2012年07月14日

Mark Kozelek live in Tokyo

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4年前の来日時はスケジュールが合わず、渋谷と新宿のタワーで行われたインストアライヴにしか行けなかったマーク・コズレックが再来日。今回は一日だけの東京公演に行くことができた。場所は、品川のグローリアチャペル。教会でライヴを観るのはNZでのホセ・ゴンザレス、青山早稲田でのタマス・ウェルズ以来かな。随分大きな教会で、両側の壁には高い天井に届くほどのパイプオルガンが据え付けてある。

発売開始と同時に押さえたチケットは悪くない整理番号だった。前から2列目の好位置(とはいえ、ステージから最前列の座席まで結構距離があるので、間近という感じではなかった)。ステージには椅子が一脚ぽつんと置いてあるだけで、その前にマイクスタンドとエフェクター。ステージ左右にスピーカー(たぶん下側の大きいのがギター用で、上に乗せてあったのがヴォーカル用?)。ただでさえ広いステージが余計にだだっ広く見えてしまう配置。前回の来日はフィル・カーニーと二人だったけど、今回は一人だけみたいだね。サン・キル・ムーン名義のアルバムが出たばかりだけど、今回の公演はマークのソロ名義だし。

大きな教会で座席も沢山あったけど、開場時刻に整理番号順に入場した人数は前から数列を埋める程度。ありゃ、これはちょっとロケーション間違えたんじゃないの。と思っていたら、開演時刻前にはもうかなり後ろの方までびっしりになっていた。平日(しかも品川駅から歩いて10分ぐらいというあまり便利でない立地)だから皆ぎりぎりになってしまったのかな。それにしても、あのキャパの会場で、開場から開演まで1時間というのは持て余すよ。教会だから当然アルコールなんて売ってないし。

開演時刻の8時を少し廻ったところで暗転。ステージ一番奥のドアを開けてマークが歩いてくる。ほとんど真っ暗な中、彼の座る場所だけに薄暗くスポットライトが当たっている。そんなだから、彼の表情も服の色もよくわからない。黒っぽい色のシャツに黒っぽいズボン。黒い革靴。クラシック・ギター。

彼のレーベルサイトで予告だけされていていつまで経っても出る気配を見せないLPを待ち続けているものだから、僕はまだ新作『Among The Leaves』を聴いていない(実をいうと、ダウンロードコードのついていないLPを買った前作『Admiral Fell Promises』もそれほど聴けていないんだけど)。なので、おそらくその2作からがほとんどだったと思われるこの日のセット、僕はほとんど曲を認識することができなかった。数曲知っているのはあったけど、4年前のインストアのときのような「代表曲」みたいなのは全くといっていいほど演らなかったと思う。

椅子に腰かけ、調弦しながら試し弾きなのかイントロなのかよくわからない感じでおもむろにポロポロと爪弾き始める。ディレイのかかった奥行きの深い綺麗な音が高い天井によく響く。数知れないほど出ている彼のライヴ盤のリストに、こういう会場で録音したものも加えればいいのにと思った。

1曲目、これはこういうインスト曲なんだろうなと思い始めた頃に突然歌が入る。声にもかなりエコーがかけられている。口からマイクまで結構離れて歌っているのに(しかも決して大きな声を出しているわけではないのに)よく通る声なのはそのエコーのせいか。

3曲ほど演奏した後、何かボソボソと喋る。話し声にまでエコーがかかっているから、ただでさえくぐもった声がすごく聴き取りにくい。たぶん「元気?」みたいな軽い挨拶だったはずなんだけど、客席無反応。その後も相変わらずボソボソと話すけれど全然反応がないので「ダメだこいつら言葉通じねえ」みたいな顔で苦笑いするマーク。客席左後方からアメリカ人が「もうちょっと大きな声で話して」って言ってくれたけど、それにも何かボソボソと返事しただけでちっとも会話が進まない。

各曲間で相当時間を取ってチューニング。「いつもはもっと何か話しながらチューニングするんだけど(話通じないから)。何話そうか。日本食は美味い。緑茶ばかりを飲んでいるよ」とか言いながらペットボトルのお茶を飲む。曲間はそんな感じでちょっと間延びしてしまっていたけど、一旦演奏に入るとすっと空気が変わる。あれは見事だよね、いつ聴いても。

ただ、僕の知っている曲が少なかったせいもあるかもしれないけど、あのスタイルで似たような曲調をずっと続けられると、後半ちょっとだれてくるのは否めない。ライヴ本編が1時間20分。その後2曲のアンコールを含めてトータル1時間半程度と、コミュニケーション取れてないわりには(苦笑)しっかりとフルサイズのライヴを演ってくれたんだけど、終わってみたらちょっと長すぎたかなと贅沢な感想。

結局、音響効果を狙っての教会という設定(それは見事に奏功していたけれど)が、ステージと客席との遠すぎる距離や暗すぎるステージといういくつかの副作用を生み、観ている側も演奏している方もなんとなくぎこちない雰囲気のまま終わってしまったという感想を持ったのは僕だけだったんだろうか。あの規模の集客なら、たとえばクアトロとかデュオとか、そういうもう少し緊密な雰囲気を保てる場所で観たかった気がする。2時間立ちっぱなしでもいいから、アルコール付きで。

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posted by . at 16:19| Comment(2) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする