2011年02月05日

Mogwai live in Tokyo

まずは、HMVのお粗末な「独占企画」の話から。あれは去年の11月のことだった。モグワイのニューアルバムが発売されること、それと同時に来日公演が行われること、しかも、ニューアルバムからの曲だけで構成されるという一夜限りのその来日公演のチケットはHMV通販で初回盤CD+Tシャツとのセットでのみ発売、つまりHMVで一万円弱を払った人だけが手にできるという企画が発表された。

2年前の来日公演はグレン・ティルブルックの来日と重なってしまったために断念。それ以来の来日、しかもあのときの(僕の中では悪名高い)スタジオコーストではなく、地理的にも会場の規模的にもずっと好感の持てる恵比寿リキッドルームということなので、発表当時はどんなデザインなのかもよくわからなかったTシャツも込みで9450円というのはちょっと気が引けたけど、こんな機会も滅多にないだろうと思い、クリックした。

確かにその当時からHMVのサイトには、CDとTシャツは1月31日頃の発送になるということが書いてあったと思う。公演日のわずか二日前だ。届いたら急いで聴き込まないとね。平日の夜の公演だから、Tシャツを着て行くのはちょっと無理かな。

そのうち、どこかのサイトでモグワイの追加公演が発表されたのを見た。僕の行く公演の翌日、同じリキッドルームで、こちらは新作の曲だけでなく、通常のセットリストのライヴだという。なんだ、そっちの方がいいんじゃないの。新作いいのかどうかもまだわからないし、そんなに全作品聴き込んでいるわけでもない僕でも、やっぱりファーストの「Mogwai Fear Satan」とか聴きたいしね。

と思っていた矢先、HMVからいつもの箱が届いた。でもやけに軽いぞ。と思ったら、中身はチケット。ずるいよな、チケットだけ先に送って、こっちをキャンセルして通常公演に乗り換えられるのを防ぐなんて(でも、HMVのサイトを読んだら、最初にクリックした時点でキャンセル不可だった)。まあ、しょうがないか、普通のライヴのチケットだって、一回申し込んだらキャンセルなんてできないんだし。でも、通常セットリスト公演とのチョイスが最初から提示されていたらと思うと、やっぱりなんか納得いかない。

そうこうしているうちに公演日の2月2日が近づいてきた。1月31日頃発送だけど、もしかしたらちょっと早めに届くかも。某CDショップから30日に届いたメルマガにはそのアルバムが入荷したことが書いてあったし。でも、31日には届かなかった。やっぱり31日に発送したのか。

ところが、翌日になってもまだ届かない。なんなの、これ。HMVのサイトに行っても、チケットが発送された時点でそのオーダーは「発送済み」になってしまっていてトレースすらできないし。一応HMVのカスタマーサービスには商品が届かない旨を連絡。

ライヴ当日。開場時間の1時間ほど前、そろそろ仕事を切り上げて恵比寿に向かおうかと思っていた頃に、HMVからメールが返ってきた。「お客様の商品は本日配達完了しています」。なにそれ。当日自宅待機していないと事前に聴けないのなら最初からそう言ってよ(自宅待機なんて無理に決まってるけど)。きちんと事前に届けられる実力がないんなら、こんな「独占企画」なんて組まないでくれよ。

早々と届いたはいいけれど抽選でろくでもない大きな整理番号が割り振られたチケットを手に、かなりやさぐれた気分で恵比寿に向かう。二階で開演を待つ間、今回のオリジナルTシャツを着た人をちらほら見かける。そっか、ちゃんと昨日のうちに届いた人もいたんだね。あるいは、今日届いたのを早速着てきたのかな。少なくともここにいる全員が完全に予習なしで来たというわけではないのか。と思うと悔しさもひとしお。



文句はこれぐらいにしておいて、ライヴのことを書こう。大きな整理番号のわりには、運よく会場左側やや後方の、ちょっと小高くなったカウンターの端っこをキープすることができた。ステージ左端がちょっと見えづらいけど、全然問題なし。モスコミュールの冷たいカップもカウンターに置けるし。

開演時間を15分ほど廻ったところで、前座のバンドが登場。にせんねんもんだいって名前しか知らなかったけど、女の子だけのスリーピースなんだね。何も喋らずに演奏開始。モグワイのオープニングを務めるだけあって、かなり硬質なインスト・バンド。しかも曲がどれも長尺。40分ほどでたったの3曲。ちょっと単調なところもあって仕事帰りの身にはふっと意識が遠のく瞬間もあったけど、いや、でもなかなかよかったよ。ステージを去る時に初めて喋った普通の女の子の声とそれまで鳴り響いていた轟音とのギャップがすごかった。二日後にO-nestで公開ライヴ録音があるんだって。行ってみようかな(結局仕事が押して行けなかった)。


30分ほどのセット変換の後、モグワイ登場。(後で知ったセットリストによると)新作『Hardcore Will Never Die, But You Will』からの曲順そのままに演奏した新曲群は、かなりいい出来だった。インストゥルメンタル主体でなかなか曲ごとのメリハリがつけ難いと思うけど、ちょっとしたSEやボコーダーを通したぼそぼそとしたボーカルをうまく交えて飽きさせない流れにしているね。

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僕はあまりメンバーの名前とか、構成すらよくわかっていない程度のにわかファンなんだけど、いつも写真で見て、なんだか坊主頭のオッサンばかりだというのに妙に親近感を持っていた。この日も、にせんねんもんだいのセットを片づけてモグワイのステージセットに変更するとき、楽器の調律をしていた地味な坊主頭の人達が、後でライヴを見たらやっぱりメンバーだった。あの人たち、きっとそのへん歩いててもわからないよ。

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MC担当は、ステージ右側に立つ背の低いギタリスト、スチュワート・ブレスウェイト。とはいえ、曲が終わったときに「サンキュー、アリガトウ」と繰り返す程度。後は早口のグラスゴー訛りで何か言ってたけどなかなか聞きとりにくかった。僕はNZに住んでいたからイギリス発音の英語にはそれなりに親しんでいるつもりだけど、やっぱり北国の訛りはきついね。

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何曲演ったかわからないけど、終盤にある曲のイントロで一斉に会場がどよめく。僕は知らなかった曲だけど、そこからは過去の曲を演奏するんだね。セットリストによると、まず「Christmas Steps」。名盤だとは聞いているけどジャケがなんとなく気持ち悪くて僕は持っていない『Come On Die Young』からの曲だ。

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その次の次は、僕も知ってるイントロ。「Mogwai Fear Satan」だ。これが聴けたのは嬉しい。この曲(というかモグワイの音楽)を特徴付けている、延々とした静寂を突如打ち破るような轟音が入る瞬間、それこそ0.1秒の遅れもなく会場全体が大声を上げる。すごいね、みんな。あの果てしない曲のどの瞬間にあの轟音が入ってくるかわかるんだ。

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それが本編のラスト。アンコールに応えて再登場し、最初に演奏した曲はよかったな。セットリストを見ると「2 Rights」と書いてある。えーっと、『Rock Action』収録の「2 Rights Make 1 Wrong」だね。あれも中古屋で頻繁に見かけるから、そのうち買ってみようかな。

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その曲を終え、お別れの挨拶をするスチュワート。他のメンバーから「おいおい、もう1曲あるよ」と突っ込まれて赤面。最後は「Batcat」。このエンディングも超かっこよかった。これはEPの曲か。でも最近出たライヴCD(+DVD)にも収録されてるね。それも買うのか。CDで聴くのとは全然違うこのライヴのダイナミズムをどこまでライヴCDやDVDで再現できているのかは興味あるけどね。

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ここに載せた写真は全部この日のもの。会場に貼ってあったバーコード先にメールを送ったら、後でこれらの写真が見られるパスワードが送られてきた。ブログに貼っていいかどうかは書いてなかったけど、まあいいよね。後で怒られたら消そう。

そのサービスもなかなか気が効いててよかったけど、更によかったのは、終演後に出口で配っていたメンバー直筆サイン入りのセットリスト。何百枚もサインしたのかと一瞬思ったけど当然そんなことはなく、サインしたものをコピーしたんだね。

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「Too Raging」のところに手書きで「Sorry」と書いてあるのは、確かイントロを間違えてやり直した曲かな。ということは、これ終演後に書いたのか?でも終演後に何百枚もコピーする時間なんてないよな。じゃああの曲のことじゃないのかな。じゃ、何を謝ってるんだ。うーん、謎。


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Mogwai 『Hardcore Will Never Die, But You Will』

僕の買ったニューアルバム(からチケットとTシャツを除いたもの)。初回限定の2枚組で、日本盤のボートラ2曲に加え、2枚目には23分の長尺曲「Music For A Forgotten Future (The Singing Mountain)」を収録。おまけに、モグワイのロゴがついたギターピックも封入されている。デジブック仕様のなかなか綺麗な作りもいいね。ブックというほど沢山のページはないけど、このジャケのように綺麗な写真が何枚か収められている。この風景、グラスゴーなのかな。

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Setlist 2 Feb 2011 @ Ebisu Liquidroom

1. White Noise
2. Mexican Grand Prix
3. Rano Pano
4. Death Rays
5. San Pedro
6. Letters To The Metro
7. George Square Thatcher Death Party
8. How To Be A Werewolf
9. Too Raging To Cheers
10. You're Lionel Richie
11. Christmas Steps
12. Killing All The Flies
13. Mogwai Fear Satan

[Encore]
1. 2 Rights Make 1 Wrong
2. Batcat


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