2010年01月09日

2009年個人的ベストアルバム

なんか久しぶりだな。冬眠で寝過ごした気分。もう正月気分もすっかり抜けたけど、一応一年の最初の記事なんで、恒例の去年の総集編記事をやろう。実は、この記事に書いたインドネシアでのCD屋巡りで自分の買い物心に火がついてしまったのか、12月中はもの凄い勢いで買ってしまっていて、数えてみたら先月だけで全部で85枚。1月に入ってからもその勢いが止まらず、最初の4日で13枚、あと正月に友人に「これいいから聴いてみて」と貰った1枚も含めると、この約1ヶ月でちょうど99枚。自分でも笑えるほどの枚数だ。

その85枚も含めた、去年一年間の購入枚数がこれ。

フォーマット      枚数    対前年
CD              275枚     −7枚
CDシングル        17枚     +3枚
CD+DVD          12枚    −7枚
DVD/BD           2枚     −4枚
ダウンロード          1枚    増減なし
LP               9枚     −1枚
シングル           11枚    +8枚
ボックスセット         3箱     +2箱


というわけで、全部で330枚。去年の記事のコメント欄で立てた目標その1:去年以上買わないをかろうじてクリア(一昨年は336枚)。しかもこの330枚のうち85枚が最後の1ヶ月の駆け込みだから、それまでの11ヶ月間では、わずか245枚(一応ツッコミどころ)。なんか、それまでがんばってダイエットしてたのに、ついドカ食いして急に太ってしまった、みたいな感じ。

そして、目標その2:総額50万円を下回るも楽々達成。一枚あたりの平均単価1244円は、06年の1234円についで自分史上2番目の安さ。シングル盤が多少増えてるからというのもあるとはいえ、例の自分史上最高金額だったグレン・ティルブルックの『Aussie P』とかを入れてもその平均なんで、普段地道に安いブツばかりを選んで買ってるのが功を奏したと言えるだろう。

年末にそれだけまとめて買った理由の一つが、09年の個人的ベストアルバムを選ぶために、買い残していたものや、普段よく行く音楽ブログで昨年のベストに選ばれていたものなんかをまとめて買ったこと。そういうのを含めたベスト10選考会が延々終わらなかったのが、この今日の記事がこんなに遅れてしまったことの言い訳。言い訳ついでに書いておくと、結局今日になっても激戦の選考会は終わらず、どうしても最後の1枚を落すことができなくて、やむなく去年のベストアルバムは11枚という結果になってしまった。


<第十位(同点)>
Iron And Wine 『Around The Well』
Around The Well.jpg

07年の個人的ランキングでは一位だったアイアン&ワインのシングルB面曲や未発表曲集。CDは2枚組で、僕の買ったLPだと3枚組になる大作だ。実はこのアルバムと、ほぼ同時期に出たライヴ盤と、当時彼のサイトでフリーダウンロードしていた『The Shepherd's Dog』のアコースティックヴァージョンを全部まとめた記事を脳内で構成していたんだけど、ちょうどその頃忙しくしていて長文記事を書く暇がなく、結局その記事はお蔵入りしてしまった。

02年の『The Creek Drank The Cradle』から07年の『The Shepherd's Dog』に至るまで。『The Creek〜』の簡素なジャケに描かれた一本の樹のようなシンプルなアコースティックサウンドが、ブライアン・デックが生み出したまるで樹海のような入り組んだ音に成長するまでの変遷が聴いて取れる。サム・ビームとブライアンが6年をかけて丁寧に編み続けてきた緻密なタペストリーを、裏側から透かして見ているようなアルバム。単に未発表曲集と呼んでしまうにはもったいないほどの構成だ。

それだけではない。LPだと最終面全部を占める「The Trapeze Swinger」という超弩級の名曲が最後に控えていることが、このアルバムの価値を更に高めている。とはいえ、実は僕がこの曲を最初に聴いたのは、先述のライヴ盤『Norfolk 6/20/05』だったんだけど、ブライアンの手になる緻密なスタジオ録音よりも、サムの弾き語りだけのそのライヴ録音の方が心にずしんとくるという、いかに優れたプロデュースワークも曲自体の良さにはかなわないということを、それが見事に証明していた。そんなライヴ盤による好アシストをも含めての入選。

最初に見たときは単なる幾何学模様だと思っていたけど、LPを手にしてみて、実はアメリカの農場の航空写真だと気づいた秀逸なジャケも好印象。とか、お蔵入り記事に書きたかったことがどんどん出てくるけど、このままだと今日の記事が終わらないので、次に行こう。


<第十位(同点)>
Landon Pigg 『The Boy Who Never』
The Boy Who Never.jpg

こういうのを教えてくれるから、xiao61さんのブログからは目を離せないんだよね。彼女の昨年度ベストには選ばれなかったようだけど、このアルバムが取り上げられた最初の記事を読んで興味を持ってすぐ入手し、大いに気に入っているアルバム。買ってからすぐに(ブログ的には)冬眠状態に入ってしまったから記事にはしてないけど、これはxiaoさんが「自信を持っておすすめできます。もっともっと、多くの人に聴いてほしい」と書きたくなる気持ちがよくわかるよ。イケメンだしね(笑)


<第九位>
Bruce Springsteen 『Working On A Dream』
Working On A Dream.jpg

去年の初頭に出たのに、これも記事にはしなかったアルバム。DVDとの2枚組。実を言うと、最初に何度か聴いてみて、あまりピンと来なかったんだ。日本盤の広告曰く「ボス史上最もPOPな作品」ということだったけど、それほどポップだとも思えなかったし、なにより冒頭の「Outlaw Pete」がちょっとしたハードルだった。8分にも及ぶ大作なんだけど、初期の「New York City Serenade」や「Jungleland」みたいなのを期待してしまうとどうしても見劣りしてしまう曲展開とストーリー。そんなに酷い曲というわけではないんだけど、その曲の凡庸な印象がずっとまとわりついて、このアルバム自体を何度も聴き返すことがなかった。

しばらく前に買ったのに、全然読む時間がなかった五十嵐正さんの「スプリングスティーンの歌うアメリカ」という本を最近読み始めて、ちょっとあのアルバムをもう一回ちゃんと聴き直してみようかなと思ったのがきっかけ。一曲一曲をちゃんと歌詞を見ながら聴き込んで、このアルバムが生前最後の演奏になったダニー・フェデリーシに捧げられたブルースの追悼文を読みながらアルバム本編最終曲「The Last Carnival」を聴いて、とどめにDVDに収録された彼の姿を観たら、もう鼻の辺りがじーんとなって視界がぼやけてきてしまった。

そういう、僕にとっては、見落としていたのを五十嵐さんに拾い上げてもらったようなアルバム。贔屓耳で聴くと、おそらく「最もPOP」と言われる原因となったであろう「Surprise, Surprise」とか、チャーミングな曲もあるし。これみよがしなフレーズはないものの、僕の大好きなニルズ・ロフグレンのギターがあちらこちらで見え隠れしてるし。ブレンダン・オブライエンのプロデュースにしては、最近のぼわーっとした厚手のシンセの音も控えめだし。ああ、また止まらない。次行こう。


<第八位>
Matthew Sweet And Susanna Hoffs 『Under The Covers Vol.2』
Under The Covers Vol. 2.jpg

やっと今までにブログで取り上げたアルバムが出てきた。これは8月16日の記事。企画としては安易で後ろ向きなのかもしれないけど、やっぱり聴いてて楽しいよね、これ。選曲がいいのはもちろんだけど、きっと本人達が一番楽しんで演奏してるからなんだろうね。後になって判明した沢山のボートラもよかったし、上の記事にも書いてるけど、80年代の曲をフィーチャーすることになるVol.3が今から楽しみ。今日久しぶりに引っ張り出してきて聴いたら、また2曲目のサビのところで鳥肌立ったよ。やっぱりあの記事のタイトル、あれでよかった。


<第七位>
John Wesley Harding 『Who Was Changed And Who Was Dead』
Who Was Changed And Who Was Dead.jpg

5月10日の記事で取り上げたアルバム。彼の久々のポップアルバムとして好意的に受け入れたい気持ち以上に、やはりこの2枚目のライヴアルバムにどうしても惹かれてしまう。今まで何枚かオフィシャル・ブートレグ扱いのライヴ盤が出ている人だけど(そもそも彼のデビュー作はライヴ盤だった)、これだけベスト盤的な選曲が楽しめるものは初めてかも。これ聴くたびに、ライヴ観たいなって思ってしまうよ。誰か5000ドルとNYからの旅費、一緒に集めない?


<第六位>
Montt Mardie 『Skaizerkite』
Skaizerkite.jpg

11月4日の記事は結局カブ子さんが“読んでる途中”(笑)というコメントを残してくれただけで、いまいち反応が薄かったんだけど、こうして僕の中では立派に昨年度第六位。あの後、確か同時期に出たはずのベストアルバムも入手して、去年僕の中ではちょっとしたこの人ブームが巻き起こったものだった。聞くところによると、彼は今後このMontt Mardieでなく、このアルバムの内ジャケにも署名のあったMonty名義で活動していくとのこと。その名義で早くもリリースされるというアルバムが楽しみ。


<第五位>
Dylan Mondegreen 『The World Spins On』
The World Spins On.jpg

北欧系が続くよ。先月のアットホームな来日公演も記憶に新しいディラン・モンドグリーンのセカンドアルバム。その記事に「来月に書く予定の09年個人的ベストアルバム記事に登場する可能性大だろう」なんて書いてるけど、別にライヴを観て盛り上がった勢いでランクインさせたわけじゃない。その記事に名前を挙げたプリファブ・スプラウトや、アズテック・キャメラ、トラッシュキャン・シナトラズなんかの遺伝子をきちんと受け継いだアルバムだよ(関係ないけど、後者2名は皆もうすぐ来日だね。どちらも行けそうにないのが残念だけど)。


<第四位>
Jeb Loy Nichols 『Strange Faith And Practice』
Strange Faith And Practice.jpg

第四位は、昨年末に取り上げたばかりのこれ。なんだかいつものんびりとアルバムを作っているイメージのあるジェブ・ロイが、どういうわけかいきなり年に3枚も発表したうちの一枚。もしもそれぞれが違った年に出ていたら、皆それぞれに僕のその年のベストアルバムに選ばれたかもしれないぐらいの出来映えなのに、さすがに一年に何枚も同じ人の作品を入選させるのもちょっと気が引けるので、3枚の中でも一番プロフェッショナルな顔をしたこれ(ジャケ写の話じゃないよ)を入れよう。


<第三位>
The Swell Season 『Strict Joy』
Strict Joy.jpg

いまだこのブログに名前すら出てきたことのないこの人たちが、いきなりの第三位。去年の暮れに入手し、本当はジェブ・ロイの次に去年最後の記事にしようと思ってたのに、時間がなくてつい放ったらかしにしているアルバム。CDだけのヴァージョンも出てるけど、僕が買ったのはそれにライヴCDとDVDが付属した特別版。書こうとしていた記事の卵みたいなのがまだ頭の中に残ってるから、これについても山ほど書くことはあるけど、ここまで上位に入れるぐらいのアルバムだから、やっぱりちゃんと別記事にしようかな。というわけで、今日は内容には一切触れてないけど、いいよ、これ。今何かCD買おうかなと思ってる人はこれにしてみたら。CDだけの安いヴァージョンでいいから。


<第二位>
100s 『世界のフラワーロード』
世界のフラワーロード.jpg

何を歌っているのかさっぱり聞き取れないのに。どう贔屓目に言ってもいわゆる「いい声」なんかじゃないのに。10年前はそれなりにかわいい渋谷系っぽかった見かけが、最近では引きこもりのニートみたいになってきたのに(苦笑)。それでも、中村一義のうたはいつだって僕にとってはそのとき一番手放したくない大切なものになってしまう。97年の『金字塔』からずっとそう。この最新作も、付属のDVDも、丁寧な作りの写真集も、去年僕が手に入れた大事な宝物だ。

日本人のアルバムは滅多に取り上げない僕のブログだけど、このアルバムについて書いた記事のコメント欄には「僕の中では一時の『Pandemonium Ensues』みたいな位置付けになってしまっています」なんて書いたね。それがどういう意味だったのかは、この堂々とした順位が表している。


<第一位>
Glenn Tilbrook And The Fluffers 『Pandemonium Ensues』
Pandemonium Ensues.jpg

というわけで、ちょうど一年前の明日、09年1月10日にライヴ会場で初めて手にして以来、残り355日(+今年9日間)に買った全てのアルバムの追撃をかわして、このアルバムが堂々の第一位。まあ、このブログをずっと読んでくださっている方には特に驚くべきことでも何でもないだろうけど。このアルバムについてはこの記事に書いたけど、それ以外にも去年はこの人とこのアルバムのことばかりを書いていた気がする。なにしろ年初の追っかけとこのアルバムによる中毒にはじまって、7月には奇跡の再来日と、去年は本当にずっとグレン祭りが続いていたようなものだからね。

噂によるとどうやら今年も来日が予定されているようで、今から期待で胸がわくわくする。最近買った99枚を消化したり、この記事のための選考会のために候補のアルバムばかりを繰り返して聴いていたせいで、しばらくこのアルバムは聴いていなかったけど(これは選考会に参加させる必要なんてなかったからね)、この一位を記念して久しぶりにCDプレイヤーに入れてみた。「Best Of Times」の最初のフレーズが聴こえた途端、ありとあらゆる感情が一気に蘇えってきて、息が詰まりそうになった。どうやらこいつはこれからずっと、僕にそういう影響を及ぼすアルバムになりそうだ。


という10枚。いや、11枚か。なんだかやけに薄い色合いのジャケが多いね、こうして並べてみると。赤いのが一枚もないや。選考会でティンテッド・ウィンドウズを落としたからね。来週のライヴを観た後なら、もしかしたら入選してたかもしれないけど…なんて考えてたらまたきりがないから、もう去年のはこれで決まり。


posted by . at 23:04| Comment(10) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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