2011年11月27日

Jools Holland & His Rhythm & Blues Orchestra live in London

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前々回の記事に書いたとおり、本当はこの週末はロンドンから7時間かけてドバイに飛び、会議を終えたその足で夜行便に乗り、また7時間かけてパリに戻ってくるという強行スケジュールのはずだったんだけど、ドバイでの会議が急遽キャンセルになり、思いがけずゆっくりした土曜をロンドンで過ごせることになった。

なんかいいライヴやってないかなとタイムアウトで調べてみたら、去年の3月に東京のブルーノートで観たジュールス・ホランドの大所帯バンドがロイヤル・アルバート・ホール(以下RAHと略)で演るというのを見つけた。最初にサイトを見たときは80ポンド超えの席しか残ってないような書き方をしてあったので、去年観たばかりだし、止めとこうかなと躊躇していたんだけど、よく見てみたらアリーナ席もまだちらほら残っていて、何故かスタンド席よりも安い46ポンド。

しかも、スペシャルゲストに、サンディー・ショウとクリス・ディフォード(!!)。音楽の神様、まだこの辺でうろうろしていらっしゃるのか。世間一般的には25年振りにステージに立つというサンディーの方が目玉なんだろうけど、僕にとってはもちろんクリス。これはやっぱり観ておかなければ、ということでRAHのサイトに移ってチケットを買おうとするも、エラーメッセージ続出。なんだかいいかげんなサイトだなあ。しょうがないから当日早めに行ってボックスオフィスで直接買おう。


というわけで、当日の土曜。前夜3時過ぎまでかかってレジャー・ソサエティの記事なんて書いてたもんだから朝起きるのがつらくて、でもまだ引きずってる時差ボケで否応なく目が覚めてしまうから、なんだかぼーっとしたままロンドン市内へ。RAHって初めてだけど、なんだかどこの地下鉄の駅からも遠いね。

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昨晩ネットで見た席がまだ空いてた。アリーナ6列目の一番端。まだこんなに前の方が空いてるなんて。ちなみにボックスオフィスのお姉さんは、上から見下ろす方がステージ全体が見えていいですよと、円形のスタンドのステージに向かって右側(3時方向)の席を勧めてくれたんだけど、やっぱり僕は前で観たいよ。

さてと、無事チケットも取れたし、開演まであと5時間なにして時間つぶそうかな。

なんて迷う必要など当然なし。ダブルデッカーで激混みのオックスフォード・ストリートを抜け、ロンドン随一のレコ屋街、バーウィック・ストリート(Berwick Street)へ。週末のオックスフォード・ストリートって、ものすごい人だね。バスまったく動かず、RAHから1時間かかったよ。まあ、どうせ5時間つぶさないといけないからいいんだけどさ。

2軒まわって6枚ほど捕獲。一番の収穫はこれかな。半年前にロンドンに来たときは、レコード・ストア・デイの一週間前で悔しい思いをしたんだけど、最近はアメリカのブラック・フライデーに合わせて年末にももう一回レコード・ストア・デイがあるんだね。この土曜日はまさにアメリカのブラック・フライデー。沢山あったレコード・ストア・デイ・アイテムから選んできたこれ。

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こないだの来日公演で演った曲だね。それにしてもシングルまでこのおばさんか! この7インチ、ちゃんと昔ながらのドーナツ盤なのがいいね。ちなみに10インチ盤もあったんだけど、そちらは78回転。昔ながらにもほどがあるよ。そんなの買ってもうちでは聴けないので放流。

CD屋見てまわって、腹ごしらえにケバブ食べて、まだ開演まで2時間以上あるなあ。どうせまたバス混んでるだろうから、バス通りに沿って歩いてみようかな。

結局、バーウィック・ストリートからRAHまで、一時間かけて歩いてしまった。ロンドン市内の地理に詳しい人ならわかると思うけど、結構な距離だったよ。まあ、最近運動不足だからちょうどよかったけどね。クリスマス前のライトアップがあちこちでとても綺麗だったし。

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一時間かけて歩いてもまだ開場時刻まで45分ぐらいあったので、RAH内のバーでギネス飲みながら休憩。一時間歩いた疲れで軽く寝てしまいそうになる(日本時間の午前3時)。6時45分にようやくドアが開いたので、Aブロック6列目5番に行ってみたら、6列目とは名ばかりで、僕の列よりも前には3列しかない。しかも僕の席は一番左端なので、実際には僕の真ん前には係員のお姉さんしかいないという状態。これはいい席だったな。ステージまでの距離も、去年ブルーノートで観たときとそう変わらないかも。こんな8000人も収容できる大ホールでだよ。

しかもブルーノートのときは中央右寄りの席だったからジュールスの手元が全然見えなかったんだけど、今回はピアノに向かうジュールスをかなりの至近距離で後方からじっくり観ることができるよ。ピアノはヤマハだね。前回もそうだっけ。

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こんな距離。ちなみに後ろを振り返って見るとこんな感じ。

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周りを見てみると、かなり白髪人口と禿げ人口が多いよ。3日前に行ったレジャー・ソサエティの観客の平均年齢の3倍はあるんじゃないか。皆30年前にスクイーズ聴いてたのかな。

バーからアリーナに向かう通路に貼ってあったお知らせ。前座が25分で、20分休憩してジュールスのバンドが2時間、と。きちんと決まってるんだね。それよりも、その下に書いてあることの方が気になるよ。「シェーン・マクガワンは今回のツアーへの出演をすべてキャンセルしました」って、シェーンもゲスト参加する予定だったの?しばらく前に、もうポーグスとはツアーしないとか言ってるのを読んだけど、なんかあっちこっちでドタキャンしてるんだね(そのわりには来年の日本公演はキャンセル告知出ないけど)。

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オープニング・アクトは、ガリア・アラド(Galia Arad)という女性シンガー。全然期待してなかったけど、なかなかいい曲書くね。声もいいし、結構気に入った。ニューヨークで会社の受付の仕事をしていたら、エルヴィス・コステロからメールがきてスカウトされたとか言ってたよ。あと、今月出たばかりのデビューアルバムには、シェーン・マクガワンが参加してるんだって(それでゲスト参加する予定だったのかな)。バックでギターを弾いてるのは、ジュールスのバンドのマーク・フラナガン(Mark Flanagan)。パーカッションとアコーディオンを弾いてたのはロジャーって呼ばれてたから、同じくジュールスのバンドのトロンボニスト、ロジャー・ゴスリン(Roger Goslyn)だったのかな。隣でコーラスをしていた女性は実の妹だそうだ。


予定時刻の8時15分ほぼぴったりに、まずジュールスが登場。ピアノのイントロを弾き始めてから、他のメンバーもバラバラとステージへ。多いなあ。去年東京で観たときも、ヴォーカルの3人を含めて総勢12人の大所帯だったけど、今回はホーン・セクションだけで12人いるよ。

僕から一番遠い側に、前列にサックス5人、2列目にトロンボーン4人、後列にトランペットが3人。去年観たメンバーは全員いたはず。もちろん、リコ・ロドリゲス(Rico Rodoriguez)も2列目の一番端に。

基本的なコンサートの流れは去年のそれとほぼ同じ。ジュールスは序盤(2曲目)にヴォーカルを取るが、それ以外はだいたいインストか他のシンガーがリードヴォーカルを務める。去年同様、やっぱり僕はほとんどの曲名がわからなかったんだけど、去年は演ってなくて今回「この曲は僕が17歳ぐらいのときに書いたんだ。後で出てくるスペシャル・ゲストと一緒にね」と言って演奏した「Foolish I Know」が嬉しかったな。

あと日本公演とずいぶん違ったのは、ジュールスがハンドマイクでステージ前方をうろうろ歩きながら喋りまくること。客を煽ったり、大げさにメンバー紹介したり、冗談言ったりね。何度もコール&レスポンスをやらせてたね。

最初に出てきたゲストは、一番上に載せたポスターの写真にも小さく載っていた、ハーバート・グロンマイヤー(Herbert Gronemeyer)というドイツ人の歌手。ドイツ人ならヘルベルトなんだろうけど、ジュールスは紹介するときに英語読みだったね。歌うまい人だったよ。ちょっとトム・ジョーンズっぽい感じ。ジュールス、こういうタイプの男性歌手が好きなんだね。2曲を披露して退場。

1時間を過ぎた頃だったかな、何かの曲の途中でギルソン・レイヴィス(Gilson Lavis)のドラム・ソロが始まり、他のメンバーは全員舞台裏へ。結構長かったけど、かっこよかったよ。去年の記事にも書いた、忙しくタムとか叩いてる最中に右手でスティックをくるっと回したりとか。もう見かけはかなりおじいちゃんなのに、やっぱり凄いドラム叩くよね、この人。ロック・ドラマーとしてあまり有名ではないけど、相当上手な部類に入ると思うんだけどな。

ドラムソロが終わり、メンバーが戻ってくる。ジュールスが「そろそろ次のゲストを紹介しよう。後ろに座っているギルソンと僕とこの人は、35年も前に一緒にガタガタ道を走り始めたんだ」と言い始めた途端、聞き覚えのあるドラムのイントロをギルソンが叩き始める。ああっ、これは、「Take Me, I'm yours」!

ここでクリス登場。僕は生まれて初めて本物の動くクリス・ディフォードを見たよ。感激。もしかしてギター持たずに出てくるかなと不安だったんだけど、ちゃんとアクースティック・ギター抱えて出てきたね。「Take Me, I'm Yours」を歌い始めたんだけど、途中からグレンのパートを歌う声が聞こえる。誰が歌ってるんだ?もちろんジュールスじゃないし。

ステージを見渡してみると、左奥で地味にキーボードを弾いてるヒゲの兄ちゃんが歌ってる。あ、あれクリストファー・ホランド(Christopher Holland)じゃないか。彼去年は日本には来なかったよね。

続けて、クリスが「1979年に書いた次の曲のおかげで僕は休暇に出かけることができたんだ。おかげで最初の離婚を経験する羽目にもなったけどね」と、相変わらずシニカルな台詞。ということは、「Cool For Cats」か! もう演るのか。

と思う間もなく、ギルソンのスネアの一撃と、クリスのギターとジュールスのピアノ、デイヴ・スウィフト(Dave Swift)のベースがイントロを奏でる。涙出そうになった。今自分の目の前ほんの数メートルのステージの上で、スクイーズ最盛期メンバーのうち3人が揃って「Cool For Cats」を演奏しているなんて。エンディングのピアノ・ソロ、ジュールス自身が弾くのをこの目で見ることができるなんて。

残念ながら目の前にいた係員のお姉さんに「写真は撮らないでね」と言われていたので演奏中の写真は一枚もないんだけど、僕の位置から見て、ステージ奥のギルソン、手前側のジュールス、中央右側のクリスが一直線上に並んで演奏する姿は、写真なんかなくたって、もうこの先忘れることはないと思う。

本当に残念ながら、クリスはたったの2曲で退場。会場を埋め尽くした白髪と禿げ頭はみんな3/5スクイーズを観にきたんじゃないのか?なんでこんなあっさりした扱いなんだろう。ステージを降りる前にギルソンと握手し、右手に持ったマイクで客を煽るのに忙しいジュールスの左手と握手してニコニコしながら歩いていくクリスにもう一度大きな拍手。

というわけで、僕の本日のメインイベントはこの瞬間で終了。後はさらっといくよ。

クリスのすぐ後に出てきたのがサンディー・ショウ。今何歳なんだろう。もう60は越えてるよね。キラキラ光るミニのワンピース(というか、下はパンツっぽくなった服。あれなんていうんだろう。よく赤ちゃんがああいう形の服着せられてるな)で登場。肌の露出が並大抵じゃないんだけど、さすがに年相応の肌のハリでちょっと痛々しいと思ったのは僕だけなんだろうか。往年のアイドル、サンディー・ショウを知っている会場中の白髪と禿げはあれを見て懐かしい気分に浸っていたんだろうか。

1曲目の「Love Me Do」は当時からの持ち歌だったのかな。その他にも「Always Something There To Remind Me」とか、スタンダード曲が多かった。全部で4曲ぐらい歌ったっけ。そういえば、25年前にステージに立ったのって、もしかしたらスミスが「Hand In Glove」で彼女のことを引っ張り出してきたときかな。

サンディーもステージを降り、もうそろそろ2時間になるかなと思っていた頃、ルビー・ターナー(Ruby Turner)突如登場。このときまでずっと出てこなかったから、今回はいないのかと思ってた。相変わらず凄い歌(と見た目)だねえ。CDのジャケやプロモ写真ではそれなりにスリムに写ってるけど、実物はなんだか架空の生き物みたいに見えるよ。それであんな警報器みたいな声で歌うんだから、すごいよね。

とはいうものの、去年東京で観たときよりも、ルイーズ・マーシャル(Louise Marshall)が相当上手くなっていて、声量ではルビーに負けてなかったかも。あと去年と違ったのは、去年はロージー・ホランド(Rosie Holland)という名前だった彼女が、今はロージー・メイ(Rosie Mae)という名前になってること。結婚したのかな。それとも、ジュールスの身内だということを隠しはじめたのかな(遅いよ)。

本編だけでたっぷり2時間、その後2回のアンコールを含めて合計2時間15分の長尺ライヴ、じっくり堪能しました(特にクリスが参加していた10分間)。僕の目の前はちょうど入口の階段だったんだけど、その2時間強の間、トイレに行くお客さんのまあ多いこと。みんな何か飲みながら観ていたのと、あとはやっぱりお年のせいかな。ステージからの距離は申し分なかったんだけど、それだけがちょっと落ち着いて観てられなかったな。でも、当日思いついてぶらっと行って、あんな豪勢なホールであんな至近距離であんな素敵なライヴを観られたんだから、何も文句はないよ。またこのダラダラした記事のおかげで寝るのが3時になってしまったけどね。


おまけ:物販で買ったTシャツ(10ポンド。安い!)
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あと、ジュールスのサイン入り『Rockinghorse』のLP(15ポンド。安い!)
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