールドアウトだったそうな。2枚のアルバム、ちゃんと聴き込んで曲覚えよう。


DSC004000.jpg

もうこの時点で夜7時。曇ってることもあって辺りはどんどん暗くなってくる。雨も降ったり止んだりだし、なによりもう腰が限界。一応楽しみにしてたヴァンパイア・ウィークエンドは後方の基地に座って観ることにする。ほかの友達は引き続き前で観てたり、ホワイトに相対性理論を観に行ったり、酔っぱらって行方不明になったりと好き勝手に行動中。

後ろで観てるのがもったいないほどいいステージだったね。さすがグリーンのトリ前。「A-Punk」のイントロでギターの調子がおかしかったみたいで(弦が切れたのかな)、一旦止めてギターを取り換えて再開(その間リズム隊はずっと継続中)、あの気持ちいいイントロを二度楽しめるみたいなこともあったな。

なんかこうやって、こんなにいいライヴを後ろの方でぼーっと観てるのがもったいなくて。僕がフェスというものを心から楽しめないでいるのはこういうところにもあるのかも。誰かのライヴを途中まで観て別のステージに移動して途中から観るとかかなり嫌だし。自分が観てない別のステージでいいライヴをやってるなんてのも嫌だし(単なるわがまま)。


さてと、いよいよ大トリのキュア。21時半開始で予定終了時刻24時だって。2時間半かよ。でもできるだけ前行って観よう。椅子持って。ところが、大御所バンドとは思えないほどの人の入り(の少なさ)。さっきマムフォードを観た場所からそう遠くないところに椅子置いてゆっくり開演待ち。まあ、今の日本でキュアみたいなバンドがトリ取るって相当ムリあるよな。かと言って本人たちのプライド考えるとトリ以外じゃ来てくれないだろうし。友達曰く「ロキシーのときも相当なもんだったよ」。なるほど。

DSC004044.jpg

これがあの、ドラムキットとアンプしか置いてなかったウィルコのときと同じステージかと思うほど豪華絢爛なセットを1時間近くかけて組み上げ、メンバーが登場する段にはもうもうとスモークが焚かれる。さあ、2時間半ライヴの開始だ。

なんだかんだ言ってこの日観た5組の中では一番長く、子供の頃から聴いているキュアだから、そりゃ書きたいことはたくさんあるけど、久しぶりに書く長文に疲れてきたので適当に端折って。ロバート以外のメンバーはもう全員若い新規メンバーなのかと思っていたら、左側で地味な姿で変な形のギターを弾いてるのはポール・トンプソンだねあれ。ロバートと同じバンドに在籍とは思えない普通のおじさんになっている(腕の刺青はすごかったけど)。あと、体を不自然に折り曲げて膝下でベースを弾いてるのは誰かと思いきやサイモン・ギャラップ。なんであんな若いの?ロボット?

地味ーな最近(といっても僕があまり聴かなくなってからのことだからここ10年前後の話)の曲をいくつか続けた後、これでもか系のポップなシングル曲を数曲挟むという、お前ら帰れるもんなら帰ってみろと言わんばかりの意地悪セトリ。さすが百戦錬磨、カタルシスというものをよくわかっていらっしゃる。

とはいえ、さすがに23時近くなってくると、腰は洗濯板みたいに固まってくるわ朝からの数千キロ移動の疲れで眠気が襲ってくるわで、持参した椅子に腰かけてしまう。夏なのにさすがに山中の夜は冷えるね。ずぶ濡れのTシャツの代わりにさっき買ったウィルコのTシャツ着ててよかった。ちょっとうとうとしかけたところに「Friday I'm In Love」のイントロとか突然繰り出されてくるもんだからおちおち寝てもいられない。

演奏はさすがに整ってて上手いんだけど、やっぱりちょっとスタジアムバンドっぽいゴテゴテした音になってしまっていたのがちと残念。「A Forest」のあの透徹なまでのストイックなベースプレイを期待していた身にとっては、あの派手なエンディングは逆に拍子抜け。これがゴスってもんなのか。

24時15分前ぐらいという、とても中途半端な時刻に一旦ステージを降りる。観客の皆さんもそうとうお疲れのようで、もうこれで終わりなのかどうか見極めつかない中途半端なアンコールの拍手をぱらぱらと始める。

そんなまばらな拍手で出て行っていいものなのかどうかこちらもわかりかねるよと言わんばかりにメンバーがぞろぞろと再登場。ロバートが「アリガト、なんとかかんとか、ごにょごにょ」と日本語の真似みたいなMCを入れたあと、「ところでこれはアンコールだから」と妙に自虐的だったのがかわいい。さすがロバくん人形のオリジナル。

と、そんな感じで遠慮がちに始めたアンコールが、これがもう80年代シングル曲連発みたいな超弩級選曲で、僕みたいにちょうどその頃に聴き始めたファンにとってはイントロ一発でやられてしまうのばかり。そりゃ、これだけの曲を取っておいたら、アンコールで出てこないわけにはいかないよね。「The Lovecats」、「The Caterpillar」、「 Close to Me」、「Hot Hot Hot!!!」、「Let's Go to Bed」、「Why Can't I Be You? 」と、もうタイトル書いてるだけであの時の興奮がよみがえってくる。

そして、そのあとはもうお約束の「Boys Don't Cry」、「10:15 Saturday Night」、「Killing An Arab」という必殺のファースト曲3連発。最後のやつでは最近よく歌ってる(らしい)キリングアナザーとかじゃなくて、ちゃんとオリジナル通りの歌詞で歌ってたね。どれもこれもよかったけど、この曲がやっぱり白眉。このアンコールだけでライヴ一回分ぐらいの元は取れた気がするよ。

終わってみたら、すでにほぼ24時半。そうか、どうしても3時間演ったという記録を作りたかったんだね。なんかアンコールのときに冷たい反応してごめん(あと、途中で落ちかけてごめん)。最後にステージの端から端まで一人で挨拶して回ってるロバートを見て、なんだかこのバンドのこともう一回ちゃんと聴きなおしてみようと反省。どうも最近のアルバムは買っては売り買っては売りを繰り返してしまってるからね。


この時点でもう半分以上の友達とははぐれてしまっていたけど、最後に一緒だった3人で深夜の腹ごしらえをしてホテルに戻る。豚スタミナ丼うまし。心底疲れたけど、楽しかったよな。来年また行くかと聞かれたら、今の時点ではうーんって言うと思うけど、「もう来るもんか指数」不思議にずいぶん減ってるよ。そうだね、不死身のウィルコがもしまた来年も来てくれたら、間違いなく行くと思う。
posted by . at 22:57| Comment(4) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする