2012年01月26日

Suzanne Vega live in Tokyo

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またこの日も雪。今月早くも5度目となるライヴは、今月2度目のビルボードライブ東京でのスザンヌ・ヴェガ。今回も比較的いい整理番号だったので、懲りもせずまたしても一番前の席に。一緒に行った友達から聞いてはいたけれど、マイクが2本立ててあって、サポート・ギタリストと二人で演るというのがわかる。スザンヌ前の席はもう埋まっているので、もう1本のマイク・スタンドの前に陣取る。スタンドの下にはエフェクターがずらりと並んでいる。

スザンヌ・ヴェガのCDを最初に買ったのは、セカンド『Solitude Standing』が出た87年。CDケースの裏面の表記によると5月21日に発売されたものを、記録によると僕はその約5か月後に買っている。その後のアルバムは、ベスト盤やライヴ盤も含めて全部持っているけど、ファーストだけは今に至るまで買っていないから、確か僕が彼女のことを知ったのはこのセカンドアルバムが出て、シングル「Luka」が話題になっていたからだったと思う。

以来25年にわたって、ほどほどにつかず離れずといった感じで聴いてきたアーティストだけど、ライヴを観るのは今回が初めて。なんだか、ずっとメールとか手紙だけで連絡していた旧友と初めて顔を合わせるような不思議な気分だ。

僕が観たのは21時半開始のセカンドセットだったんだけど、ほぼ定刻通りに終わったファーストセットのお客さんが全員退出するまでえらく時間がかかり、僕らが入場できたのがそもそも予定時刻の20時45分を10分ほど回ってからだった。その流れで、開演時刻も若干押していたように記憶している。

黒いスーツに派手な装飾のついた黒いインナーを着たスザンヌが、ギタリストのジェリー・レオナード(Gerry Leonard)を伴って登場。マイクスタンドの高さから想像はついていたけど、スザンヌって背低いね。160センチぐらいしかないんじゃないかな。25年の間、CDのジャケとかで見慣れた顔はもちろん年齢相応に貫録がついていたけど、なんだかものすごく懐かしい。

「ファーストセットに来ていた人はいる?」というのが最初のことば。「誰もいないの? ひとり?ふたり?」と、パラパラと手を挙げた観客席を見渡しながら喋る。ジェリーが「僕はいたよ」と言うと、「ああ、そうね、あなたのことは見たと思う」と、ちょっとくすっとさせる。

1曲目は、デビューアルバムから「Marlene On The Wall」。僕が今に至るまでファーストを持っていないのは、持っている2種のベストアルバムにそこからほとんどの代表曲が収録されているから。もちろん、彼女の代表曲のひとつと言えるこの曲も。それにしても、デビューの頃から声ほとんど変わらないね。

「When Heroes Go Down」に続けて、最近のセルフ・カバー集『Close-Up』シリーズの紹介をしながら次の曲へ。「Vol 1はラヴソングばかりが入っていて、Vol 2はピープル&プレイセズというタイトル。「Luka」とか「Tom's Diner」はこれに入ってるの。最近出たVol 3には変な曲ばかりが入ってるから、もし変な曲が聴きたかったらそれを買えばいいし、そもそも変な曲なんて聴きたくなければ私のCDなんて買わなければいい」みたいなこと言ってたっけ。「次はラヴソングを演るね」と始めたのが「Small Blue Thing」。

そんな風に、各曲の頭でかなり詳しく曲の説明をしてくれる。あんなに早口で沢山しゃべって、日本のお客さんが全部理解しているかどうか心配じゃないんだろうかと思うけど、時折交えるジョークがそれほど笑いを誘わなくても気にしていない風だったね。わかってくれる人だけわかればいいみたいな感じで。

次の「Caramel」を演奏するのを聴いて、きっと今日のライヴはベストアルバム風に昔の代表曲ばかり演るんだろうなと思ったけど、それに続けて演奏したのは、07年の(オリジナルとしては今のところ最新となる)『Beauty & Crime』からの「Frank & Ava」。「フランク・シナトラの結婚と離婚という壮大なテーマを3分間にまとめた曲」と紹介してたね。

「次の曲は、私が初めて書いたラヴソング。17か18歳のときに山にキャンプに行って、子供たちにフォークソングを教えていたときに、リヴァプールから来て一緒に子供たちを教えていた男の人のこと。キャンプが終わって彼がイングランドに戻り、私がニューヨークに戻らないといけなかったときにこの曲を書いて彼に贈ったの」と説明(最後のオチがちゃんと聞き取れなかった。ふられたみたいなこと言ってたかな)。

というイントロに続けて、この夜初めてジェリーのエレキギター抜きで演奏されたのが、「Gypsy」。僕にとっては、「Luka」よりも「Tom's Diner」よりも、彼女の曲の中でいちばん好きな曲だ。まるで夕日が当たっているようなオレンジ色のスポットライトを受けて一人で歌うスザンヌの姿は感動的ですらあった。この曲が聴けてよかった。この夜の僕のハイライトがこの瞬間。

ここから3曲が、彼女が最近なにかの劇のために書いたという新曲のコーナー。ジェリーの演奏に合わせて、自分はギターを弾かずに、身振り手振りを交えながら歌ってたね。始まって数曲の間は昔からのファン向けの懐古趣味全開なお決まりのセットリストなのかなと思っていたけど(最近出しているのも『Close-Up』シリーズなんてセルフカバー集だし)、でもこのあたりまで来てこういうのを聴くと、彼女は今でもかなり意欲的に現役意識を持って曲を作り、歌っているんだなとよくわかる。

「スザンヌ・ヴェガの世界に戻るよ」と、『Nine Objects Of Desire』から「Tombstone」。昔買っていた猫が死んだときに、小さな船に乗せて川に流し、火をつけて火葬にしたという思い出話につづけて、自分はちゃんと立派な墓石を立ててほしいな、そしたら皆たずねてきてくれるし、ベンチも置いて、なんて話してたね。

ジェリーのギターワークについて。ずらりと並んだエフェクターは伊達じゃなかった。「Tombstone」では最初に弾いた自分のフレーズをループさせて別のフレーズをかぶせたり、次の「Blood Makes Noise」ではピックを弦をこれでもかというほどこすりつけ、あの曲のガリゴリとした音をきちんと再現していた。残念ながら僕の座った位置のせいで彼のギターの音がアンプから直接耳に届いてしまい、時々スザンヌのヴォーカルが聞こえないなんてこともあったけど、曲によってはそれでもいいと思えるほど器用にテクニカルなプレイをするギタリストだった。近くで観られてよかった。

『Close-Up Vol 2』に収録された当時の新曲「The Man Who Played God」の紹介、「この曲はデンジャーマウスと一緒に作ったの。マーク・リンカスに捧げます」と言って演奏を始めた。『Vol 2』のライナーによると、デンジャーマウスとマーク・リンカスのプロジェクトにスザンヌが呼ばれて作った曲なんだね。

「The Queen & The Soldier」(これも個人的には待望だったので嬉しかった)、「Some Journey」と、またファーストアルバムからの曲を続けた後、いよいよフィナーレへ。「フェイスブックで友達申請してね。そしたら5月に出る『Close-Up』の4枚目のこととかすぐわかるし」とか話して、そろそろこれが出るだろうと思っていた「Luka」が登場。さらに贅沢にも「Tom's Diner」に続ける。オリジナルでなく、もはやこっちの方が有名な『Tom's Album』ヴァージョン。ここでもジェリーのループを交えたテクニカルなプレイが炸裂。

一旦ステージを降り、アンコールに応えて二人で再登場。このときステージ後ろのカーテンが開き、降りしきる雪景色が見えてびっくり。もう結構積もってるよ。スザンヌは「Rosemary」を歌って、「サンキュー」と言ってまた引っ込んでしまった。あれ?僕の位置から見えるジェリーのセットリストにはアンコール3曲載ってるのに(曲名までは見ないようにしていたけど、何行書いてあるかぐらいはわかる)。開始から押してたからかな。

と思いきや、これからサイン会があるという。僕はそんなの予測もしてなかったので、CDも何も持ってこなかったよ。しょうがないので売店に行って唯一僕の持っていない『Close-Up Vol 3』を買ってくる(これをまだ買っていなかったのは、どうせ『Vol 1 & 2』みたいに日本盤が『Vol 4』とセットにして発売されるだろうと思ってたから)。

長蛇の列に並んで売店でようやくCDを入手し、また下の階に降りてサイン会の列に並ぶ。いったい何十人並んでるんだろうと思うほどの長い列。観客席の端から端まで、更に階段を上がったところまで続いてるよ。

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30分ほど並んでようやく自分の順が回ってきた。ちょっと話しかけたけど、もうあからさまに疲れの見えるスザンヌ。そりゃそうだよね。1時間以上ライヴ演って、その後すぐに30分以上もサインし続けてるんだから。なんか、サインと一緒に自分の名前も書いてとか言うのも気の毒になり、すぐその場を離れた。

これってどうなんだろうね。そりゃサイン会はそれなりに嬉しいけど、僕としてはサイン会なんてやめにして、セットリストに載っていた残り2曲を演奏してくれた方がよっぽど嬉しかった。少なくとも、あんなに疲れた顔をして、それでも健気にファンに微笑みながら受け答えをするスザンヌを見てるのがちょっと辛かった(ならサインもらわずに帰れよと、今となっては自分でも少し思う)。

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ステージに置いてあったセットリストの写真。終演後、一緒に観ていた友達がこれをもらって、スザンヌにサインしてもらってた。うらやましいけど、僕はとにかくCDの形をしたもの以外の整理能力がないので、こういう紙っぺらは確実にどこかに紛れ込んでしまうんだよね。なので上のCDで十分。

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長かったサイン会のおかげで、晩ごはんをちゃんと食べて帰る時間がなくなってしまった。なのでこの日の晩ごはんは開演前につまんでいたフライドポテトだけ。ほとんど終電間際の電車でたどり着いた駅からの帰り道、つるつる滑る雪道が楽しかったのが、この日最後のハイライトだった。


Setlist 23 January 2012 @ Billboard Live Tokyo

1. Marlene On The Wall
2. When Heroes Go Down
3. Small Blue Thing
4. Caramel
5. Frank & Ava
6. Gypsy
7. New York Is My Destination
8. Anne Marie
9. Harper Lee
10. Tombstone
11. Blood Makes Noise
12. The Man Who Played God
13. The Queen & The Soldier
14. Some Journey
15. Luka
16. Tom's Diner

[Encore]
1. Rosemary


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2012年01月22日

Fleet Foxes live in Tokyo

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この冬初めて東京に雪が降った日。木枯らしの中を新木場駅からスタジオコーストに向かう。雪のせいか何かのトラブルのせいか電車が遅れてしまったんだけど、どっちみちそんなにいい整理番号じゃないから、ちょっと遅れて会場に着いたらちょうど入場するぐらいの時間にあたるだろうと思っていたら、橋の上あたりから見えてきたコーストの入口付近にはほとんど人がいない。いったいどういうことだ。

急ぎ足で入口にたどり着いたら、そのまま待たずに入場。開場からわずか30分ほどで(僕の整理番号だった)500人以上がもう入場済みということ? 不審に思いながら場内へ。先日のベイルート公演で数時間立ちっぱなしでかなり腰にきていた僕は二階の座席に直行しようと思っていたら、なんと二階席は締め切り。

一階の階段部分やもたれられる壁はもう人で埋まっているから、そのまま前の方へ。ステージ左側、前から数人目という、かなりかぶりつきに近い場所で観ることにした。こんなに大きな会場でこんなに前で観るライヴも久しぶりだ。もともと二階席でまったり観るつもりでいたから、予想しなかった臨場感に期待が高まる。この際、腰のことは一旦忘れて楽しもう。

友達に場所を確保してもらってドリンクを取りにいくと、なんと並ばずにゲット。僕はこの会場で飲み物を無事に手に入れられたのは初めてだよ。いつも(開演前も終演後も)長蛇の列で諦めざるを得ないからね。もしかしたら主催者が想定したほどチケットが売れてないのかもしれないけど、いつもこの会場に文句ばっかり言ってる僕にとっては嬉しい展開が続く。

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ステージの背景にはボスポラス海峡に浮かぶ舟の絵。開演前に流れていた音楽は民族音楽風で、どこか2日前のベイルートと東欧趣味が重なる。と思いきや、突然ヴェルヴェット・アンダーグラウンドがかかったりもする。一筋縄ではいかないね。

開演時間を10分ほど過ぎた頃、メンバーがぞろぞろと登場。背景の絵が消え、降りしきる雪の画像に変わる。この日の天気に合わせたわけではないだろうけど、彼らの音楽によく合ってるね。ライティングが暗いので誰の表情もよく見えない。僕の観ている左側から、キーボードのケイシー・ウェスコット、ベースのクリスティアン・ワーゴ、ヴォーカルとギターのロビン・ペックノルド、ドラムスのジョシュ・ティルマン、ギターのスカイラー・シェルセット、アップライト・ベースのモーガン・アンダーソンの6人。

最初の曲はその楽器編成で始めたものの、みんな相当なマルチ・プレイヤーだ(特にモーガン)。上に書いた楽器以外に、ケイシーはキーボード/マンドリン/テルミン、クリスティアンはエレキギター、ジョシュはタンバリン、スカイラーもマンドリン、モーガンに至ってはギター/フルート/サックス/タンバリンと、弦楽器/管楽器/打楽器全部こなしていた。この人僕の位置からはいちばん遠かったのでちょっと表情までは見えづらかったんだけど、びっしり生えた髭がマット・ジ・エレクトリシャンみたい。ああいう髭を生やすとマルチ奏者になれるのか?

アルバムで聴いていたとおり、やはりコーラスが素晴らしい。リード・ヴォーカルのロビンに合わせて常にコーラスをつけるのはベースのクリスティアンとドラムスのジョシュ(最初、ドラマーが彼だということを忘れていて「へぇ、ドラマーがコーラス入れるんだ」なんて思ったけど、よく考えたら彼はもう何枚も自分のヴォーカル入りのアルバムを作ってるんだもんね)。たまにケイシーも入って四声のコーラス、モーガンがコーラスを入れる曲もあったけど、スカイラーの前にだけはヴォーカルマイクが立ててなかったね。歌下手なのかな。クイーンでいうジョン・ディーコンの立場か?

何曲かはメドレーのように曲間なく演奏したりしていたが、それ以外は1曲1曲終えるたびに実にゆっくりと時間を取って調弦したり喉を潤したりしていた。ロビンはほとんどMCらしいこともせず、もうほぼ「サンキュー」ぐらいしか喋らないので、あの曲間の間(ま)がやたらと長かった気がする。どんなに盛り上がった曲でも、演奏後にそうやって1分ぐらいの間があるんで、ライヴの流れがそのたびに断絶されてしまったのがちょっと残念。

ちょっとした不満があったとすると、それだけ。あとは、さっきも書いた極上のハーモニーと常に安心して聴いていられる盤石の演奏。背景の雪の画像に重なる雪山やレトロな味わいの幾何学模様も彼らの音の世界にすっと入り込む手助けをしていた。比較的ステージ近くで観られたということもあり、どっぷりと至福の時間に浸れる。

僕の位置からよく見えた長髪のクリスティアンの容姿のせいか、途中何度か(70年代の)ピンク・フロイドを観ているような錯覚に陥った。そういえば、フリート・フォクシーズの曲のメロディーって、神秘以降狂気以前のピンク・フロイドっぽかったり、ときにはアメリカ(バンド名)っぽかったりするね。いずれにせよ70年代前半の匂いがぷんぷんする(以前書いた記事では、ファーストのジャケにひっかけて、1550年代っぽいなんて書いたけど)。

コンサート前半は昨年出たセカンドアルバム『Helplessness Blues』からの曲を続け(2曲目でいきなりEP『Sun Giant』から僕の好きな「Mykonos」を演ってくれたのが嬉しかった)、中盤でファーストからの数曲を挟み、後半はまた『Helplessness Blues』の後半をそのままの曲順で、という構成。彼らの代表曲の一つである「White Winter Hymnal」はいきなりアカペラで始まるアルバム・ヴァージョンにギターのイントロが付け加えられていたけど、その他の曲はほとんどスタジオ・ヴァージョン通りのアレンジだったと思う。

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Fleet Foxes 『Helplessness Blues』

本編終了まで1時間15分程度。その後アンコールに応えてロビンが一人で出てきて、「この曲はリクエストされたんだ」と僕の知らない曲を弾き語り(あとで調べてみたら、新曲らしい さらに調べてみたら「Katie Cruel」というトラッドなフォークソングらしい)。さらに弾き語りで「Oliver James」を歌った後、バンドメンバーが全員登場して数曲。けっこう長いアンコールだった。本編〜アンコールで全部で2時間近く演っていたと思う(ただし、曲間の沈黙を全部寄せ集めると10分以上にはなったかも)。

ロビンの数少ないMC(そのほとんどは感謝の言葉だった)のうち、「今日の東京でのライヴが今回のツアーの最終日なんだ」というのがあったけど、アンコールの最後はそれを証明するかのように全員で体力と気力を振り絞った演奏。終了後、ジョシュが自分のドラムキットからシンバルを外し、お客さんにあげていた。なんでそんなことまでするんだろう。お客さんも、あんなのどうやって持って帰るんだ?

僕は帰り道に友達に聞いたんだけど、この日のライヴの数日前にジョシュがフリート・フォクシーズ脱退を表明していたらしい。ソロに専念するんだって。なんてこった。それがあってのあの最後の力ずくの演奏とシンバル進呈だったのか。そのうえ、調べてみたら、ベースのクリスティアンとキーボードのケイシーがプア・ムーン(Poor Moon)という別バンドを作ってサブポップと契約、フリート・フォクシーズ自身はサブポップとの契約は切れてしまったそうだ。なんてこった。このまま解散とかいうんじゃないだろうな。

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そう思うと、終演後に降りしきる雪の画像の上に投影されたこの謝辞が、彼らからのお別れの言葉みたいに見えてくるよ。おい頼むよ、解散なんてしないでくれよ。こんなにいいライヴを見せる息の合ったバンド、あまりにももったいないよ。


Setlist 20 January 2012 @ Studio Coast

1. The Plains / Bitter Dancer
2. Mykonos
3. Battery Kinzie
4. Bedouin Dress
5. Sim Sala Bim
6. Your Protector
7. White Winter Hymnal
8. Ragged Wood
9. Montezuma
10. He Doesn't Know Why
11. English House
12. The Shrine / An Argument
13. Blue Spotted Tail
14. Grown Ocean

[Encore]
1. Katie Cruel
2. Oliver James
3. Sun It Rises
4. Blue Ridge Mountains
5.Helplessness Blues

(曲目訂正しました)
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2012年01月20日

Beirut live in Tokyo

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何故あんなに人気があるのかわからない。

いや、自分が好きで行ったコンサートの感想がいきなりそれじゃ身も蓋もないけど、この「何故」はもちろん「人気がある」ではなく「あんなに」にかけたつもりだ。

最初のCD『Gulag Orkestar』が確か06年発売だから、もうキャリアは足かけ6年にもなるし、オリジナル・アルバム3枚以外にも結構内容の濃そうな(僕は持ってないので)EPも何枚か出ているようだから、今回の初来日は昔からのファンにとってはそりゃ“待望の”という感じなのかもしれない。

でも、07年の『The Flying Club Cup』を、NZから日本に引っ越してくる前日に買って、そのいにしえの東欧風味みたいなエキゾチックな音を気に入って以来、さかのぼってファースト、去年のサードと、アルバムはきちんと買ってはいるものの、どうも一曲一曲をよく覚えられないという程度のにわかファンである僕にとっては、今回のこの来日フィーバー(死語)には違和感を覚えてならなかった。

Gulag Orkestar.jpg Beirut 『Gulag Orkestar』
The Flying Club Cup.jpg Beirut 『The Flying Club Cup』
The Rip Tide.jpg Beirut 『The Rip Tide』


あの音のどこにそれだけのファンを惹きつけるだけの要素があるんだろう。アルバムごとに少しずつ違う、どこか訪れたこともない異国の楽団が奏でているような不思議な音楽はすごく魅力的ではあるし、フロントマンのザック・コンドン(Zach Condon)の粋なクルーナー・ヴォイスとちょっとぽっちゃり可愛いその見かけは女性ファンが多いのもうなずけはする。

だけど、一般的な意味では全然ポップではないよね、あの音は。あれなら、同傾向(だと僕は思う)ファンファーロとかレジャー・ソサエティとかの方がよほど一般受けするような気がするんだけど。僕の耳がもう「一般的」というようなところから遠く離れてしまっているんだろうか。

東京公演のチケットは発売後すぐに完売。確か追加公演もとっくに売り切れてたはず。最初はオープニング・アクトのトクマルシューゴ人気なのかと思ったけど、トクマルが出番を終えたときにどっと前に押し掛けたファンの数をみるとどうやらそれだけでもなさそうだ。

チケットに載っていた番号自体は若かったんだけど、招聘元から直接チケットを買ったファンが数百人いたおかげで、手を抜いてイープラスで入手した僕が場内に入れたときにはもうろくなスペースは残っていなかった。しかたがないので一段高くなった壁際に友達と一緒に陣取る。テーブルがあるからカバンや飲み物も置けるので便利。ステージの半分は死角になって見えないけど。


開演時間を少し回ったところでトクマルシューゴがバンドと共に登場。僕は今のところの最新アルバム『Port Entropy』しか持ってないけど、半分ジャケにつられて買ったそのアルバムは結構気に入ってたから、実は今回かなり楽しみにしていた。いったいどんなライヴになるんだろう。

もっと箱庭ポップみたいな感じの音かと思っていたら、予想以上にしっかりしたバンドの音。曲によってはなんだか“ロック”って感じ。なんだかよくわからない例えかもしれないけど。たくさんいたバンドメンバーのうち、僕の位置からは半数ぐらいしか見えなかったけど、女性メンバーがおもちゃの笛みたいなのやらグルグル回して音を鳴らす楽器やらをとっかえひっかえしながら演奏していたのが観てて微笑ましかった。最後のメンバー紹介のときも、ドラマー以外全員を「いろんな楽器、誰々(メンバー名)」って紹介してたね。

知らない曲が多かったのでセットリストは書けないけど、途中で一曲ベイルートのアコーディオン奏者を呼び出して共演したり(トクマルのアメリカツアーのときに一緒に回ってたらしい)、バグルスの「Video Killed The Radio Star」のカバーをウクレレで演ったり、今制作中だというニューアルバムからの曲を披露したりと、全10曲40分程度の充実した内容だった。一番最後に僕の好きな「Rum Hee」を演ったのが嬉しかったな。

Port Entropy.jpg Shugo Tokumaru 『Port Entropy』


大所帯のトクマルシューゴバンドの機材を全部入れ替え(僕から見えなかったドラムキットだけはそのままだったのかな)、マイクやら楽器やらを並べるのに相当な時間をかけて、ベイルートがステージに登場したのはそれから40分後ぐらいだったろうか。大歓声。すごいや。

さっき書いたとおり、トクマルシューゴが終わった時点で後ろの方から客がどんどん前に押し寄せ、一段高い壁際にいた僕の前方にも次々に人が入ってくる。そんなに背の高い人はいなかったけど、もうすでに僕の位置からはステージなどほとんど見えない。しょうがないので観るのは半分諦め、音を聴くことに集中しよう。

最初の一音が鳴った瞬間にまたウォーッと大歓声(女性ファンが多かったはずなのに、何故か野太い声がよく響いた)。ザックが歌い始めてまたウォーッ。すごいねえ。ステージが見えなくてふてくされ気味の僕は逆にちょっと醒めてしまう。アイドルかよ。

でも、そんな状態の僕でも、あっという間に引き込まれてしまう。音すごいよ、これ。ザックと隣の背の低いメンバー(さっきからメンバー名調べるのが面倒で横着してます)のトランペットのアンサンブルがど迫力。反対側(僕からよく見えるステージ左側)のアコーディオン、さらにオルガンがかぶさり、そこにザックのゴージャスなクルーナー・ヴォイスが入ると、化学反応を起こしたようにオーガニックな音になる。

ベースはアップライト(曲によってはエレキベースのときも)。僕の位置からは見えないドラムと一緒に、ずいぶんしっかりした、ときにはかなり複雑なリズムを刻む。このリズム隊のおかげで、ファーストやセカンドのエキゾチックな曲の数々が、それらのイメージはそのままに、洗練された最新アルバムをさらに力強くしたようなアレンジで演奏されていたのがずいぶんと印象的だった。

それにしても演奏うまかったよなあ。特に凄技を見せるわけじゃないけど、安心して聴いていられる手慣れた音。まるで、ほんとうにジプシーの楽団が演奏するのを聴いているみたいな錯覚に陥ることも数度。ステージがよく見えないことが逆に音を聴いていろんなイメージを膨らませるのに一役買ったのかも。

ときどき人の頭と頭の間から見えたザックは、くしゃくしゃの髪の毛にぽっちゃり色白の愛嬌のある感じのお兄ちゃん。ちょっと雰囲気グレン・ティルブルックに似てる? 高揚して鼻の頭あたりが赤くなってるのがかわいいね。腕まくりしたシャツがずり落ちてくるのか、しきりに右手を高くあげて、まるでニール・ダイアモンドのジャズ・シンガーみたいなポーズを何度も取る(そんなこと言っても今の人はわからないか)。

途中でトランペットの兄ちゃんに「ザックは日本語でジョークが言えるんだよ」とか無茶振りされて、カンペを取り出して「日本に来て、みなさんの前で演奏できて、夢のようです」と普通に挨拶するザック。そういえばトクマルパートに出てきたアコーディオンの兄ちゃんもカンペ出して「シューゴのバンドと一緒に演奏できてうれしいです」って言ってたね。ほほえましいぞ。

聴いたことはあるけれど曲名がわからないのが次から次へと。ときどき知らない曲が出てきたから、きっと僕の持ってないEPからの曲かなと思ってたら、ネットで見つけたセットリストによると確かにそうだった。3枚のアルバムからも、オープニングとか印象的な曲ばかりでなく、アルバム中盤とか後ろの方の地味な曲ばかり演るから、余計にわからない。まあ、曲順覚えるのなんてはなから諦めてるから別にいいんだけどね。どの曲も聴いててすごく気持ちいいし。

最新アルバムから、これだけはリアルタイムで曲名がわかった「Santa Fe」で幕。早っ。まだ1時間も経ってないよ。さっきのトクマルシューゴと同じぐらいの尺かも。

壮絶な勢いのアンコールの拍手に迎えられてまずザックが一人で出てきて、ウクレレで一曲弾き語り。続いてバンドメンバーが登場し、アンコールを続ける。「もう一曲?」とザックが言って最後のインスト曲で終了。そこまで入れても1時間ちょっとだったかな。まあ確かに、あれだけの勢いでトランペット吹きまくって、ウクレレも弾いて歌ってたら、これ以上続けたらぶっ倒れてたかも。というぐらい全力投球のステージだった。うん、満足。

これだけべた褒めした後でも、やっぱりどうしてあの音があれだけのポピュラリティを得られるのかはちょっと不思議。僕の聴き込みが足りないのかな。よし、ちゃんと曲名と歌詞覚えるまで何度も聴き込もう。それからEPも入手して、何年後かにもう少し人気が衰えた頃にまた来日してもらって、もっと小さいハコで少ない人数で、かぶりつきで観たいものだ。


Setlist 18 January 2012 @ Shibuya Quattro

1. Scenic World
2. The Shrew
3. Elephant Gun
4. Vagabond
5. Postcards From Italy
6. East Harlem
7. A Sunday Smile
8. Mount Wroclai (Idle Days)
9. Nantes
10. The Akara
11. Cherbourg
12. After The Curtain
13. Santa Fe

[Encore]
1. The Penalty
2. My Night With The Prostitute From Marseille
3. The Gulag Orkestar
4. Cozak
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2012年01月08日

Matthew Sweet live in Tokyo

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2年ほど前にスザンナ・ホフスと一緒に来たのを観たマシュー・スウィートが、またあのときと同じビルボードライブで、91年のアルバム『Girlfriend』全曲演奏という企画で再来日。例によって2日間4公演だけど、たぶんそういう企画ならすべての回で同じ内容だろうから、2日目のファーストセットだけに行くことにした。

この会場では、特にエレクトリック・セットのときは一番前に座るべからずというのをすっかり忘れて、入場時に係員が「本日のライヴは相当音が大きいので少し後ろの席がよろしいのでは」とせっかく助言してくれたのを無視して最前列やや左に陣取る。結果的には、音の大きさは別に問題なかったんだよ、あちこちのライヴハウスでスピーカーの真ん前に立って聴くことは何度もあるから。ただ、音のバランスが最悪。前にここでメイヤー・ホウソーンを観たときに書いたように、自分の席の正面にあるアンプの音が直接聞こえてくるから、マシューのヴォーカルとか僕の席からは遠かったベースの音がほとんど聞こえない。

ステージは右から順にベースのポール・チャスティン、マシュー、ギターのデニス・テイラー、マシューの真後ろにドラムスのリック・メンク。ポールとデニスは前回も一緒に来てギターを弾いてたね。リックとポールはマシューのアルバムではいつもお馴染みの、ヴェルヴェット・クラッシュのメンバー。この中ではリックだけが『Girlfriend』制作に関わってる。

マシューが弾いてるギターは緑色のボディーに金色っぽいピックガードのついた、ちょっと変わった形。ネットで拾ってきた上の写真でも弾いてるやつ。あれどこのメーカーのなんていうギターなんだろう。デニスはずっと白いストラトで、途中1曲だけ(どの曲だっけ)白いテレキャスターに持ち替えてた。ポールは赤いギブソンSGベース。

ライヴは予定どおり「Divine Intervention」からスタート。たしかに音大きい。この会場でこれだけの音量のライヴを観たのは初めてかも。それだけに、やっぱりちゃんと立って体揺すりながら観たいなと思ってしまう。ビール飲みながら観られるのはありがたいけれど。

「昨日来たファンから、アルバムの曲順通り演るとは思わなかったと言われたけど、今日のライヴはアルバム通りだから。では、2曲目」と言って、「I've Been Waiting」へ。そこから先は、曲間でときどきポールと何やらぼそぼそ話す以外はほとんどMCもなく黙々と続いていく。途中、どの曲のときだったかな、「皆そこにいる?」って聞いてきたね。やっぱり日本の客は静かだと思ってたんだろうね。まあ会場も会場だし。

マシューの最高傑作と言われる『Girlfriend』だけど、実は僕にとってはいまいち馴染みが薄いアルバムだということは白状しておこう。アルバムとしては自分がリアルタイムで聴き始めた95年の『100% Fan』の方がずっと好きだし、99年の『In Reverse』こそが最高傑作だと思っている。

『Girlfriend』って、最初の方に名曲がどかどか入ってるわりに、後半の印象がちょっと薄いんだよね。アルバム6曲目「Evangeline」の後にレコード盤上を針が滑る音が入っていてそこでA面が終わるのがわかるんだけど、そこから先がやたら長くて(日本盤だと最後にボートラも入ってるから)、なんだか最初の完璧な6曲とそれ以外の12曲、みたいな印象があるんだ。ちゃんと聴けば後半にもいい曲も多いのは知ってるんだけどね。

アルバムだとB面4曲目にあたる「I Wanted To Tell You」とB面5曲目「Don't Go」だけ何故か曲名を言ってから演奏。次の「Your Sweet Voice」を終えて、「ここからはボーナストラックが3曲」と説明して「Does She Talk?」へ。その次の「Holy War」は、「これは僕の反戦歌だ」と、初めて歌詞の説明をしたね。

アルバム最終曲「Nothing Lasts」を終え、「これでおしまい。また日本に来たいよ。こないだニューアルバム『Modern Art』を出したから、今度はそのアルバムからも演奏したいし」とマシュー。それが本音だろうね、せっかくの新譜をプロモートできないなんて。僕も本当は、こういうアルバム一枚を通して演奏なんてサプライズのない企画よりも、普通のライヴを(できれば普通のライヴハウスで)観てみたいよ。

「最後に1曲だけ追加で演ろう」というから、実は僕はそれほど気に入っていない『Modern Art』からかなと思っていたら、「『100% Fun』からの曲だ。“Sick Of Myself”」というからもう個人的には狂喜乱舞(ビルボードなので座ったままだけど)。アルバムでもエンディング部分を数回繰り返すところを、それ以上にしつこく何度も何度も繰り返していたのが嬉しかった。繰り返しに入る箇所のリックのスネア、超かっこいいよね。デニスも、リチャード・ロイドのあの特徴あるギターソロを完璧に再現していたし。せっかくのアルバム再現企画に泥を塗るようなことを言わせてもらうけど、この曲が僕のこの日のハイライトだった。

お相撲さんが普段どうして着物を着ているのかが逆説的によくわかったTシャツ姿(あの乳首くっきり胸ゆさゆさは正視に耐え難いよ)とか、一曲終わるごとにコーラがぶ飲みとか、きっとこの人長生きしないんだろうなと思える不摂生さも垣間見せてくれた1時間半。せいぜい元気に動けるうちに(とか言ってこの人僕とほぼ同い年なんだけどね)一枚でも多くアルバムを作って、来日してほしいよ。


Setlist 7 January 2012 @ Billboard Live Tokyo

1. Divine Intervention
2. I've Been Waiting
3. Girlfriend
4. Looking At The Sun
5. Winona
6. Evangeline
7. Day For Night
8. Thought I Knew You
9. You Don't Love Me
10. I Wanted To Tell You
11. Don't Go
12. Your Sweet Voice
13. Does She Talk?
14. Holy War
15. Nothing Lasts
16. Sick Of Myself
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2012年01月07日

David Myhr live in Osaka

The English translation follows the Japanese text.

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年末最後の記事をアップしてすぐに大阪に帰省。本当は年明け5日から仕事始めだったんだけど、東京に戻るフライトが5日まで取れなかったので、顰蹙を買うのは覚悟のうえで、どうせ年末余ることになる有休を1日使うことにした。

1月4日までフルに大阪に居られるということは、その晩に行われるライヴに行けるようになったということだ。東京公演は翌週11日だったんだけど、アメリカ出張が入ってしまっているので見送らざるを得ないと思っていたのが、思わぬところで観られることになった。予想外の今年初ライヴ。どうやら年を越しても僕の音楽の神様はこのあたりをうろうろされているようだ。

僕が関東で観たいくつかのアーティストの大阪公演の場として名前は頻繁に見かけていたClub Wonder、ずいぶん老舗のハコらしいけど僕は今回が初めて。心斎橋、というよりむしろ長堀橋に近い雑居ビルの7階にある、おそらく普段はバーとして営業しているのであろう、こじんまりとしたスペース。よくおとぎ話に全部お菓子でできた家が出てきたりするけど、さしずめここは全部がパワーポップでできた家といったところ。ものすごく素敵な場所だった。もし僕が大阪に住んでいたなら、きっとここに入り浸ってしまっていることだろう。

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開場時刻ちょうどに中に入った客は僕一人。その後、開演30分前になっても客はたったの3人しかおらず、いくらあまり知名度のないアーティストの年明け早々のライヴとはいえ、これは悲惨なことになるかなと思っていたら、開演時間間際になってようやくみんな集まってきた。ああよかった。最終的に全部で20人ぐらいはいたかな。

開演間際にどやどやと入ってきたお客さんにまじって、見慣れたスキンヘッドの外人が一名。北欧人だからてっきりもっと巨漢だと思っていたけど、実際の身長は僕とそう変わらない、ずんぐりした体形のデイヴィッド・ミーア(さてここでちょっと長めの注釈を。ただでさえ読みにくい彼のファミリーネームMYHRを、日本盤CDではマイアーと表記しているけれど、ライヴ中に彼自身が自分の名前を発音しているのを聞くと、どうもそうは聞こえない。ライヴ後に訊いてみたら、「スウェーデン語の発音だとミーエル(最後強い巻き舌)、英語だとミーアかな」とのことだったので、ひねくれたうちのブログでは、デヴィッド・マイアーでなくデイヴィッド・ミーアと表記させていただく。そんなことしてるからアクセス増えないんだけどね)。

さて、ここからは途中休憩を挟んでたっぷり2時間越えのライヴについて、いつものように覚えていることを洗いざらい書いていく。11日の東京公演はパワーポップ・アカデミーの一環だから大阪とは違った内容になるらしいけど、11日に下北沢に行く予定でネタバレを嫌う人は、ここから先は12日以降に読んでね。


アクースティック・ライヴだと聞いていたけど、上の写真にあるように、左からギブソンのレスポール、ヤマハのアコギ、ノードのキーボード、さらに後ろにはマックブックが置いてあって、これは単なるギター弾き語りではないなとすぐにわかる。開演予定時刻の7時半を5分ほど回ったところで、場内後ろの方で歓談していたデイヴィッドが観客をかき分けてステージへ。まずはアコギを肩にかけて、新作『Soundshine』からの「Don't Say No」でスタート。

一番前で聴いていたからというのもあるかもしれないけれど、CDで聴くよりもずっと声の強い人だ。メリーメイカーズが解散してからの活動を僕はよく知らないけど、相当ライヴで歌い込んでるんだろうね。あのちょっと特徴のある声が耳にビンビン響いてくる。あの小さなスペースなら、彼ならマイクなしでも十分いけたんじゃないかな。

「新しいアルバムが出たばかりだけど、今日は新曲と古いのを織り交ぜて演るよ。じゃあ次はメリーメイカーズの曲で、“Troubled Times”」と続ける。自分でもネイティヴ・ランゲージでない英語だからか、それとも日本人相手に話すのが慣れているからか、わかりやすくゆっくり話してくれる。それぞれの曲の紹介だけでなく、歌い終わってからも「今の曲はね」と歌詞の背景なんかをしっかり説明してくれるから、あまりよく覚えていなかった曲でもしっかり頭に残る。自分の曲を大事にしているんだなあというのがよくわかるね。

3曲目はパフィーに書いた曲のセルフカバーらしい「You Stole My Heart Away」。日本盤CDのボートラは2曲ともパフィーに提供した曲のセルフカバーで、PowerPop Academyのブログによると、この曲は最終的に日本盤からオミットされたとのこと。僕はパフィーの曲なんてそれこそ「アジアの純真」ぐらいしか知らないけど、こんなにたくさんデイヴィッドから曲提供されてるんだね(調べてみたら、アンディ・スターマーの曲もたくさんシングルカットされていた)。

キーボードに移り、再び新作から「I Love The Feeling」。これいい曲だよね。さらに続けて「これはヨーロッパ盤のアルバムだと最後の曲(と、デジパックの欧州盤を見せながら)。長い曲だけど聴いてね」と説明しながら、「Ride Along」を。途中のフルートソロは、キーボードの上に置いてあった赤いプラスティックのカズーで代用。「この楽器を知ってる?カズーっていうんだよ。カズ(Club Wonderの東さん)と同じ名前だね」とデイヴィッド。

だめだ、全曲分書いてるときりがない。ちょっとずつ端折って書いていこう。アコギに戻ってからの2曲目「The One」を歌う前に、「この曲は妻のパウラに捧げる」と、客席後ろの方にいた奥さんのことを紹介。小柄でかわいい人だね。それにこの、激甘の歌詞。ライヴ終了後も仲のいいところをたっぷり見せつけてくれていたよ。

「グループを結成してこの曲を最初に書いたのはもう20年も前のことになるんだ」と言いながら歌い始めたのは、確か一番最初のシングル「Andrew's Store」。こんなのまで演るんだ。この曲を収録した日本編集盤のジャケがかつて一度だけこのブログに登場したのを覚えている人はいないだろう(だからどうってことはないんだけど)。

エレキギターに持ち替え、「Honky Tonk Women」とかのリフを弾きながら「これなーんだ?」とイントロ当てクイズ(笑)。「Enter Sandman」のときは「典型的なパワーポップ曲だ」とジョークも。で、実際に演奏したのは、メリーメイカーズ記念すべきファーストアルバムのオープニング「She's A Radio」。この曲好きだったなあ。ファーストの印象は、僕はヒットした「Monument Of Me」よりもこっち。

1曲挟んで、「次の曲は、デイヴィッド・ミーアに伴奏とコーラスを任せよう」と言って、マックブックを操作し始める。ハードディスクに多重録音してあった自分の演奏をバックに、新作からのシングル曲「Looking For A Life」。僕はどこかのサイトでこの曲を聴いて、即座にアルバムを買うことを決めた。これがたっぷり12曲演奏した前半最後の曲。

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David Myhr 『Soundshine』

メリーメイカーズのセカンドが確か97年発表だったから、それ以来14年振りとなる(はずの)デイヴィッド・ミーア初のソロアルバム。

記録によると、僕はメリーメイカーズ(The Merrymakers)のファーストを97年5月25日に買っている。そのCDの裏ジャケを見ると、日本盤が出たのは97年4月28日。何の情報を頼りにあのアルバムにたどり着いたのか今となっては思い出せないけど、とにかく僕はメリーメイカーズが日本に紹介された極初期から聴いていたことになる。さっき書いた編集盤も含めて、日本で出た3枚のCDはすべて持っている。だけど、正直言うと彼らはいつも僕の一番のお気に入りバンドというわけではなかった。アルバムを聴いていいなとは思うものの、それぞれの曲を覚えるまで聴きこんでこなかったのは、キャッチーでありながらあまりにもストレートなメロディーラインが若干物足りなかったからかもしれない。

だから、この新作が出たのを知ったときも、さっき書いた「Looking For A Life」を試聴してみるまで、僕は買おうかどうか相当躊躇してしまっていたのは事実。今日の記事の趣旨はアルバム紹介じゃないからもうこのぐらいにしておくけど、一言だけ書いておくと、今回のソロアルバムはメリーメイカーズのどのアルバムと比べても、一皮どころか何枚もの皮がむけたというほどの出来。およそパワーポップというジャンルの音楽が好きな人なら、有無を言わさず買いの一枚。


さて、ライヴは15分ほどの休憩を挟み、後半戦へ。キーボードで、新作オープニング「Never Mine」、僕のお気に入りの一曲でもある「Loveblind」と続け、メリーメイカーズ初期シングル曲「Magic Circles」へ。「このタイトルはビートルズから盗んだんだ。『Revolver』のワーキングタイトルがこれだったんだけど、彼らが『Revolver』を選んだから、僕は別のを使わせてもらったというわけ」とのこと。

アコギに持ち替え、僕が新作で一ニを争うほど好きな「Record Collection」。なんでこんなにいい曲がボートラ扱いなのかわからない。日本でどれだけヨーロッパ盤が流通しているのか知らないけど、この1曲のためだけに日本盤を買うのが正解というもの。「これは、自分の彼女とレコードの趣味が合わないために別れてしまうという曲なんだ」と紹介。

一旦歌い終わった後、「途中一か所歌詞を歌うの忘れた」と、その飛ばした歌詞の部分からまた歌い始め、律儀にそのままもう一度最後まで歌う。好きな曲だからこれはちょっと嬉しかったな。「この曲の中には有名な曲のタイトルがたくさん出てくるんだ。“Twist And Showt”だろ、“Good Vibrations”だろ、あとなんだっけ」と思い出せなさそうだったから、お客さんが口々に「My Generation!」とか「Fun Fun Fun!」とか(これは僕)覚えてるだけ挙げる。

「Cut To The Chase」も、さっきの「Looking For A Life」同様、ハードディスクに録音した自分の演奏をバックに歌う。どうもこういうキラキラ系の曲はやっぱりギター一本の演奏じゃ物足りない模様。

再度キーボードに移り、「この曲を一人で演奏しなけりゃいけないのは淋しいよ。バンドはどこ行ったんだ」とか言いながら、メリーメイカーズ随一のヒット曲「Monument Of Me」を。途中で観客にコーラスを要求。歌詞もない簡単なフレーズとはいえ、見たところ僕よりずっと若そうなお客さんみんなちゃんと歌う。よく知ってるね。リアルタイムじゃなくてもメリーメイカーズとかはパワーポップ好きなら必須科目なのかな。

観客席から“田中さん”という方が登場してキーボードとコーラスを担当したのはどの曲だっけ。「Icy Tracks」かな。コーラス部分の歌詞はカタカナでメモっていたようだけど、キーボードは上手かったね。どこかのバンドの人なのかな。演奏後、デイヴィッドとハグして客席へ戻る。

第二部最後のパートは、エレキギターで(これもパフィーに提供した)「Boom Boom Beat」と、ハードディスク演奏付きの「Got You Where He Wanted」で終了。そして、ステージを降りる間もなくアンコールの拍手。

「君たちはなんて優しいんだ。実はまだ演奏する曲があと24曲あるんだ」と笑わせ、「リクエストある?」とデイヴィッド。誰かが「Happy New Year!」とリクエスト。あとで調べたら、アバのカバーなんだね。フルコーラスは歌わなかったけど、きちんとリクエストに応え、「ほかにリクエストは?」と再度尋ねる。

リクエストはなかったので、「じゃあこれを演ろう。みんなも好きだろう、ジェリーフィッシュ」と言って、「Baby's Coming Back」で締める。デビュー当初から散々ジェリーフィッシュに例えられ(たぶんそれが僕が彼らのCDを買った理由)、セカンドアルバムではアンディ・スターマーをプロデューサーに迎えていたほどだから、当然このカバーもしっくりはまっていたよ。


第二部も12曲、アンコール2曲の合計26曲という大ボリューム。新作からもメリーメイカーズ時代の曲も目ぼしいのはほぼ全曲演奏したはず。大満足。デイヴィッドは、途中休憩のときから用意していた缶ビールをここで初めて開ける(それまではずっとミネラルウォーターを飲んでいた)。グレン某とかジム某とか(笑)、ライヴ中浴びるほどアルコールを摂取する人たちに慣れている目から見ると、それがとても新鮮だった。

終了後は、20名ほどのお客さんほぼ全員が居残って、写真&サイン&おしゃべりタイム。デイヴィッド自身が持ち込んだという、メリーメイカーズのセカンドアルバムのオーストラリア盤(日本盤とは違ったボートラ1曲入り。この曲はさっき演奏していたね。エミット・ローズのカバーらしい。そういえば、エミット・ローズが13年振りだかなんだかで新作を出すってそのときに言ってたな)のデッドストックがまたたく間に売り切れる。それにサインをもらう人たち。「このアルバムの数曲はアンディがプロデュースしたんだけど、ブックレットには写真を載せさせてくれなかったんだ」とデイヴィッドが話すのが聞こえた。

途中休憩と終演後に記憶していただけのセットリストをメモしたけど、全部は覚えきれなかったので、デイヴィッドに言って、彼のiPadに入っていたリストの写真を撮らせてもらう。

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多分、歌詞もここに入ってて、演奏中に見ていたんだろうと思う。これいいアイデアだよね。ライヴが終わった後に手書きのセットリストをもらうという楽しみは減ってしまうけど。


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デイヴィッドと乾杯の図。週末に東京でマシュー・スウィートのライヴに行くという話をしたら、彼もその予定だって。「どの日のどっちのステージ?」と聞くと、「金曜のセカンドだったはず。いや、土曜かな。ファーストステージだったかも」と相当あやふやな記憶(ごまかそうとしていたのか?)。奥さんのパウラからも「違うわよ、何言ってんの」とツッコミが入る。「もしかしたら君と同じ回かもしれない。そのときにまた会おう」と言ってくれる(いい加減・笑)。

最初に話したときに名前を聞かれたので「yas」と答えた。その後たくさんの人たちと話した後に僕のところに来てくれて、録画中の自分のiPodを向けながら「yas、今日のライヴはどうだった?」と逆インタビュー。とっさのことで「もちろん最高だったよ」とかそんなありふれた台詞しか言えなかったけど、そうやってちょっと聞いただけのお客さんの名前を憶えていてくれたり、ファンの言葉を自分のiPodに残しておこうとしたり、そういうところにちょっと感激。

ビールのおかわりを注文しにカウンターに行くと、東さんが「この店は初めてですか?」と話しかけてくれる。そこからしばし、よもやま話。ついでに、開演前にBGMでかかっていたCDを2枚ほど衝動買い。初対面の常連らしきお客さんもいろいろ話してくれる。なんか、あったかいね。ほんとにいい店。また次に大阪来たときにはライヴなくてもちょっと寄ってみようかな。


Setlist 4 January 2012 @ Osaka Club Wonder

1. Don't Say No
2. Troubled Times
3. You Stole My Heart Away
4. I Love The Feeling
5. Ride Along
6. Smiling In The Sky
7. Under The Light Of The Moon
8. The One
9. Andrew's Store
10. She's A Radio
11. What About?
12. Looking For A Life

13. Never Mine
14. Loveblind
15. Magic Circles
16. Record Collection
17. Monkey In The Middle
18. Cut To The Chase
19. Monument Of Me
20. April's Fool
21. Somebody Made For Me
22. Icy Tracks
23. Boom Boom Beat
24. Got You Where He Wanted

[Encore]
1. Happy New Year
2. Baby's Coming Back


David Myhr live in Osaka

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Back to my hometown Osaka right after I uploaded the last article of my blog for 2011. My office would start from 5th of January but I only could book the return flight on 5th, so I've decided to take a day off, anticipating my colleagues would raise their eyebrows.

I can spend a full day of 4th, that means I can go to the event that evening. I knew the gig in Tokyo would be held on 11th, but as I've already had a business trip plan that week, I had to give it up. Then this Osaka gig suddenly turns out to be my first one this year, thanks to the grace from my personal musical God who’s still around.

I recognized the name Club Wonder as the venue in Osaka for some artists who I've watched live in Tokyo. It's a long established place but this is my first visit. Located close to Nagahoribashi rather than famous Shinsaibashi, the cozy bar is situated on the 7th storey in the multi tenanted building. You know the house made of cookies & candies in the fairy tale. This place is something like that, but only made of power pop. If I'd live in Osaka I'd be here more than frequently. What a wonderful place!

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The door opened on time. There was only me, alone. After 30 minutes, there were just two others. I started to worry about the slack event for the unknown artist on the new year holiday, but when it came closer to the starting time the venue became packed with the audience, perhaps around 20 people. I felt relieved.

There was one familiar looking skinhead foreigner standing among the audiences who came into the bar just before the show. I was imagining him to be taller as a Scandinavian but his actual height wasn't so much higher than me. That was, a bit squabby David Myhr himself. A little bit lengthy annotation here; His family name MYHR is hard to pronounce from its spelling. It says like "my-er" on the booklet of Japanese CD, but when I hear him pronouncing his own name during the show, it didn't sound like that. I asked him the correct pronunciation after the show, and he said it was like "me-er" (with the strong R sound) in Swedish. In English it was like "me-ah". So I've decided to write his name like that in my blog (knowing those who search "my-er" in Japanese wouldn't reach here).

Here I'm going to write everything I remember about the two-hour live performance (including a break). I heard the Tokyo show on 11th would be a different set as it's a part of PowerPop Academy event, but if you are going to the Tokyo show and don't want to read anything about the setlist before the show, please avoid reading from here onwards (though I'm writing this English translation way after the Tokyo set) .


I heard it'd be an acoustic set, but as you see in the photo above, from the left hand side there were Gibson Les Paul, Yamaha acoustic guitar, Nord keyboard and a Macbook situated behind. Well, this shouldn't be just an acoustic set. About five minutes past the planned starting time, David, who was chatting with the audience at the back came straight to the stage. Carrying his acoustic guitar he started the show with 'Don't Say No' from his new album "Soundshine".

Perhaps partly because I was at the front row, I recognized his voice way stronger than what I hear on the CD. I'm not very sure about his activities since the break-up of The Merrymakers, but I guess he should've been singing continuously since then. That distinctive voice resonates quite well. He wouldn't need a microphone in such a small venue.

"The new album was just released but I'll sing both my new songs and the old ones. The next one is The Merrrymakers' song, Troubled Times". Maybe because he's also not a native English speaker, or maybe because he's accustomed to speak to Japanese, he talked a little slowly so that we could understand. Not only just introducing the next songs, but he also explained the background of the songs after finishing them. That impressed me to remember each song though I've already forgotten some old ones. That's how much he cherishes his own songs.

The third song was the self-covered 'You Stole My Heart Away' that he wrote for Puffy. The two bonus tracks in the Japanese edition "Soundshine" are both self-covers for Puffy, and according to the PowerPop Academy blog, this one was omitted from the CD in the end. I only know the debut single of Puffy, but as I check the web there are some songs written by David (and even some by Andy Sturmer).

He sat behind the keyboard and sang 'I Love The Feeling' from the new album. I like it. And then he said "this is the last song of European version (as he shown the digipac European edition of "Soundshine"). It's a little bit long one but please listen", and started 'Ride Along'. The flute solo part was substituted by the red plastic kazoo. He said "do you know this? This is kazoo, same as Kazu (the owner of Club Wonder)".

No, if I write this much for each and every song, this article never ends. I have to skip some part and go ahead. Before he sang the second one back to acoustic guitar, he introduced his wife sitting at the back of the audiences, saying "this next song is dedicated to my wife Paula". She was a cute looking lady. And this sweet lyrics! After the show we witnessed how they love each other:)

"It was twenty years ago when I started the band and wrote this song" and he started 'Andrew's Store' (if I'm not wrong this was the first single of The Merrymakers). I was surprised that he even played such an old song. Maybe nobody remember the album cover of the Japanese edition CD which contains this song once appeared in this blog.

He changed to the electric guitar and gave us some quiz by playing the intro of 'Honky Tonk Women' and some more. He played 'Enter Sandman' and joked "a typical power pop song". And finally he played the opener of The Merrymakers' first album 'She's A Radio'. I liked this one. My impression of the first album is this rather than the hit single 'Monument Of Me'.

He started to operate the Macbook saying "I ask David Myhr to do the chorus and the other instruments". With the pre-recorded backtrack he played, he played the new single 'Looking For A Life'. This was the song that I listened on some web site and immediately decided to buy the album. And this was the last song of the first set which contained 12 songs.

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David Myhr 『Soundshine』

The first solo album by David Myhr, after 14 years (must be) since the second album of The Merrymakers in 1997.

According to my record, I bought the first album of The Merrymakers on 25th of May 1997. And according to the back cover of the Japanese CD that I still own, it was released on 28th of April 1997. I don't remember what information made me buy this by now, anyway I must be one of the earliest listeners of The Merrymakers in Japan. Including the Japanese edition of the early singles which I wrote above, I have all three albums of them. But, honestly speaking, they weren't always my most favourite band. Every album sounded good, but I didn't repeat them enough to remember all the songs. Maybe because the melody lines were too straightforward though they were pretty catchy.

That's why I hesitated to buy the new solo album of David until I listened to 'Looking For A Life' on the web. The purpose of today's article is not the introduction of this album, so I shouldn't continue this too long. One last comment for this album; this new album is way better than any of The Merrymakers' albums. If you're into power pop, this is a must-have.


After the 15 minutes break, the second set started. He played the opener of the new album 'Never Mine' on keyboard, then one of my favourite 'Loveblind'. And then the early single of The Merrymakers 'Magic Circus'. "I stole this song title from The Beatles. It was a working title of "Revolver" but because they didn't use it, I used it instead".

He changed to the acoustic guitar and played another favourite of mine 'Record Collection'. I don't know why such a good song was only a bonus track. I'm not sure how many of European edition are distributed in Japan but you must buy Japanese edition just for this song. He introduced "this song is about you break up with your girlfriend as you can't stand her taste of record collection".

When he finished singing 'Record Collection', he said he forgot to sing one verse, and started to sing once again from that part, dutifully until the end. I was glad to listen to my favourite twice. He said "there are many of the famous song titles in this song. There are 'Twist And Shout', and 'Good Vibrations', and…what else?". The audiences replied one after another; "My Generation!" or "Fun Fun Fun!" (it was me).

Just like 'Looking For A Life', he played 'Cut To The Chase' with the pre-recorded backtracks. Only a guitar sound seemed not enough for these shiny colourful songs.

Once again on the keyboard, he said "it's so sad to play this song alone", and started the big hit of The Merrymakers 'Monument Of Me'. He demanded the audiences to do the chorus, and everyone sang. Even though it was only a simple phrase without lyrics, but I was surprised to hear the young audiences knew the song. Though they didn't know it on time, but this song must be on the textbook of the power pop school.

Which song was that, when one of the audiences Tanaka-san appeared on stage and played the keyboard and do the chorus? Maybe 'Icy Tracks'? He kept the lyrics of the chorus part in Japanese on the paper, but he played the keyboard perfectly. He may be from some local band? After the song he hugged David and back to his seat.

The last part of the second set was 'Boom Boom Beat' (another song for Puffy) and 'Got You Where He Wanted' with the pre-recorded instruments. And before he got off the stage, the applause for encore started heavily.

"You're too kind. I've got another 24 songs to sing" he joked. And "any request?". Somebody requested 'Happy New Year'. I didn't know the song but it was a cover version of Abba. He didn't sing the full chorus but well responded to the request. "Any other request?" he asked again.

No more request, so he said "ok, then I play this one. You must like Jellyfish" and close the show with 'Baby's Coming Back'. The Merrymakers were liken to Jellyfish from its beginning (maybe that was why I bought their first CD) and their second album was produced by Andy Sturmer. This cover version suited very much of course.


He played another 12 songs in the second set. Totally 26 songs including the encore. I guess he played most of the key songs from The Merrymakers to the brand new album. I was satisfied a lot. David finally opened the tin of beer (he kept drinking the water during the show). It looked fresh to me as I've seen Glenn somebody or Jim somebody who keep drinking alcohol while they play:)

The photo shooting and chatting time started after the show, with the twenty-odd audiences (almost everyone). The dead stock Australian version of the second album of The Merrymakers, which David brought himself sold out quickly. The version includes one bonus track which is different from the ones on Japanese edition. This evening David played that song written by Emitt Rhodes. Oh, by the way David said during the show that Emitt would release the new album after 13 years or so. The fans who bought the album got the autograph by David on the spot. I heard David saying "some songs on this album were produced by Andy but he didn't let us put his photo on the booklet".

I took note the song titles during the break and after the show as much as I remembered. As I didn't remember all, I asked David to show me the setlist in his iPad.

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It's a good idea to use iPad (maybe the lyrics were in iPad too), though it's a pity that we can't get the hand-written piece of paper after the gig.

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I cheered with David. I told him that I'd go to Matthew Sweet's gig on the weekend, and he said he would be there too. "Which stage on which day?" I asked him. He replied "The second set on Friday. No, it's Saturday. Maybe the first set". Paula said "no, it's not. What are you saying". It was funny to see them chatting like that. He said "maybe the same one as yours. See you there". Did he mean it?:)

When we first talked he asked me my name, and I said "yas". After a while he came back and pointed his iPod to me, asking "hey yas, how did you like the show tonight?". It was too sudden for me to think of something else than "it was very good". But I was moved that he remembered my name among many audiences and tried to keep the fan's comment in his iPod.

I went to the bar counter for another beer. Kaz asked me if this was my first visit. We chatted for a while. I bought two CDs which he played before the show as the BGM. Some people (must be regular customers) joined and talked to me friendly. What a nice feeling. A real nice bar indeed. Next time I come to Osaka I should come back here, though without a gig.


Setlist 4 January 2012 @ Osaka Club Wonder

1. Don't Say No
2. Troubled Times
3. You Stole My Heart Away
4. I Love The Feeling
5. Ride Along
6. Smiling In The Sky
7. Under The Light Of The Moon
8. The One
9. Andrew's Store
10. She's A Radio
11. What About?
12. Looking For A Life

13. Never Mine
14. Loveblind
15. Magic Circles
16. Record Collection
17. Monkey In The Middle
18. Cut To The Chase
19. Monument Of Me
20. April's Fool
21. Somebody Made For Me
22. Icy Tracks
23. Boom Boom Beat
24. Got You Where He Wanted

[Encore]
1. Happy New Year
2. Baby's Coming Back
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