2011年01月23日

Glenn Tilbrook live in Tokyo 2011 (Part 3)

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昨年末のタマス/ヨンシー/タマスという至福の週末に続く、グレン/グレン/グレンという怒涛の週末の3日目。僕は今回全部で8公演あった日本ツアーのうち結局東京3日間しか参加できなかったので、この日が僕にとっての今回最終日だった。あれからちょっと日が経ってしまったけれど、おぼろげな記憶とメモを頼りに書いてみよう。

この日もそれまでの定位置(のやや中央より)という最高の席に陣取らせてもらった。ほぼ同時に入場した、僕の分のチケットも一緒に取ってくれた全公演皆勤賞の友達が、この日が最後の僕に気を使って、少しでも前の席を譲ってくれたのが本当にありがたい。

珍しく開演時間ぴったりにステージに登場した二人。手にはなにやらメモを持っている。サイモンの方を指さしてグレンが日本語で「ブルース・ウィリスでーす」。サイモン「わたしは、ブルース・ウィリスでは、ありません」だって。ははは、言われてみれば確かに似てるね。きっと前日までのサイン会のときに散々いろんな人に言われたんだろうね。

二人で出てきたのでこの日は一曲目からドラム入り。6弦を持ったグレンが歌いだしたのは僕の知らない曲だった。終演後のサイン会のときにグレンに訊いてみたら、ランディ・クロフォードの「One Day I'll Fly Away」だそうだ。まったく僕の守備範囲のアーティストだけど、今度機会があったら聴いてみようかな。

例によってサイモンのiPadからシンセのイントロを出してスタートした「Take Me, I'm Yours」に続いて、グレンが自分のiPadをいじり始める。「僕はセールスマンじゃないけど、このソフトは本当にいいからお勧めだよ。メロトロンの音なんて本物よりいいぐらいだ」とか言いながら、パイプオルガンの音を出して、なんだかファウストに出てくる悪魔みたいな顔真似で「ワーッハッハッハ」と笑いながら何か台詞を言っていた。次の「Is That Love」の間奏のところでも、ギターソロの代わりにそのパイプオルガンを弾き、また悪魔の顔(笑)。サイモンがすかさず「ワーッハッハッハ」と悪魔の笑い声。へんな人たち。

「Mumbo Jumbo」、「Melody Motel」と、久しぶりに聴く珍しいけど大好きな曲が続く。最近のスクイーズのツアーのセットリストをいちいちチェックしてるわけじゃないけど、こういうマイナーな曲もちゃんと演奏してるのかな。もしそうでないとすると、なんでサイモンは(相変わらず曲紹介もなしで)あんなに出だしから最後までちゃんと叩けるんだろう。一応スクイーズの曲は全部完璧に叩けるように覚えてるのかな。

次の「This Is Where You Ain't」はきっとグレンの現在のマイブームなんだろうね。今回僕の観た回では必ず演っていたよ。僕はもともとそんなに大好きな曲というわけじゃなかったんだけど、これを聴くとグレンがソロ活動を始めた頃のいろんな感情が懐かしく蘇ってくる。この日は相当乗ってたのか、ギターソロが延々終わらない。かっこよかったな。

12弦に持ち替え、「次の曲はスクイーズの最初のアルバムから」と言うから一体何かと思っていたら、「Model」だった。これも珍しいね。ライヴで聴くのは初めてかも。そのままメドレーのように「No Place Like Home」に繋げる。さらに、スティーラーズ・ウィール(Stealers Wheel)の「Stuck In The Middle With You」の一節を挟み、「NPLH」に戻る。

実はこの「Stuck In The Middle With You」、僕はよく知らない曲だったので、休憩時間中に隣に座っていた友達に聞いて教えてもらった。そしたら、前日のサイン会のときに彼がグレンにリクエストしたけど、「歌詞を全部覚えていないから」と断られたそうだ。なのに、こうしてメドレー風に自分が知っている歌詞の部分をちゃんと歌ってくれるなんて、グレンってほんとにこういうことに関しては記憶力いいし、優しいよね。

ところで「よく知らない曲」なんて書いたものの、帰ってからCDラックを調べてみたら、僕の持っているジェリー・ラファティー(Gerry Rafferty)のベスト盤にちゃんとこの曲入ってるよ。ほんとに普段どんなにいい加減に聴いているのやら。スライドギターの格好いい曲だね。というわけでこの記事は引き続きそのベスト盤を聴きながら書いているところ。

iPadに触れてポーン、ポーンとなんだか宇宙的な音を出し始める。なんていうソフトか僕は知らないけど、スクリーンの違う箇所に触れると違う高さと音色の音が鳴り、それがループされていくという、Tenori-Onみたい使い方。そうしてスペイシーに始まったのが「Footprints」。わあ、これは凄いね。前日までは指でなぞって「ウニューン」とかやってただけなのに、ようやくグレンのiPadが音楽的に使われ始めた(笑)。さては前日の夜にこのソフトに気付いたのか?

そのままほぼメドレーっぽく「Annie Get Your Gun」へ。全然勢いも音圧も違うこの曲の背後でまだ「ポーン、ポーン」って音がこっそり鳴ってるのが変な感じ。グレンも間奏のところでまだ律儀に音を出しているiPadを見ながら笑ってたね。自分はギター弾いてるから止められないし。


あっという間の前半セットはそれで終了。後半は引き続き12弦を持ち、「Black Coffee In Bed」へ。前日のようにグレンがアンプラグドで客席を歩き回ってということはなかったけど、サイモンは後の方の客席に座って演奏してたね(スネアを外して持っていってたんだっけ)。演奏しながらサイモンがどんどん前に進んできて、僕の傍を通ってステージに上がり、サビ前のブレイクのところから通常演奏に。この曲も、12弦だとは思えないほどの速弾きのギターソロが冴えていたよ。

グレンがまたアンチョコの紙を取り出して日本語で「だれか、かみのけを、なんとかしてください」と言って笑わせる。暑がりのグレンはステージ上に自分に向けて3つも置いてあるサーキュレーターからの風で結構最近伸び放題のフワフワの髪の毛が常に逆立ったような状態で歌ってるんだけど、それがよっぽど鬱陶しいらしく、日本語でそう言った後に「もしここにヘアドレッサーがいて僕の髪の毛を短くしてくれたらとても嬉しいんだけど」なんて言ってた。そういえば今回、グレンからなんだかヒョロヒョロした金色の糸みたいなのが飛んでいくのをよく目撃したんだけど、あれは風で飛ばされたグレンの髪の毛なんだね。

実はそのアンチョコは休憩中からステージに置いてあり(というか、最初の「ブルース・ウィリスでーす」の裏側に書いてあった)、僕は始まる前にこっそり見ていたんだけど、そこに書いてあった文章はこういうのだった。

 DA LEYCAR CARMINO KAYO NANTOKA SHITEK COO DA SIGH

なるほど、日本語をちゃんと発音しようとすると、こう書くのか。

友達がリクエストした「Stuck In The Middle With You」を忘れていなかったグレンは前日の僕のリクエストもちゃんと覚えてくれていて、「次の曲は新曲、“Chat Line Larry"」と言って歌ってくれた。ちょっとロカビリーっぽい感じかな。終演後にサイモンに会ったら開口一番「君のリクエスト、演ったよ」と言ってくれた。うん、ありがとう、新作も楽しみだよ。

「The Elephant Ride」を終えた後、グレンがサイモンに「次は何にしようか」とか話しかけている。サイモンは「客席にいる友達に聞いてみればいいんじゃない」と答える。グレンはマイクに戻り、電話をかけるような振りをして「あー、ハロー、次の曲は何がいいかな」と聞く。間髪入れず僕の隣の友達が「Vicky Verky!」。やった、嬉しい。

この3日間、毎日それぞれ何をリクエストしようかずっと考えていた。リクエストタイムのときにアコギを持っていたら何で、エレキだったらどれで、と。初日は「Relentless Pursuit」(アコギでもエレキでも)、二日目序盤にその曲を演ってからはアコギなら「Little Ships」、エレキなら「It's So Dirty」、そしてこの日は、前回のツアーではテーマ曲のように歌われていたのに今回は一度も耳にしていない「Best Of Times」をリクエストしたいと思ってたんだけど、毎回出遅れてしまって、でも実際にリクエストに応えて歌われた曲もいいのばかりだったから、まあいいや。でも、もしアンコールまでずっと演奏されなかったら、リクエスト要求されなくても「Best Of Times」叫んでみようかな。

サイモンのiPadでリズムボックス風の音を出して始まったのが「If I Didn't Love You」。この曲の間奏のところでグレンは12弦からストラトに持ち替え、そのままバリバリのギターソロを弾く。かっこいい! 次の曲のイントロもサイモンがリズムボックスの音で始めたらグレンが「また同じリズムか」と言って、「Still」を演奏。これも途中のギターソロがすごかったね。本当にこの日は前日とはうってかわってギターがよかった。グレンも弾いていて気分いいのか、ついオリジナルよりも何小節も追加して弾き続けていたよ。

グレンは毎日スカーフをネクタイっぽく首に巻いていて、この前日はエレキを弾く時にちょうどそれがギターの手元のところに被ってきて弾きにくそうにしていたんだけど、この日はちょっと頭を使って、首から下がってるスカーフの両端に長短差をつけ、長い方をギターの裏側に挟み込み、短い方は手元まで届かないようにしていた。頭いいね。でも、アンコールで出てきたときには一度スカーフを緩めて締め直したのか、また弾き難そうにしてたよ(笑)

「Oh Well」、「Drinkin' Wine Spo-Dee-O-Deeby」とカバーが続き、この日も最高だった「Another Nail In My Heart」を挟んでまた僕の知らないブルーズのカバー曲。これはサイモンにもわからなかったらしく、イントロでおそるおそる叩き始め、グレンが歌い始めてもまだ怪訝な顔。定型ブルーズだからそんなに難しくなかっただろうけど、演奏後にグレンがサイモンに向かって「ごめん」とか言ってたね。きっと、今まで一緒に演ったことのない曲なんだろう。

終演後、サイン会の前にサイモンが先に出てきたから話していて、「あの曲何だったの?」と訊いたら「俺の方が聞きたいよ」と(笑)。サインをもらうときにグレンに訊いたら、「フリートウッド・マックの“Oh Well”と一緒のアルバムに入っている“Then Play On”という曲だよ」と教えてくれた。うなずく僕とサイモン。同じくセットリストをチェックしていた友達にそう教えると、早速帰宅後に調べて教えてくれた。『Then Play On』というのはアルバム名で、おそらくグレンがこの日に演奏したのは「One Sunny Day」という曲だろうとのこと。僕は演奏中にタイトルが歌われないだろうかと結構熱心に歌詞を聴いて大体覚えていたんだけど、確かにYouTubeで聴いた「One Sunny Day」は出だしの歌詞が同じ。でも中盤の歌詞は違ったような気がしたんだけど、あれは単にグレンが歌詞を覚えてなくて、適当な他のブルーズを混ぜて歌っただけなんだろうか。

「If It's Love」、「Parallel World」からほぼメドレーで演奏された「I Feel Good」で最高潮に達し、グレンが“We had the best of times!”と叫ぶ。そしてあのイントロ。やった!嬉しい!エンディングでグレンがコーラスを歌わせてくれるので、今回いちばんの大声で歌ったよ。もちろんこれが本編のラスト。ああもう、大満足。この日は選曲も曲順も完璧。


アンコールで再登場したグレンが「今日は弦を張り替えたんだ」と嬉しそうに言いながら再びエレキを持って「Tempted」を。やっぱり前日のはバンド用のアレンジだったよね。この日のはしっかりベース・パートまで自分で弾く、安心して聴けるソロ用のアレンジ。そう考えると凄いよね。バンド用に書いた曲をこうしてソロできちんと聴かせるためにアレンジし直した演奏をするなんて。いつもグレンのソロのときにはわざわざそういうことを意識しないで聴いていたけれど、この二日間の「Tempted」の差を聴いて、改めてそう思ったよ。

もうひとつ気付いたこと。次の曲はスネアの一撃で始まるんだけど、それをサイモンに指示するのにグレンは左腕で力こぶを作って「次、これ」みたいな感じで見せる。サイモンも「ああ、これね」と右腕でぐっと力こぶを作り、スネアをダン!と叩く。曲は「Pulling Mussels」。そっか、もうここからは連日の定型の流れだね。

その曲の途中でステージ上のファンを足で脇によせるグレン。当然、スクイーズ・ダンスの準備だ。その際に、正面に置いてあった一番大きなサーキュレーターのプラグが抜けてしまったみたいで、急に風が止まってしまった。にも関わらず次の曲の演奏を始めるグレン(というか、サイモン。iPadでイントロを奏で始め、自分は空のボトルをドラムスティックで叩き始める)。曲はもちろん、今回ツアーのお決まりのラスト曲「Goodbye Girl」。

曲の前半はボトルをスティックで叩いてリズムを取ってステージをうろうろしていたサイモンが、暑そうにしているグレンを慮って、サーキュレーターの抜けたプラグを探し、その場にしゃがみこんで、床に置いたボトルを叩いてリズムを左手でキープしながら、右手で抜けたプラグをコンセントに差し込む。サーキュレーターが動きだした!歌いながら歌詞の途中で「サンキュー」というグレン。そろそろ出番なので急いでドラムキットに戻るサイモン。サビ前で定位置につき、バスドラとフロアタムでドドドドドドドとフィルインし、そこからは通常演奏。いや、お見事。

最後はお決まりのスクイーズ・ダンス。二人とも汗びっしょりになって、ちょっとニコッとしながら、黙々と(ちょっといい加減に)踊っていたね。それを終えて、またアンチョコを持ちだして、グレンとサイモンがお互いに「お前言えよ」とか言いながら、結局最後はサイモンが「コンサートに、きてくれて、ありがとう!」と日本語で言って終了。

いやー、楽しかった。堪能した。結局僕はこの3日間しか観られなかったけど、多分二人の気力も集中力も、この日が最高潮に達していたと思う(横浜の最終公演に行けなかった負け惜しみ)。前日はいつまでも客電が点かなかったからずっとアンコールの拍手をして、予定外のアンコールをしてもらったけど(「Space Oddity」なんて驚きの選曲もあったけれど)、もうこの日はこれでいいやと思った。もう、何も聴かなくてもいい。それぐらい、この日の演奏は充実していた。


これまでの経験を活かし、サイン会には早目に並んだ。さっきも書いたけど、グレンの前に早々とサイモンが出てきてカウンターでビールを飲んでいたから、列のほとんど先頭にいた僕が話しかけてみた。同じ髪型の僕を覚えていてくれたようで、グレンが出てくる前にいろいろ話ができたのが楽しかった。前日の開演前に話していた僕の職業とかも覚えてくれていたみたいで、グレンが出てきたときにわざわざそんなことを伝えようとするから、「いや、そんなこと言わなくていいから」と言ったら、「なんだ、秘密なの?みなさーん、この人の職業はー」とか大声で言うし。ほんとにおかしな奴。

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この日は無難に、グレンからは『Dreams Are Made Of This』に、サイモンからは(以前グレンからはもうサインをもらっていた)『Pandemonium Ensues』にサインをもらってきた。本当に楽しかったな、この3日間。また近いうちに来てくれればいいのにな。そのときは、どんな仮病を使ってでも全公演追っかけよう。


Setlist 16 Jan 2011 @ Star Pine's Cafe

1. One Day I'll Fly Away
2. Take Me, I'm Yours
3. Is That Love
4. Mumbo Jumbo
5. Melody Motel
6. This Is Where You Ain't
7. Model
8. No Place Like Home ~ Stuck In The Middle With You
9. Letting Go
10. Footprints ~ Annie Get Your Gun

11. Black Coffee In Bed
12. Chat Line Larry
13. The Elephant Ride
14. Vicky Verky
15. If I Didn't Love You
16. Still
17. Oh Well
18. Drinkin' Wine Spo-Dee-O-Deeby
19. Another Nail In My Heart
20. One Sunny Day
21. If It's Love
22. Parallel World ~ I Feel Good
23. Best Of Times

[Encore]
1. Tempted
2. Pulling Mussels (From The Shell)
3. Goodbye Girl
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2011年01月16日

Glenn Tilbrook live in Tokyo 2011 (Part 2)

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二日目。予想通り明け方まで引っ張ったライヴ終了後の飲みがかなり尾を引いて少し朦朧としているけど、記憶の定かなうちに書いてしまおう。前日よりは少し大きな整理番号のチケットだったけど、運よく僕は前日と同じ席を確保。そこから撮った写真が上の2枚。どうしようもなく退屈な人は昨日の記事と見比べて見て、スポット・ザ・ディファレンス遊びでもどうぞ。

前日と同じ席とはいえ、前日より明らかに密集した椅子の並び。やっぱりこの日のチケットが一番売れているんだろうね。昨日は開場後しばらく「大丈夫かな?」と思うような客の入りだったけど、この日は早い時間からもうびっしり。飲み物を買いに行ったりトイレに行ったりするのも一苦労。上のドラムキットの写真が昨日よりやや大きめに写っているのは別にズームを使ったからじゃなくて、ドラムキットが近付いてきているから。隣の友達に「なんだかドラム昨日よりも近くに置いてない?」と聞くと、「それは私たちが昨日よりもステージに近いんです」との冷静な答え。

歩き回るのは一苦労だけど、席を確保した後ぶらぶらと二階に上がっていったらサイモンがいたので、「今日はあなたと同じ帽子かぶってきたよ」と話しかける。どこかに行ってしまったグレンを待って時間をつぶしてたようで、しばらく話ができた。前日終演後に近くに飲みに行って、ほとんど朝まで飲んでいたとか(グレンはもちろん途中で帰ったらしい)、「Relentless Pursuit」と「She Makes Me」はスクイーズでのグレンとクリスみたいに詞と曲との分業体系ではなく、二人で詞も曲も一緒に書いたとか、スティーヴン・ラージはダフィーのツアーに参加しているとか、ルーシーの子供の名前とか(ローレンスっていったかな)、インタビューよろしくあれこれ聞かせてくれた。彼も僕に「どんな仕事してるの?」とか聞いてくれたので、僕の話なども少し。とかしてる間にグレンが帰ってきたので席に戻る。

ライヴの進行パターンは前日とほぼ同じなので、今日はちょっと短めにあれこれ気付いたことを書いていこう。まずグレンが一人で登場して6弦のヤマハで弾き始めたのが「The Elephant Ride」、そして「Hope Fell Down」。後者のイントロのときにちょっとつまづいたかな。というような、明らかなミスではないけれどちょっとギターソロがたどたどしいぞ、という場面がこの日は後にも何度か見受けられた。ライヴ自体が悪いわけでは全くなかったけど、日本ツアーも終盤に差し掛かってきて、グレンもややお疲れモードなのかも。

2曲を終えたところでサイモンが登場。お互いのiPadでウニョーン、ビヨヨーンみたいな音を出しあって遊んでいる。この日は最初から最後まで、曲間も曲中でも、しょっちゅうそんなことしてたね。新しいおもちゃを与えたら止まらない子供たちの図、みたいな(笑)

模造紙に歌詞を書いている時間はなかったけど、今日もしグレンにリクエストを募られたら、2年前にグレンにリクエストして「次の日に演るよ」と言ってくれたのに今に至るまで実現していない「Relentless Pursuit」をリクエストしようと思っていた。共作者も後ろに座っていることだしね。そしたら、サイモンが来て最初の曲、聴き慣れないギターのイントロだと思ったら、いきなりその曲。あの偽ビーチ・ボーイズみたいなコーラスも二人で一所懸命やってたよ。いいの聴けた。

昨日、曲名を言わずにグレンがいきなりイントロを弾き始めても、サイモンがちゃんとそれについてくるということを書いたけど、この日の5曲目の静かなイントロでサイモンは明らかに戸惑った顔。グレンのソロ公演に何度か来ている人はそのイントロで当然何の曲かわかったけど、きっとスクイーズでこの曲を演奏するときは、オリジナルの速いバージョンなんだろうね。サイモンがドラムを叩きはじめないので、グレンがくるっと後ろを向いて「わかんないでしょ(ニヤリ)」みたいなことを言ってから(何言ったかは聞こえなかったけど)、「Touching Me Touching You」の最初のフレーズを歌いだした。サイモンも「あー、それか」みたいな顔で、ようやくフォロー。

iPadで「ウニョーン、ビヨヨーン」ってやる以外は比較的MCも少なく進行。前日よりも前半セットでのビールの消費が少し早めかな。あと、「Still」のときにはじまって、歌いながらかなり頻繁に「もっとマイクボリューム上げて」というような素振りをしていたね。そんなに聴こえ難くはなかったと思ったけど、自分の声がスピーカーからうまく聴こえていなかったのかな。結局、途中休憩のときに急遽スタッフがステージ上に大きなスピーカーを二つ追加(でも後半でもやっぱり「もっと上げて」ってジェスチャーしてたね)。

前半セットの最後に演奏した「Up The Junction」は前日の不思議ちゃんアレンジでなく通常パターン。うん、やっぱりこっちのほうがしっくりくるよ。それにしても、グレンがどっちのアレンジで弾き始めてもやっぱりサイモンは咄嗟に判断してついてくるよね。


前日は前半セットでギターを持ち替えてたけど、この日は前半中ずっと6弦。休憩を挟んでの後半セットは最初から12弦でスタート。と思ったら、いきなりギターのプラグを抜き、サイモンに「スネア持ってきて」と指示。曲は、思ったとおり「Black Coffee In Bed」。いつもどおり客席中央の通路を通りながらコーラスを入れる場所をお客さんに指示。サイモンがどっか行ったなと思っていたら、二階席に登場。そのままぐるっと回って、客席後方の階段から下りてくる(「いつもどおり」以降はすべて演奏中の話)。演奏と歌を続けたままステージに上り、さっき抜いたプラグを挿そうとするグレンと、それを手伝うサイモン(しつこいけど、これもずっと演奏中。サイモンも床に置いたスネアを左手で叩いてリズムをキープしながら、右手でグレンのギターのプラグを四苦八苦しながら挿してあげていた)。で、曲の途中からプラグド・イン、フルドラムキットに移行。いやー、凄いよね。昨日から「凄い、凄い」ばかり書いてるような気がするけど、ライヴ観てる間もずっとそんな感想しか頭に浮かばないんだからしょうがない。

後半2曲目は珍しいプレスリーのバラッド「Always On My Mind」。歌い始めた瞬間、「あ、ペットショップボーイズのカバー。しかもスローなバージョン」と思ってしまった僕にはこんな偉そうなブログ書いてる資格ないね(苦笑)

続いては、ちょっとびっくり「Another Nail In My Heart」。ええ?もう演るの?いくらセットリストないとはいえ、今それはないんじゃないの?と思っていたら、案の定12弦であのソロを弾くのは至難の業。さっきギターソロがたどたどしいと書いた印象を持ったのは、この曲のせいかも。でも、まったくのノーミスで弾ききったのはさすが。

次の曲は、歌いだした瞬間まったくわからなかったので、他人のカバーかなと思いながら注意深く歌ってる歌詞を聴いていたら、「I Won't Ever Go Drinkin Again (?)」だった(知らない人のために。(?)は別に僕がこの曲に自信がないというわけじゃなく、ここまでが曲名)。京都では既に演奏済みらしいけど、僕はグレンのソロツアーでこの曲を聴くのは初めてかも。

12弦で5曲続け、さあ、エレキのお時間だ。最初は「Someone Else's Bell」。うーん、それは別にアコギのときでいいんじゃないの?最初だからってウォームアップが必要な人じゃないんだし。

モンキーズ、ビートルズ、デイヴ・エドモンズ(「ズ」がついても最後のはグループ名ではありません)のカバー三連発。珍しいのはないなあ。まあ、この日生まれて初めてグレンのライヴを観に来た人も沢山いるだろうから、グレンが演るカバーものの入門編としては最適だけどね。

本編最後は「Is That Love」。終盤、サイモンがいきなりシンバルを外してこっちに来るから何事かと思ったら、僕の隣に座っている友達にドラムスティックを渡し、エンディングのところで叩かせた。叩いたときにグレンがちょっとびっくりしたような顔でそっちを見たのにはこちらもびっくり。あんなステージ前方でバタバタやってたのが目に入ってなかったのかな(笑)。

アンコールは定番の「Pulling Mussels」と「Goodbye Girl」。そして、スクイーズ・ダンス(笑)。ダンスが終わった時にサイモンがグレンを指して「ジャスティン・ティンバーレイク!」と冗談で紹介したら、グレンもサイモンのことを「マイケル・ジャクソン!」だって(笑)

ダンスもやっちゃったし、ちょっと短かったかなと思いつつも念のためにアンコールの拍手をしていたら、二人がまた出てきた。あのダンスって、「もうこれ以上はアンコール受け付けませんよ」という意思表示じゃなかったんだね。ステージ裏から出てくるときに左右二つの入り口があるんだけど、普通はギターの置いてあるステージに向かって左側からグレン、右側からサイモンが出てくるはずなのが、このときは反対だった。そしたら、「あ、違ったね」みたいに一旦戻り、二人いっぺんに左側から出てきたり、「あれ?また間違った」風にまた戻ったり。ドリフの大爆笑か。

「Tempted」を演奏したんだけど、なんだかちょっと妙な感じ。いつものグレンのソロと違って、多分あれスクイーズ用の自分のパートだけを弾いてたよね。サイモンも両手でドラムを叩くんじゃなく、右手にはマラカスの小さめみたいなのを二つ持ってカラカラ言わせてるもんだから、なんとなく演奏全体がスカスカした印象。それで二度目のアンコールは終了。

さすがにもうないだろう、「Tempted」もややお疲れモードでの演奏だったし、と思いつつも念のためにアンコールの拍手を続ける我々。客電も点かないよ。そしたら、また出てきた!(嫌なわけじゃありません 笑)

低い声で歌い始めたなと思ったら、なんと「Space Oddity」!こんなの演るんだ。カウントダウンの「10、9、」というのをサイモンが言うんだけど、最初入るとこ間違えて、グレンも歌いながら「まだ早いよ、ここで10だ」みたいなことを教えていた。「ここで7、6、」とか言ったときにサイモンが「8、」って言うから「上がってってどうすんだよ」とグレン。漫才か。

とか書いてるけど、このカバー結構本格的。この日初めて(笑)サイモンのiPadが音楽的に活躍した曲だった。あの曲、ウニョーンってSEが入ってるでしょ、あれ。グレンもカウントダウンからサビに移るところでギターの弦をマイクスタンドでこすってギュイーンってやるし。よかった。これは珍しいものを聴けたよ。

それが終わると「リクエストタイム!」とグレン。ええ!今やるの? えーと、エレキだったら「It's So Dirty」をリクエストしようとしてたんだよな、元々のリクエストは「Relentless Pursuit」だからもう演ったし、「Little Ships」は今やるような感じじゃないしと慌てて考えていたら(この間約2秒)、シンバルを叩いたのと反対側の隣に座っていた友達が「Electric Trains」をリクエスト。あ、それもいいね。それでいいや。


という感じで、なんとアンコール3回。お疲れさま。終演後は恒例のサイン会。僕はいつも後ろの方に並んでいたんだけど、自分の順が廻ってくる頃にはもうグレンへとへとだから、少しは学習効果を発揮してこの日はわりと早く並ぶ。二枚組の「Spot The Difference」にサインしてもらった。

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そして、サイモンと(ほぼ)お揃いの帽子をかぶっての写真撮影。本日二度目のスポット・ザ・ディファレンス遊び。

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推敲するために上から読み返したら、「今日はちょっと短めにあれこれ気付いたことを書いていこう」とか書いてあるぞ。「どこが短いんだ」と突っ込んだ人は初心者。「あなたの嘘はお見通しです」と思った人はジミオン上級者認定(笑)。「昨日話してた新曲、東京では演奏してくれないの?」とグレンに訊いたら、「ああそうか、ごめんごめん、明日演るよ」と言っていたので、はたしてグレンはそれを覚えているかどうか。確かめるために今から準備して吉祥寺に向かおう。


Setlist 15 Jan 2011 @ Star Pine's Cafe

1. The Elephant Ride
2. Hope Fell Down
3. Relentless Pursuit
4. Product
5. Touching Me Touching You
6. Take Me, I'm Yours
7. No Place Like Home
8. Harper Valley PTA
9. Annie Get Your Gun
10. Still
11. This Is Where You Ain't
12. Up The Junction

13. Black Coffee In Bed
14. Always On My Mind
15. Another Nail In My Heart
16. I Won't Ever Go Drinking Again (?)
17. Third Rail
18. Someone Else's Bell
19. I'm A Believer
20. You Can't Do That
21. I Hear You Knocking
22. Through The Net
23. Slap & Tickle
24. Is That Love

[Encore]
1. Pulling Mussels (From The Shell)
2. Goodbye Girl

3. Tempted

4. Space Oddity
5. Electric Trains
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2011年01月15日

Glenn Tilbrook live in Tokyo 2011 (Part 1)

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では、気を取り直して本来の白い人格に戻って、待望のグレン・ティルブルック東京公演一日目の模様をお届けするとしよう。会場はいつものスターパインズ。会議やメールを振り切ってなんとか吉祥寺まで辿り着き、既にお客さんが整理番号順に並んでいた列に割り込んだのは開場5分前。無駄にした京都公演のチケットほどではないけど、この日の整理番号もかなりよかったからね、列の前の方に割り込むのはちょっとした快感(笑)

入場すると、ステージ左側にはギターが3本。いつものヤマハの6弦と12弦、それに(おそらく借り物の)黒いフェンダーのストラト。右手にはかなりシンプルな構成のドラムキット。それまでの京都・札幌公演とは違い、この日からフラッファーズ/スクイーズのドラマー、サイモン・ハンソン(Simon Hanson)が参加。ギターとドラムだけという変則構成がどう聴こえるか。YouTubeにアップされている最近のライヴなんかを観るかぎりは、しょぼい音質のせいか、まあリズムキープのためにドラマー入れてるんだね、程度にしか思っていなかったんだけど。

開場から30分ぐらいは客の入りもちょっと少なく、後ろの方はがらんとしていたけど、開演前には一階席はほぼ埋まっていたかな。平日だし、3日間の初日だしね。一時間の待ち時間、京都・札幌皆勤賞の友達にそれまでの様子を聞いたりして過ごしていると、7時半を10分ほどまわったところでグレンが一人で登場。

まず6弦を肩にかけ、オープニングは「Footprints」。わりと珍しい選曲だね。友達によると、今回のツアーではこれが初だとのこと。それが、そのままメドレーで「If I Didn't Love You」へ。へえ、おもしろいね、この流れ。

いつもどおり機嫌のよさそうなグレン。「ギターが3つもある!ドラムキットも!」みたいな感じではしゃいでみせて、サイモンを紹介。自分の譜面台の上に置いてあるiPadでキーボード風の音を出し、「次の曲は」と始めようとするが、なかなかうまくいかない。ようやくうまく操作できてスタートしたのは「Take Me, I'm Yours」。アコギとの音のバランスのためか、サイモンはこの日ほとんどブラシで叩いてたね。

(最初のメドレーを一曲と数えると)5曲目の「Tough Love」から、12弦に持ち替える。何度聴いてもこのアレンジとこの歌メロ、いいよね。アコーディオンが泣かせるオリジナルは僕のお気に入りの一曲なんだけど、その5割増しぐらいで沁みるよ、これは。

その次の曲、僕が今までに自分で観た一番最初の06年東京09年京都のセットリストに「Monkey On You」と書いたのは、その最初の東京公演でグレン自身が「これはクリスと一緒にずっと昔に書いた」との前置き付きでそのタイトルを言ったからだったんだけど、今回の京都公演で友達がアップしたセットリストに「Monkey (Dr. Feelgood)」と書いてあるから、あれ?と思って調べてみた。ドクター・フィールグッドは最初の2枚とボックスセットしか持ってないけど、ボックスに入っていたその曲を聴いてみると、確かにこの曲。でもクレジットを見ると、「Tilbrook/Difford」だ(笑)。ひとつ前の記事のコメント欄に「ドクター・フィールグッドなんて演ったんですね」などと間抜けな感想を書いた自分が恥ずかしいよ。ボックスセットもちゃんと聴け。

前半セットで嬉しかったのは、「This Is Where You Ain't」、「Untouchable」、「Parallel World」など、グレンのソロ曲が多かったこと。最近スクイーズのツアー中だし、この日はサイモンも一緒だから、きっとスクイーズの曲ばかりになるのかなと思っていたからね。後者2曲はともかく、「This Is Where You Ain't」なんて滅多に聴いたことないよ。今ちょっと調べてみたら、僕が観た中では、さっきリンクした06年の東京での一日だけだね。「Untouchable」はいつもグレンのソロでは歌パートが終わったところで終了だけど、ドラム入りの今回はちゃんとオリジナル通りのアウトロ付きだったのがなんだか得した気分。

観ていて凄いなと思ったのは、グレンが次の曲名も言わずにいきなりギターを弾き始めても、寸分の遅れもなくサイモンが何の曲か判断し、きちんとドラムを入れてくること。普段ライヴで演り慣れているスクイーズの曲だけならともかく、「Untouchable」とかのソロ曲でもそうだからね。そう思いながら観ていると、グレンが弾き始めるところを見ているサイモンの目の真剣なこと。それ以外の時間は(演奏中ですら)ちょっとおどけた感じでずっとニコニコしているんだけどね。いいな、サイモン。

前半セットのラストは、ギターソロが凄まじかった「Parallel World」からメドレーで演奏された「Up The Junction」。これが、なんだか今まで聴いたことないような不思議なアレンジ。ドローン風というか、なんだか夢見心地な感じ。僕としては通常のアレンジの方が好きだけど、まあたまにはこういうのもいいか。


30分ほどの休憩を挟み、後半スタート。二人で登場してグレンがまた6弦を持ち、最初に発した言葉が「僕らは次にどの曲を演るか相談していないんだ」。まるで「ついてこれるか?」と挑発するようにサイモンをちらっと見て、いきなり歌いだしたのが(わざわざ選んだイントロなしの)ジェームス・ブラウンの「I Feel Good」。もちろん、グレンがその最初の歌詞を歌った直後、絶妙のタイミングでスネアを叩くサイモン。見事だね。

すると今度はサイモンが、「じゃあ次はこのリズムマシーンでランダムにリズムを選ぶからね」とスイッチを押し、スタタカスタタカと速いリズムが始まった。そのリズムに体を揺らしながら、しばらくの間どの曲にしようかと迷った末にグレンが弾き始めたのは、えらくテンポの速い「Sea Cruise」。そのギターのイントロで何の曲か判断して、またもジャストなタイミングでドラムのフィルイン。他人のカバー曲なのに。「きっと今までで一番ひどいバージョンの“Sea Cruise”だったね」と演奏後にグレンが言ったけど、全然そんなことなかったよ。ほんと、二人ともお見事。

こういう即興性がグレンのソロ(あるいはデュオ)の醍醐味だね。まるでゲームみたいに、二人で演奏だけでなくそのイベント自体を楽しみ尽くしてるのがすごくわかる。そして、こういうことができるぐらいグレンはサイモンのことを信頼してるんだろうな。終演後に友達と飲んでたときに口論(笑)になったんだけど、僕はこれがある限り、スクイーズでなくやっぱりグレンはソロで観たい。

「By The Light Of The Cash Machine」なんてちょっとマニアックな嬉しい選曲も含み、後半開始6曲はそのまま6弦ギターで続けたあと、いよいよストラトに持ち替え。この日は(も)アコギでのギターソロもほぼ完璧だったけど、やっぱりエレキでのソロは物凄いね。昨夏のイベントとか以前のライヴでも彼がエレキを弾くのを何度か観たことあるけど、この日は本当に堪能した。グレン自身もエレキを弾く方が明らかに楽しそうで、そのままアンコール終了までもうずっとそのままだったもんね。

「The Truth」が始まったから、もしかしたらと思ったけど、やっぱりあのギターソロの途中で6弦を咄嗟に緩めてのドローン奏法をやったね。ちょっと遅れて3弦もいじって、ソロ後はなんだか不思議な感じの音色になってたよ。いつも思うけど、よくあんなことを演奏中にできるもんだ。この人、ステージ上でのギターのチューニングも、よくある上の弦の何フレットと次の弦の開放音を合わせて、なんてことせずに、それぞれの弦の開放音を耳で聴いただけで瞬時に合わせていくからね(そういえば、エレキに持ち替えてチューニングしてるときに、サイモンが「アー」ってチューニング音を声に出して言ってあげてたのが可笑しかった)。

最初に書いたギターとドラムだけの変則構成だけど、たとえば今までライヴではアコギのソロでしか聴いたことのなかった「Cash Machine」とかがとても新鮮に聴こえたことだけでなく、それぞれの曲のメリハリをつけることに、サイモンのドラムが大いに貢献している。ベースレスだけど、グレンが(おそらくその編成を意識して)低音弦できっちりベース音をキープしているから全然不自然に聴こえないし。ドラムの直接音ばかり聴こえてしまうかと開演前はちょっと危惧していた僕の観ていた位置ですら、音のバランスはとてもよかったね。

お客さんからのリクエストが「Is That Love」か「If It's Love」か聞きとりにくかったグレンは、「両方演るよ」と、「If It's Love」のイントロを弾き始めた。タイトルは似ているけど曲調もコードも全然違うこの2曲をメドレーで演奏したら凄いなと思ったけどさすがにそれはなく、「If It's Love」をフルコーラス演ってから、「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントして「Is That Love」へ。

本編ラストの「Another Nail In My Heart」のギターソロは圧巻だったね。エリック・クラプトンのブラッキー風の黒いストラトを抱えている姿がふと彼を思い起こさせたけど、お世辞抜きで僕は今のクラプトンよりこの人の方がギター上手いと思う。

アンコール1曲目「Pulling Mussels」は歌詞の順番がちょっとあやふやで本人もちょっと照れ笑い。ギターソロもなかったよ。慌てたのかな。ちょっとスピードアップしたロッキンなアレンジの「Goodbye Girl」がラスト。イントロでサイモンがビールのジョッキとシンバルを交互に叩いてリズムを取っていたのが面白い。その曲で、演奏しながらグレンがステージ上の扇風機を端の方によせていく。何やってんだろと思っていたら、演奏終了後、二人並んでのダンスが始まった。あはは、これかわいいね。ビデオではちらっと見たことあるけど、こうして目の前で真剣な顔してやってるのを見ると微笑ましい。


終演後はいつものサイン会。ちょっと席で友達と歓談してから並んだら、列の進みがこの日はなんだか異様に遅い。皆たっぷり話しこんで、写真撮ったりしてるからね。列に並んでたときにグレンとちょっと目が合い、「お、君のことは知ってるよ」という感じでニコッとしてくれたのが嬉しかったな。延々並んだあと、ようやく自分の番に。京都公演に行けず、前日にサンパウロから24時間かけて帰国したばかりという話をして同情を買う僕(笑)。記念に、未使用の京都公演のチケットにサインしてもらった。

Unused Kyoto Ticket.jpg

なんとなく成り行きでサイモンにもサインしてもらったら、グレンが「あれ?おまえ京都にいなかったくせにサインするの?」みたいなこと言ってからかう。そしたらサイモンは僕に「君、京都に行かなくて正解だったよ。僕抜きじゃちっともよくなかったはずだからね」なんて冗談で返す。

京都で演奏したという新曲のタイトルを訊くと、「Chat Line Larry」だと教えてくれた(合ってるかな?⇒某所でスペルミスの指摘を受け、訂正しました)。今ミックス中のニューアルバムに入る予定だそうだ。「ナイン・ビロウ・ゼロと一緒に演ってるんでしょ」と聞くと、そうだとのこと。サイモンも何曲かに参加しているそうだ。「あと3−4ヶ月で出るよ」と言っていたけど、まあグレンのことだから、年内に出ればラッキーだろうな。

出張中伸び放題だった髪を前日刈ってきた僕はサイモンに「ほら、同じ髪型」と言ったら、サイモンは「真似したな」と自分がかぶっていた帽子を僕にかぶせたり(そのときの写真を撮っておけばよかった)。そういえば終演後、後ろの方で観ていた友達が、「yasさんの後ろ姿、サイモンと同じだったよ」だって。わざわざ帽子を取って一緒に撮った写真がこれ。なんだかグレンが変な顔してるね(笑)。アメリカとブラジルで肉ばかり食って太り気味の僕、のことは誰も気にしてないからいいね(苦笑)

Glenn Simon and me.jpg

さてと、そろそろ準備して吉祥寺に向かうとするか。昨日遅くに帰ってきたら、夕方5時半に振り切って出てきた会社の未読メールが100通以上にもなっていて目まいがしそうになったけど、それもやっと片付けたし(メールを開いただけともいう)。リクエストしようと思ってた曲の歌詞書いてる時間なかったな。まあいいや。多分客の入りはこの3日間で最大になるはずの今日、リクエストの競争率も高いだろうしね。ゆっくり楽しんで観てこよう。


Setlist 14 Jan 2011 @ Star Pine's Cafe

1. Footprints ~ If I Didn't Love You
2. Take Me, I'm Yours
3. They Can't Take That Away From Me
4. Still
5. Tough Love
6. Monkey
7. This Is Where You Ain't
8. Some Fantastic Place
9. Third Rail
10. Untouchable
11. Parallel World ~ Up The Junction

12. I Feel Good
13. Sea Cruise
14. Annie Get Your Gun
15. By The Light Of The Cash Machine
16. Oh Well
17. Through The Net
18. Tempted
19. The Truth
20. Can't Buy Me Love
21. If It's Love
22. Is That Love
23. Another Nail In My Heart

[Encore]
1. Pulling Mussels (From The Shell)
2. Slap & Tickle
3. Goodbye Girl
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2011年01月08日

ハード(・ロック)な出張中

やす:ほんまやったら今頃京都にいてるはずやのに、何の因果でアメリカくんだりまで来てるんや俺は。最近このブログに来てくれはった人とか携帯で読んでる人には何が何やらようわからん展開やろけど、今日はちょっとこの酔っぱらった黄色い人格で適度にグチらしてもらうで。

この週末から待ちに待ったグレン・ティルブルックの再来日公演や。俺が今このしょうもない文章書いてるちょうど裏番組、っちゅうか地球の裏側の京都府京都市で、ちょうど今頃グレンがあの地下のアイリッシュパブのちっこいステージにヤマハのアコギ持って登場した頃のはずや。

今日の追加公演が発表された頃にはもうなんとなくこの出張のことわかってたからチケット取らへんかったけど、明日とあさってのチケットは発売された瞬間に押さえたよ。まあ、具体的に言うたらそのときも出張中やったから、仲のええ友達に押さえといてもろたんやけどな。ちょっと気合い入れて取らな滅多にお目にかかられへんような、根性入った整理番号のチケットや。

ほんで、去年の年末かなりぎりぎりまでなんとか出張回避できへんやろかとあれこれ画策しとったんやけど、結局どないもならんかった。一応誰かにチケット買い取ってもらおかと思たけど、まあそんな直前に言うてほな行きますわ言うてくれるような人もいてへんかったし。っちゅうか、別にチケット売れへんかったんはどうでもええねん。金がもったいないんとちゃう。なんでせっかくグレンがわざわざ日本まで来てくれてんのに俺がこんなとこにいてるんやっちゅー話や。しかも、前の来日のときに一番よかった京都やで。


3年前に日本戻ってきて、アメリカに出張来るの今回が初めてなんやけどな、いつも出張で出てるアジアと違ごて、なんやらとんでもない時差やから、さあ仕事終わって夜寝ましょかっちゅう時間帯になったら日本から次から次へと仕事のメール舞い込んでくるもんやから、全然寝られへんし。そんなん適当に切り上げたらええんやけど、慣れてへんからつい対応してしもてこらキツいで。こっち来て毎晩2-3時間しか寝てへん。そんなんやから時差ボケもさっぱり治れへんし。

まあ、不幸中の幸いっちゅうか、幸いでもなんでもないんやけど、今回泊まってるホテルがハード・ロック・ホテルでな。ハード・ロック・ホテル知らん人はあのハード・ロック・カフェのホテル版やと思てくれたらええんやけど。ハード・ロック・カフェすら知らん人はまあ適当にわかったつもりになって読み進めてくれたらええんやけど。

俺ここ泊まるん初めてでな。昔バリのハード・ロック・ホテルぶらぶら見に行ったことはあるんやけど、いやーさすが本場やね。ロビーとか廊下のそこここに飾ってあるもんの量と質がケタ違いやで。いきなりプレスリーの金色のスーツか!とかね。

俺の泊まってる棟のエレベーターホールは全面ずらっとヒプノシスのジャケット展覧会やし。狂気やらインスルージアウトドアやら現象やらテクニカル・エクスタシーやら。しかも一枚一枚ストーム・トーガソンの直筆サイン入りやで。

今週一週間は毎晩このホテルのどっかのホールでサンタナがコンサートやってるんやて。観てみたくないわけやないけど、グレンのライヴさぼってなんでサンタナ観なあかんねんな。まあどうせ仕事あるから観られへんねんけどな。あ、サンタナの次は再来週、一日だけやけどウィーザ―が来て、ファーストとピンカートン最初から最後まで全曲通して演るんやて。新作バンバン出してる最中やのに何をそんな懐古ツアーしてんねんな。けどそれはちょっと心動く。どうせもうその頃には俺いてへんけど。ああもう悔しい。


ホテルの自分の部屋入ってすぐ飾ってある写真がこれや。

TheCure1980.JPG

写真ちっちゃいからわかりづらいかな。一瞬どこのジョー・ストラマーやと誰もが思わずにおられんこの一番手前の兄ちゃん、ロバート・スミスやて。キュアの。ファーストアルバム出してニューヨークのレコード会社に来たときの写真らしいで。俺が聴き始めた頃はこの数年後で、もうあのボサボサ頭にゴスメイクやったから、全然わかれへんかったよ。変われば変わるもんやな。

あと、ベッドのすぐ脇に飾ってある写真がこれ。

Mick.JPG

朝起きたら真っ先にミック・ジャガーがおはようさんや。目そらしてる写真やからええようなもんやけど、濃いで、これは。

朝ごはん食べよう思てエレベーターに乗ったら、いきなりかかってる曲がツェッぺリンのグッド・タイムス・バッド・タイムスやったりね。目さめるで、ほんま。

まあそんな感じで、グレンのライヴ逃したことさえ忘れたらそれなりに楽しく過ごさせてもろてるんやけどね。とか書いてるうちにもう一時間経過か。今頃きっとアニーとか歌い終わって途中休憩に入る頃なんやろな。ああもうほんま悔しい。


この後もまだすぐ日本帰られへんねん。マイアミ経由でブラジル行って、そこでしばらくのらりくらり仕事せなあかん。ほんで、やっと東京に帰れるのが、来週の木曜。グレンの東京公演の前の日や。その頃には東京での仕事も溜まってるやろから金曜の夕方さっさと切り上げて吉祥寺行くのはそれはそれで至難の業やと思うけど、そんなことも言うてられへんから、会社的には俺はブラジルで食うたカキか何かにあたってその日は早退です。

グレン会常連の皆さん、もしその日吉祥寺に俺が現れへんかったら、ほんまにブラジルで調子乗ってカキ食うたと思っといてください。ほな。

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2011年01月02日

2010年個人的ベストアルバム

随分ゆったりと過ごさせてもらった年末年始の休暇もそろそろ終わりに近づいてきた。皆さんあけましておめでとうございます。また仕事に忙殺されてしまう前に、年始恒例の総集編記事を書いておこう。まずは、去年買ったものの集計から。

フォーマット      枚数    対前年
CD              225枚    −50枚
CDシングル        11枚      −6枚
CD+DVD          16枚     +4枚
DVD/BD           5枚     +3枚
ダウンロード          1枚    増減なし
LP              27枚    +18枚
シングル            8枚      −3枚
ボックスセット         5箱      +2箱


CDかなり減らしたね。いや、当然のことながら家にある枚数は増えてるんだけどね。買う枚数をここまで絞れたのは嬉しいね。大幅に枚数が増えているLPは例の100円盤がほとんどだし、なんだかダイエットに成功したみたいな気分。

というわけで、総数298枚は、去年立てた目標その1:300枚以上買わないを見事達成。さらに、目標その2:一枚当たりの平均単価を前年以下に抑えるに関しても、09年の平均単価1,244円に対して1,241円と、かろうじて達成。さっきの100円記事を書いた当時は念願の1,200円割れに到達していたんだけど、その後スプリングスティーンの6枚組とか馬鹿みたいな値段の箱もいくつか買ってしまったために、この結果。まあ、そういうのも入れて1,200円台前半に抑えられたというのは逆にすごいというか。シングル盤も減ってるのにな。

さて、意味不明な自画自賛はおいといて、本題の2010年ベストアルバム選出に移ろう。去年は結局10枚に絞りきれなくてベスト11という結果になってしまったんだけど、今年もかなりきつかった。総枚数はこれだけ減らしているのに、どれがベスト10に入ってもおかしくないというのが20枚近くにも上り、正直言って一カ月後に選んだら違う結果になっているかもしれないというぐらいの接戦だった。


<第十位>
Joshua Radin 『The Rock And The Tide』
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年末ぎりぎりにようやく入手できたこれ、記事にしようと思っていたんだけど、先にこのベストアルバム記事に取り上げられることになってしまった。08年の年間ベストアルバム記事では第九位、今回はこの低位置ということが自分でも納得いかないほど優れたシンガー・ソングライター。今回のこのアルバムはライヴDVDとの2枚組。CDのみの通常盤もあるけど、このライヴかなりいいので、興味のある人はそちらを是非どうぞ。

やっぱりこのアルバムのことはそのうちちゃんとした記事にしたいので、今日はあまりつべこべ書かないでおこう。ひとつだけ、08年の記事にこの人の名前の表記をジョシュア・ラディンと書いたけど、ライヴDVDで挨拶しているのを聞くと、ジョシュア・レイディンというのが正しい発音のようだね。今後はそう書くことにしよう。


<第九位>
Seabear 『We Built A Fire』
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今年前半に買ってずっと気に入って聴き続けているのに、今日まで結局ブログに載せる機会のなかったこれも、この低い順位をつけることに抵抗があるほどの好盤。アイスランドのアーティストって、すごくエキセントリックだったり、メロディーとか音作りとかどこか僕らのいる世界とは少し違ったところから来たんじゃないかと思わせるような人が多いんだけど、この人たちはいい意味でとても現世的。瑞々しいメロディーも、弦楽器や管楽器を多用したオーガニックな響きの音も、聴いててすごく耳に馴染む。

僕の買ったこのCDは『While The Fire Dies』という6曲入りのEPが付属しているお買い得盤。これを買って気に入って、すぐにファーストアルバムのLPを買ったら、それにも「Teenage Kicks」(アンダートーンズのあの曲のカバー)のシングル盤がおまけで付いていたのが嬉しかったな。確かここんちのリーダーのソロアルバムがもうすぐ出るんだよね。楽しみ。


<第八位>
Woodpigeon 『Die Stadt Muzikanten』
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去年の暮に書いた記事は、年末にバタバタといくつも書いたせいか、それともよりによって皆が忙しいクリスマスイヴにアップしたせいか、いまいち反応が薄かったんだけど、できれば皆さんこの素敵なアルバムのことはスルーせずに聴いてみてほしい。僕も早くセカンドアルバムをオーダーしよう。もしかすると今年は来日もあるかも、なんて話も(あくまでも噂ベースで)聞いたことだし。

そういえばこの人たち、ホセ・ゴンザレスのジュニップ(Junip)と一緒にツアーやってるんだよね。そんな組み合わせで観ることができれば最高なのにな。ホセとマーク・ハミルトンの二人だけでもいいから一緒に来てくれないかな。


<第七位>
Ben Folds / Nick Hornby 『Lonely Avenue』
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11月1日の記事で取り上げたこれ、中に収められた音楽もさることながら、ダウンロード時代に逆行するような丁寧な作りのパッケージもよかったね。その記事のコメント欄をきっかけににんじんさんから巻き上げたボートラ入りの日本盤もきちんとスリップケースに入ってたし。アルバムの中でも一番のお気に入りの別バージョンであるそのボートラ自体は、あくまでもおまけ程度の位置づけだったけど(にんじんさんに文句を言っているわけではございません)。

このコラボレーションって、今回きりなのかな。まあ確かにこれから永続的にこの二人が一緒に作品を作り続けるなんてことは考えづらいけど、またそのうち一緒に何かやってくれると嬉しいね。


<第六位>
Sambassadeur 『European』
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今回のベスト10の中では、去年一番早くブログに取り上げたのがこれ。3月13日の記事か。今は亡きHMV渋谷で試聴して買ったんだった(そういえば、HMV渋谷復活するんだってね。あれだけ鳴り物入り(?)で撤退した後の復活だから、今度は相当気合いの入った店作りをしてくることを期待していよう)。しばらく聴いていなかったけど、こないだ友人宅での年間ベスト発表会で久しぶりにかけて、この清々しい音を堪能したばかり。

去年はこれを買った後にこれ以前のアルバムにも遡って聴いてみて、そちらも決して悪い出来ではなかったんだけど、やっぱりこのアルバムは抜群にいいね。いいタイミングでいいバンドに出会えたものだ。


<第五位>
Them Crooked Vultures 『Them Crooked Vultures』
Them Crooked Vultures.jpg

あの凄かったライヴ、もう5カ月も前になるのか。このアルバムだけでもベスト10入り間違いない内容だけど、このかなりの高順位はやっぱりあのライヴ体験の後押しがあったせいかも。レッド・ゼッぺリンのメンバーの中では一番語られることの少ないジョン・ポール・ジョーンズが、実は彼らの音作りに於いて相当な貢献をしていたんじゃないかと勘ぐってしまうほど、30年以上前にレッド・ゼッぺリンが終了した地点からきっちり後を継いでいる音。もちろん、デイヴ・グロールの作曲能力とドラミングがあってこそだけどね。

記事には去年中にセカンドアルバムが出る話になっていると書いたけど、その話は立ち消えてしまったのかな。デイヴもなんだかフー・ファイターズの方で動き出してしまったみたいだし。まあ、それはそれで楽しみではあるんだけど。


<第四位>
Ray LaMontagne And The Pariah Dogs 『God Willin’& The Creek Don't Rise』
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10月9日の記事で取り上げた、レイ・ラモンターニュの会心作。前作『Gossip In The Grain』は悪い内容ではなかったのに僕にはもう一つしっくりこなかったので、更にその前のアルバムである『Till The Sun Turns Black』以来、すごく久しぶりという気がしてしまうアルバム。そういえば、そのアルバムも06年のベストアルバム記事でこれと同じ第四位だったね。その記事にも書いてあるけど、この最新作もまったく昨日・今日のはやりすたりに関係なく、長く聴いていきたいアルバムだ。

きっと『Gossip In The Grain』も、ちゃんと聴き返せばもっと気に入るんだろうな。別にどこが悪かったというわけでもなかったんだし。よし、ちょっとこの後でじっくり聴いてみよう。


<第三位>
Jonsi 『Go Live』
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スタジオ盤の『Go』とどちらを選ぶか迷ったけど(今回ここまでの激戦でなければ両方入れるという選択肢もあったけど)、やはりあのライヴに後押しされてこちらを。とにかくそれだけ凄いライヴだったし、そのライヴをここまできちんとした形で再現してあるライヴ盤を選から落とすわけにはいかない。ノイズの入るDVDだけは頂けないけど、それを差し引いても余りある充実した内容。シガー・ロスを聴かないという理由だけでこれ(もしくは『Go』)を敬遠している人がいたら、悪いことは言わないからちゃんと聴いた方がいいと思うよ。

今回、第十位から第四位までは(惜しくも選から漏れた何枚かも含めて)かなりの接戦で、順位をつけるのにも苦労したんだけど、この『Go Live』から上はほとんど問題なかった。ダントツの三枚。


<第二位>
Roky Erickson with Okkervil River 『True Love Cast Out All Evil』
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「ほとんど問題なかった」の“ほとんど”は実はこのアルバムにかかっている。もう皆さん察しがついているであろう第一位のアルバムがなければ、というか、そのアルバムを聴いた後でさえ、これとどちらをトップにするかかなり迷ったぐらいだ。6月20日の記事からもう半年以上経ってしまったが、今聴き返しても最初に聴いたときのあの感情がまた湧き上がってくるよ。

この人たちは今後も一緒にやっていくのかな。たとえそうだとしても、きっともうこれ以上のアルバムが作れるとは思えない。こんな稀有な作品が誕生する瞬間に出会えて、本当によかった。


<第一位>
Tamas Wells 『Thirty People Away』
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皆さんお察しのこれがやはり去年の一位。11月16日の記事参照。僕がタマスのことを褒めても最早何のありがたみもないかもしれないけれど、これは本当にいいアルバムだと思うよ。この一カ月、タマスのことをいろんな人と話す機会があって、誰もが口を揃えてセカンドアルバムこそがタマスの代表作だと言っていたけれど、僕はもうこちらを代表作として認定してあげていいんじゃないかと思っているくらい。

一応アルバム発表ごとにきっちり来日してくれているタマス、今回の来日時にはリハーサルで新曲を練習していたとのこと。帰省中にスタジオに入って、ニューアルバム作ってくれないかな。それでまた今年中に来日、なんてことがあればいいのに。でも、今は新しい家族が増えて、それどころじゃないかな。


以上、昨年の10枚。こうして並べて見てみると、アメリカ、アイスランド、カナダ、スウェーデン、オーストラリアと、ほんとに英国産がなくなってしまったな。強いて挙げれば、ニック・ホーンビィとジョン・ポール・ジョーンズぐらいか、この中で英国人は。なんかバランス悪いよなあ。今年はもう少し意識して英国物を開拓するようにしようかな。
posted by . at 22:22| Comment(12) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする