2009年06月06日

横入り - Tinted Windows

Tinted Windows.jpg 『Tinted Windows』

5月のGWは遠出をせずに、東京でも普段あまり行かない街に行って、ちょっとした小旅行気分を味わっていた。僕がリゾートでなく都会に旅行に行ったらすることは大体決まっていて、今まで雑誌広告でしか名前を見たことがなかったような輸入盤店や、初開拓のブックオフなんかを手当たり次第に攻略していた。

1月のグレン・ティルブルック公演以来あまりCDを買っていなかった反動か、そのGWをきっかけに、5月になってから結構な枚数のCDやレコードを買い続けてしまっている。もう6月なのに「5月になってから」なんて書いてるのは、6月になってからも引き続き、通販で買ったものが届いたり、昨晩もセールをやっていた某店で6枚買い込んできたりしているという、現在進行形のお話だから。

それだけの枚数を買っていればそれなりに当たり盤も多かったから、どれから書こうかと考えていたところ、5月の最終日になって通販で届いた1枚のCDが、順番待ちをしていた数十枚の行列に横入りして、今日の記事の候補になってしまった。聴いたばかりのCDのことをこんなに急いで書きたくなったのなんて、おととしの10月のこの記事以来のことだったと思う。結局そのときのアルバムは2007年の僕の個人的ベストアルバムでトップに立ったことを思えば、今から書くこのアルバムのことを僕がどれだけ気に入っているか、想像はつくかもしれない。

輸入盤を買ったのにシュリンクラップに貼ってあった日本語のステッカーによると、“全米で話題沸騰の「超」スーパーグループ誕生!”だそうだ。

果たしてスーパーグループなのか、しかもそれが「超」なのかどうかは微妙なところだと思う。4人のメンバーそれぞれが属していた(いる)グループと、それらのグループ内での各メンバーの立ち位置を考えると。

まず、このグループの音楽的な核であろう、ファウンテンズ・オヴ・ウェイン(Fountains Of Wayne)のアダム・シュレシンジャー(Adam Schlesinger)。主に僕のブログからのみ音楽的知識を仕入れている数名の奇特な読者の方々は、さっきのコワい犬の翌日に書いたこの記事を覚えておられるかもしれない。そのバンドのソングライターコンビのうちの一人。でも、担当楽器はベースで、歌は歌わない方。

そのFOWのアルバムにもゲスト参加していた(そして僕は彼についてわざわざ「まあ、そっちは僕にとってはわりとどうでもいいんだけどね」なんて書いた)元スマッシング・パンプキンズのジェームス・イハ(James Iha)がギター。“スーパーグループ”が目的なら、スマパンからならビリー・コーガンを連れてくる方がいいんだろうけど、ここはアダムのお友達ということで。

ヴォーカルのテイラー・ハンソン(Taylor Hanson)が、一般的には一番の失笑モノなのかもね。いや、一般的にはもう10年以上も前にヒットした「MmmBop☆」なんて忘れられているから、「ハンソン?誰?」ってな感じか。「一般的には」なんて書き方をしているのは、もちろん僕的にはハンソンは大のお気に入りグループだったから。奇特な読者様はこの記事の6・7曲目のところを参照。その6曲目を声変わり中のハスキーヴォイスで歌っていたお兄ちゃんが、やあしばらく見ない間にすっかり大きくなって、と親戚のおじさん気分。

この3人が意気投合して「バズコックスからナック、チープ・トリックまで」を意識して作ったグループがこのティンテッド・ウィンドウズ(Tinted Windows)。「チープ・トリックのバーニー・カルロス(Bun E. Carlos)みたいに叩けるドラマーはいないものか」と探して、たどり着いたのがバーニー本人、ということらしい。きっとグループ内では彼がほんとにおじさん気分でいることだろう。チープ・トリック全盛期にはテイラーなんてまだ生まれてもいなかったからね。チープ・トリックを知らない奇特な読者様はこちらをどうぞ。10曲目のジャケの右端が彼。

こうして見ると、スマパン以外は少なくとも一度は僕のブログで取り上げてきたバンドばかりだから、この「スーパーグループ」は僕にとってはそれなりに興味の的ではあった。ただ、ニック・ロウやジョン・ハイアットやライ・クーダーという、僕にとってより「スーパー」なメンバーが結成したリトル・ヴィレッジのアルバムがイマイチだったのを始め、こういう所謂スーパーグループってあんまりうまくいったためしがないのも事実。

なので、それほど期待せずに聴いてみた。これを買ったのも、某通販サイトの「○枚買ったら○%引き」の数合わせのためというのが正直なところだったし。おまけに安かったし(上にリンクしたアマゾンでも、輸入盤954円?35分ちょっとしかないとはいえ、11曲も入ったれっきとしたフルアルバムだよ)。

聴いてみた結果が、冒頭三段落目に書いたとおり。これがもう、とにかくかっこいい。ジリジリしたメタリックなギターの音に導かれて始まる、シングル曲「Kind Of A Girl」がオープニング。そこにドカドカドカドカと切り込んでくるバーニーのドラム。ああ、この音が欲しかったんだね、というのがよくわかるよ。

そして、この声!てっきり僕は、ハンソンのアルバムでのテイラーの声は声変わり中だからあんなにハスキーで時折り裏返ったりかすれたりするんだと思ってたけど(そしてそれが理由で、子供なのにあんなにセクシーな歌声になっているんだと)、あの声と歌い方は今もそのまま。全然変わってないよと思って、ハンソンのファーストを聴きかえしてみたら、さすがに声のトーンは随分低くなっていたけれど。

FOW内でのクリスとアダムの作曲分担がどうなっているのかは知らないけど、きっとヴォーカリストでもあるクリスが詞を書いて、アダムが曲を書いているのかもしれない。そして彼がFOWで使わなかったかっこいい曲は全部こっちに持ってきたんじゃないかと思えるぐらい、粒揃いのポップでキャッチーな曲が次から次へと出てくる。11曲中、7曲が彼の作で、2曲がイハ、1曲がテイラー、最後の1曲がテイラーとアダムの共作なんだけど、アダムが作曲した曲のクオリティーがどう聴いてもダントツに高い。

安いと思って輸入盤買ったけど、こうなってくると日本盤に入ってるボートラも気になるな。だれかにこれを売りつけて、そっちに買いなおそうかな。ちょっと誰か、マイスペースで試聴してみて、気に入ったら連絡ちょうだい。

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