2010年08月28日

Mike Peters live in Tokyo

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グレン・ティルブルックが、彼の参加するラヴ・ホープ・ストレングスという癌患者へのチャリティ団体のイベントで富士登山に来るという話はずっと前から聞いていたけれど、参加費用はちょっと気軽に手の出せるようなものではなかったし、ましてや富士登山なんてそんな気軽にできるものじゃないから、今回はネットでイベントの様子を見ているだけかと思っていたら、とあるルートから、登山の打ち上げパーティーがあるらしいという情報を入手。しかも、調べてみると、打ち上げといってもちゃんと入場料を取るライヴのようだから、登山に参加していなくても遠慮せずに観にいけるようだ。

パーティーの告知にグレンの名前は一切出ていないけれど、僕の興味はむしろ、このパーティーの主役、というか、ラヴ・ホープ・ストレングスの主催者であるマイク・ピーターズだった。僕にとっては1986年のアラームの二度目の来日公演以来となる彼のアクースティック・ライヴが観られるのなら、万一グレンが出なくたって構わない。まあ、登山前にも登山中でもいたるところで飛び入りで演奏しているグレンが、こんなイベントに出てこないわけはないけれど。

21時半開場・22時開演という、日本のライヴにしてはやたら遅いスタート。一旦終電までには終えるが、その後オールナイトになるとのこと。場所は西新宿のはずれにあるクラブ・ドクターというところ。21時半に会場に着くと、既にそこには見なれたグレンヘッズの面々が。皆さん久しぶり。アラームのTシャツを着た方々もそこかしこに。決して多い人数ではないけれど、こんなろくに宣伝もされていないイベントを嗅ぎつけてみんなよく集まってくるよね。

マイク直筆の看板。

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機材トラブルでリハーサルが押してるとのことで、実際にドアが開いたのは22時ちょっと前。アクースティック・ライヴとのことだったけど、漏れ聞こえてくるリハーサルの音はエレキギターやドラムスの音だよ。まあ、オールナイトだし、グレンもいる(だろう)し、なんでもありなんだろう。楽しみ。

客席右側の一団は、外人の団体。おそらくマイク達と一緒に富士山に登った人たちだろう。ほとんどが結構若い女性なのにびっくり。歓談しながらバーに飲み物を取りに行って戻ってきたら、もうマイクがステージに立って歌ってるよ。いくら開場が押したからって、そんな律儀に時間通り始めなくても。

というわけで出だしをちょっとだけ聴き逃した一曲目は、もしマイクにリクエストを募られたらまずこれを、と思っていた「Unsafe Building」。いきなりですか。

続いては、「1984年に初めて日本に来た頃に作った曲」との前置きで、「The Stand」。もうそんな感じで、初期の曲ばかりどんどん続けて演奏。曲順ちゃんと覚えてないけど、「Declaration〜Marching On」、「Where Were You Hiding When The Storm Broke?」、「Sixty Eight Guns」、登山レディースにリクエストされた「Rain In The Summertime」、「Rescue Me」、「Bells Of Rhymney」、「Walk Forever By My Side」、「Knife Edge」とかは演ったね。

1時間弱で一旦交代する直前に演奏したのが、76年にセックス・ピストルズを観たことを語りながら始めた「Spirit Of '76」。ブライアン・マクヴァーノンのセットを挟んで第二部の冒頭に演奏したのが「Absolute Reality」。さっき書いた曲のうち、半分は第二部の演奏だったかな。きっと日本のファンは活動再開後の曲なんて知らないだろうと気を使ってくれたのか、ここまでで新しめの曲は「Breathe」ぐらい。今晩ここに来ているのは、最新アルバムまで全部追っかけてるようなコアなファンか、彼のことなんてほとんど知らないグレンのファンばかりなのにね(笑)

お蔭で、最近の曲は覚えるほど聴き込めていない僕でも歌える曲ばかり。「Where Were You Hiding」とか「Spirit Of '76」とか「Sixty Eight Guns」とか、ライヴ盤でもおなじみのコール&レスポンスのパートも大声で歌えて気持ちいい。もうこのへんで喉ガラガラ。

第二部のあと、いよいよグレン・ティルブルックの登場。「ほんとはここにいるはずじゃなかったのに」とかなんとかブツブツいいながら、観客席からステージへ。誰に言い訳してるんだろう。大人の事情なのかね。オープニングはちょっと意表をついた「The Day I Get Home」。あとは「(You're So Square) Baby I Don't Care」とか比較的お馴染みのカバーをふんだんに織り交ぜながら、オリジナルは「Annie Get Your Gun」と「Goodbye Girl」だけだったかな。途中でアイアン・バタフライの「In A Gadda Da Vida」を途中まで演奏し、「みんなアイアン・バタフライは知ってる?じゃあ次のアイアン・バタフライのリクエストは?」とか言って笑わせたり。

「They Can't Take That Away From Me」でグレンのパートは終了。マイクとブライアンがギターを持って戻ってきて、グレンはそのままエレキギターに持ち替え。「ドラマーはいない?」と客席に呼びかけ、そこからは次々に観客を交えて演奏。最初はクラッシュの「Should I Stay Or Should I Go?」だったかな。観客の中にドラマーがいないとなると、グレンがドラムキットに座って、客にギターを弾かせたり。いいな、あの人たち、一生の思い出だろうね。ろくに楽器も弾けない僕としては、マイク・ピーターズとグレン・ティルブルックが一緒のステージにいるのを観られただけでも一生の思い出だけどね。

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登山メンバーの30名を全員ステージに上げて、「Love Hope & Strength」で一旦締め。この時点でもう0時を回ってたかな。グレンが最後にギターをかき鳴らして、「Ziggy Stardust」の一節を歌ってまた笑わせる。その後は三々五々バーに向かい、グレンとマイクはあちこちでファンにとっつかまってサインだの写真だのをねだられる時間。

しばらくそうして飲んでいたら、マイクとブライアンがまたステージへ。ドラムスにはまた別のお客さんが。この第何部になるのか最早わからないステージが一番盛り上がったね。「London Calling」は演るわ、「Brand New Cadillac」は演るわ、「Rock This Town」は演るわ、僕もこの回はほぼ一番前、マイクの正面でかぶりつき。ガラガラ声で全部歌う。

