2013年04月19日

追悼 ストーム・トーガソン

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中学生ぐらいの僕にジャケ買いというのを教えてくれたひと。
もうこの人の作る新しいジャケを見ることがないのかと思うことが、自分でもびっくりするほど堪える。

<4月20日追記>
これもまだうちにある。
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2013年04月04日

Steve Forbert live in Osaka

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名古屋から近鉄にガタゴト揺られて難波へ。スティーヴ・フォーバート33年振りの日本ツアー最終日は、僕が昔大阪に住んでいた頃には影も形もなかった湊町リバープレイスというどでかい建物の、外階段の下に空いているスペースを利用して作ったような小さなミュージックバー、S.O.Raという会場で行われた。11年の暮れにタマス・ウェルズを観た場所からそう遠くないね。難波に来るのはあれ以来だから、あのときのことがなにかと懐かしく思い出される。

また比較的いい整理番号だったけど、前日みたいに行ってみたら開場時刻が早まっていたなんてことになってたらいけないし、初めての場所で迷うと困るので30分ほど早目に行ってみたら、当然ながら誰もいない。しょうがないので信号を渡ったところに見えたタコ焼き屋さんで本場のタコ焼きとビールで腹ごしらえ(さっきの11年のタマスの記事を読み返してみたら、僕はあのときも全く同じ行動を取っているね。きっと僕はこの先ずっと、大阪でライヴを観るときは不必要に早く会場に着いて、時間つぶしにタコ焼きを食べてビールを飲み続けるんだろう)。

開場時刻。整理番号順に入場するかと思いきや、意外なことにドアの近くに立っていた人から順番に中に入れ始めた。なんと、こんな小さな会場なのに指定席だとのこと。場内に5つ置いてある丸テーブルの上にそれぞれ5つの番号が振ってあって、指定された場所に座る。あとは後ろの壁際のスツールとか、バーの前とか。僕は幸いにも比較的居心地のいい場所に座れてよかった。それにしても、あの小さな会場に約40人分の椅子とテーブルを詰め込んでいるもんだから、一旦全員が着席すると(整理番号の後ろの方の人たちは立ち見だったけど)、もううろうろするのもはばかられるほどの人口密度。前日の名古屋公演で知り合った方と話でもしてようかと思ったけど、ちょっとそっちまで気楽に歩いて行ける感じでもない。

でも、さっきビールを飲んだことでもあるし、開演前の空いている時間にトイレ行っておこうと思って並んでいたら、外からスティーヴとスタッフのトレイシーが入ってくる。スティーヴは入ってくるなり「やあ、今日はどうだい?」なんて声を掛けてくれる。昨日背が高いと書いたけど、実際隣に立ってみると、僕とそう変わらないね。

開演時刻より数分前にステージに登場して、前日同様トレイシーとなにやら相談しながらギターのチューニングを始めるスティーヴ。足元には名古屋のときよりも数倍大きな木の板が弾いてある。名古屋ではティムはあの小さな板の上にはみ出さないようにきちんと立って演奏していたけど、スティーヴはあっちへふらふら、こっちへふらふらしてたからね。好きなときにかかとで板を蹴ってリズムを取るためにはこれぐらい大きな板の方がやりやすいんだろう。

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オープニングは「It's Been A Long Time」。ファーストアルバムのアウトテイクだ。こんな曲も演ってくれるんだね。当然のごとく、前日とはセットリストをがらりと変えてきている。終了後にセトリらしき紙を見てみたら、あれは演奏する可能性のある曲を列記してあるだけで、実際にはその順番では歌っていなかったみたい。そのときの気分で次にどの曲を演ろうか決めるんだろう。

そういえば、この日もリクエストを募っておいて、「わかった」と言って違う曲を演り、続けてリクエストされた曲を演奏した。また名古屋のときみたいに半分ジョークでそうしているのかなと思ったけど、きっとあれは、リクエストされた曲を今頭の中にある曲順のどの辺に入れればうまく流れるのかを咄嗟に考えて、その順番で演奏してるんだろうなと気づいた。でもそんなのお客さんに説明することでもないから、リクエストした方からしてみたらなんだか無視されたように思ってしまうかもしれないけど、「君のリクエストは覚えていただろう」みたいなことをいちいち語りかける様子を見ていると、この人こんなふらふらしているように見えて、実はかなり繊細に気を使ってライヴを進めているんだなと思った。

そんな、実はよく気がつく人だと思ったエピソードのひとつ。チューニングをしながら会場の中央付近にいた人に「君は昨日もいた?」と声をかけ、また別の人にも同じように話す(どちらも名古屋で僕の近くにいた人たちだ)。さらに、「その声には聞き覚えがあるぞ。君はえーと、確か横浜に来ていた?」と別のお客さんに話しかけると、その人は嬉しそうにうなづいていたので、当たっていたんだろう。そんなの覚えていられるものなのか?すごいな。

最初の方に演奏した曲で手拍子を促したと思ったら、あるお客さんを指差して「悪いけど君は手拍子やめてくれないか」と。また前日みたいにお客さんをいじってるのかなと思ったけど、どうやらこれはそうじゃないね。自分のリズムに合わない手拍子をされると本当にやりにくいようで、あれはマジでお願いしていたんだね。そう気づくと、いつ自分が同じ指摘をされやしないかと、手拍子するにも緊張してしまう。

会場の前の方に、お疲れなのか酔ったのか、眠そうにうつむいているお客さんがいたのを気にしていたようで、何度かその人に歌いながらちょっかいかけていたけれど、最後にはダグを呼んでその人に注意させてたね。まあ、あれはちょっと、スティーヴでなくても気になるだろう。

そんなちょっとした出来事はあったものの、ステージに登場したときの歓声や拍手の量が前日とは桁違いで、名古屋ではどうもエンジンかかるのに時間がかかっていた風情だったスティーヴも、1曲目から嬉しそうにニコニコしている。明らかに前日よりも調子がよさそうだし、ふらふら度も多少なりとも減少して(笑)、これは二日続けて観に来た甲斐があったよ。

お客さんに歌わせる曲なんかは前日と重複していたけど(歌う順番は全然違ったけど)、それ以外は相当がらりと曲目を変えてきている。僕は残念ながら90年代の曲は全然わからなかったんだけど、終演後に一緒に飲みに行った人(その人もかなりのマニアだった)と話していたら、前日には全然演奏しなかったアルバムの曲を途中でリクエストされたら、今日の客はこのアルバムの曲がわかるんだとばかりに、同じアルバムからの曲を続けて演奏したりしていたらしい。

新作の1曲目「All I Asked Of You」を演奏した後、「これはアメリカーナの一片って感じの曲かな、よくわかんないけどさ」みたいなことを言っていたと思ったら、続けてCCRの「Proud Mary」のカバーを演奏し、「これもアメリカーナの一片って感じの曲かな、よくわかんないけどさ」だって。違うよ!と突っ込むところなんだろうけど、当然のごとくそんな反応が返ってくるわけもなく、他の沢山のジョーク同様、何事もなかったかのように進行。終演後にサインをもらうときに「あの“Slice of Americana”ジョーク、面白かったよ」と言ったら嬉しそうに笑ってくれた。

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「あと3曲」と言って、前日には演らなかった「Steve Forbert's Midsummer Night's Toast」を(これは嬉しかった)。そして、最後の2曲は前日同様、「What Kinda Guy?」と、「Good Night」に続けての「Romeo's Tune」でしっとりと感動的に一旦幕。すぐにアンコールで登場して、ストーンズの「The Last Time」(今日はカバーが多いね)、そして締めの「You Cannot Win If You Do Not Play」。前座なしだから2時間ぐらいは演ってくれるのかなと思ってたけど、アンコールも入れて1時間45分ぐらいだったか(文句言うほどの差じゃないけど)。

そしてその後は、お馴染みの展示即売サイン会。古くからのファンがほとんどだったようで、沢山の人がLPやらTシャツやらにサインしてもらっていた(33年前のパンフレットを持ってきていた人も)。みんな一人で何枚にもサインをもらって写真まで一緒に撮るもんだから、結構時間かかるのに、スティーヴは最後まで一人ひとりに声を掛けながらニコニコして対応してたね。

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僕の順番のときに、ダグが「この人はフィリピンから来てくれたんだよ」とスティーヴに声を掛けてくれる。スティーヴも、前日に僕がそう伝えてあったのを覚えていてくれたらしく、「うん、わかってる」みたいにこっちを見てくれた。「名前何だっけ?」と聞かれたので、「yas、Y、A、S」と言ったら、「ああ、知ってる」と、そんなの覚えてくれてるわけはないけど嬉しかったね。

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この日も一番最後までだらだらと会場に居残ったあと、名古屋でも一緒だった二人のファンの方々とちょっと一杯でもと焼き鳥を食べに行った。なんかこういうのは嬉しいね。「ガーランド・ジェフリーズって知ってます?」と振ってみて、当然のごとく返事が返ってくる心地よさ。「ルー・リードと同級生で」と言うと間髪入れずに「シラキュース大学」とか、なんか自分の頭の中の音楽データベースのコピーを外付けHDDの中に見つけたみたいな感覚(笑)。またどこかのライヴで会えたらいいな。


Setlist 03 April 2013 @ S.O.Ra

1. It's Been A Long Time
2. Real Live Love
3. All I Need To Do
4. My Blue Eyed Jane
5. Worried Life Blues
6. That'd Be Alright
7. Born Too Late
8. Good Planets Are Hard To Find
9. Write Me A Raincheck
10. All I Asked Of You
11. Proud Mary
12. Blackbird Tune
13. Over With You
14. Baby, Don't
15. It Sure Was Better Back Then
16. Rock While I Can Rock
17. Sing It Again, My Friend
18. Blue Yodel #9 (Standing On The Corner)
19. So Good To Feel Good
20. Responsibility
21. Steve Forbert's Midsummer Night's Toast
22. What Kinda Guy?
23. Good Night / Romeo's Tune

Encore
1. The Last Time
2. You Cannot Win If You Do Not Play
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2013年04月03日

Steve Forbert & Tim Easton live in Nagoya

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朝一番にマニラ空港を出発して、成田でセントレア行きの国内線に乗り換え。更に3つの電車への乗り継ぎはどれもとてもスムーズに進み、思いがけず開場時刻の18時には今池の得三に到着してしまった。僕の持っていたチケットには開場18時半、開演19時半と書いてあったのでちょっと早く着き過ぎたかなと思っていたら、小雨の中をたどり着いた会場ではもう番号順の入場が始まっていたので、結構いい整理番号のチケットを持っていた僕は慌てて階段を上って中に入れてもらう。

運よくまだ最前列のテーブルは人がまばらだったので、うんと見やすいほぼ真ん中の席を確保。そこからはチケット記載の手違いを含めて開演までの1時間半を、ジョッキたっぷりのワインとキムチピザで小腹を満たしながらぼーっとつぶす。途中からは、すぐ近くに座っていたほぼ全公演追っかけ中のダイハードなスティーヴファンの方に色々話を聞かせてもらったり、後ろの物販のところにいたゴーティの松本さんや今回の主催者のダグに話しかけたりと、それほど暇を持て余さずに開場時刻を迎えることができた。


スティーヴ・フォーバート33年振りの来日に合わせてわざわざマニラから観に来るなんて、僕もよっぽどのファンなんだろうと思われるかもしれないけれど、33年前にはクラッシュやジャムを熱心に聴いていた背伸び中学生にとっては、朴訥とした人のよさそうな兄さんがこっち向いて微笑んでいるジャケットには手が伸びなかった。もちろん、ヒットした「Romeo's Tune」をはじめ、ラジオやなんかで彼の曲を聴く機会は沢山あったのでいい曲を書くシンガーだとは認識していたけど、僕にとっての彼は、気がつくとまだそこにいるなといった程度の、ちょっと向こうの道をずっと一緒に走っているアーティストといった感じのポジションにいた(僕は別にアーティストとして走っているわけじゃないけど、これだけ長くいろんなのを聴いてると、30年以上前からずっと知ってる人がまだ現役でやってるのを見ているだけで、なんだか勝手に戦友みたいな気持ちになってしまう)。

なので、今回の来日が発表になったときも、即座に飛びついたというよりは、結構悩んだ。連休明けの期初に3日有給を取るには、目をつぶってその後何が起こるかを考えないようにする技術が必要(そして、僕は最近その技術に長けてきた)。でも、久しぶりに彼の曲をいくつか聴き直してみたら、これがもうどれもこれも今の僕のツボに入りまくるものばかり。なんで僕はこの人のことをずっと追っかけてこなかったんだと、改めて中学生の自分を恨んだ。さらにそんな僕の背中を押したのが、前から一度観てみたいと思っていたティム・イーストンがここ名古屋でスティーヴの前座として出演するのを知ったこと(そして、翌日に少人数限定でスティーヴの追加公演が発表されたこと)。もうこれは目をつぶる技術を発揮するしかないと。今回観ておかないと次はまた33年後かもしれないし。


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その、(会場をぎっしり埋めた80人ほどのお客さんのほとんどにとっては単なる前座だったかもしれないけれど)僕にとっては今回の大きなお目当ての一人、ティムが開演時刻ちょうどにステージに現れ、ピックガードのネック寄りのところの塗装がピッキングではげてしまっている黒いギブソンを肩にかける。意外に背が低いね。それに、ジャケ写でよく見る長髪・ヒゲ面でなく、こざっぱりと髪を刈り揃えた男前。

彼のアルバムはオリジナルを2枚と最近出たベスト盤を1枚持ってるだけなので、演奏した半分ぐらいは知らない曲だったりタイトルがぱっと出てこなかったりしたけど、きっと僕以上に彼のことを知らなかったスティーヴ目当てのお客さんたちにとっても、知らない曲だろうがタイトルが何だろうが、そんなことは全然問題にならない素晴らしい演奏だった。

ブルーズマナーの曲で初め、しっとりとしたスローな曲、ポップなアップテンポの曲など、まるでこれが彼の広範な音楽趣味のショーケースだと言わんばかりに、あえてバラエティに富んだ選曲が続く。ギターの上側に紙が張ってあって時々それを見てたから、きっとあれがセットリストなんだと思っていたけど、ライヴが終わってから聞いてみたら、あれはレパートリーが60曲ほど書いてあって、それを見ながらどの曲を演ろうかと考えるだけで、こういうライヴではセットリストは作ってないんだって。

曲によってハーモニカホルダーを首にかけたりカポをつけたり、曲調の多彩さもあいまって、一人でも曲ごとにがらっとイメージが変わる。足元に50センチ角ぐらいの木の板が敷いてあって、それを靴底でガンガン鳴らしながらリズムを取るから、まるでベースの打楽器まで自分で演奏しているよう。

ギターがもう、とにかく上手。グレン・ティルブルックやジム・ボジアみたいにアコギでも流麗なギターソロを延々と披露するというようなタイプではないけれど、歌いながらよくあれだけ味のある細かいプレイができるなと思うほど、観ていても聴いていても気持ちいい演奏。曲によってピック使ったり指弾きしたり。速いピッキングもアルペジオも実に正確。そして、どの曲ももうちょっと聴いていたいなというぐらいのところで絶妙に終わるタイミングのよさ。余計にエンディングを引っ張ったり冗長なソロを入れたりとか一切なし。

途中でちょろちょろ日本語の挨拶を入れたり(子供の頃日本に住んでいて、子役でテレビに出たりしたらしい)、「何か僕に質問はある?」とか、急いでいたせいかそもそもそんなに喋る人じゃないのか、MCもそこそこにプログラムはどんどん進む。多分、冒頭の開演時刻記載違いのせいで押してしまってるので、時間通りに終えないといけなかったんだろうね。

30分ぐらい経ったところで「あと2曲」(と言ったときに後ろの方で拍手が起こったけど、そこは拍手するところか?)と、確か「Burgundy Red」と「Festival Song」を演奏して退場。きっちり45分だったね。なんか全然物足りない。今回彼のフルセットの公演を観られないのが本当に残念に思えた45分間だった。

ライヴ後に彼と話していたときに、「『Get Some Lonesome』聴きたかったな。何か質問は?って言われたときにリクエストすればよかった」と伝えたら、「僕はいつも『質問は?』って訊くんだ。そういえば『Get Some Lonesome』は長いこと演奏してないな。思い出させてくれてありがとう。この後の公演で演奏するよ」だって。くーっ、余計に悔しい。どうせなら週末の鎌倉で演奏して、『Live At Cafe Goatee』CDにして出さないかな。

あとは、途中で「これは新曲」と言って歌った自分の娘についての曲は、8月に出るという予定の次のアルバムには入らないんだとか。「僕は常に曲を書いてるから、結構新しい曲がどんどんできて未発表になってるんだ」とのこと。いい曲だったから、そのうち未発表曲集とか次の次のアルバムとかシングルB面とか(と言ったら彼は笑ってたけど)に入らないかな。


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15分ほどの短い休憩を経て、いよいよスティーヴ・フォーバートが登場。サンバーストのギブソンをチューニングしながらステージ上でしばらくスタッフと談笑中。横のテーブルの上にはセトリを書いた紙の上にハーモニカとカポがずらっと並んでいる(一番上の写真)。ハーモニカはともかく、なんでカポがあんなに沢山いるんだ?

ティムと違って随分背が高いな。58歳という年齢相応の見かけだけど、あのファーストアルバムの兄ちゃんがそのまま年食って髪の毛白くなったという感じ(当たり前か)。チューニングしてたと思ったらなんとなくジャカジャカ始まったみたいなゆるいオープニングはそのファーストからの「Thinkin'」。

いろんな意味で、「こんな人だとは思わなかった」というのが一言でまとめた僕の感想。もっと、なんというか爽やかな感じでギターをかき鳴らしながらアツくせつなく歌うSSWなんだろうなと勝手にイメージしていたんだけど、初めて観るスティーヴはどちらかというとふらふらーっと動きまわり、ギターもテクニカルなフレーズを弾くというよりもあくまでもリズムキープに徹する感じで、ときおりわざと音程を外して大声で歌ったりするところなんかは、タイプは違うけどちょっとトム・ウェイツを彷彿とさせる瞬間もあった。こんな人だとは思わなかった。

演奏しながら「そこの二人は手拍子をするな」とか、同じ曲で観客が延々手拍子をしていると「手拍子するなって言ってるんだ」とかわざわざ歌の途中に言ったり、歌い終えてから「誰もが生まれついてのドラマーじゃないんだ、ジンジャー・ベイカーみたいに」とか言うから、どんだけ気難しい人なんだと思っていたら、どうやらそういうのは全部ジョークのつもりで言ってたみたい。別の曲では手拍子を促したり、観客にリクエストを募っておいて、あえて違う曲を演奏したり(あとの方で「君のことはちゃんと覚えてるよ」と言いながらリクエストされた曲を演ったり)、初対面でそんな難しいジョーク真顔で言われてもわかんないよ(苦笑)

沢山置いてあるハーモニカの中からAのキーのがなかなか見つけられず、やっと見つけて演奏し始めたと思ったら結局その曲ではハーモニカをほとんど吹かなくて「なんだあんなに探したのに要らなかった」とか、とにかくなんか思いついた可笑しなことを言わないと気がすまないんだね(それが相手にとって面白いかどうかは別にして)。そういうところは気が合う気がする(笑)

途中からは、彼がそういう人だというのを僕が把握し始めたせいか、それとも彼も静かな観客に慣れてきたのか、見るからに乗りが違ってきた。相変わらずひょろひょろふらふらしながら歌ってるんだけど、このゆるい感じに引き込まれると逃れられないというような錯覚に陥ってしまう。そんな時にファーストアルバム冒頭の「Goin' Down To Laurel」とか繰り出されてくるもんだから、こちらはいとも簡単に喉のあたりがぐっときてしまう。

「じゃあ次の曲はみんなで歌おう」と言って、観客にコーラスを任せるシーンも何度かあったけど、案の定ほとんどのお客さんは歌詞わからないから皆小声でぼそぼそ歌う。それでもめげずに何度もコーラスさせて、終わったときには(お世辞だろうけど)「ありがとう、すごくよかった」と言ってくれる(それとも、あれもジョークなのか?)。

最後「あと3曲」と言って4曲演奏した最後の2曲が、僕みたいなほとんど初期の曲しかわかりませんという観客にとってはお待ちかねの「What Kinda Guy?」と、ビートルズの「Good Night」からメドレーで出てきたハーモニカのイントロにうるっときた「Romeo's Tune」。後者も聴き慣れたスタジオ版みたいなかちっとした歌い方じゃなくて今のスティーヴのへろへろっとした感じだったけど、それでも名曲。

ここまででほぼ1時間半かな。その後、短いアンコールの拍手に迎えられて、リクエストされた曲と、最後に「You Cannot Win If You Do Not Play」で幕。もっと去年の新作から演奏するかと思って予習して行ったけど、思ったよりも初期の曲を演ってくれたね。きっと、日本のお客さんはみんな33年待ち続けてくれたと思っていたのかな。

二人を初めていっぺんに観た印象。ティムは例えて言えばカチッとチューンアップされた小型のスポーツカーで的確にギアシフトしながらぐいぐい山道を攻めるような感じ。一方のスティーヴは、でっかいアメ車のオープンカーでどこまでも続く道を砂埃を上げながらガーッと進んでいく感じ。ときどきエンジンの調子悪いのかな?と思うけど、それはそれでまた楽しい。ティムの出番が短くて残念ではあったけど、両方いっぺんに観られてよかった。


終了後は物販のところにスティーヴが来て、販売&サイン&写真撮影会。僕はもうマニラ行きの終電に間に合わないので宿を取ってあったからゆっくりと後の方にして、通常はネット通販でしか買えないCDの中からおすすめを隣に座っていたファンの方に教えてもらって買ったり、松本さんお勧めのCDを買ったり、ダグとガーランド・ジェフリーズの話をしてひとしきり盛り上がったりしていた。スティーヴが古い携帯カメラで撮ったというレトロな色合いが抜群な写真(フレーム入りで1枚3000円)も欲しいのが沢山あったんだけど、今回は現金に限りがあるので断念。

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いつまでたっても列が途切れないスティーヴと違って、ほんとにこの日はティム目当てのお客さんは少なかったんだね。手持ち無沙汰に座っていたティムのところに行ってちょっと話をしてサインをもらった(ありがたいことにその後もティムとは少し長く話せた)。ティムはやけに疲れて見えたけど、日本に来てもう一週間近くになるのにどうやらまだ時差ぼけに悩まされているらしい。

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セットリストは、各曲のイントロを聴いただけでもう題名をメモしていたほどのダイハードファンに教えてもらいました(さきほどご丁寧に追加情報も教えてくださったけど、ここにお名前を載せていいものかどうかわからないので)。ありがとうございました。


Steve Forbert Setlist 02 April 2013 @ Tokuzo

1. Thinkin'
2. Something's Got A Hold On Me
3. That'd Be Alright
4. Listen To The Mockingbird
5. Worried Life Blues
6. Schoolgirl
7. Tonight I Feel So Far Away From Home
8. Any Old Time
9. It Isn't Gonna Be That Way
10. All I Need To Do
11. Sing It Again, My Friend
12. Goin' Down To Laurel
13. There's Everybody Else, And Then There's You
14. It Sure Was Better Back Then
15. Blackbird Tune
16. Get Well Soon
17. Lonesome Cowboy Bill's Song
18. About A Dream
19. What Kinda Guy?
20. Good Night / Romeo's Tune

Encore
1. I Blinked Once
2. You Cannot Win If You Do Not Play
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