2011年05月30日

Ben Folds live in Tokyo 2011

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力強く、且つ軽やかに動く二対・四本の手。ずっとそれに目が釘付けだった。

確か先行予約で押さえたはずなのに、またしてもあまりぱっとしない番号の席だなと思っていたけれど、実際会場に入って席についてみると、実はかなりいい位置だということに気付いた。ステージ上、中央よりやや左寄りにグランドピアノ。最近また悪くなってきた僕の目には読みづらいけど、ロゴの形状と文字数からいってヤマハだと思う。中央後方、一段高くなったところにドラムキット。その左にパーカッション、右にキーボード(これは僕の位置からはアンプが邪魔で殆ど見えなかったけど)。そして、ピアノの向こう側に、フェンダーのプレジションとジャズベース。

僕の席は、一階席のかなり左寄り。つまり、ステージ上でピアノを弾くベン・フォールズを後ろから観ることになる場所だ。ときおりピアノを離れてステージを歩き回ったり、わざわざこっちを向いて話をしたりする以外には彼の顔は殆ど見えなかったけど、細マッチョな彼の両腕と、ぴかぴかに磨き上げられたグランドピアノの前面板に映って彼の手と全く同じ動きをするもう一対の両腕の動きに、僕はまるで金縛りにあったかのように魅入られていた。


思えば、2年前に初めて生ベン・フォールズを観たときも、雨がしとしと降っていた。あのときと違うのは、今回のは既に九州に台風2号が上陸していて、それに伴った土砂降りだということ。最近たまにうちから歩いて訪れる散歩経路の三軒茶屋駅から徒歩数分、昭和女子大学人見記念講堂に辿り着く頃にはもうジーンズがずっしり重くなるほど濡れてしまっていた。この会場、初めてかな。いや、ずっと昔にジョー・ジャクソンを観たのはここだったっけ。

指定席制の着座の会場でライヴを観るのは久しぶり。普段はクラシックのリサイタルが行われているというこの会場、規模でいうと、二日後・三日後にベンのライヴが行われるC.C.レモンホールよりも若干小ぶりといったところか。最前列から数列分は平坦だけど、後ろに行くにつれて徐々に傾斜がついていて、後ろの方でも見やすいようにと配慮されている。さっきかなり左寄りと書いた僕の席は、その傾斜が始まったあたりの場所。ベンの両腕(とその複製)だけでなく、ステージ全体を俯瞰できる好位置だった。距離的にも、2年前にベンを観たリキッドなら一番後ろあたりかなという程度で、ベンや他のメンバーの表情もはっきり見えたし。

会場入口に、開場6時・終了予定時刻8時と書いてあったので、ああ、こういうところは時間もきっちり終わらないといけないんだろうなと思っていたら、案の定6時ちょうどに客電が落ち、ベンと4人のメンバーが登場した。「Eddie Walker」〜「Zack And Sara」〜「Annie Waits」という怒涛のオープニングだった2年前から一転、今回のオープニングはブルージーな「Levi Johnston's Blues」。まあ、文句は言うまい。"Lonely Avenue"ツアーなんだしね。のっけから椅子に座るつもりもない、いつもの中腰でガンガン弾きまくる。こんなスローな曲でも。

日本語で軽く挨拶したあと、続けて同じアルバムから「Doc Pomus」。ファースト・ソロからの「Gone」を挟んで、ニューアルバムからもう1曲「Belinda」。この曲のときもそうだったけど、演奏前に結構丁寧に説明してたね。ニック・ホーンビィが書いたこの曲の歌詞、ロックスターが(既に別れてしまったかつての奥さんのことを歌った)往年のヒット曲をいつまでも歌い続けないといけないという説明に続けて、「今から僕もそういう気持ちになって歌ってみるよ」と、しばらく黙祷の後に歌い始めた。

続いて、たまたま僕が今日出かける前に見つけた、日本へのチャリティーアルバム『Tsunami Relief』にベンが提供している、ケイシャの「Sleazy」という曲。演奏前の説明によると、特にこの曲が好きだからというわけでなく、どの曲をカバーしようかと迷ったときに、そのときどの曲がチャートで1位だったかを調べ、単にその曲をカバーしただけとのこと。「これを聴いて気に入ったら、ケイシャのCD買ってよね」なんて言ってたね。ピアノを離れてうろつきまわるベンのラップが楽しかった。

「Sentimental Guy」〜「You To Thank」と、『Songs For Silverman』の曲を続け、「今日は実はライヴ録音をしているんだ。次の曲を一緒に歌ってくれないか。でも僕の日本語どうかな」と言いながら演奏を始めたのは、もちろん「Hiroshima」。さらに、「もう一曲、これも録音しよう」と前回同様に低中高のコーラスを練習させてから始めたのは「Not The Same」。

一応ここ数カ月のセットリスト(日本に来る前にオーストラリアやインドネシアを廻ってたんだね)を参考に、今日のセットリストをなんとか思い出してるけど、もしかしたら結構間違えてるかも。この中盤あたりで演奏したのは、「Still Fighting It」、「Bastard」、「You Don't Know Me」、「Saskia Hamilton」あたりかな。

途中で、ベンが後ろのパーカッショニストの隣に移動し、ドラマーと3人でパーカッション合戦をやり出し、その曲が続いている間に袖に引っ込み、そのとき既に汗びっしょりで背中に貼りついていた青い長袖のシャツを黒いTシャツに着替えて出てきて、また演奏を続けるなんて展開も。あれどの曲のときだっけな。

「Annie Waits」の手拍子が綺麗に決まった後、ベン以外のメンバーが一旦袖に引き上げる。スポットライトを浴びたベンがソロで弾き始めたのは、「Picture Window」。沁みる。ここから数曲、ベンのソロコーナーが続くんだけど、やっぱり僕こっちの方がいいよ。今日のバンド、決して悪かったわけでもないし、素晴らしいコーラスや色んな趣向を凝らして楽しませてくれようとしていたんだけど、ベンのピアノソロを聴いてしまうと、もうそこに他の音を付け加えてくれなくてもいいと思ってしまった。

弾き語りのパートで演った他の曲。「The Last Polka」、「Brick」、「Gracie」、「Boxing」、そして、「うまく歌えるかな」と「Song For The Dumped」というか「金返せ」。さっきの「Hiroshima」はアンチョコをピアノの上に乗せて歌ってたけど、これはソラで歌えてたよ。すごいね。

メンバーが戻ってきて最初は何だったかな。「Underground」?あとは、「Effington」、「Zack And Sara」、「Rockin' The Suburbs」とか、とにかく盛り上がるやつなんでも、という感じで。最後は「Army」。観客コーラスがちょっと弱かったかな。ベンも「まあいいや、ありがとう」って感じで退場。

もうこの時点でお約束の2時間はゆうに過ぎてたはず。お堅い会場はもうこれで終了にしてしまうのかなと心配しながらアンコールの拍手をしていたら、すぐにベンが再登場。またピンスポットのあたるグランドピアノに座り、静かに奏で始めたのは、「The Luckiest」。これ、ほんとうに名曲だよね。サビのところで全身に鳥肌が立ったよ。

余韻を味わう間もなくメンバー全員が再登場。ここはもうお約束の「Philosophy」で締め。あ、この2曲のアンコールの流れ、今見返してみたら、2年前と全く同じだね。2年前と違うのは、あのときは客電が点いても延々とアンコールの拍手が続いていたんだけど、今回は演奏が終わってメンバーが袖に移動しだした途端に客電が点き、ほぼ強制退場状態。まあ、予定時刻を20分以上過ぎてたからね。


楽しかった。2年前の記事に「今後ベン・フォールズが来る際には全部観に行くことが自分内ルールとして先日設定されました」と書いたのに、今週火曜・水曜はどうしても時間が取れないのでやむなく一日だけになってしまったけれど。アンコールのときにベンが「15年も前からずっと応援してくれていてありがとう。日本は僕の大好きな場所だ」と言ってくれたのがすごくうれしかった。こちらこそありがとうね、こんなに原発やら何やらでバタバタしているときに来てくれて。

明日からまた忙しい日が始まるのでなんとしても今日中に書いてしまいたかったから、ほぼ殴り書き状態。もう1時半過ぎてしまったよ。明日時間があったら推敲することにして、とりあえずアップしてしまおう。セットリストはそのうちどっかから拾ってこよう。最後に、終演後には既に温帯性高気圧に変わっていたはずの元台風がもたらした雨の中を歩いて帰ってきたおかげでしっとりしてしまった今日のチラシの写真。

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<5月31日追記>

昨日はあまりに眠くてもう最後の方はとにかく書き終えることだけを目標にしていたから、今日になって「あ、そういえばあんなことも言ってた」とか「あれも書いておかないと忘れる」とかいうことをボロボロ思い出して仕事にならなかったので(仕事にならないのは別にそのせいではなく)、頭に残っていることを順不同で落ち穂拾い的に書き連ねていこう。あと、某所にもうセットリストがアップされていたので、それも書き写させてもらおう。

まずは、メンバー紹介。ウドーのサイトによると、今回の来日メンバーはベンの他に、

Sam Smith (ds)
Ryan Lerman (b)
Andrew Higley (key)
Chad Chapin (per)

ということで、べーシスト以外は最新作『Lonely Avenue』でのバックバンド。もしかしたらもっと以前から一緒に演っている人達かもしれないけど、どうもこのバンドのメンバーあまり覚える気にならず。べーシストは僕の位置ぐらい遠目で見るとなんとなくインド人っぽい風貌だったね。

一応担当楽器は上記のとおりだけど、パーカッションのチャドはアコギも弾いていたし(どれか一曲でベースのライアンがそのギターを弾いてた。その曲のときはベースレスだった)、キーボードのアンドリューは1〜2曲でフレンチホルンを吹いていたね。前述のとおり僕の位置からは彼のことがほとんど見えなかったので、ほんとにホルンを吹いているのか、キーボードでその音を出しているのかなかなか判断つかなかったんだけど。

「You Don't Know Me」の歌詞(というか台詞)、"Say it!"ってところ、ベンは“言ってみて!”って日本語で言ってたね。確かそこだけじゃなくて、いろんな曲でちょこちょこ日本語使ってたと思う。そんなに咄嗟に一言だけ日本語で言われても何言ったのかほとんどわからなかったけど、そういうサービス精神がすごいよね、この人。最後に言ってた「日本は僕の大好きな場所」というのが決してお世辞じゃないと思えてしまう。今回は残念ながらあとの2公演観られないけど、また来てよね。今度こそちゃんと全部歌詞憶えてくるから。

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Setlist 29 May 2011 @ Hitomi Memorial Hall

1. Levi Johnston's Blues
2. Doc Pomus
3. Gone
4. Belinda
5. Sleazy
6. Sentimental Guy
7. You to Thank
8. Effington
9. Hiroshima (in Japanese)
10. Not the Same
11. Still Fighting It
12. Adelaide
13. Bastard
14. Saskia Hamilton
15. You Don't Know Me
16. Rock This Bitch
17. Annie Waits
18. Picture Window
19. The Last Polka
20. Brick
21. Gracie
22. Boxing
23. Song for the Dumped (Japanese version)
24. Underground
25. Zak & Sara
26. Kate
27. Rockin' the Suburbs
28. Army

<Encore>
1. The Luckiest
2. Philosophy


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