「45 R.P.M.」からメドレーで「Blitzkrieg Bop」、さらに「White Riot」も。なるほど、確かにこれ全部同じような曲だね。同じようといえば、このドラマー君、どの曲のラストも必ず「Tommy Gun」のフレーズ叩いてくれて、途中からマイク達も面白がって、ドラマーが普通にドドン、とか終えると「いや、違うよ」と「Tommy Gun」エンディングに変えさせたり。最後は、04年のライヴ盤『Live In The Poppy Fields』のDVDでもエンディングだった「Get Down And Get With It」を延々と。

再び飲みタイム。人気者のグレンはグレンヘッズの皆さんに任せておいて(もう結構酔ってるしね)、マイクに話しに行く。オリジナル・アラームの3人とはまだ連絡を取っているとか(ナイジェルとはつい先日メールしたばかりだそう)、デイヴ・シャープのソロアルバムの話とか、初めて観たクラッシュのライヴの話とか(「さっきは76年にピストルズを観た話をしたけど、クラッシュを最初に観たのは77年だった」って言ってた)。

アラームの初来日公演のチケットの半券にサインをもらう。“Respect”なんて書いてくれてうれしい。御堂会館ってまだあるのかな。「ぬ列」というのがなんかすごいね。いろは順だとすると10列目で観たのか。

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いつかこのブログにアラームのことを書く機会があれば触れたいと思っていたこのボックスセット。2000年に、オリジナルメンバーでの全アルバムとものすごい量のボートラ、総計150曲以上を8枚のCDに満載したもの。それにも増してすごいのは、このボックスをオーダーするときに自分の好きな曲とメッセージを書いて送ると、マイクが自分にそのメッセージを(ちょっとアレンジして)読んでくれて、その曲を演奏してくれたものが収録されたサイン入りのCD-Rがついてくること(右下の写真)。

僕がリクエストしたのは、僕がアラームを知るきっかけになった、たしか渋谷陽一のラジオ番組でかかった「Across The Border」。初期の曲のうちでもこれは珍しくデイヴ・シャープが書いて歌った曲だったけれど、それをわかったうえでマイクにリクエストしたんだった。そのことを伝えると、「あの曲は俺も手伝ってあげたんだ」だって。へえ、それは初耳。

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バーに並んでいたときにたまたま後ろがグレンだったので、自分がオーダーしたついでに日本酒を一杯彼にもご馳走。とはいえあの状態の彼はもうそんなこと覚えてないだろうから、自分の記憶のためだけにここに記入(苦笑)

ステージに立った3人のうち一番知名度の低いブライアンに貴方は何者か?と突撃質問。オーストラリアのレトロ・ロケッツ(The Retro Rockets)というバンドのメンバーらしい。名刺をもらったよ。名刺裏の写真を見ると、もういかにもストレイ・キャッツ直系という感じのロカビリーさん達。せっかくなのでちょっと聴いてみようかな。興味のある人はこちらへどうぞ。最新ニュースが08年の4月だけどね(笑)

マイクやグレンが帰ったのは何時ごろだっけ。2時過ぎだったかな。オールナイトじゃなかったのか。まあ、登山後でさぞかし疲れてるだろうし、グレンはもういつもの泥酔モードだったから、あれ以上引きとめても可哀想だったけどね。というわけでこちらも場所を替えて、始発が出るまで時間つぶし。会場で知り合ったアラームファンの方も誘って、13人の大所帯。遠くの席にいた人たちとはほとんど話せなかったけど、いつもながら楽しい時間を夜明けまで。

久々の完徹の後、帰宅。今日の12時にVinyl Japanにマイクが来ることは聞いていたんだけど、仮眠して起きたらもう11時半。大急ぎで出かけてももう無理だよね。残念。またいつか観られるかな。アラームで来るのは無理でも、グレンみたいにソロでちょくちょく来日してくれればいいのにな。


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2010年08月22日

HMV渋谷の110枚

金曜日にニュースゼロを見ていたら、HMV渋谷閉店のニュースに結構な時間が割かれていて、ちょっとびっくりした。東京在住の音楽ファンにはもちろん衝撃的な事件だったけれど、一般市民(?)にとってもそんなにニュースバリューのある話題だったなんて。

僕はいわゆる「渋谷系」の音楽はほとんど素通りしてきたから、「渋谷系の聖地」とか言われても「へえ、そうですか」って程度なんだけど、それでもやっぱりあの店には相当お世話になったからね。僕の一番のお気に入りのお店というわけではなかったけれど、調べてみたらこれまで結構な枚数を買っていた。

渋谷の、今の場所じゃなくもっと道玄坂寄りに日本初のHMVがオープンしたのが1990年の11月16日。調べてみたら、僕が最初にその店で買い物をしたのは同じ年の12月23日。それから今日までちょうどお店の歴史分、20年間にわたって僕もあそこで買い物をしてきたんだと思うとちょっと感慨深いものがある。

昨日、HMV渋谷閉店一日前に、最後の挨拶をしに行ってきた。そこでの収穫2枚を含めて、僕がこの20年間にこの店で買ったものを羅列して思い出に浸るというのが今日の企画。


<1990年>

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1. The Trash Can Sinatras 『Cake』

これが最初だった。変な名前の新バンド。あまり思い入れのしようもないタイトル。綺麗だけど多分自分でジャケ買いをすることはないジャケット。あの当時HMVの店内に試聴機が置いてあったかどうかはよく覚えていないけど、僕がこの聞いたこともないバンドのデビューアルバムを買ったのは、90年のクリスマスイブの前日、店内でピックアップされていたこのCDに付いていた、店員の思いのこもった推薦文を読んだからだったはず。

そう、それこそがHMV渋谷の最大の功績だった。今でこそ、どこのCD店にでもたくさんの試聴機と読み切れないほどの手書きPOPが溢れていることは珍しくないけど、名前も知らないアーティストのCDを絶妙のセンスで的確に推薦してくれるなんて、それ以前にはあまりなかったと思う。今のようにネットで新しい音楽を見つけるなんてこともできなかった時代、この店の登場は大きかった。


<1991年>

2. Ride 『Smile』
3. Graham Parker 『The Boy With The Butterfly Net』
4. Graham Parker 『Struck By Lightning』
5. Ian Dury & The Blockheads 『Warts 'n' Audience』
6. Elvis Costello 『Mighty Like A Rose』
7. The Paul Weller Movement 『Into Tomorrow』
8. Prince & The New Power Generation 『Diamonds And Pearls』


一枚一枚ジャケ写を載せているときりがないので適当に省くけど、ライドのこれも同じパターンの出会いだね。トラッシュ・キャン・シナトラズを買って二週間も経たないうちにまた、当時は名前も知らなかったこのCDを買っているよ。

残りはもう当時の僕のパブロック趣味全開という感じだね。ポール・ウェラーがスタイル・カウンシルを止めて最初に出したシングルが懐かしい。今の超大御所扱いからは想像もつかないだろうけど、当時はスタイル・カウンシル後期の尻すぼみ具合から、誰もがもうこの人は消えてしまうと思ってたよね。


<1992年>

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9. Nirvana 『Nevermind』
10. Van Morrison 『Hymns To The Silence』


さすがにニルヴァーナは店頭で初めて知ったわけじゃなかったと思う。雑誌なんかでもこの頃にはもう散々騒がれてたからね。でも僕が買ったこの盤は、シークレット・トラックの「Endless, Nameless」がミスで収録されていない初回プレス。あんまりうれしい類の初回盤じゃないけど。


<1993年>

11. Todd Rundgren 『No World Order』
12. Utopia 『Redux '92: Live In Japan』 VHS
13. Dire Straits 『On The Night』 LD
14. Pink Floyd 『The Wall』 LD
15. The Police 『Message In A Box』 Box Set
16. The Wonder Stuff 『Construction For The Modern Idiot』
17. Blind Melon 『Blind Melon』
18. Various Artists 『Volume Eight』


この年に僕はレーザーディスクプレイヤーを買ったんだろうね。自分が行ったライヴが収録されたユートピアのをVHSで買ったのは、その当時はまだレーザーディスク(LD)にはなっていなかったから。確かこれを買ったすぐ後にLDでリリースされて悔しい思いをしたんだっけな。まさかそのときはそのどちらのフォーマットも20年しないうちにまともに観られなくなるとは思いもせずに。

ポリースのボックスセット、全アルバムとシングル曲などを4枚のCDにひたすら年代順に詰め込んでるから、オリジナルアルバムが途中で別のCDに分かれたりしてるんだよね。あんまり好きでないタイプの作り。ジャムのボックスもそうだったね。それはさておき、HMV渋谷ってあれだけの品揃えがあったから、こういうボックスとかもよく探しに行ったものだったな。


<1994年>

19. Peter Gabriel 『All About Us』 LD
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20. Neil Young & Crazy Horse 『Weld』 LD
21. Elvis Costello & The Attractions 『Get Happy』
22. Elvis Costello & The Attractions 『Trust』
23. Bob Talbot 『Dolphins & Orcas』 LD


LDばっかり買ってるね。僕はこの前年にはもう海外赴任していたので、ここで買うということはわざわざかさばるLDを海を越えて運んでいたということだから、ご苦労なことだ。調べてみたら、写真を載せたニール・ヤングの名作ライヴとか、実はまだDVD化されていないんだね。だからいまだに山ほどのLDとほとんど使うことのなくなったLDプレイヤーを捨てられないんだよ。あれ、まだ動くのかな。

コステロの旧譜は、ボートラ入りで再発され始めたやつかな。この頃はまだ律儀に買ってたんだね。あれから何度も手を変え品を変え再発されるのに辟易して、もう途中でこの人のリリースを追っかけるのをやめてしまったな。今でもこのへんのアルバムはよく聴くし、こないだ買った『Live At Hollywood High』の完全バージョンもよかったんだけどね。


<1995年>

24. The Who 『Thirty Years Of Maximum R&B Live』 LD
25. The Velvet Underground 『Curious - A Documentary』 LD
26. Oasis 『Live By The Sea』 LD
27. Ben Folds Five 『Ben Folds Five』
28. Buzzcocks 『Another Music In A Different Kitchen』
29. Buzzcocks 『Love Bites』
30. Buzzcocks 『A Different Kind Of Tention』
31. Nils Lofgren 『Damaged Goods』
32. The Boo Radleys 『From The Bench At Belvidere』
33. Bruce Springsteen 『Hungry Heart』
34. Can 『Anthology - 25 Years』


ベン・フォールズのファーストはこの年だったか。これは店で初めて聴いたんだっけ、それともロッキング・オンか何かで読んだのかな。忘れた。バズコックス大人買いはなんでだっけ。来日したのか?違うな。忘れた。ヴェルヴェッツのドキュメンタリービデオも久々に観たいな。押入れの奥からLDプレイヤー引っ張り出してこようかな。


<1996年>

35. Paul McCartney 『Going Home』 LD
36. Northern Uproar 『Northern Uproar』
37. Oasis 『Supersonic』
38. Oasis 『Whatever』
39. Oasis 『Some Might Say』
40. Ron Sexsmith 『Ron Sexsmith』
41. Mark Knopfler 『A Night In London』 LD
42. Pulp 『F.E.E.L.I.N.G.C.A.L.L.E.D.L.I.V.E.』 LD


この年はオエイシス大人買いだね。この当時はほんとに好きだったな。シングル盤もこうして全部集めてたもんね。サードアルバムから一気に興味が失せてしまったけど。そして引き続きLD沢山買ってるよ。パルプのライヴも久々に観てみたい。このマーク・ノフラーのライヴにはサニー・ランドレスが客演してるんだよね。ああ、これも観たい。


<1997年>

43. Garland Jeffreys 『Wildlife Dictionary』
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44. Faye Wong 『玩具』
45. Nils Lofgren 『Acoustic Live』
46. Faye Wong 『Faye Wong』
47. Robert Wyatt 『Shleep』


この前年ぐらいにロッキング・オンで松村雄策が大いにプッシュしていたフェイ・ウォンのベスト盤をインドネシアで買って気に入り、それ以来超はまってた時期。こういうシングル盤までこまめに集めてたな。

ガーランド・ジェフリーズのこの久々のアルバムとか、ニルス・ロフグレンのこの隠れた名ライヴ盤とか、「あ、こんなのが出てる」と店頭で発見することが多かったのもこの店の特徴だった。いまやそういう役割はすっかりネットにとって代わられてしまったけれど、今でも店頭でそういうCDを、写真でなく実物を手に取って見つける楽しみは格別。


<1998年>

48. Brinsley Schwarz 『Hen's Teeth』
49. The Knack 『Proof』
50. Jools Holland & His Rhythm & Blues Orchestra 『Lift The Lid』

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51. Squeeze 『Six Of One』 Box Set
52. Various Artists 『Regatta Mondatta』
53. Brian Wilson 『Imagination』


このブリンズリー・シュウォーツの未発表曲集もそうやってここで発見したものだったはず。スクイーズのボックスセットもそうだったかな。僕がこの店で買ったものの中では最高金額になるこの箱は、僕が持っている全てのボックスセットの中でも一番開け閉めされる頻度が高い箱でもある。

この年にHMV渋谷は現在の場所に移転。


<1999年>

54. Rush 『Different Stages - Live』
55. Nils Lofgren 『New Lives』
56. Squeeze 『Domino』
57. Jeff Buckley 『Everybody Here Wants You』
58. Eddie & The Hot Rods 『The End Of The Beginning』
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59. Nick Lowe 『The Doings』 Box Set
60. Lucinda Williams 『Car Wheels On A Gravel Road』
61. Jeffrey Foskett 『The Best Of』
62. Cotton Mather 『Kontiki』
63. Bobby Charles 『Secrets Of The Heart』
64. Push Kings 『Crimes In Acetate』
65. Southern All Stars 『1998スーパーライブin渚園』 DVD


ニック・ロウの箱もここで買ったか。ボックスセットというとほとんどしまっておくだけというのが多い中、この店で買ったものは比較的聴く頻度の高いものが多いね。偶然なんだろうけど。

さっき書いた、出ていることを知らなかったCDを店頭で見つけて購入というパターンが最も多く出ているのがこの年かな。ニルス・ロフグレンのライヴ盤、スクイーズのラストアルバム、コットン・メイザー、ボビー・チャールズ、プッシュ・キングスなどがそう。そしてどれもが、その前のアルバムよりもイマイチというところまで共通している。


<2000年>

66. 『Life Is Beautiful』 DVD
67. Joe Jackson 『Summer In The City - Live In New York』
68. Jeff Buckley 『Live In Chicago』 DVD
69.Phish 『Farmhouse』
70. The Rubinoos 『The Basement Tapes Plus』

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71. Slapp Happy 『Ca Va』
72. The Clash 『Westway To The World』 VHS
73. 『The Sixth Sense』 DVD
74. Sonny Landreth 『Levee Town』
75. New Age Steppers 『Massive Hits Vol.1』
76. John Hiatt 『Crossing Muddy Waters』


前年に僕がこの店で買った最高記録となる12枚、この年が11枚と、この時期が僕がHMV渋谷に一番貢献していたミレニアム前夜。といっても、平均月一というのはご存じのとおり、この頃の僕にとってもそれほど多い枚数ではなかったけど(当時は年間200枚前後)。

写真を載せたスラップ・ハッピーは、当時右足首のアキレス腱を切りながらサウジアラビアからはるばる東京に出張してきて、仕事の合間に彼らの来日公演を観に行った記念に買ったもの。今ではグレン・ティルブルックの東京でのホームグラウンドであるスターパインズカフェに初めて行ったのがあの時。

しばらくLD買ってないと思ったら、前年の末あたりからやたらとDVDを買い始めてるね。この頃にDVDプレイヤーを買ったんだろう。それなのにクラッシュのをVHSで買っているのは、先述のユートピアと同じ理由。


<2001年>

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77. Aunt Sally 『Live 1978-1979』
78. Hugh Cornwell 『Guilty』
79. John Hiatt 『The Tiki Bar Is Open』
80. Dr. John 『Creole Moon』
81. Oysterhead 『The Grand Pecking Order』
82. Starsailor 『Love Is Here』
83. Ben Folds 『Rockin' The Suburbs』
84. Matching Mole 『Smoke Signals』
85. 『High Fidelity』 DVD


記録によると、アーント・サリーのライヴ盤は2500円の新譜をタダで買っているぞ。きっとポイント貯めて買ったんだね。この店は確か結構初期からポイント制度を始めていたはずだったけど、僕の場合はそれをようやく活用できたのがこのとき。いつから貯めだしたのか覚えていないけど、結構遅いよね。なので、後に通販でがんがんポイントを貯め始めるようになるまでは、HMVのポイントって全然貯まらないという印象があったな。まあ、タワーのポイントも似たようなもんだけど。

前年の『Levee Town』、この年のジョン・ハイアットとドクター・ジョンのそれぞれのアルバムと、この時期のサニー・ランドレスは久々に八面六臂の活躍だった。その前年のボビー・チャールズのにも参加してるし。


<2002年>

86. Nils Potter Molvael 『NP3』
87. The Reindeer Section 『The Son Of Evil Reindeer』
88.Cornershop 『Handcream For A Generation』


この3枚は同じ日に同じ金額で買っているな。3枚買うと1枚あたりいくらとか、そういうセールがあったのかな。よく覚えていないけど、こうして僕がこの店では年に1-2回しか買わなくなり始めたのがこの時期だったというのは事実。どうしてだろう。世間的にはCD離れということになるんだろうけど、僕の場合は引き続き年間200枚買い続けてたのにね。


<2003年>

89. Elvis Costello & The Attractions 『Imprial Bedroom』
90. Elvis Costello & The Attractions 『Armed Forces』
91. Klimperei 『Serieux』
92. Klimperei 『Pimpant!』
93. Klimperei 『Triste』
94. Beady Belle 『Cewbeagappic』
95.Jeb Loy Nichols 『Just What Time It Is』
96. Sam Cooke 『At The Copa』
97.Belle & Sebastian 『For Fans Only』 DVD
98.Bjork 『Volumen Plus』 DVD


コステロの再発盤、律儀に引き続き買い集めてるね。これは2枚組に拡大された盤だな。その次のクリンペライの3枚については、ずっと昔に小記事にしたことがあるね。ジェブ・ロイのは確か貯めたポイントを使ってボートラ入りの日本盤に買い替えたんだったな(すぐポイント貯まってるじゃん)。

さっきこの店にあまり行かなくなったことを心配した矢先のこの枚数だけど、実はこれは日数にすると2日間での購入枚数。96〜98の3枚を10月末に買った後、これからなんと2年半もの間、僕はHMV渋谷では何も買わなくなってしまった。


<2006年>

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99.Pet Shop Boys 『Fundamental』

2年半ぶりにここで1枚だけ買ったこれを、僕はこのブログの最初期に、アルバムレビューの第一回目として書いている。懐かしいね。

そして今度は更に3年半、僕とHMV渋谷の沈黙期が続く。それまであれだけの枚数を買っていたお気に入りの店で6年間にたったの1枚。その時期はちょうど僕がNZに移住して、15年ぶりに日本に帰国してきた時期と重なる。

NZでリアル・グル―ヴィーというお気に入りの店ができ、それまでの年間200枚ペースから一気に500枚越え、しかもそのほとんどが捨て値という僕の新しい購買パターンにこのお店が合わなくなってしまったこと、

それから、たまに日本に出張で来ても、ユニオンやレコファンで安い中古盤ばかりを買い漁っていたこと、

そして日本に帰国してからは、HMV店舗とHMV通販でどういうわけか値付けが違うことに気づき(通販のまとめ買いの方が安い)、わざわざ電車賃を使って渋谷の人混みに出かける気がしなくなってしまったことなど、分析してみればいくらでも理由は出てくるけれど。

それにしても、今回こうして枚数でくくってみると、それまで好調に伸びていた数が記念の100枚目の直前でぴたっと止まってしまい、なかなか100番が出ないところが、ずっと前にこのブログのとある記事で100個目のコメントを誰も踏めなかったことを思い出させるね。


<2009年>

100.Dylan Mondegreen 『The World Spins On』
101.Prefab Sprout 『Let's Change The World With Music』
102.Yo La Tengo 『Popular Songs』
103.Mika 『The Boy Who Knew Too Much』
104. Alec Ounsworth 『Mo Beauty』
105.Bruno Merz 『Through Darkness Into Day』


ところが、去年になってようやく、僕はこの店の本来の使い方を思い出したようだ。このリストを見てもわかるように、100102104105など、このブログに取り上げるぐらい気に入ったアルバムをこの店で買っていることが多い。ブルーノ・マーツの記事を読むと、HMV渋谷の試聴機で聴いたことがこれを買うきっかけだったことを書いているね。


<2010年>

106.Grand Salvo 『Soil Creatures』
107. Badly Drawn Boy 『Is There Nothing We Could Do?』
108. Sambassadeur 『European』

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109.Clive Langer & The Boxes 『Splash』
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110.Color Of Clouds 『Satellite Of Love』

106や108もそう、僕がHMV渋谷で試聴したことが購入のきっかけだった。そうして再び僕がこの稀有な店のありがたみを享受し始めようとしていた矢先、HMV渋谷閉店のニュースが。

そして昨日。閉店一日前のHMV渋谷。昼過ぎの3階は人がごった返していた。いくら閉店セール中だといってもこれは凄いなと思っていたら、2時から非常階段のインストアライヴがあるんだった。そうだ、ちょっと前に渋谷閉店イベントのニュースを読んで、これ観たいなと思っていたんだった。すっかり忘れてたけど、偶然観られることになってラッキー。

とはいえ、ものすごい人混み。まさかこんなに人気あるなんて。JOJO広重の坊主頭はなんとか見えるけど、演奏してるところなんてちっとも見えやしない。ライヴ自体は20分ほどで2曲のみ。どちらも大爆音のフィードバックノイズがギンギンいってるだけの曲で、店内BGMとしてはかなり異様な光景。あれ普通にCD買いに来た人は逃げるよね。

「伝説の」非常階段を観に来た人たちには不本意だったかもしれないけど、予想外に人のよかったJOJO広重を横目で見ながら店内散策を続ける僕。収穫は上に写真を載せた2枚。かつて、それこそ僕がHMV渋谷に通い始めたパブロック趣味全盛の頃、廃盤だったLPを血眼になって探していたクライヴ・ランジャーの唯一のアルバムがCD化されていることに気付いたのがひとつ。そして、試聴機に入っていた「HMV渋谷先行発売」だという、名前も聞いたことのなかったカラー・オブ・クラウズのデビューアルバム。

どちらも、僕にとってのこの店の存在を象徴する買い方。70%オフのワゴンもあったけれど、HMV渋谷は僕にとっては安物を買いに来る場所じゃなかったからね。

こうして、人の煩悩より少しだけ多い数のCDやらLDやらDVDやらを20年にわたって買い続けたHMV渋谷がとうとう今日閉店する。昨日レジを打ってくれた女の子、研修中の名札を付けていたけど、明日から仕事大丈夫かな。いつかまたどこかの店のレジで会えるといいね。

ついでに付け加えるならば、昨日せっかく定価で買った上の2枚のうち1枚が、その後に行ったすぐ近くの某店ですでに中古で安く出ていたのを見つけたときの軽いショックも、僕にとってのこの店を象徴していたな(そういうことよくあるんだよね、渋谷とか新宿って)。

久しぶりに出かけた渋谷で時間が余ったので、レコファンにも立ち寄ってみる。なんだかここ、来るたびに店内がゴミゴミしてくるね。掘り出し物がありそうでいい雰囲気ではあるものの、見方によっては閉店間近の店に見えなくもない。5000円買うたびに1000円オフなんていうかなり強烈なセール中で(10080円買って2000円引いてもらった)、この店もいよいよヤバいんじゃないかと思ってしまう。おい、頼むよ。このうえレコファンBEAM店までなくなったら、僕はもう渋谷に来る理由なんてゼロになってしまうんだからね。


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こちらこそ、長い間ありがとう。
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2010年08月12日

日記5

たくさん頂いているコメントに返事もしないで一体何をしているのかというと、また出張中。金曜が週末で日曜は平日なイスラム圏を効率的に廻るために日本を土曜日に出発。週末も盆休みも返上というちょっと辛い日程。

今回もまた、ドバイとアブダビをハブ空港にした、結構体力を消耗するフライト日程。ようやく最終地のアブダビに戻ってきて少し時間ができたので、しばらく放ったらかしにしていたブログでも書こう。

最初に行ったのはエジプトのカイロ。着いたのが早朝だったせいもあったけど、30度程度のからっとした気候は、近頃の東京なんかよりもずっと過ごしやすかったね。仕事なので、街外れにあるピラミッドとかスフィンクスとかは観られず。残念。

珍しかったのが、この国のエレベーター。乗り込んで操作盤で目的階を押そうとすると、あれ?

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ボタンがない。


一旦外に出てドアの横を見ると、

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こんなところに。

なんでこんなシステムになってるのかわからないけど、エジプトのエレベーターは、乗る前に目的階のボタンを押すんだね。そりゃ、だいたい乗る前に目的階はわかってるから、順序としては間違ってはいないけど、なんか変なの。

こんなだから、ついうっかり目的階のボタンを押さずに乗り込んでしまうと、どこの階にも止まらずに、誰かが外から止めない限り、永久に上下動を繰り返すエレベーターに閉じ込められる羽目になる。


なんてわけはもちろんなく、ただどこにも行かないエレベーター内にぽつんと取り残されるだけなんだけどね。

僕の泊まったこのホテルには、3つのエレベーターが並んでて、ボタンを押した瞬間にABCのどれに乗るのかが表示される。違う階の人が続けて押したりすると、それぞれ別のエレベーターに割り振られたりするから、ちゃんと自分が押したときに表示される記号をよく見ておかないといけない。

昔サウジアラビアにいたときは、オフィスのエレベーターが自分で扉を開け閉めするタイプだったし(引き戸ではなく、押したり引いたりするタイプのドア)、こういう些細なところでやっぱりアラブ人とは何か根本的なところで考え方が違うと思ってしまう。


鳥人発見。

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カイロからドバイに飛び、更にアブダビからの夜行便でパキスタンのラホール空港に着いたのが、明け方の3時。ホテルにチェックインしたのが4時過ぎ。仮眠して仕事に向かい、次の日の明け方4時の便で出発。という、正味25時間しかない慌ただしい滞在。しかもこんな時間帯だから、ろくに寝られないのに2泊分の料金取られるし。

お昼に連れてってもらったパキスタン料理のレストラン。

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ビュッフェ形式で、すごく沢山の種類の料理が並んでいる。厨房と同じ区域にあるので、あちこちで轟々と燃えさかる火が暑くてたまらん。でも、どれもこれも美味しい。インド料理とアラブ料理が混ざったみたいな感じ。

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あれこれ取りたいんだけど、とても全部食べきれないや。と思っていたら、晩ご飯は同じ系列の別のレストランに連れてってくれたので、またいろんな種類を食べることができたよ! …というか、他にレストランのバリエーションないのか?

素朴な太鼓とアコーディオンの生演奏つき。

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NZもそうだったけど、アジアや中近東の国でも日本の中古車がそのまま走ってることが多くて、特にこういう国では、日本からの輸入車だということを誇示するためか、日本で使われていたときの店名や会社名なんかを残したままなことがよくある。

今回もそういう車をちらほら見かけた。そういうのを何気なく見ていると、ふと自分の車の隣にこんなのが。

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何かおかしいぞ。一行目は左から右、二行目は右から左に書いてある。しかもこの電話番号、966って、サウジアラビアじゃないか。どこの会社だ(笑)

調べてみたら、(有)笹島管工設備も、大牟田スイミングスクールも、ちゃんと日本に存在するよ。でも、笹島さんは福島県の会社だし、大牟田さんは福岡。きっとお互い関係ないよね。どこかで見た文字をそのままこっちで書いたんだろうね。なんと几帳面な。そうまでして日本製だというのを誇示したいのか。なにが「自家用」だよ(笑)


ウルドゥー語のマクド。

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という感じであっという間の一週間が過ぎた(別に鳥人やらマクドナルドの写真ばかり撮ってたわけじゃなくてちゃんと仕事もしてたんだからね)。今いるアラブ首長国連邦のアブダビは最後の乗り継ぎ地なんだけど、早朝に着いて出発が夜なんで、ホテルを取ってもらった。そしたら、全然知らなかったんだけど、こんな名前の島にあるホテルだった。

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アラビア語表記。

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今日のBGM
Seabear 『We Built A Fire』



<8月14日追記>
コルカタのマクド。

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<2011年5月15日追記>
モスクワのマクド。

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<2011年11月19日追記>
上海のマクド。簡体中国語。

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台北のマクド。繁体中国語。

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ついでに台北のスタバ。スターまでは訳したけどバックスの意味がわからなくて力尽きた感じ。

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2010年08月02日

暑中見舞い - Squeeze

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スクイーズ 『Spot The Difference』

グレン・ティルブルックとクリス・ディフォードが、約10年のブランクを置いて、スクイーズ名義で英国ツアーに出るためにまた一緒に活動を開始したのが07年の7月。

当初は、当時再発されたバック・カタログとベスト・アルバムをプロモートするためだけだったはずのその再結成が、北米ツアーを経て、さらにはスクイーズのニューアルバムのための新曲を二人で書き始めているというニュースに繋がり、古くからのファンを大いに期待させた。

ところが、スクイーズの新アルバムの話はそれ以降あまり聞かれなくなり、そうこうしている間にクリスは『The Last Temptation Of Chris』、グレンは『Pandemonium Ensues』というそれぞれのアルバムを発表。どちらのアルバムも凄くよかったから文句はないんだけど、やっぱりスクイーズ名義だともうそんな簡単には作れないのかな、また『Domino』みたいな中途半端なのじゃプライドが許さないんだろうな、なんて半分諦めかけていたところ。

今年に入ってしばらくした頃かな、スクイーズのアルバムがとうとう出るというニュースがまた聞こえてきた。ところが、当初噂されていたようなニューマテリアルではなく、自分たちの過去の曲を焼き直したアルバムだという。その名も『Spot The Difference』。「どこが違うでしょう?」ということだ。

どういうつもりなんだろう。結局ろくな新曲が書けなかったのかな。それとも、オリジナルとちょっとずつ違ったアレンジや歌詞で再録して、言葉どおりその違いを探して楽しむようなアルバムなんだろうか。それにしても、全14曲、どれもこれもスクイーズのベストアルバムには必ず入っているような代表曲ばかりだね。グレンのライヴのようにもう少し凝った曲をちょっとぐらい入れてくれてもよかったのに。

なんてことを考えながら、正直言って個人的にはいまいち盛り上がっていなかったのは事実。早々に公開されていたジャケット(上に乗せた写真)も、なんだか地味な感じだし。いろんな色の点々を「Spot」という単語にひっかけてるのはわかるけど、特に面白いというわけでもないし。ちなみにバンドのロゴは『Babylon And On』期のものだね。文字の色合いが微妙に違うけど。

8月3日発売のはずだったのが、何故か先週の金曜(7月30日)にはもう店頭に並んでいた。いまいち盛り上がっていなかったはずだけど、自分の持っていないスクイーズのCDが目の前にあって買わないわけにはいかない。早速購入。

さっきも書いたとおり、収録された14曲全部が、まともなスクイーズのベスト盤なら必ず入っているだろうという超有名曲。ほとんどが最初の解散(83年)以前の曲で、それ以降のは「Hourglass」、「Some Fantastic Place」、「Loving You Tonight」の3曲のみ。それらが、どちらかというととりとめのない曲順で並んでいる。1曲目が「Another Nail In My Heart」なのは嬉しいけど。

一回聴いて、ようやく彼らの、というかグレンのやりたかったことがわかったよ。これは、単に昔のヒット曲を再録するというだけでなく、それぞれの曲の細かな音まで全て、完璧にコピーするというのが目的だったんだ。初期の曲が多いとはいえ、オリジナルはそれぞれ違う人がプロデュースしていた曲の、その一つ一つの音のニュアンスまで全てを似せて。

近年のライヴでは昔と違う節回しで歌っていることも多いグレンだけど、そういう曲も全部昔通りの歌い方で歌ってるね。セカンドアルバムの頃のチープなシンセの音をあえて再現したり。「Black Coffee In Bed」のコーラスはさすがにコステロとポール・ヤングではないけれど、「Tempted」のヴォーカルのためにわざわざポール・キャラックを呼んでいるよ。

今のメンバーに昔のアルバムそのままのフレーズを弾かせて、それを偏執的なまでにオリジナル通りのアレンジに仕上げるというマニアックさ。これはどう考えても、聴いてるこちらより作っている方が楽しんでるよね。トッド・ラングレンの『Faithful』のA面と同じパターンだ。グレンがニヤニヤしながら音作りをしているところが目に浮かぶよ。

そう考えると、聴いているこちらがオリジナルと全く同じだと「正確に」わかるためには、誰も知らないようなレアな曲を入れても意味がなかったというのもわかるし、さすがに今さらあの音作りはしたくないだろうしできないだろうというローリー・レイサムのプロデュースした曲が一曲も入っていないことも理解できる。

僕はオリジナルはもう何百回と聴いてきたから、それぞれの曲の微妙な違いは聴き分けられるけど、そのためにこのアルバムを何度も聴き返すかというとちょっと疑問。今さら『Singles 45's And Under』を何度も聴き返さないのと同じ理由でね。まあ、一回聴いてあとは棚にしまっておくようなことはしないけれど。

次に出るであろう新曲が詰まった本当のニューアルバムまでの、彼らからのちょっとした挨拶代わりに受け取っておくとしよう。ちょうどいい季節だから、彼らからの暑中見舞いということで。


<8月3日追記>
とりとめのない曲順って書いたけど、さっき聴いててふと気付いた。これ、アルファベット順に並んでるんだね。それにしても、ここまでオリジナルを完璧に再現することに凝ったグレンが、どうして「Loving You Tonight」を自分で歌うことにしたのかは不思議。
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2010年08月01日

Them Crooked Vultures live in Tokyo

久しぶりのライヴ。初めての渋谷AX。ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズ。もうとにかく、デイヴ・グロールのドラムスがとてつもなく凄かった。今からいつも通りつべこべ書くけど、もうそれだけ書いて終わってもいいぐらい。僕は彼のライヴを観るのはこれで3回目なんだけど(3回とも違うバンド)、今回改めてそう思ったね。

まず、つべこべ始めに、バンド名の表記から。日本盤の表記は「ゼム・クルックト・ヴァルチャーズ」だけど、形容詞としての“Crooked”は“e”を発音するので、上に書いた読み方が近いはず。と、いつもながらのどうでもいいこだわり。これで、カタカナで検索する人を端から除外してしまうんだけどね(あ、でも日本盤の表記も書いたから大丈夫か。と余計な心配でまた行数ばかりが増える)。

渋谷AXとは名ばかりで、最寄り駅は原宿。そこからテクテク歩いていくと、会場前にはこんなトラックが。たった一日だけの公演によくやるね。

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結構早めにチケットを押さえたんだけど、僕が入場できたのはもうほとんど最後の方。途中でMGMTが急遽前座で出演することが発表された頃にはもうソールドアウトだったんじゃなかったっけ。とにかく、チケットの売れ行きどおりの超満員。2階席含めて2500人ぐらいは入るのかな、結構大きな会場なのにね。

定刻どおりの7時にMGMT登場。僕はCD持ってないんだけど、結構いいよと友達に聞いていたのでちょっと期待。うーん、まあまあかな。きっと、名も知れぬ新人バンドがこの演奏なら、掘り出し物だと思ってすぐにCD買いに走ったかもしれないけど、少々期待が大きすぎたか。30分の持ち時間なのに、途中で機材トラブルがあって、1曲カラオケ(?)で歌わないといけなかったのが可哀想だったな。

1時間のセットアップ後、8時ちょっと過ぎにいよいよゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズが登場。前列左から、ジョン・ポール・ジョーンズ(John Paul Jones)、ジョシュ・オム(Josh Homme)、サポート・ギタリストのアラン・ヨハネス(Alain Johannes)。中央後方にデイヴ・グロール(Dave Grohl)。

オーソドックスにアルバム1曲目「No One Loves Me & Neither Do I」からスタート。スキンヘッドのアランがベースを弾いてるので、僕からは遠い位置にいたジョーンジーは何を弾いてるんだろうと思って、背を伸ばして見てみると、例の洗濯板みたいなネックの10弦ベース。「例の」と言われても知らない人にはわからないだろうけど、とにかくこの人やたらと弦の本数の多いベースギターを弾くね。

3人ともギターを持ち替えて(ジョーンジーは今度は8弦ベース)、2曲目は「Gunman」。こういう、へヴィかつキャッチーなリフのキラーチューンがやたらと多いこのバンド、作曲クレジットは全てバンド名義だけど、きっとデイヴ・グロールの貢献度が高いんだろうな。僕はクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジは聴いたことないから、ジョシュ・オムが元々どういう曲を書くのか知らないけど、明らかにフー・ファイターズ系列な「Mind Eraser, No Chaser」をはじめ、デイヴがレッド・ゼッペリンを意識して書いたような曲ばかり。この「Gunman」もその一つ。

「Gunman」の最後、ちょっと端折ったかな。と思ったら、次の「Scumbag Blues」は延々とアドリブで引き伸ばす。タイトルに反して全然ブルーズじゃないハード・ロック・ナンバー。今度はジョーンジーは普通の4弦ベース。

全曲書いてると大変なので(セットリストは後ほど)、あとは印象に残ったところを飛ばし飛ばしで。短めのドラム・ソロで始まったのが、5曲目の「Elephants」。この、途中で突然二倍速になったりするプチ変拍子が、(おそらく)デイヴ作のゼッペリンもどきの中ではいちばん上出来かも。

アルバム未収録曲を3曲。ウィキとセットリスト.fmとYouTubeを駆使して調べた結果、6曲目に演ったのが「Hwy 1」、13曲目が「You Can't Possibly Begin To Imagine」と判明。後者ではジョーンジーがバイオリンの弓でマンドリン(かな?)の弦を弾いてた。8曲目はアランのギターソロ曲。これはタイトルわからなかった。この曲の間は他の3人は休憩。

アルバムで「Mind Eraser, No Chaser」を歌っているのはてっきりデイヴだと思ってたのに、リード・ヴォーカルはこれもジョシュ。コーラスの部分が他の3人。ジョーンジーまで歌ってるのにはびっくり。マイクのボリュームのせいか、あまり彼の声が聞こえなかったのが残念だったけど。

14曲目「Spinning In Daffodils」のエンディングでは、それまでベースを弾いていたジョーンジーがキーボードに移り、しめやかなピアノのフレーズで終了。もうそろそろこれで終わりかと思いきや、まだ続く。「Reptiles」。これも超クールなリフを持った曲。そして更に「Warsaw Or The First Breath You Take After You Give Up」。もうこれでアルバムの曲全部だよ。これはさすがに演らないだろうと思っていた「Interlude With Ludes」まで途中で演ったし。

その「Warsaw〜」が最終曲。エンディングに相応しい、これも凄まじくへヴィなブギ。途中でとりとめのないスペイシーな展開に入り、それが最後に収束してまた元のへヴィ・ブギ・パートに戻るところが超快感。のはずだったんだけど、肝心のキメのギターのフレーズがちょっとぼやっとした感じで今いち肩すかし。

そうなんだよね、確かにこの人(ジョシュ)、ギター上手だと思うんだけど、ソロのフレーズとかがちょっと僕の好みじゃない感じ。それもあって、ライヴの間中ずっとジョーンジーとデイヴのことばかり見ていたし、耳に入ってくるのは凄まじいドラムスの音ばかり(残念ながら、ちょうど僕の視線とドラムキットの間にジョシュがずっと立って歌っていたから、デイヴのことはほとんど見えなかったんだけど)。

そうやって見ていると、ジョーンジーがしょっちゅうデイヴの方を見ながらリズムを取り、実に嬉しそうに演奏しているのが目に入った。きっと彼も、レッド・ゼッペリン時代のボンゾとのコンビネーションを思い出してたんじゃないだろうか。年齢的には他のメンバーのお父さんと言ってもおかしくないぐらいの彼が、実に自然に溶け込んでいたね。

でも、最初に書いたように、どう贔屓目に見ても、終始圧巻だったのは、デイヴ・グロールのドラムス。まず、音圧からして違う。もしかしたら会場での音のミックスのせいもあるのかもしれないけど、あの一音一音耳に突き刺さるようなスネアの音。それに、彼に手足がそれぞれ2本ずつしかないというのが、今自分の目で見ているにも関わらず信じ難くなるあの超高速プレイ。マジでこれほどドラムスの音ばかりに集中していたライヴも珍しいかも。

「Warsaw〜」が終わって、全員が前列に並んで肩を組んで深々と挨拶。本来ならここからアンコールに入るところなんだろうけど、もうこれだけ演られたら十分。無茶なアンコールの拍手は最早誰もしない。放心状態。ふと時計を見たら、もう10時。2時間ぶっ続けで演ってたのか。改めて、あの超高速・超強力ドラムスが2時間もの間ほぼ休みなく、寸分のリズムの狂いもなく叩き続けられていたことに驚く。

帰りに物販でTシャツを購入。ジャケット通りのド派手な真っ赤なのしかないかと思いきや、結構いろんなデザインのがあってちょっと迷う。「アメリカン・サイズのLなので大きいですよ。返品ききませんよ」と親切に何度も念押しされたこいつにした。ちょっと裾長いけど、サイズぴったり。なんかこうして、よかったライヴの後にTシャツ買うのなんて久しぶり。

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会場を出ると、例のトラックがまだいた。真っ赤に光って。

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よく見ると、今回の来日を記念して、2枚組のスペシャル・エディションが日本盤で発売されたことが書いてある。さっきの物販にも置いてあったんだけど、CDはどこでも買えるからいいやと、ついTシャツ売り場に直行してしまった。

ライヴから帰ってきてすぐに書き始めたこの記事、時間が足りなくて結局こうして週末までかかって毎晩少しずつ書き足してるんだけど、その合間を縫って今日そのスペシャル・エディションを買ってきた。

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ゼム・クルーキッド・ヴァルチャーズ 『Them Crooked Vultures』

リンク先のアマゾンではどういうわけかDVDとの2枚組ということになっているけど、実際はライヴCDとの2枚組。今年の頭にシドニーで行われたライヴ演奏が5曲収録されている。「Elephants」冒頭のドラムソロとか、延々と演る「Scumbag Blues」とか、今回のライヴを思い出させるね。本編アルバム未収録の「Hwy 1」も入ってるし。2枚組の1枚目はもともと持っていたのと全く同じなので、また売りにいかないと。

彼らの今回の来日の本来の目的であったフジロック登場は昨晩だったはず。最初にこの記事を書き始めたときはネタバレを気にしてたけど、フジで観てきた人ももうきっと同じ感想を抱いているはず。どれぐらい真面目に継続させるつもりで作ったのか知らないバンドだったけど、どうやらセカンドアルバムを年内に、という話になっているようだ。楽しみ。


Setlist 28 July 2010 @ Shibuya AX Tokyo

1. No One Loves Me & Neither Do I
2. Gunman
3. Scumbag Blues
4. Dead End Friends
5. Elephants
6. Hwy 1
7. New Fang
8. (Alain Johannes Guitar Solo)
9. Bandoliers
10. Interlude With Ludes
11. Mind Eraser, No Chaser
12. Caligulove
13. You Can't Possibly Begin To Imagine
14. Spinning In Daffodils
15. Reptiles
16. Warsaw Or The First Breath You Take After You Give Up
posted by . at 00:15| Comment(4) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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