2010年04月10日

Kings Of Convenience live in Tokyo

KOC Asia Tour.jpg


出張先のクアラルンプールから夜行便で戻ってきて、シャワーだけざっと浴びて会社に行き、出張中に溜まった仕事を半分放り投げて、小雨の中を渋谷へ。

いくら同じ都内とはいえ、会社勤めの身には6時開場はキツいよなあ。そんなに悪い整理番号じゃなかったのに、会場に着いた頃にはもうずっと後の番号が呼ばれていたので、そのまま入場。既に前のほうも二階の椅子席もびっしりだったので、比較的人気のなさそうなステージ右手のピアノ裏へ。かなり端から見ることになるけど、一応前から二列目。まあ、出遅れた割にはそう悪くはないね。ところで僕の周囲数メートル、女子率ほぼ100%だよ。僕はよっぽど浮いて見えただろうね。僕には見えないから別にいいけど。

500円の缶チューハイとBGMのボブ・マーリーが軽い時差ボケの頭をゆっくりと麻痺させてくれる。会場のどこかに来ているはずの友達にメールして時間をつぶす。どこらへんにいる?○○さんは一緒?中央二列目か。さすがに気合入ってるねえ。

とかやってるうちに、7時ちょうどに客電が落ち、前座のバンドが登場。リディム・ソーンター(Riddim Saunter)っていうのか。全然知らないバンドだったけど、思いのほかよかった。白縁のメガネのドラム君がすぐ指定席を外れて前の方にきて足でドンドンとリズム取ったりピアノ弾いたり。ヴォーカル君はピアニカやらスレイベルやら。フルート君は途中でトランペットに持ち替えたり(管楽器に弱い僕にはそれがどれだけ大変なのか想像つかないけど)。

きっとミスチルがデビューした頃ってこんな感じだったんだろうなと思えるような歌とソングライティング。いい曲書くね。それが上に書いたような主にアクースティック系の楽器で演奏されるのが心地いい。次回は自分たちが参加していないノルウェーのコンピ盤の発売記念で本屋さんでアクースティック・ライヴだって言ってたから、普段はエレクトリック・セットなんだろうね。あとで物販でCD見てみようかな。

2脚のスツールの脇に2本ずつのアクースティック・ギターがセットされ、待つことしばし。アイリックとアーランドの二人がステージに現れたのは、7時45分ぐらいだったかな。二人ともひょろっと背が高いね。無精ひげのアイリックは遠目からはなんとなくタマス・ウェルズみたい。

アーランドがスチール弦のエレアコ、アイリックがナイロン弦のクラシック・ギター(これもアンプを通してるけど)。何曲かでお互いのギターを交換したり、別のギターに持ち替えたりしてたけど、基本的にはちょっと音色の違う二本のアクースティック・ギターのアンサンブルの妙をじっくり堪能。二人ともギターうまいよなあ。

オープニングは意表をついた、新作『Declaration Of Dependence』の中では一番暗い曲(?)「My Ship Isn't Pretty」。こういう曲で始めるセンスが、すぐにアルバム1曲目に暗い曲を持ってくるニック・ロウに通じるところがあるね。

間髪入れず、同じく新作の1曲目「24−25」。なるほど、新作披露ツアーだからこの曲をオープニングにしてもおかしくはないけど、こういう並べ方をすると1曲目がぐっと新鮮に聴こえるね。アーランド、さすがに自らDJやってるだけあって、曲順にもいちいちこだわりがあるよ。

日本語で「私はアイリックです。あなたの名前は何ですか」とか言ってなごませ、英語で「答えなくていいよ」と笑わせるアイリック。日本語勉強してるのか?突然「人生に不可能なことはない」とか言ったりして。

一方のアーランドは、すぐギターを置いてひょろひょろと踊りだしたり、アイリックが弾き語ってる横でぴょんぴょんとピアノの方に行って「これ使えるのかな」とか弾いてみたりと、結構自由気ままにやっておられる風。でも、どの曲だったか、演奏中にふとギターを置いてピアノに移り、綺麗なフレーズを入れて締めたのはさすが。

全般的にそういう、アーランドがちょろちょろと動いたり客をいじったりしてるのを、アイリックが保護者然とした優しい目で見守ってあげているといった風情。演奏前にいちいち二人で向かい合ってギターのチューニングをするのがすごく仲良さそう。

仲良さそうといえば、後半何かの曲の途中で、アイリックが間奏を弾いてるときに、急にアーランドがペットボトルの水をアイリックの口元に持っていって飲ませてあげてたのがおかしかった。

「この曲は難しいから座って演奏するよ」と言って念入りにチューニングし始めたのは「Rule My World」だったかな。鼻歌風に「チューニング中〜。お客さんが待っている〜。そして笑っている〜♪」なんて(当然英語で)歌いながら、片時もこちらを退屈させまいとしているのか、常にそういうことを言っていないと気が済まない人なのか。アーランド。

観客が手拍子しようとしたら、「僕らはノルウェーで一番クールなバンドなんだから、手拍子なんかじゃなくて指を鳴らしてくれ」と強要(笑)。他にも、口笛で参加してくれと言ったのに客が上手く吹けないと「最低!」とか言ったり(笑)。でも、「Peacetime Resistance」で会場を二つに分けてのコーラスがうまく決まったときはすごく喜んでたね。

1時間は余裕で越えた頃(こないだのマシューとスザンナがえらく短かったから、ずいぶん長く感じたよ)、「次の曲は、ベルゲンのバーで出会った僕の友達のバンドに参加してもらおう」と、リディム・ソーンターを呼び出す。本日唯一のバンド・スタイルのアップテンポな「I'd Rather Dance With You」。踊りまくるアーランド。この曲で本編終了。

アンコールに応えてすぐに二人で再登壇。今回のツアーは、一番上に貼った画像にもあるけど、アジアの結構沢山の都市を回る大規模なツアー。そういえば、タマスを観にシンガポールに行ったときに、同じエスプラナードでKOCのライヴがあるって書いてあったな。他にも、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、バンドン(すごいね。ジャカルタのすぐ隣だよ。そんなにインドネシアで人気あるの?)、マニラ、ソウル、台湾、大阪と回ってきて、最終日がこの日の東京だということ。

その後にもなにかをぶつぶつつぶやいていたかと思っているところに、ふっとあの印象的なイントロのフレーズ。「Homesick」だ。

“ノルウェーのサイモン&ガーファンクル”というのはこの人たちを形容するときによく使われる、半ば手垢のついた言い方だけど、僕が中学生の頃に初めて「America」のセントラルパークでのライヴ(もちろんレコード)を聴いたときに沸き起こった、見たことのない地に恋焦がれる気持ちとまったく同じ感情を、アルバム・ヴァージョンよりも少しゆっくりと演奏されたこの日の「Homesick」に感じた。この夜のハイライトと言っても過言ではない、すばらしいハーモニーとギター。

僕としてはそこで終わってくれても何の文句もなかったんだけど、サービス精神旺盛な二人は最後にもう一曲。「次の曲は女性に入ってもらいたいんだ」と、アルバム『Riot On An Empty Street』ではファイストが歌っている「Know-How」。周囲の女子が結構きちんと歌ってるよ。

終了後はまずアイリックが観客席を背にして、ステージ奥からアーランドが記念撮影。続いて交代。アーランドは観客席に身を投げ出して撮影。そういうことをたっぷりやってる間に、ふと気がつくと開演からもう二時間近く。僕がこの会場に入ってきてから三時間以上立ちっぱなしだよ。ああ疲れた。

リディム・ソーンターのCDでも見ようかと物販に行ってみたら、結構な枚数のCDが出てるんだね。でも、喫煙所のすぐ隣なもんだからすごい煙で、ちょっとそんなところにいつまでもいたくなかったからすぐ諦めて会場を後に。O-East、音もよくていい会場なんだけど、喫煙所の場所もうちょっと考えてくれよな。


Setlist 07 April 2010 @ Shibuya O-East Tokyo

1. My Ship Isn't Pretty
2. 24-25
3. Me In You
4. I Don't Know What I Can Save You From / The Girl From Back Then
5. Singing Softly To Me
6. Cayman Islands
7. Failure
8. Second To Numb
9. Mrs. Cold
10. Rule My World
11. Peacetime Resistance
12. Boat Behind
13. Misread
14. Gold In The Air Of Summer
15. I'd Rather Dance With You

Encore
1. Homesick
2. Know-How
posted by . at 18:54| Comment(6) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする