2011年05月30日

Ben Folds live in Tokyo 2011

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力強く、且つ軽やかに動く二対・四本の手。ずっとそれに目が釘付けだった。

確か先行予約で押さえたはずなのに、またしてもあまりぱっとしない番号の席だなと思っていたけれど、実際会場に入って席についてみると、実はかなりいい位置だということに気付いた。ステージ上、中央よりやや左寄りにグランドピアノ。最近また悪くなってきた僕の目には読みづらいけど、ロゴの形状と文字数からいってヤマハだと思う。中央後方、一段高くなったところにドラムキット。その左にパーカッション、右にキーボード(これは僕の位置からはアンプが邪魔で殆ど見えなかったけど)。そして、ピアノの向こう側に、フェンダーのプレジションとジャズベース。

僕の席は、一階席のかなり左寄り。つまり、ステージ上でピアノを弾くベン・フォールズを後ろから観ることになる場所だ。ときおりピアノを離れてステージを歩き回ったり、わざわざこっちを向いて話をしたりする以外には彼の顔は殆ど見えなかったけど、細マッチョな彼の両腕と、ぴかぴかに磨き上げられたグランドピアノの前面板に映って彼の手と全く同じ動きをするもう一対の両腕の動きに、僕はまるで金縛りにあったかのように魅入られていた。


思えば、2年前に初めて生ベン・フォールズを観たときも、雨がしとしと降っていた。あのときと違うのは、今回のは既に九州に台風2号が上陸していて、それに伴った土砂降りだということ。最近たまにうちから歩いて訪れる散歩経路の三軒茶屋駅から徒歩数分、昭和女子大学人見記念講堂に辿り着く頃にはもうジーンズがずっしり重くなるほど濡れてしまっていた。この会場、初めてかな。いや、ずっと昔にジョー・ジャクソンを観たのはここだったっけ。

指定席制の着座の会場でライヴを観るのは久しぶり。普段はクラシックのリサイタルが行われているというこの会場、規模でいうと、二日後・三日後にベンのライヴが行われるC.C.レモンホールよりも若干小ぶりといったところか。最前列から数列分は平坦だけど、後ろに行くにつれて徐々に傾斜がついていて、後ろの方でも見やすいようにと配慮されている。さっきかなり左寄りと書いた僕の席は、その傾斜が始まったあたりの場所。ベンの両腕(とその複製)だけでなく、ステージ全体を俯瞰できる好位置だった。距離的にも、2年前にベンを観たリキッドなら一番後ろあたりかなという程度で、ベンや他のメンバーの表情もはっきり見えたし。

会場入口に、開場6時・終了予定時刻8時と書いてあったので、ああ、こういうところは時間もきっちり終わらないといけないんだろうなと思っていたら、案の定6時ちょうどに客電が落ち、ベンと4人のメンバーが登場した。「Eddie Walker」〜「Zack And Sara」〜「Annie Waits」という怒涛のオープニングだった2年前から一転、今回のオープニングはブルージーな「Levi Johnston's Blues」。まあ、文句は言うまい。"Lonely Avenue"ツアーなんだしね。のっけから椅子に座るつもりもない、いつもの中腰でガンガン弾きまくる。こんなスローな曲でも。

日本語で軽く挨拶したあと、続けて同じアルバムから「Doc Pomus」。ファースト・ソロからの「Gone」を挟んで、ニューアルバムからもう1曲「Belinda」。この曲のときもそうだったけど、演奏前に結構丁寧に説明してたね。ニック・ホーンビィが書いたこの曲の歌詞、ロックスターが(既に別れてしまったかつての奥さんのことを歌った)往年のヒット曲をいつまでも歌い続けないといけないという説明に続けて、「今から僕もそういう気持ちになって歌ってみるよ」と、しばらく黙祷の後に歌い始めた。

続いて、たまたま僕が今日出かける前に見つけた、日本へのチャリティーアルバム『Tsunami Relief』にベンが提供している、ケイシャの「Sleazy」という曲。演奏前の説明によると、特にこの曲が好きだからというわけでなく、どの曲をカバーしようかと迷ったときに、そのときどの曲がチャートで1位だったかを調べ、単にその曲をカバーしただけとのこと。「これを聴いて気に入ったら、ケイシャのCD買ってよね」なんて言ってたね。ピアノを離れてうろつきまわるベンのラップが楽しかった。

「Sentimental Guy」〜「You To Thank」と、『Songs For Silverman』の曲を続け、「今日は実はライヴ録音をしているんだ。次の曲を一緒に歌ってくれないか。でも僕の日本語どうかな」と言いながら演奏を始めたのは、もちろん「Hiroshima」。さらに、「もう一曲、これも録音しよう」と前回同様に低中高のコーラスを練習させてから始めたのは「Not The Same」。

一応ここ数カ月のセットリスト(日本に来る前にオーストラリアやインドネシアを廻ってたんだね)を参考に、今日のセットリストをなんとか思い出してるけど、もしかしたら結構間違えてるかも。この中盤あたりで演奏したのは、「Still Fighting It」、「Bastard」、「You Don't Know Me」、「Saskia Hamilton」あたりかな。

途中で、ベンが後ろのパーカッショニストの隣に移動し、ドラマーと3人でパーカッション合戦をやり出し、その曲が続いている間に袖に引っ込み、そのとき既に汗びっしょりで背中に貼りついていた青い長袖のシャツを黒いTシャツに着替えて出てきて、また演奏を続けるなんて展開も。あれどの曲のときだっけな。

「Annie Waits」の手拍子が綺麗に決まった後、ベン以外のメンバーが一旦袖に引き上げる。スポットライトを浴びたベンがソロで弾き始めたのは、「Picture Window」。沁みる。ここから数曲、ベンのソロコーナーが続くんだけど、やっぱり僕こっちの方がいいよ。今日のバンド、決して悪かったわけでもないし、素晴らしいコーラスや色んな趣向を凝らして楽しませてくれようとしていたんだけど、ベンのピアノソロを聴いてしまうと、もうそこに他の音を付け加えてくれなくてもいいと思ってしまった。

弾き語りのパートで演った他の曲。「The Last Polka」、「Brick」、「Gracie」、「Boxing」、そして、「うまく歌えるかな」と「Song For The Dumped」というか「金返せ」。さっきの「Hiroshima」はアンチョコをピアノの上に乗せて歌ってたけど、これはソラで歌えてたよ。すごいね。

メンバーが戻ってきて最初は何だったかな。「Underground」?あとは、「Effington」、「Zack And Sara」、「Rockin' The Suburbs」とか、とにかく盛り上がるやつなんでも、という感じで。最後は「Army」。観客コーラスがちょっと弱かったかな。ベンも「まあいいや、ありがとう」って感じで退場。

もうこの時点でお約束の2時間はゆうに過ぎてたはず。お堅い会場はもうこれで終了にしてしまうのかなと心配しながらアンコールの拍手をしていたら、すぐにベンが再登場。またピンスポットのあたるグランドピアノに座り、静かに奏で始めたのは、「The Luckiest」。これ、ほんとうに名曲だよね。サビのところで全身に鳥肌が立ったよ。

余韻を味わう間もなくメンバー全員が再登場。ここはもうお約束の「Philosophy」で締め。あ、この2曲のアンコールの流れ、今見返してみたら、2年前と全く同じだね。2年前と違うのは、あのときは客電が点いても延々とアンコールの拍手が続いていたんだけど、今回は演奏が終わってメンバーが袖に移動しだした途端に客電が点き、ほぼ強制退場状態。まあ、予定時刻を20分以上過ぎてたからね。


楽しかった。2年前の記事に「今後ベン・フォールズが来る際には全部観に行くことが自分内ルールとして先日設定されました」と書いたのに、今週火曜・水曜はどうしても時間が取れないのでやむなく一日だけになってしまったけれど。アンコールのときにベンが「15年も前からずっと応援してくれていてありがとう。日本は僕の大好きな場所だ」と言ってくれたのがすごくうれしかった。こちらこそありがとうね、こんなに原発やら何やらでバタバタしているときに来てくれて。

明日からまた忙しい日が始まるのでなんとしても今日中に書いてしまいたかったから、ほぼ殴り書き状態。もう1時半過ぎてしまったよ。明日時間があったら推敲することにして、とりあえずアップしてしまおう。セットリストはそのうちどっかから拾ってこよう。最後に、終演後には既に温帯性高気圧に変わっていたはずの元台風がもたらした雨の中を歩いて帰ってきたおかげでしっとりしてしまった今日のチラシの写真。

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<5月31日追記>

昨日はあまりに眠くてもう最後の方はとにかく書き終えることだけを目標にしていたから、今日になって「あ、そういえばあんなことも言ってた」とか「あれも書いておかないと忘れる」とかいうことをボロボロ思い出して仕事にならなかったので(仕事にならないのは別にそのせいではなく)、頭に残っていることを順不同で落ち穂拾い的に書き連ねていこう。あと、某所にもうセットリストがアップされていたので、それも書き写させてもらおう。

まずは、メンバー紹介。ウドーのサイトによると、今回の来日メンバーはベンの他に、

Sam Smith (ds)
Ryan Lerman (b)
Andrew Higley (key)
Chad Chapin (per)

ということで、べーシスト以外は最新作『Lonely Avenue』でのバックバンド。もしかしたらもっと以前から一緒に演っている人達かもしれないけど、どうもこのバンドのメンバーあまり覚える気にならず。べーシストは僕の位置ぐらい遠目で見るとなんとなくインド人っぽい風貌だったね。

一応担当楽器は上記のとおりだけど、パーカッションのチャドはアコギも弾いていたし(どれか一曲でベースのライアンがそのギターを弾いてた。その曲のときはベースレスだった)、キーボードのアンドリューは1〜2曲でフレンチホルンを吹いていたね。前述のとおり僕の位置からは彼のことがほとんど見えなかったので、ほんとにホルンを吹いているのか、キーボードでその音を出しているのかなかなか判断つかなかったんだけど。

「You Don't Know Me」の歌詞(というか台詞)、"Say it!"ってところ、ベンは“言ってみて!”って日本語で言ってたね。確かそこだけじゃなくて、いろんな曲でちょこちょこ日本語使ってたと思う。そんなに咄嗟に一言だけ日本語で言われても何言ったのかほとんどわからなかったけど、そういうサービス精神がすごいよね、この人。最後に言ってた「日本は僕の大好きな場所」というのが決してお世辞じゃないと思えてしまう。今回は残念ながらあとの2公演観られないけど、また来てよね。今度こそちゃんと全部歌詞憶えてくるから。

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Setlist 29 May 2011 @ Hitomi Memorial Hall

1. Levi Johnston's Blues
2. Doc Pomus
3. Gone
4. Belinda
5. Sleazy
6. Sentimental Guy
7. You to Thank
8. Effington
9. Hiroshima (in Japanese)
10. Not the Same
11. Still Fighting It
12. Adelaide
13. Bastard
14. Saskia Hamilton
15. You Don't Know Me
16. Rock This Bitch
17. Annie Waits
18. Picture Window
19. The Last Polka
20. Brick
21. Gracie
22. Boxing
23. Song for the Dumped (Japanese version)
24. Underground
25. Zak & Sara
26. Kate
27. Rockin' the Suburbs
28. Army

<Encore>
1. The Luckiest
2. Philosophy
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2011年05月22日

yascd番外編の夜

きっかけは去年の年末、グレン関連で仲良くさせてもらっている友達の家に集まって年間ベスト10の披露会をしていたときのことだった。ワインを何本も開けながら夜通し飲んでいたときだったか、翌朝の朦朧とした頭で朝ごはんを食べながらだったかはもうよく覚えていないけど、誰からともなく「生涯ベスト20曲をCD-R一枚に焼いて披露し合おう」という話になった。確か、言いだしっぺはそのときホストを務めてくれたHさんだったかな。

生涯ベスト20曲なんて、無人島レコと同じでとても選べないよ、と誰もが思ったけれど、その後も何度か、誰かのコンサートの後や飲み会などで顔を合わせるたびにその話になるので、僕はひそかに選曲を進めていた。ほんとは楽しいんだよね、そういう作業って。

完成したのは先月だったかな。そうだ、確かゴールデンウィークの前だった。「できたので披露会やろう。ゴールデンウィークのいつがいいですか?」と、ひとの予定を完全に無視したメールを皆に送りつけたものの、あえなく却下。結局、最速で皆の予定が合う5月21日に集合することになった。ほとんどのメンバーは、その約1カ月で急いで選曲をする羽目になったし、中には前日ほぼ徹夜で選曲〜録音を終えて駆け付けた人も。ごめんね、相変わらずの無茶振りで。

会場は新宿の某カラオケボックス。開店時間の11時を待って入店、お店の人に接続ケーブルを持ってこさせ、僕が持参したPCをアンプに繋ぐ。ちょっとした機材トラブルのせいで、最初の2時間ほどは飲み放題のコーヒーやらビールやら日本酒やら(土曜の朝から)で雑談タイム。1時すぎになってようやくスタート。これから、メンバー6人が持ち寄った、ほぼ80分ぎりぎりまで詰め込まれたCD-Rを順番に聴いていくことになる。

いつものライヴレポートじゃないから、あれこれ詳細を書くのはやめておくけど、ほんっとに楽しかった。あんなに濃密な10時間半(最初の2時間+80分×6人分+途中のトイレ休憩)を過ごしたのは久しぶりだったよ。

トップを飾ったN君の、王道パワーポップとオブスキュアなシンガーソングライターの絶妙な取り合わせが見事。あのコンピレーションなら僕はきちんとお金出して買うよ。

続いては、先日のジム・ボジアのライヴでも一緒だったIさん(このアルファベットは活字になると非常に読みづらいので、昨日急遽決まった新しいニックネーム、トムで今後は彼のことを呼ぶことにするよ)。僕と年齢も近く、音楽的嗜好も似ているのは知っていたけど、まさか僕の選曲と2曲もかぶるとは(うち1曲はバージョン違い)。

もともとグレン・ティルブルックのライヴで知り合った仲間だから、スクイーズ/グレンの曲は誰もが入れてくるだろうと思っていたし、もしかしたら結構皆同じ曲を選んだりするのかな、なんて想像していたんだけど、意外にスクイーズを選んだ人は少なく、誰もかぶらなかった。そんな中、まさかこの曲が、と思えるアレが出てきたときは心底びっくりしたものだ。ジャケもレーベル印刷もとても凝った造りのtomcd(笑)、自分の分身が作ったミックスを見ているようだった。

前日、というか当日の朝4時半までかかって選曲〜録音を終えた挙句、新幹線で駆け付けたNさん(ご苦労さまでした)。ジャケどころか曲目表すら作ってる余裕ありません、でもせめてもの印にと、真っ白なCD-Rのケースに綺麗な模様の紙を入れてくれたのが健気(笑)。渋めの曲がきちんと選曲された部分と、「だってニック・ロウとヨラテンゴが好きなんだからしょうがないでしょう」と言わんばかりに立て続けに同じアーティストの曲が何曲も並んでいるところが昨夜の混沌を物語っています(笑)

続くはMさん1号。見事なまでの70年代縛り(笑・失礼)。「次は2011年のベスト20曲を披露し合おう」という提案に「だって私、新しいCDなんて何も買ってないから」というのがよくわかる選曲。単にアーティスト名をアルファベット順に並べただけなのに、あの整った選曲の流れは驚愕。Mさんもトムと1曲かぶっていたね。僕らの世代のラジオ・ヒット。

Mさん2号。予想通りのムーンライダーズからスタートしたものの、あとはめくるめくMkさんワールド。なんでダニー・ハザウェイとレッド・ゼッぺリンとプリファブ・スプラウトとクラフトワークが同じミックスCDに入ってるんだ?(笑)。個人的にはもしかしたら一番遠い好みかなぁと思っていたけれど、あらためて曲目表を見てみたら、半数のアーティストは僕も全部のアルバムを揃えているような人たちばかり。しかもスクイーズなしで。

当初の終了時間19時を大幅に過ぎ、機材トラブルで得た1時間のロスタイムも終了し、さらに延長タイムを申請した頃に僕の順がまわってきた。ただソファに座って飲み食いしているだけなのに、皆お疲れの様子、というかもう全身麻痺状態。心なしか口数も減ってきている。僕のCDが流れていた間ほぼ皆さん無口だったのは、内容がつまらなかったからじゃなくて、聴き入ってくれていたんだと思っておこう。

熟考4ヶ月、普通に選ぶととても20曲になんて絞り込めないからあれこれと縛りを設けたうえで、誰よりも早く選曲を完成させ、ジャケットまで作ったものの、それから約1カ月の間でもう既に相当数の曲を入れ替えたくなっていたこの(暫定)生涯ベスト20。最後の2曲が合わせて15分もあるので、CD-Rに焼くとなると19曲しか入らないので(暫定)生涯ベスト19なんだけど。

採用した1曲の歌詞から取ったフレーズをタイトルにさせてもらったこのミックス。そういう訳で自分の生涯の19曲というには選曲はまだまだ生煮えだと思うので、ちょっとyascdシリーズでこのブログに載せる気にはならないから、とりあえずジャケットだけ先にお目見え。

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楽しかったなあ。全員が選曲過程について何かしらグチをこぼしていたし、さすがに10時間半ソファに座り通しだと体力的にも精神的にもかなり参ってしまうのが改めてわかったんだけど、終わったとたん、「次はどういうテーマでやろうか」とまた誰からともなく出てしまう気持ちがまたすごくよくわかる。

単に音楽好きを6人集めて同じ企画を開催したとしても、決してこんなに楽しめなかったと思う。ほら、例えば音楽雑誌の年始恒例の誰それの年間ベスト10みたいな記事読んでも、たいていは半分ぐらい興味の持てないアーティストでリストが埋められていたりするよね。あらためて、このグループの自分と微妙に付かず離れずな音楽の嗜好に驚くとともに、感謝もする次第。とりあえず、N君のミックスに入ってたあれとあれを買いに行こう。
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2011年05月15日

モスクワの味

と言ってもパルナスの話ではなく。と書いたところで関西圏以外の方々にはパルナスなんて意味も通じるわけもなく。とにかく今日は、出張でモスクワに行ってきましたよ、という比較的どうでもいい系の写真ばかりの短いお話。

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モスクワといえばお決まりのこれ。赤の広場に建つなんとかって教会(いいかげん)。仕事の途中で通りがかったのでとりあえず記念に写真を一枚。

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帝政時代の1893年だかに建ったという由緒正しいショッピングモール。石でできた階段の、人々が歩く箇所だけがどこの中世の寺院かというぐらい擦り減ってたりしてて、歴史を感じる。

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街並みなんかおかしいと思いながら見てて気づいた。アパートだろうが高層ビルだろうが、常に電線が屋上同士をつないでいる。見えるかな。あれどうやって渡したんだ? 切れたりしたらどうやってつなぐんだろう。

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街中のあちこちに建つなんかゲンパツみたいな煙突。煙出てるから違うよね、きっと。それにしてもこんな市街地の真ん中に発電所がいくつもあるのにびっくり。そういえば、モスクワの空港に到着したら、飛行機降りるところでガイガーカウンター持った人たちにさんざん測られたよ。いや、別に日本から来た人がみんな被曝してるわけじゃないからさ。

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車で走っててよく目につくのが、コンサートの看板。この一番左のフェスみたいなのには、プロディジー、コーン、アダム・ランバート、トラヴィス(どういう組み合わせだ)。システム・オヴ・ア・ダウンとミューズがそれぞれ。一番右はリンゴ・スター・オールスターズだね。

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ブライアン・フェリーにケミカル・ブラザーズ。この他にもよく目立ったのが、ロバート・プラントとかサンタナとかスティング。シャキーラとホワイトスネイクのポスターも多かったな。新宿ユニオンでいうと6階よりも5階・7階が多い感じ。

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70年代組ばかりかと思いきや、懐かしのデュラン・デュランも。真ん中の地元アーティストのポスターを挟んで、右にジャミロクワイもあるね。あとここにもゲンパツ風煙突。

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お決まりの「ロシアのマクド」。(゚Д゚)この顔とにかくロシアではやたらあちこちで見かける。マクドナルド内にもほら。去年の「世界のマクド」シリーズの記事にも別バージョンの写真を貼っておこう。

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結構驚いたのが、普通にレコードが流通していること。この写真はとある電気屋兼ソフト屋さんなんだけど、最新の3Dブルーレイのソフトを売っているすぐ横で、プーチン似のおっさんが見ているのがLP。いにしえの名盤から最新盤まで、結構品揃え充実してたよ。仕事中だったから全部チェックする時間がなかったのは残念だけど。

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モスクワに着いた日の夜にウクライナ料理を食べに連れて行ってもらって、そこで出されたウクライナ流トウガラシ&ハチミツ入りウオッカがめちゃくちゃ気に入ってしまったので、帰りに空港で買ってきた。トウガラシデザインのショットグラス3つ付き700mlで11ユーロ(1250円)って安くない?

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仕事中でLP棚はチェックするヒマなかったけど、CD棚はざっと閲覧。なにか自分にお土産を、と思って、まだ買ってなかったペット・ショップ・ボーイズの新譜のロシア盤を。なんて書いてあるのか全然わからないけど、ジャケット(というか、全面帯)のロシア語がなんか貴重っぽくて嬉しい。あと、2枚組で299ルーブル(860円)という破格値も嬉しい。


<5月22日追記>
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底にトウガラシが沈んでる。人の指みたいで不気味。

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箱の切り込みが見事。
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2011年05月07日

Jim Boggia live in Kamakura

GW初日に引いた風邪が結局ずっと尾を引いてしまい、何年振りかで訪れた病院でもらった薬のせいか、もしくは服薬中にもかかわらず毎晩かかさず飲んでいる酒のせいか、ここのところ始終頭がぼーっとした状態が続いている。そんなさえないGWの中日、5月5日の子供の日に、ジム・ボジアを聴きに鎌倉まで出かけてきた。

僕が彼のことを知ったのはつい最近、半年ほど前に来日した際のうささこさんのブログのライヴレポートを読んだのが最初だったと思う。どうしてそれまで名前も知らなかったんだろうと思えるほど僕の趣味に合う感じのSSWで、さっそく3枚出ているオフィシャルCDのうち、99年のファーストと08年の最新作を入手。まさかわずか半年で再来日するとは思ってもいなかったが、結果的にそれがいい予習になった。

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ジム・ボジア『Fidelity Is The Enemy』
ジム・ボジア『Misadventures In Stereo』

08年の七夕の頃にタマス・ウェルズを観に来たCafe Vivement Dimancheのすぐ近所、これがオープン12周年のイベントだというCafe Goateeは、そこで何度もライヴが行われているというのがにわかに信じられないほどこぢんまりしたところだった。きっと普段はテーブルが置いてあるんだろうと思われる店の一角にヴォーカル用とギター用のマイクスタンドが立ててあり、壁際にはアクースティック・ギターとウクレレが1本ずつ。もう一方の壁には(これはきっと店に備え付けの)アップライト・ピアノ。

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おそらく店中からかき集めてきたありとあらゆる大きさと形の椅子がマイクスタンドを囲むようにびっしりと配置してある。チケットを事前受け取りにせず当日最後の方の入場になってしまった僕も、前から2列目という好位置(でも後ろから1列目・笑)。お客さんは全員で30人弱だったと思うけど、ちょっと表に出た小町通りにも負けないほどの人口密度。

最初から店の反対側に座っていたジムが、開演時刻の7時をちょっと回った頃、人をかき分けるようにステージ(?)に登場。ギターを手にし、1曲目はファーストからの「Bugglegum 45s」。のっけから好きな曲でうれしい。続いて「O/P」、「Toy Boat」と、ファーストからの曲が続く。

知らない曲はきっと僕が持っていないセカンドからだろう。いちおう知っている曲だけでも何曲目にどれを演ったかを覚えようとしたけど、このあたりから風邪薬と赤ワインのせいで(ということにしておこう)記憶がおぼろげに。5曲目からメドレーのようにしてつないだ曲はフェイセズの「Debris」だったはず。フェイセズ・ファンのうーららさんことN君はうれしいだろうな(もしかしたら彼のリクエストだったのかも)。ちなみに、彼やうささこさんをはじめとしたグレン・ティルブルックのライヴでお馴染みの面々はこの三夜連続ライヴのために鎌倉まで2〜3回通ったらしい。最終日にしか行かなかった自分はまだまだ未熟だと反省。

「次の曲はCMに使われたんだけど、僕には印税は入ってこなかったんだ。それがミュージック・ビジネスというもんだ」みたいなことを言って始めたのは、Cafe Goateeのサイト“2008年にはセカンド・アルバム『Safe in Sound』収録の「Live The Proof」がBlackberryのテレビCMに使用され一気に知名度アップ”と書いてあった曲だろう。いかにもCM向けのキャッチーな曲。

「On Your Birthday」の前には、「これはデイヴィッド・ポーと一緒に書いた曲」と紹介。08年のアルバムから演奏したのはこの曲が最初かも。これ、アルバムの中では決して目立つわけじゃないけど、いい曲だよね。ポール・マカートニーあたりがちょこちょこっと書いてアルバムに入れそうな感じ。

休憩前、前半部の最後に演奏したのが、僕の一番好きな「Listening To NRBQ」だった。僕はNRBQ自体は友達に教えてもらったアルバム1枚しか持っていなくてよく知らないんだけど、この「Listening To NRBQ」みたいな曲調は大好き。この日のライヴが終わってからというもの、僕の頭の中ではずっとこの曲が延々鳴り響いていた(ちなみにうささこさんのテーマソングは「Several Thousand」だったらしいね)。


店内にひとつしかないトイレを皆が使うのを待って、余裕を持って始まった第二部。1曲目は、CDだとイントロのドラムが格好いい「To And Fro」。続いて、さっき引き合いに出したポールの昔のヒット曲「Live And Let Die」。この曲の「You know you did, you know you did, you know you did〜」ってファルセットのコーラスを客に歌わせようとするんだけど、全然声が出ていない(そりゃ無理だよ)。何度かやり直させた挙句、「もうそれでいいよ」と半分投げやりにOKが出て継続。

ところが、次の自作曲「No Way Out」では、観客が皆で自発的にコーラス(こっちは歌詞のないコーラスで簡単だからね)。途中で「You know you did, you know did…」と前曲の歌詞を入れて笑わせる。歌い終わって「感激したよ、ポールの曲より僕のを覚えていて歌ってくれるなんて」とジム。もちろんそれも半分ジョークで。

ピアノに移ってポロポロと練習しながら始めた聴き覚えのあるイントロのメロディーはビーチ・ボーイズの「God Only Knows」。さらに、何故か僕はこの曲を続けて演るんじゃないだろうかと頭の中で予測していた「Lady Madonna」が出てきてちょっとびっくり。うささこさんもさっきリンクした記事に書いておられたけど、ジムってきっとポールの曲が好きなんだね。

ウクレレで歌ったボウイの「Life On Mars?」はグレン友達のIさんのリクエストだったらしい。さらにそのままウクレレで弾きだしたイントロは、スプリングスティーンの「Thunder Road」。これは嬉しかったね。ちゃんと「Well I got this Ukulele」って歌詞を変えて歌ってたし。最後まできっちり弾いたあと、メドレーで「Over The Rainbow」へ。どうもこのメドレーは彼の定番らしいね。終演後、「なんかあれ観たらウクレレ買って練習したくなった」と言った友達の言い分もよくわかる、ほんとに気持ちのいい演奏だった。

この日3曲目のポール・マカートニーのカバー「Jet」を紹介するときに「この曲は僕が10歳の頃」って言ってたから、彼って63年生まれっていうこと? とてもそんな歳には見えないね。てっきり自分よりも年下かと思ってた。道理で、カバー曲のセンスがどっぷり70年代なはずだ。そんないかにも70年代風のこの曲のシンセサイザー・ソロの部分も口でうにょうにょ言ってコピーし、ソロ最後の「うにょうにょうにょうにょ…」って部分は手ぶりも交えて笑わせる。

本編最後の「Several Thousand」(これが定番らしいね)の後、一旦下がってあっという間に再登場。アンコールはなんとプリンスの「Kiss」。これも生ギター一本で完コピ(途中の振りも・笑)。まさかこんなカバーで終わるとはね。


休憩も含めてたっぷり3時間弱。途中、ギターや歌をちょっととちってやり直しなんて場面もちらほらあったけど、基本的にはもの凄くギターも歌も上手な人(普段グレン・ティルブルックの生ギター弾き語りなんて超ハイレベルなものを見馴れているから麻痺してしまっているけど、これだけテクニカルなギターを弾きながらあれだけソウルフルに歌えるというのは大したもの)。日によってセットリストが替わったらしいから、これは連日通いたくなるのもわかるね。細かい字でびっしりと曲名が書いてあるノートを脇に、連日来ている人達のためにまだ演奏してない曲を探そうとする姿もよかったし。

終演後は皆で写真を撮ったりサインをもらったり。いろんなプレゼントを持ってきている人が沢山いて、ジムほんとに嬉しそうだったね。僕は持って行った最新作のジャケにサインをもらった。ちょうどそのとき「今回一晩だけしか来られなくて残念。次回はきっと複数回観に来るから」という話をしていたのでこういうメッセージに。

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他にも、「ニューアルバムはいつ出るの?」との質問には「今ちょうど曲を書き貯めているところで、今年中に録音して、来年出すよ」と言ってもらったり(どこまで本当なんだか)。帰りに、マイナーなCDを沢山扱っているCD屋さんでもあるCafe Goateeで、僕が唯一持っていなかった05年のセカンドアルバムも購入。

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ジム・ボジア『Safe In Sound』

リンク先のアマゾンでもいいけど、Goateeさんで買った方が安いので、気になる人はさっきのリンクをたどってそちらでどうぞ。Goateeさんにお金を落として、来年またジムを呼んでもらおう。本人はライヴ中も終演後も、何度も「また来るから」って言ってくれてたしね。

帰りの電車が(全然離れた山手線での人身事故のせいで)30分近くもストップしていたなんていうちょっとしたトラブルもあったけど、体調も天候もいまいちぱっとしない今年のGWの、この日は文句なしのハイライトだった。楽しみにしていた終演後の飲み会が人身事故のせいでお流れになってしまったのだけは残念だったけれど。
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