2010年09月27日

100円中毒

休みの日にちょっと出かけるなら、下北沢がいちばん好き。東京に住み始めた頃からずっと。今や街を歩いている人の半分以上は僕よりもうんと年下になってしまったけど。通勤経路にある駅だから、会社をちょっと早く抜けられたときにちょっと寄るとか、週末でも定期を使って行けるのもいいし。どこで何食ってもたいてい美味いしね。

昨日の土曜日もそんな感じで昼過ぎにぶらりと出かけ、まずヴィレッジ・ヴァンガードにしばらく引っかかって(気がつくと何時間も経ってるんだよね、あの不思議な場所)、いくつかのCD屋をハシゴしながら、僕にしては珍しく古着屋やTシャツ屋も覗いて歩く。買いもしないカバン屋であれでもないこれでもないとファスナーを開けたり閉めたり。あっという間に夕方になる。

店の存在自体は何十年も前から知ってたのに、今までそこでは一枚も買ったことのなかったフラッシュ・ディスク・ランチに足を踏み入れる。足を踏み入れたのは初めてじゃないはずだけどね。僕が最初に東京に引っ越してきたときはちょうどCDが本格的に一般化し始めた時代で、入ってはみたもののアナログ盤ばかりを扱っているこの店にはあまり惹かれるものがなかった。その頃はまさか十数年後に自分が再びアナログ盤を買い始めることになるなんて思いもしなかったし。

最近はもうすっかりTwitterに軸足を移されたgakuさんのブログで以前何度かこの店の100円レコードのことを話題にされていて、それを読むたびにいつか行かなければと思っていて、ちょっとゆっくり時間が取れた昨日ようやくその願いを果たしたというわけだ。

何箱にも及ぶ100円レコの列。それもボロボロのクズ盤なんかじゃなく、結構しっかりしたものばかり。端から順にチェック。もうなんか嬉しくてしょうがない。あれも100円。これも100円。80年代ものが多いから、昔学生の頃に欲しくても買えなかったものや、レンタルでダビングしてカセットでしか持っていないもの。名前は聞いたことあるけど音は聴いたことないもの。名前すら聞いたことないけどジャケがやたら格好いいもの。全部100円。買って帰って懐かしがるために一回だけ聴いても100円。ジャケ買い失敗しても100円。ああ嬉しい。

なのに、それまで半日かけてあちこちで買い込んだCDやら何やらが結構ずっしりきていたせいで、せっかくのあれもこれも欲しい気持ちを抑えて、たったの2枚だけに絞り込む。

これと、
Live! For Life.jpg
『Live! For Life』

これ。
Every Dog Has His Day.jpg
Let's Active 『Every Dog Has His Day』

『Live! For Life』、持ってなかったんだよね。86年のIRSレーベルのコンピレーション。アラーム「Howling Wind」、スクイーズ「Tempted」、バングルズ「Hero Takes A Fall」のライヴ録音という、今の僕的にはど真ん中ストライクな内容。他にもR.E.M.とか、スティングの初期のバンドにジェフ・べックが加わったのとか、聴きもの多し。ちなみに「Tempted」のリード・ヴォーカルはグレン。

癌のリサーチセンターのためのこのチャリティアルバム、今思えば、Love Hope Strengthで一緒に活動しているマイク・ピーターズとグレン・ティルブルックが一緒に参加しているのが興味深いね。もちろん86年なんてまだマイクが後に癌に罹るなんて夢にも思っていなかった時代のこと。

レッツ・アクティヴ。僕は当時のUSインディーズのプロデューサーでは、ドン・ディクソンのことは随分こまめに追っかけてたんだけど、ミッチ・イースターはほぼ素通りだったんだよね。気になってはいたんだけど。で、今さらながらこれ買って聴いてみたらやっぱり格好よかった。さすがに今からアルバム全部集めるほどではないけれど。

久しぶりに買ったLPを手に提げて、夕食後の腹ごなしに家まで1時間半かけて歩いて帰った。最近涼しくなってきたからね。いいレコ安く買えたし、運動もしたし、いい土曜日だった。めでたし、めでたし。



と、このブログがこれで終わるわけがない。だいいち、今日のこのタイトルだし。

そう、僕のことを昔から知ってる人ならわかるだろう。前日買わずにスルーしてきたものを翌日行って買う、通称yas買い(名前は今決めました)。今日、日曜日は朝から用事があったんだけど、夕方一旦家に帰ってきて再出発。今日はちゃんとLP大のバッグ持って、途中どこにも寄らずに目指すはフラッシュのみ。

昨日の反省を活かして、とにかく気になったものは片っ端から手元に積んでいく。昨日と同じ箱を見てるから、だいたいどこに何が隠れているかはわかってる。昨日気になったけど放流したもの。昨日見逃してたけど今日新たに発見したもの。あっという間に10枚越え。さすがに重いので10枚縛りの制限を自らに課すことにする。また次回にも楽しみ残しておかないとね。

そうこうしてる間に雨が降ってきたので今日はおとなしく電車で帰宅。早速順番にターンテーブルに乗せてるけど、とても今日中には聴ききれない。というわけで、まだ未聴なのもあるけど、今日の10枚。

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The Alarm 『Declaration』

そもそも昨日これを放流してしまったのが今日再訪したいちばんの理由。発売当時レンタルのダビングで済ませてしまっていたけど、後にCDを買っているからもういいやと思ってしまった。昨日は。でも、今のこの自分内アラーム祭りの最中にこれに出会ったのは何かの思し召しに違いない。しまった、買っとけばよかった、もうなくなってたらどうしよう、と昨日寝る前にさんざん後悔。今日行って一番にこれが隠れていた箱を掘る。あった、よかった、誰にも買われていなかった(どうやら世間一般でもアラームが大流行していると思っているらしい)。


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Genesis 『Seconds Out』

ジェネシスも高校生の僕は全部ダビングで済ませてしまっていたクチ。大人になってから全部CDで揃えなおそうと、90年代後期に再発されたときにほとんど買ったんだけど、いちばん好きなライヴ盤だったこれは買い損ねてしまっていた。フィル・コリンズが歌う「Supper's Ready」フルヴァージョンなんてもう今後聴けないよね。LP2枚組でも100円。


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Arrogance 『Suddenly』

さっき名前の出てきたドン・ディクソンがかつて在籍していたアロガンスの80年盤。76年の『Rumors』のCDは持っているけど、これは初めて見た。76年盤のジャケで髪の毛フサフサのドンを見てびっくりしたけど、この80年盤の裏ジャケはやや後退気味。このあと5年でおなじみの風貌に変身することになる。と、肝心の中身のことを書いてないのはまだこれ聴いてないから。


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Giant Sand 『Storm』

ジャイアント・サンドのこれはサード・アルバムになるのかな。88年盤。カットアウト盤で右肩かなりざっくりやられてるから、裏ジャケのちょうどその位置に書いてある曲名が3曲ほど読めない。ま、しょうがないね、100円だし。今ちょうど聴いてるのがこれ。今のジャイアント・サンドからは想像つかないほど元気な音。と言っても僕もそんなに沢山聴いているわけじゃないから、もしかしたら最近の枯れた風になる以前はずっとこんな感じだったのかもね。あ、最後の曲はザ・バンドの「The Weight」。


Deep In The Heart Of Nowhere.jpg
Bob Geldof 『Deep In The Heart Of Nowhere』

イギリスに戻って、ボブ・ゲルドフの確かこれはファースト・ソロかな。まだシールド状態の、底部にちょっとだけ切り込みのある良心的なカット盤。なんかこの人もバンド・エイド〜ライヴ・エイドやってしまってから、変な偏見持って見られるようになってしまったよね。あれさえなければもう少しはソロアルバムも売れただろうに。確かもうすぐ新譜出るんだよね。もう出たのかな。買ってあげようかな。まずこれ聴いてからね。


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Frankie Goes To Hollywood 『Liverpool』

この人たちの最初の2枚のシングルは格好よかった。最初のアルバムもまあよかった。「Born To Run」のカバーとか演ってるんだよね。でももうこのセカンドが出る頃にはすっかり飽きてしまっていた。なので、聴くのは今回が初めて。こいつは世間的にもCDが再発されたりして局地的に盛り上がっているよね。なんかジャケにDirect Metal Masteringなんてステッカーが貼ってあるぞ。音いいのかな。楽しみ。


The Original Sin.jpg
Cowboys International 『The Original Sin』

こんなバンド全然知らなかった。メンバー見てびっくり。ドラムスがテリー・チャイムズ。元クラッシュの。で、B面ラストの曲でギター弾いてるのがキース・レヴィン。何このバンド。79年発売?じゃあテリーがクラッシュを追い出されてから参加したんだね。調べてみたら、ヴォーカルのケン・ロッキーって一瞬PILに居たりしたんだね。キーボードで?ふーん。で、このアルバム聴いてみたけど、まあこれじゃそんなに売れないだろうなという感じ。悪くはないけど特徴ない。


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Fatal Flowers 『Younger Days』

これも全然知らなかった。ジャケかっこいいと思って裏見てみたら、プロデュースがヴィック・メイル。これは間違いないだろうと思って腹くくって(100円だけど)買ってみたら、大当たり。ちょっとブルーズ入ったモッズぽい音。B面2曲目の「Gimme Some Truth」ってまさかと思ったらやっぱりジョン・レノンの。これがまた速くて格好いい。LA MOSCAさんなんてきっと気に入ってくれるんじゃないだろうか。オランダのバンド。86年盤。他にも出てるのかな。探してみよう。


100円盤買いの何が困るって、もう既に持ってるものをまた欲しくなってしまうこと。いや、いくら僕でも自分が持ってるもの全部をまた買いたくなるというわけじゃない。無人島レコ級のやつ限定ね。だって100円だし。そんな箱の中でいつまでも眠ってるぐらいなら、僕が買って誰か友達に配って布教するよ。誰からも要らないって言われたら、もちろん自分で保管して、もう既に家にあるLPと交互に聴くことにする。あ、CDでも持ってるからそれも入れて順番に。大変だなそれも。

という数秒のミニ葛藤を経て、結局は買ったのがこれと、
Ghost Writer.jpg
Garland Jeffreys 『Ghost Writer』

これ。
DAT.jpg
『Difford & Tilbrook』

どちらも、こうして小さいジャケ写を見てるだけで中身の音が全部頭に蘇ってくるぐらい。たぶんあれだね、次回フラッシュ行ってまたこいつらが100円箱の中にあったら、また買ってしまうね、僕は。頭おかしいのか。
posted by . at 01:26| Comment(12) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする