2011年10月30日

Jim Boggia live in Kamakura Oct 2011 Pt. 1

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ジム・ボジア・ウィーク中日の今日(もう日付は昨日)、半年前と同じ、ジムの日本でのホームグラウンド、鎌倉カフェ・ゴーティーからはるばる帰宅。もう夜の1時半か。結構疲れたけど、明日の最終公演もあるので、今日の分は今書いてしまおう。

開場時間の40分ほど前に鎌倉駅に到着。まず軽く腹ごしらえしようと思っていたら、海鮮料理屋のおばちゃんの呼び込みに負けてしらす三昧を猛スピードで食べる羽目に。でも、さすが海沿いの町。生・釜揚げ・かき揚げのしらすが最高に美味かったな。

半年前とほぼ同じ席に着き、左右にずらっと並んだお馴染みのグレンヘッズの面々としばし歓談。今日はすごいね、満席どころか後ろの壁際の人たちは立ち見だよ。ジムがステージに行くためには、そのルートに座ってる人たちがわざわざ立ち上がって道を譲らないといけないほどの人口密度。

開演予定時刻の19時半を10分ほどまわった頃にジムが登場。さっそくギターを肩にかけようとしたらストラップが外れ、それを直すのに延々もたもたと。「ギターを弾くのは慣れてるけどこういうのにはうまくないんだ」とか。今から思えば、なんだか今日のちょっとゆるめのステージを象徴していたオープニング。

1曲目は「Nothing Wrong With Me」。会場で売っていた5月の来日時のライヴ盤でもこの曲がオープニングだね。今日買ってきてまだ聴いてないけど、楽しみ。「It's Time For 焼酎」なんて曲も入ってるね。これ今日も歌ってたな。

2曲目の「Annie Also Run」の途中で、ポール・マカートニーの「Every Night」を挟む。やっぱりこの人ポール好きだね。後半、ウクレレで「Getting Better」も弾いてたし、僕は気付かなかったけど、一緒にいたTomによると、ピアノを演奏してたときに「Flying」も歌ってたらしい。

ジムのライヴを、日本に来たときの全公演はもちろん、アメリカにも追っかけて行ってもう15回も観たというファンの方が偶然今日誕生日だったらしく、ジムが小さな花束をプレゼントし、「On Your Birthday」を捧げていた。最後にはメドレーで「Happy Birthday」を名前入りで歌ってあげてたね。最高だろうね、こんなことしてもらって。あ、その方には、ジムの追っかけで行った大阪みやげのお菓子をおすそ分けで戴いた。ありがとうございました。

さっきの「Every Night」に続く恒例のカバー大会。この日の2曲目はボブ・ディランの「Girl From The North Country」。僕は珍しい曲を演るなと思ったんだけど、彼のライヴにずっと通っている友達によると、定番なんだって。そのわりには曲を始める前のチューニングにやたら手間取ってたね。

この曲に限らずチューニングに苦労していたのは、ジムが今回自分のギターを持ってこなかったから。なんだかアメリカの空港の税関で面倒なことになるらしく、大事なギターは持ってきたくなかったからとのこと。今日使ってたギブソンはレンタルなのかな。店のかな。

「何か聴きたい曲はある?」とジム。誰も答えず、「いいんだ、わかってるよ」といじける。数曲後に「何度でも聞くよ。何か聴きたい曲は?」と負けずに言うから、「セカンドアルバムから“Once”できる?」とリクエスト。「ほら、何度もやれば通じるんだ」と嬉しそうなジム。「Once」は出だしのメロディーとかすごく好きな曲なんだけど、これまでライヴで聴いたことなかったからね。やっぱりいい曲。うれしい。

セカンドアルバムの曲順どおり、「Once」に続けて「Made Me So Happy」。これもいい曲だよね。僕はセカンドは一番最後に買ったこともあり、他の2枚に比べて印象が薄いんだけど、こうして聴いてみると結構いい曲詰まってるね。

「この曲はピアノで書いたんだけど、ピアノで演奏するのは久しぶり」と言いながら「Bubblegum 45s」を。ピアノで続けて「Let Me Believe」。「この曲は“Evan's Lament”というサブタイトルも付いてるから、どちらでもお好きな方で」と。

お客さんのリクエストで、エイミー・マンと共作した「Shine」を演奏。「エイミー・マンといえば、アメリカでは誰にも言ってないけど、さっき歌った“Let Me Believe”の歌詞の一部はマイケル・ペンのパクリなんだ」とか言ってたっけ。

第一部の最後に演った「3 Steps At A Time」は確かダウンロード・オンリーのアルバムに入ってる曲だよね。前回観たときにも演奏してたから、よっぽど好きなんだろうね。確かこの曲を始める直前に、お客さんの携帯が鳴ってしまって、ジムが咄嗟にそのメロディーに合わせてギターを弾き始める。初めて聴いたような曲に合わせて即興でソロを入れるこの人の凄さは昨日書いたばかりだけど、まさか携帯の着メロにまで合わせるなんて(笑)

第一部ではずっとミルクティーを飲んでたね。いつも一部から焼酎のお湯割りを飲みすぎて後半メロメロになるので、今日はセーブしていたらしい。一部の途中で何度も焼酎の話をしていたから、よっぽど飲みたかったんだろうね。後半では確か2回ほどお代わりしてたよ。

だめだ、1時間ぐらいで書けるかなと思ってたけど、1時間でようやく第一部のことしか書けない。なんで実際の演奏時間と同じだけかかるんだよ。もう今日はさっさとシャワーして寝よう。続きはまた明日。早起きして書こう。おやすみ。


というわけで今は日曜の朝。今日は二日酔いも隣の工事もなくすっきり。では第二部の様子を。

焼酎のお湯割りが飲めて嬉しくてしょうがないジムは始終その話ばかり。さっき書いた「It's Time For 焼酎」も確か二部だったね。30分程度のはずだった休憩時間は、ジムが焼酎を飲み始めて客と歓談したりしているもんだから、ちょっと時間超えてたかも。

「No Way Out」ではお客さんが自発的に口笛のパートを吹き始める。そして、後半のコーラスも。演奏後ジムが、「地球を半分も周ってきて、みんなが僕の曲に合わせて口笛を吹いたり歌ってくれたりするのを見ると、本当に感動するよ」って言ってたね。

再度お客さんのリクエストで歌った「8 Track」。途中のブレイクのところで、8トラックテープが無音部分に入ってズーッて音が鳴るのを口真似したり、「でもこれは70年代の話だから、聴いてる人たちは皆飛んでしまってるからそのまま聞いてるんだよ」とか話しだす。「もう今はドラッグはやってないよ」とかね。この日はこんな感じで、歌の途中とか失敗した箇所で突然話し始め、また曲に戻るなんてことが多かった気がする。それがなんだかゆるーい雰囲気を作り出していたな。ま、こういうのもたまには悪くないけど。なごやかな感じで。

再びピアノに座り、「Peter Pan」。メドレー(?)でクッキーモンスターの歌を声マネで歌いだす。「ジョン・レノンの最初の2枚のアルバムのどっちのどの曲だったか忘れたけど、静かなバラッドの途中でクッキーモンスターの声が聞こえるんだ。そんなだからジョンのことは好きなんだよね」とか言ってた。そんなの気付かなかった。聴いてみよう。

第二部の最後にウクレレ登場。スターウォーズのテーマだか何かを歌いながらケースからおごそかに取り出してたよ。「ニュージャージーはフィラデルフィアから橋を渡ったすぐ先で、本当はそのことがあまりうれしくないんだけど(NJって評判悪いのかな?)、でもニュージャージーには4つのいいことがある。ボン・ジョビはそのうちの一つではない」とか笑わせて、ボン・ジョビの曲をちょろっと歌う。

ニュージャージーといえばもちろん「Thunder Road」。何度聴いても素晴らしい指さばき。皆が歌詞を口ずさんでるのを見て嬉しそうな顔をしていたね。もちろん僕も小声で歌ったよ。

ウクレレではあとさっき書いた「Getting Better」を、「最近暇なときはウクレレの練習ばかりしてるんだ。これはまだ完全に自分のものになってないけど」と謙遜しながら、でも完璧に弾きこなしてたよ。そしてラストに、「Thunder Road」からメドレーで演らなかったのであれ?と思っていた「Over The Rainbow」を単独で。

立ち上がって一旦楽屋(?なんてないけど)に戻ろうとするけど、通路もないし時間もないのでそのままアンコールへ。ここはアンコール定番の「Several Thousand」。終わったあと「ほら、みんな電車がなくなるよ」って。でも、半分以上のお客さんは終演後ずっと残ってジムと話したりサインもらったり、ゴーティーさんのCDコレクションから何枚か買ったりしてた(僕もそれらを全部やりました)。

開演前に、持って行った「Misadventures In Stereo (The Mono Version)」のLPをジムに見せて、「わあ、こんなのよく持ってるね。アメリカでももう売ってないし、僕も持ってないんだよ」なんて話をしていたら、友達のTomも同じLPを持ってきてて、僕のちょっと前にサインをもらってた。同じことを言われてたね。

僕の順がまわってきて、「はいこれ、世界でも貴重なLPのうちの2枚目がここにあるよ」って見せたら、一番上に載せた写真のコメントを書かれた。“どうやら僕のLPは全部日本にあるみたいだ”って、これだけ後で見たら意味わからないよ(笑)。どうもこの人はサインしながら話してる話題をそのままジャケットに書く癖があるね。

このアルバムのライナーのサンクス・クレジットにスティーヴン・ラージの名前が載っていることが気になってたので訊いてみた。「このスティーヴン・ラージって、スクイーズのキーボーディストのこと?」そしたら、とっても嬉しそうな顔をして、「そう、彼のことを知ってるの? たしか5-6年前にグレンと一緒にツアーをして、そのときに知り合って、一緒にレコーディングしたことがあるんだよ」だって。バンドキャンプで入手可能な『The Abbey Road Session』というアルバムに参加しているらしい。

ついでに「スクイーズの曲何かできる? 明日歌ってよ」とリクエストするも、「うーん、スクイーズの曲難しいからなあ。一応練習してくるよ」とは言ってくれたけど、お湯割りをすでに5杯以上飲んでいる人の言うことは真に受けないのが賢明というもの。

先日横浜で観て気に入ったマット・ジ・エレクトリシャンやリゼントメンツ(その他二人が参加しているバンド)、安くなってたスクラッピー・ジャド・ニューカムのCDを、ジムのオフィシャル・ライヴ・ブートレグと一緒に購入。マットのCDってこんなに出てるんだ。これは今から散財が思いやられるぞ。

さて、今日はこれから日本ツアー最終日。ジムのことだから昨日とはがらっとセットリスト変えてくれるだろうな。昨日Tomに誘われてぶらっと来ていた友達がその場で今日のチケットを予約していたぐらい、この人のライヴは何度でも観たくなるからね。昨日買ったCDをウォークマンに落としたら、ちょっと早めに鎌倉に出かけるとしよう。


Setlist 29 October 2011 @ Kamakura Cafe Goatee

1. Nothing Wrong With Me
2. Annie Also Run ~ Every Night
3. To And Fro
4. On Your Birthday
5. Johnnie's Going Down
6. Girl From The North Country
7. Once
8. Made Me So Happy
9. Bubblegum 45s
10. Let Me Believe
11. Black And Blue
12. Shine
13. 3 Steps At A Time

14. I Realized This Afternoon While Driving To Connecticut
15. It's Time For Shochu
16. Listening To NRBQ
17. Weather
18. No Way Out
19. 8 Track
20. O/P
21. Peter Pan
22. Thunder Road
23. Getting Better
24. Over The Rainbow
25. Several Thousand


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2011年10月29日

Scrappy Jud Newcomb / Matt The Electrician / Bruce Hughes / Jim Boggia live in Yokohama

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Д ステージに陣取っている4人のメンバーのうち、2人は曲はおろか名前すら聞いたこともなく、1人はこのライヴのために中古で見つけたアルバムを1枚持っているだけ、残りの1人だけを目当てに来てみたこの日のライヴ。期待以上という言葉がずいぶん控えめに聞こえてしまうほど凄いものだった。

Д ただでさえ忙しい週にバンコクの洪水問題なんかも絡まってきて、もしかしたら会社抜け出すのは無理かもと思えるほどだったけど、例によって夕方から周囲を一切無視。無事開場前に横浜Thumbs Upに到着。初めて来たけど、こんなショッピングセンターの中にあるんだね。

Д 一週間ほど前から咳も止まらず、体調的にも結構最悪に近かったけど、そんなあれこれを抱えながら来てよかったと本当に思ったよ。この週末は鎌倉で連日ジム・ボジアだけど、最初で最後かもしれないこの4人の組み合わせを見逃すことにならなくて本当によかった。

Д そんな感じでちょっと無理して早抜けした仕返しで全然ブログを書く時間が取れないんだけど、明日は飲み会、あさってはもう鎌倉初日、ということで、なんとか急いで書いてしまわないとあの素晴らしかったライヴの記憶が薄れてしまう。ということで、4年ぶりに箇条書き風ライヴレポート。なんとか1時間ぐらいで書けるかな。

Д 開演時刻の19時半ちょうどぐらいだったかな、メンバー4人が揃ってステージに出てきたのは。とは言っても、開演前からみんなそのへんをうろうろしたり、ファンと歓談していたりしたんだけどね。客席にはいつもあちこちのライヴで見かける顔がちらほら。客席はほぼ満員だね、すごいな。

Д ステージ左から、ジム・ボジア、スクラッピー・ジャド・ニューカム、マット・ジ・エレクトリシャン、ブルース・ヒューズの順にスツールに腰掛ける。いや、マットが腰掛けているのはカホンだね。カホン大流行り。ブルースはボディもピックガードも白っぽい(でもかなり使い込んでくすんだ色の)フェンダーのプレジション。あと2人はアクースティック・ギター。両方ギブソンだったかな。

Д 今回はまずまずの整理番号で、座った席もそれほど悪いわけじゃなかったんだけど、ちょうど運悪く僕とジムの間に何人もの観客が座ってしまったせいで、お目当てのジムのことはほとんど見えず。でもまあいいや、週末たっぷり観られるからね。今日はこの日がツアー最終日のあとの3人をじっくり観よう。

Д だめだ、やっぱり眠すぎ。もう今日は書けない。明日の飲み会はたぶんエンドレスになるだろうから、土曜日に鎌倉に出かける前にがんばって早起きして続きを書こう(いくら鎌倉まで出かけるとはいっても19時開場に間に合う時刻に起きるのを普通は早起きとは言いません)。ではひとまず寝ます。


Д というわけで今は土曜日。この上の段落までは木曜日の夜中に書いたもの。なんとか午前中に起きることができたので、続きを書こう。ちょっと記憶も薄れてきたし、二日酔いと隣のマンションの工事の音で頭がズキズキするけど、なんとか最後までもつかな。

Д 自分の一番好きな曲をライヴの1曲目に持ってこられてしまったときの喜びともったいなさ感をどう表せばいいんだろう。この日のライヴは座った順に左から1曲ずつ持ち歌を歌うというもので、最初にジムが弾きだしたのは「Listening To NRBQ」。この曲演ってくれればいいなとは思ってたんだけど、まさかオープニングとは。

Д 間奏でスクラッピーがギターソロを入れる。レコードに入っているオリジナルとは違うラインだけど、ばっちり合ってるし格好いい。この人たち、リハーサルする時間どれだけあったんだ? 3人はこの日本ツアー中ずっと一緒だったろうけど、ジムは日本に到着したばかりのはずなのに。初見でこれだけ息ぴったりに演奏できるなんて。

Д 「Listening To NRBQ」のエンディング、NRBQの曲のフレーズがいくつか出てくる箇所。「I Love Her, She Loves Me」をブルースが歌い、続けて他のメンバーも歌う。いいね。やっぱりしっかりお互いのCDは聴きこんではいるんだね。

Д スクラッピーの曲でお返しにギターソロを入れるのはジム。やっぱりうまいねー。その他二人の曲では、ジムかスクラッピーのどちらかがソロを弾いてたかな。スクラッピーは後半スライドバーをつけたりもしていた。スライドプレイもかっこよかった。ブルースの曲で「ジム、もう一回ソロ!」とか急に振られても咄嗟に対応していたし。

Д スクラッピーは、見かけも声もいかにもアメリカンでロッキンな兄貴。はだけたシャツの胸元にごついネックレスが見えたり。しゃがれた声がちょっとジョン・ハイアットっぽいかな。ジムの次に聴いてしまうとちょっと曲自体の魅力は落ちてしまうかもしれないけど、こういう場所でずっと聴いていたい声とギター。

Д 続くはマット。なんで電気屋(電気技師?)なんだ? 顔の下半分をびっしり覆う黒い髭とぴったりした黒い野球帽。ちょっと離れ気味の左右のまゆ毛。赤いクレヨンで塗ったようなぐるぐるほっぺ。真剣な顔をしているときはちょっと近寄り難い雰囲気だけど、ぐるぐるほっぺでニコッと笑ったときはすごくお茶目。

Д なんだか妙に小柄なギターを持ってるね。あれなんて楽器だろう。曲によってはバンジョーに持ち替えたり、さっき書いたカホンを演奏したり。この人、このバンド内での触媒みたいな役割なんだろうな。そういう脇役みたいな楽器を担当してるというだけでなく、存在自体がなんかそんな感じ。

Д とか言いながら、この人の曲かなりいいよ。ちょっとコミカルな曲調もあれば、しんみり聴かせてくれるものもあり。いくつかの曲では外国人のお客さんが大笑いしてるよ。ちゃんと歌詞聞き取れなかったけど、そんなにおかしな曲だったのかな。

Д 4人のラウンドの最後はブルース。やわらかい感じのいいベースラインを弾きながら歌う。なんかベースと一緒に歌ってる感じ。ベース好きとしてはたまらない。くしゃくしゃした金髪と小柄な姿形が、スクラッピーとかと比べるとなんだか全然アメリカ人っぽくないね。

Д そんな感じで前半は3ラウンド、12曲。基本的にジムの曲しか知らないから、ジムがどの曲を演ったかを覚えているだけで全部で何曲演奏したか自動的にわかるという便利なシステム。

Д ちなみにジムがこの日他に歌ったのは(たぶん順番合ってると思うけど)、「To And Fro」、「Let Me Believe」(これはキーボードで)、後半に「No Way Out」、「Annie Also Run」、「That's Not Why I Hate New York」、アンコールでブルースと分け合って歌った「Several Thousand」。

Д ジムがメドレーで「Beast Of Burden」をつないだのはどの曲だっけ。「Annie」かな。「Never!」「Never!」って掛け合いのところで客がちゃんと歌ってくれたのが嬉しかったらしく、「アメリカでは『Never!』シーン…、なんてことよくあるんだよ」なんておどけてた。

Д マットは自分の曲につなげてサイモン&ガーファンクル・メドレー。次はどの曲にしようか考えながら歌ってるみたいで、「Cecillia」、「Me And Julio Down By The Schoolyard」、「Slip Sliding Away」から最後は「Bridge Over Troubled Water」まで繰り出してきて笑わせる。

Д 前半1時間、30分の休憩を挟んで後半も1時間ちょっと。アンコールも2曲、特にマットが歌った2曲目は長尺だったから、全部終了したのが10時半過ぎ。演奏していた時間だけでも2時間半ぐらいはあったね。遠くから来ていた友達は残念ながらアンコールを最後まで聴いていられなくて終電に駆け込まざるをえなかったぐらい。

Д 招聘元のカフェ・ゴーティーさんのサイトにも書いてあったけど、ジムを含めたこの4人での組み合わせはもう二度と観られないかもしれない。たまたまお互いの日本ツアーの最終日と初日が重なったというだけで実現した奇跡的なライヴ。きっとジャム・セッション的なゆるーい感じだろうと想像してたけど、実際は完璧に練り上げられたプロフェッショナルなライヴだった。

Д 4人それぞれ、アメリカでの気の遠くなるような回数のツアーで鍛えられた腕前と、おそらく自分の持ち歌だけを演奏していればいいというほど知られた人たちではないので、カバー曲や他人の曲に臨機応変に合わせるなんてことは朝飯前でできてしまうんだろうね。ものすごくハイレベルな即興をニコニコしながら続けていくのをじっくり見せてもらったよ。3時間があっという間だった。

Д さてと、そろそろ準備して、カフェ・ゴーティーに向かおうかな。今日と明日はジムのソロ・ライヴ。チケット発売初日に押さえたので、なかなかの整理番号。たっぷり堪能してくるとしよう。天気もいいし、鎌倉までの道のりも楽しみだ。
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2011年10月15日

R.E.M.の思いで

記録によると、僕がR.E.M.の日本盤LP『Murmur』を中古で買ったのは、1985年の3月。もうその頃にはとっくに次のアルバム『Reckoning』も出ていたはずだから、決して日本でいちばん早く彼らのことを聴いたというわけではない。というか、その前年にはもう彼らは初来日して関東のいくつかの大学の学園祭をまわるツアーをしていたから、当時関西の大学生だった僕はそんなニュースをきっかけに、運よく中古屋で見つけた彼らのそのデビューアルバムを買ってみたのかもしれない。

確かその学祭ツアーは爆風スランプの前座という形だったと記憶している。今から思えば、その数年後にマイケル・スタイプがサンプラザ中野と同じ髪型(?)になったのが奇遇だね。もうすっかりスキンヘッドが定着したマイケルだけど、当時の写真を改めて見ると、顔を覆うようなくしゃくしゃの髪の毛と今も変わらない眼光鋭い眼差しがすごくカリスマティックだと思う。

閑話休題。その『Murmur』、A面1曲目の「Radio Free Europe」をはじめ、気に入った曲がたくさん入ったアルバムだと思ったのを覚えている。「歌詞は聞き取り不可能なため掲載していません」なんて書いてあるライナーもなんだか秘密めいていて逆にわくわくさせるものだった。そう、当時はミュージック・マガジンなんかの記事を読んでも、マイケル・スタイプの歌う歌詞はアメリカ人にさえ聞き取れない、なんてことが書いてあったね。

当時の新作『Reckoning』も、その後すぐに出た『Fables Of The Reconstruction』も、たしかレンタルレコード屋で借りて聴いたんだっけ。今みたいに次から次へと気になったアルバムを買える経済状態じゃなかったからというのもあるけど、どれもこれもなんだかぼわーっとした抽象画みたいなジャケだったのが、当時の僕にとってはいまいちそそるものじゃなかったからなんだと思う(「当時は」と書いたものの、手元にR.E.M.特集のレコード・コレクターズ2001年6月号があるけど、彼らのシングルや貴重盤が掲載されたカラーページを見てもなんだかちっとも所有欲がわかないのは、今でもやっぱり彼らのビジュアルセンスが僕には合わないんだろう)。

そんな感じで、せっかく見つけてそれなりに気に入っていたバンドだったのに、僕はだんだん距離を置くようになってしまった。アルバム『Document』からのシングル「The One I Love」がヒットし、ワーナー移籍後の大ヒットアルバム『Green』が発表されたのはその少し後のことだった。当時全盛期だったMTVやラジオで彼らの新曲がかかるのを聴いてはいたけど、なんだか昔ちょっとだけいい感じになりそうだったけど付き合うまでには至らなかった女の子がどんどん美人になるのを見るみたいに、僕は彼らがどんどんビッグになっていくのを離れたところから見ていた。

2003年のベスト盤『In Time』を当時住んでいたクアラルンプールで買ったとき、僕は自分にとっての失われた十数年を悔やんだものだった。そうだよ、僕はこのバンドのこの音を好きだったんじゃないか。なんでずっと追っかけてこなかったんだろうって。

それからすぐ、1985年当時よりはいくぶん裕福になっていた僕は、それまでのブランクを埋めるように躍起になってバックカタログを買い集めた。その後移り住んだオークランドのリアル・グルーヴィーには安い中古盤が腐るほどあったし、ワーナー時代のアルバムがDVDオーディオ付きのデラックス・エディションで再発され始めたのもちょうどその頃だったしね。昔よりずっと美人になったかつての女友達が付き合ってくれることは滅多にないけど、ビッグになったバンドはもう一度ファンになることを拒絶したりしないのがいいよね。


先月21日に突然解散を発表したR.E.M.についてブログやツイッターや雑誌に書かれた文章はたくさん読んだ。僕もここに何か書こうかと思ったけれど、なんだかうまく書けない気がしてそのままにしてあった。それを1か月近くも経ってからこうして書いているわけなんだけど、解散について今さらあれこれ書くのももうなんだか気が引けるし、あちこちで読んだ僕が共感できる意見や感想をここで繰り返してもしょうがないから、最近ごぶさたしているこのブログを更新することを言い訳に、ずっと前に買ってまだ観てなかった彼らのライヴDVD(2枚組CDとのセット)を観て、そのことを書くことにした。そう、もう飽きてきた人には申し訳ないけど、残念ながらここまではまだ前書きだったんだよ。

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R.E.M. 『Live』

2005年2月のダブリンでのライヴを収録した、07年発表のアルバム。2枚組CDの方はこれまでもう何十回と聴いてきた。というか、僕が数年に一度罹るR.E.M.マイブーム病の際のここ数年の定番だった。でも、105分に亘るライヴDVDの方はなかなか時間が取れなくて、今日まで手を付けていなかったんだ(せっかく初回限定とかのDVD付きのアルバムを買ってもそういう目にあってるのがうちには他にもたくさんあるなあ)。

日本盤のライナーによると、2月27日のライヴから4曲をオミットし、前日公演から1曲を追加したものらしいけど、それ以外は当日のライヴの流れを尊重した全22曲。CDの方はオープニングの「I Took Your Name」から本編最後の「Losing My Religion」までの17曲が1枚目、アンコールの5曲が2枚目に収録されるという、なんとなく2枚目が物足りない構成になっているけれど、DVDは開演前の準備から最後のクレジットまで1枚に全部入っているのでもちろんそんな不自然感はない。

聴きなれた音源がどんな状況で演奏されているのかを初めて観る新鮮な驚き。スキンヘッドの額の下半分から鼻の真ん中まで、耳から耳までを真っ黒に化粧し、スーツを着込んだマイケルの異様ないでたち。天井から何本もぶら下がっているいろんな色の蛍光灯が緑色のときに下から見上げるショットは、まるで深い森か水中にいるような錯覚に陥る。CDの裏ジャケではセミアコを持っているピーター・バックが実際にほとんどの曲で弾いているのはリッケンバッカーだ。そのピーターはステージ上ではほとんど声を発することはなく、マイケルの後ろでコーラスを入れているのは主にマイク・ミルズだというのを再発見。

ライヴ・ヴィデオとしては、めまぐるしく切り替わるカット割り(せめてワンカットは一小節の長さ以上にしてもらいたい)や、カットによって画像の粗さや解像度や色調が頻繁に変わるのが僕としてはかなり煩わしい。以前ここに書いたELPのライヴDVDのように、もう二度と観たくないというほどには酷くはないんだけどね。曲によってはそういうのがうまく合っていい感じになっているのもあるけど、せっかく凝った作りのステージで見応えのある演奏をしているのに、余計な演出は要らないよ。

メンバー3人以外にサポートが数名。ドラムスが、ビル・ベリー脱退後ずっと一緒に演っている(でも最後まで正式メンバー扱いはしてもらえなかった)ビル・リーフリン。キーボードを弾いたりギターを弾いたりしているテンガロンハットにカーリーヘア、サングラスに髭面のスコット・マコーイー(マイナス5やヤング・フレッシュ・フェローズの写真でしか知らなかったけど、そのときはこんなに異様な見かけじゃなかったはずだぞ)。そして、そのスコットの隣で黙々とキーボードを弾いている色白なハンサム君、彼がサポートで参加していることをすっかり忘れていてあれっ?と思った、ポウジーズのケン・ストリングフェロウ。

ヒット曲や有名曲ばかりで構成されているわけではなく、アルバム中の地味な曲もバランスよく配されている。時期的には当然だけど、当時の新作『Around The Sun』からの曲が多いね。このライヴから3年後に出ることになる『Accelerate』の「I'm Gonna DJ」がもうアンコールで演奏されている。個人的なお気に入りは、「Cuyahoga」、「Bad Day」、「The Great Beyond」、「Imitation Of Life」など。もちろん、「Losing My Religion」や「Man On The Moon」といったヒット曲も嬉しい。アンコールで懐かしい「Don't Go Back To Rockville」を歌っているのは、その曲を書いたというマイク・ミルズ。決して上手いわけじゃないけど、なんだかほのぼのするね。


解散は残念だけど、それを見越していたかのようにIRS時代のアルバムがデモやライヴ音源などを含んだデラックス・エディションとして再発されているし、この『Live』の2年後に、これよりかなりマニアックな初期の曲を中心にした『Live At The Olympia』も出ているし、きっと今後もあれこれ発掘音源を小出しにしてくれるんじゃないだろうか。

それに、こんなに友好的なまま解散したバンドだから、きっと何かの機会にちょっと集まってくれたりするんじゃないかな。そんなのが何年後に起こるかなんてわからないけど、なにしろ僕は彼らとの失われた十数年を取り返すのが先決だから、のんびり待っていよう。
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