2008年04月30日

追悼 ダニー・フェデリーシ

Danny + Bruce.jpg


2008年4月17日、Eストリート・バンドのキーボーディスト、ダニー・フェデリーシがメラノーマ(悪性黒色腫)のため死去。享年58歳。


Danny and I worked together for 40 years - he was the most wonderfully fluid keyboard player and a pure natural musician. I loved him very much...we grew up together." Bruce Springsteen

“ダニーと俺は40年も一緒にやってきた。あいつは最高にフレキシブルなキーボードプレイヤーで、そして純粋に天性のミュージシャンだった。あいつのことが大好きだったよ…俺たちは一緒に育ってきたんだ。” ブルース・スプリングスティーン



僕は自分のブログでこのバンドの鍵盤奏者のことに触れるときには、いつもピアニストのロイ・ビタンのことばかり書いていたように思う。もちろん、いつも書いているように、彼のピアノは誰のどんなアルバムから聞こえてきてもすぐにそれとわかるぐらいに大好きなんだけれど、だからといって、このバンドのもう一人のキーボードプレイヤー、ダニー・フェデリーシの素晴らしさを片時も忘れていたわけじゃない。

数々の名曲を彩るノスタルジックなオルガンの音。そしてなによりも忘れられない、「4th Of July, Asbury Park (Sandy)」でのアコーディオン。彼がいなければ、Eストリート・バンドの音はあれほどまでにふくよかなものにはならなかっただろう。

彼はここ数年ずっと闘病中で、去年のニューアルバム発表に伴う大規模なツアーも、11月を最後にバンドを離脱していたという。去る3月20日のインディアナポリス公演にて突如バンドに復帰。セットリストを見ると、スプリングスティーンとEストリート・バンドは、11月以来演奏していなかった「4th Of July, Asbury Park(Sandy)」をこの日久々に演奏した。

そして、それが彼の最後の演奏となった。


安らかに眠ってください。


「4th Of July, Asbury Park (Sandy)」
20/Mar/'08 at Conseco Fieldhouse, Indianapolis, IN
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2008年04月29日

予告編と出張報告書 - Sonny Landreth

ゴールデンウィークだ。今年は祝日が軒並み土日に重なっててなんだかいまいち有難味がないようだけど、僕にとっては1992年以来16年振りのゴールデンウィーク、ゆっくり楽しませてもらうとしよう。

というわけで、まずは、二週間以上も放ったらかしにしてあったブログを久し振りに更新することにした。例によって書きたいネタは山ほどあったんだけど、ちょっとここしばらく忙しくしていたもので。

Jazz Fest Live 2007.jpg Sonny Landreth 『Live At Jazz Fest 2007』

毎年4月最終週から5月第一週にかけて(おお、ゴールデンウィークつながり)、アメリカはニューオーリンズで開催されている、ジャズ&ヘリテージ・フェスティヴァル。2004年以降、その年の主要なステージが録音されて発売されている。最近になって07年分が40種類ほど発売されたようで、そのうちの1枚がこれ。07年4月28日のサニー・ランドレスのライヴだ。

発売されたといっても、ちゃんとしたレコード会社から出た正規盤というわけではない。どうやらこのフェスティヴァルの主催者側が出している、アーティスト公認の所謂オフィシャル・ブートレッグというやつだ。上のジャケ写横に載せたタイトルにリンクを貼ったオフィシャル・サイトに行けば、CD一枚15ドル(送料含まず)、ダウンロードなら12.5ドル(アートワークも無料でダウンロード可)で買える。CDと書いたけど、送られてくるのはCD-Rだから、これはちょっとわざわざパッケージメディアで買う有難味は薄いかもね。

裏ジャケに記載されているのは全14曲だが、曲間のお喋りなんかも数えられているので、曲としては11曲が収められている。同じく11曲が収録された、05年にシュガーヒルから出たオフィシャルのライヴ盤『Grant Street』 との重複は「Native Stepson」、「Z. Rider」、「Wind In Denver」、「Congo Square」の4曲。『Grant Street』が初出だったブルーズ曲「Wind In Denver」以外は全て彼の代表曲ばかりだ。

おそらくメンバー用に手書きで作ったセットリストを基にしたんだろうか、その裏ジャケの曲目表には間違いや省略が散見される。フェスティヴァルのサイトにもそのまま載っているのに、サニーも他のメンバーも見てないのかな。大らかなのかな。それほど大らかでない僕が正誤表を載せておくね。

1.Port ⇒ Z. Rider
3.Stepson ⇒ Native Stepson
5.Denver ⇒ Wind In Denver
7.Milky Way ⇒ The Milky Way Home
8.When I Still Have You ⇒ When I Still Had You
14.Bayou Tech ⇒ Back To Bayou Teche


1はどうしたことだろう。『Grant Street』にも入っている「Port Of Calling」のつもりか?でもこの曲は誰が何と言おうと「Z. Rider」。あと、曲間のお喋りを、6では「Stage Banter(ステージ上での冗談)」と書いているのに、10では単に「Banter」、13では「Band Intros」としている。些細なことだけど、6と10ぐらいは統一してほしかったね(大らかでない人の意見)。

そろそろ内容にも触れなければね。おそらくミキシングボードから直接録音されたせいか、きちんとプロデュースされたオフィシャル盤『Grant Street』と比べると、平板なミックスと歓声の少なさがちょっと興醒めだけど、それもこの熱い演奏を冷ましてしまうほどではない。冒頭の「Z. Rider」をはじめ、「Native Stepson」、新曲「The Milky Way Home」、「Like Nowhere Else」といったインストゥルメンタル曲の凄さは、去年の4月9日の記事「ルイジアナの風」で紹介した「Z. Rider」や「Taylor's Rock」を聴いたことがある人ならきっと想像がつくことだろう。

初期の名曲「South Of I-10」も「Back To Bayou Teche」も、それぞれ6分を越える白熱した演奏。どちらも僕は大好きな曲だから、これだけアドリブを入れて延々とソロを続けられると、この場にいられなかったのが本当に悔やまれてしまう。それに輪をかけて長いのが、10分近くにも及ぶ、定番「Congo Square」。『Grant Street』では最後を飾っていた曲だが、このアルバムではこの10分の後にさっきの「Back To Bayou Teche」が続くんだから、もうたまったもんじゃない。

03年の『The Road We're On』以来5年振りとなる新作スタジオアルバムが、いよいよ来月20日に発売となる。彼のオフィシャルサイトには相当前から情報が載っていたので、ほとんど更新されることのないそのサイトに飽きずに通い詰めていたこちらとしては、ようやく、という感じだ。そのサイトによると、今回のアルバム『From The Reach』には、エリック・クラプトン(Eric Clapton)、マーク・ノフラー(Mark Knopfler)、ドクター・ジョン(Dr. John)などの豪華ゲストが参加していて、サニーもそれぞれのゲストの演奏スタイルを想定して曲を書いたとのこと。1ヵ月後の6月25日には日本盤も発売になるようだし、この豪華ゲストの助けも借りて、これでようやく彼も日本でメジャーになるんだろうか。

自分で持っているCDやレコードのジャケ写しか載せないというローカルルールがあるんだけど、この新作は20日以内に僕が死んだり地球が爆発しない限りは買うことが決まっているので、フライングで載せてしまおう。

From The Reach..jpg Sonny Landreth 『From The Reach』
Grant Street.jpg Sonny Landreth 『Grant Street』
The Road We're On.jpg Sonny Landreth 『The Road We're On』

なんだかどれも雰囲気似てるよね。渋いセピア色のジャケ『The Road We're On』はかなりブルーズ色の強いアルバムだったし、ブレが躍動感を醸し出している『Grant Street』はアツいライヴ盤。ということは、次作のちょっと上品な色のついた、自分の名前のロゴもお洒落にあしらったジャケは、そのままアルバム自体の派手目な内容を表しているんだろうか。

確かに今回のライヴCD-Rに収録された新曲を聴く限りは、性急なリフにちょっと甘めの歌メロが絡む「When I Still Had You」とか、かなりロックマナーなインスト「The Milky Way Home」とか、ブギーっぽい「Blue Angel」とか、前作に入っていた曲よりも結構ロック寄りかもと思える曲が多くて、個人的には嬉しい。さっきも書いたもう1曲のインスト「Like Nowhere Else」は、発表された新作の曲目表には載ってないけど、収録されないんだろうか。これも格好いいのにな。

というわけで、散々待たされたアルバムが更に待ち遠しくなってしまうような、よくできた予告編のようなライヴ盤だ。誰にでもお勧めできるわけじゃないけど(まずオフィシャル盤からどうぞ)、海賊盤までこまめに揃えているような(僕のような)ファンの人ならこれは欠かせないはず。

ちなみにこのライヴ盤、さっき書いたオフィシャルサイトでも買えるけど、海外からの通販はちょっとと思う人には、ディスクユニオンタワーレコードのサイトで売ってるのも見つけたから、興味があればそちらからどうぞ。

あ、ところで、今年のゴールデンウィーク時期にも開催されている08年ジャズ&ヘリテージ・フェスティヴァル、5月4日にサニー・ランドレス出演と書いてあるな。行きたいなあ。でも、いくら会社が休みとはいえ、わずか1時間のステージのためにニューオーリンズまでは飛べないよ。


さて、もう充分一記事分ぐらいは書いたけど、続けて関連アルバムのことを書こう。しばらく前に、発売してすぐに買ったけど、なかなかブログに書く機会のなかったこのアルバム。

Toolin Around Woodstock.jpg Arlen Roth 『Toolin' Around Woodstock』

実は例によってゲスト参加しているサニーの名前に釣られて買ったものの、この本人アーレン・ロスのことを僕は全然知らなかった。アマゾンの紹介文によると、「ピート・シーガーからリック・ウェイクマンまで様々なアーティストのレコーディングに参加し、ミュージシャンズ・ミュージシャンとして尊敬されている名ギタリスト、マスター・オブ・テレキャスターことアーレン・ロスがリヴォン・ヘルムとの共同作業で制作した7年振りとなる最新ソロ・アルバム」だそうだ。

サニー他ゲストが数名参加しているにも関わらず、アルバムの正式クレジットは「Arlen Roth Featuring Levon Helm」ということで、元ザ・バンドのドラマー、レヴォン・ヘルムの参加が世間的にはこのアルバムの目玉ということだろう(ちなみに、これまたこのブログのローカルルールで、バンド名の定冠詞「The」は省略することになっているんだけど、「The Band」と「The The」だけは「The」を省略すると訳がわからなくなるので、例外として「ザ・バンド」「ザ・ザ」と書くことにする)。

レヴォン・ヘルム翁が熱唱するチャック・ベリー作「Sweet Little Sixteen」をはじめ、ジョー・サウスの「Games People Play」、ボブ・ディランの「Ballad Of A Thin Man」、カール・パーキンスの「Matchbox」、ライチャス・ブラザースの「Unchained Melody」など、ほとんどがカバー曲。でも、カバーだろうと自作だろうと、アーレンのねばりつくような濃密なギターソロをたっぷり堪能させてくれる。特に、歌なしで演奏される「Ballad Of A Thin Man」と「Unchained Melody」が強烈。

一時ニック・ロウのバンドに参加して、小気味よいギターを弾いていた、こちらもテレキャスターの名手ビル・カーチェンも2曲にゲスト参加。そのうち1曲ではボーカルもとっている。

数曲にはアーレンとレヴォンそれぞれの娘、レキシー・ロスとエイミー・ヘルムがボーカルで参加。おっさんばかりで危うく渋々のブルース/ロカビリーアルバムになってしまうところに辛うじて色を添えている。

そして、僕にとってはこのアルバムの目玉、自分のアルバムのレコーディングで忙しかったはずなのに、こんなところまで出張してきているサニー・ランドレス参加の2曲「Tumblin'」と「Deep Feeling」。イントロのモワーンとした音だけでサニーのプレイだとわかる「Tumblin'」は、アーレンとサニー2人のスライドギターだけの演奏だ。このアルバム3曲目になるチャック・ベリー作品「Deep Feeling」は、その2人のスライドギターにレヴォンのドラムスとアメリカ南部風ピアノ(クレジットにないけど誰が弾いてるの?)が絡むゆったりとしたインスト・ブルーズ。

なんとこのアルバムも来月に日本盤が出るようだけど、僕が買ったアメリカ盤はボーナスDVD付。ウッドストックのレヴォン・ヘルムのスタジオでの和やかなレコーディング風景と、先述の「Tumblin'」の演奏風景が丸ごと収録されている。当然、この「Tumblin'」が凄い。2人が向かい合ってソファに腰掛け、5分に亘って延々とスライドギターのバトル。僕は海賊盤も含めてサニーの演奏シーンが入ったビデオをいくつか持っているけど、こんなにじっくり観られるのは結構珍しいかも。というわけで、サニー・ランドレスのファンならこのDVD付を買うべし。


さて、そろそろ朝の4時になってしまうな。明日休みだと思うとつい夜更かししてしまうよ。この人の話を書き始めると止まらないしね。最近、ブログの記事数が少ないんだから、こんなに書くんならやっぱり二つに分ければよかったかな。まあいいや、久々の長文記事、縦読みでも斜め読みでもお好きにどうぞ。
posted by . at 03:50| Comment(11) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月13日

Sherwood live in Tokyo

去年11月以来久々の、そして僕が日本に帰ってきてから初めてのライヴレポートは、昨日行われた新宿ACBホールでのシャーウッド。

1月にセカンドアルバムが日本発売になったのを記念してのジャパンツアー。幕張メッセで行われたパンクスプリングなんてフェス系イベントを皮切りに、ポリシックスなど日本のバンドの前座も含めて、ジャパンツアー全7公演。昨日は、東京初日で、東京では唯一彼らがメインアクトとなる公演だった。

彼らの前に日本のバンドが3組(前座という呼び方が正確なのかどうかわからない。そのうち一つのバンドはお揃いのロゴ入りシャツを着たファンの一団がステージ前に陣取っていたぐらいの人気だったから。僕は知らない人たちだったけど、きっとその筋では有名なんだろうね)。ちょっといいなと思ったバンドもいれば、正直30分聴いているのが辛いようなのもあった。

6時開場から立ちっぱなしで3時間強、そろそろ年配者の腰にはきつくなってきた頃に、いよいよシャーウッドの登場。狭いステージの真ん中にキーボードが置いてあるうえ、5人のメンバーのうちボーカルのネイトとギターのダンは熊並みのサイズ(若干誇張)なので、目測で200人超は入っていたと思われる満員の観客席にも負けないほど、ステージ上も人がびっしり。



オープニングは「Middle Of The Night」。僕の立っていた位置のせいか、音がかなり割れている。ネイトのベースの音が結構大きめだったのに加えて、ギタリストが2人ともテレキャスターでギャンギャンかき鳴らすもんだから、スピーカーのすぐ近くにいると、鼓膜がどうにかなってしまいそうだった。

続く「The Only Song」は途中でテンポを落とし、メドレーで別の曲につなげたのかと思わせるような展開も。この曲に限らず、CDとはちょっとアレンジが違うという曲もいくつかあった。

ファーストアルバムから2曲続けて演った後、ゲット・アップ・キッズの「Holiday」のカバーも披露。やっぱりその手のバンドが好きなんだね。これはこれでよかったんだけど、終わってみたらもっと彼ら自身の持ち歌を演ってほしかったなと思ってしまった(後で書くけど、なにしろ短かったからね)。

ステージ上で喋っているのは主に新加入のギタリスト、デイヴィッド。覚えたてみたいな日本語でいろいろとこちらに話しかけてくる。アンプにアンチョコが貼ってあったというのもあるけど、一所懸命コミュニケーションを取ろうと頑張ってるところがいいね。やたらヤギがどうとか言ってたけど、あれは何かお決まりのギャグなのか?あとは、しきりに「かわいいね」とか連発してて、どういうシチュエーションで日本語を覚えてるのかがよくわかった(笑)

8曲目「Song In My Head」が終わったところで、“次が最後の曲”とのアナウンス。それはいくらなんでも早すぎるだろう。それまでの前座のバンドだって最低30分、3組目なんて1時間近く演ってたのに、メインのシャーウッドがここまでわずか30分強。でも、(後で見たセットリストには載っていなかった)ファーストアルバムからの「I'll Wait For You」を演奏してやっぱり終了。その後(こちらはセットリストにちゃんと9曲目として載ってた)「For The Longest Time」をアンコールで演奏。

結局、アンコール前に楽屋に引っ込んでいた時間なんかも含めて、45分ほどのコンパクトなステージだった。10時までに終わらないといけないって規則でもあったのかな。すごく盛り上がっていた割りには、そのあたりは“ルール通り”みたいな感じがして、ちょっと不満。ファーストからなら、僕の一番好きな「You're Like A Ghost」とかも演ってほしかったのに(でも、その曲はファーストのブックレットに既に“ライヴでは演奏したことのない曲”なんて書かれてて、最初から望み薄だったんだけどね)。

客電が点き、機材の片付けが始まろうという頃に、ステージ前にバラバラとメンバーが出てきて、サイン会&写真撮影会タイム。一番人気は、ライヴ中ろくにキーボードも弾かずに(?)狂ったように飛び跳ねたり踊ったりしていた、キーボードのマイキー。もちろん他のメンバーにも沢山の客が群がっていたんだけど、彼の前だけ最後まで長蛇の列だったのは、彼が一番、一人ひとりといつまでも話してたからだね。

新規加入のデイヴィッドにサインをもらうときに、「君はこのアルバムには参加してないよね」と言うと、ブックレットの“Additional vocals by David Provenzano”という箇所にマジックで下線を引かれた。正式メンバーになれてよかったね。

Front.JPG Back.JPG

僕が一番話したかったのは、このバンドのソングライターである、ギターのダン。ステージ上では一切喋らず、そんな大きなアクションをするわけでもないけど、自分が書いた数々のメロディアスな曲に綺麗なコーラスをつけ、演奏中に“ここでスネアの音”みたいな仕草でドラムスのジョーを指差していたのを見て、ますます格好いいなと思ってしまった。僕が着ていた、彼がファンであることを公言しているあるアーティストのシャツを指差して、「いいよね」とひとしきり歓談。

とは言ってみたものの、どうも僕は今回みたいな、女の子のファンが沢山いるようなアーティストといつまでも話すのを躊躇してしまう。自分の後ろに並んでいる女の子たちには「おじさん、そろそろいいでしょ」と思われてて、当のアーティストからは「早く次の女の子と話したいんだけど」と思われているような気がしてしまって。そんなこと誰も思ってないのかもしれないけど、つい遠慮して早めに切り上げてしまうんだよね(被害妄想)。

セットリストは上に書いた「I'll Wait For You」以外はこの写真通り。セカンドアルバム『A Different Light』の1〜4曲目、7・9曲目という王道の選曲。プラス、ファーストアルバムから3曲。さっきも書いたけど、本当はもっと他にも演ってほしい曲がいくつかあったんだけどな。でも、今回のツアーの他公演の曲目を見ても、ほぼ似通った内容。実はあんまりアドリブ利く人たちじゃないのかも。

Sherwood track list.jpg

ライヴ終了からかれこれ18時間が経つんだけど、まだ片耳がおかしい。最初におかしいなと思ったのは、昨日の帰り。シャーウッドの曲を口笛で吹きながら歩いていたんだけど、それが全然自分の口笛の音に聞こえなかったこと。まるで右斜め後ろで誰かが甲高い笛を吹いているような感じ。今でもずっと耳の奥でキーンという音が鳴っていて、低音がまるで聞こえない。大音量のライヴにはこれまで何度も行ったけど、こんなにいつまでもおかしいのは初めてかも。ほんとに鼓膜がどうにかなってしまったかな。年のせいかな。治るんだろうか。
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2008年04月05日

箱庭の王様のうた - Egil Olsen

待ちに待った発売日にいそいそとCDを買いに行ったのも久し振りなら、日本盤の帯に表示されている定価そのままをレジに支払ったのもずいぶん久し振りなんじゃないだろうか。しばらく前にその名前と彼の歌を知り、世間一般の(今の時点での)知名度はともかく、個人的にはまさに“満を持して”発売されたノルウェーのSSWの日本初登場のアルバム。

I Am A Singer Songwriter.jpg Egil Olsen 『I Am A Singer / Songwriter』

アルバムのタイトルトラックであり、彼の代表作ともいえる「Singer/Songwriter」を聴くのが、このエギル・オルセンというアーティストをまず知るには最適だろう。一瞬、小さな女の子が泣いているのかと思ってしまうほど、か細い震えるような声で歌いだされる。左右のチャンネルに重ねられた、夢見るようなアコースティックギターのアルペジオの音だけがその声を支えている。3分に満たないほどの小曲。だけど、彼の作る箱庭のような世界に引き込まれるにはそれで充分だ。

続く、彼がアメリカを放浪していたときの経験を綴ったという「California」から、アルバム4曲目「Deep Down The Basement」まで、同じスタイルの弾き語りが続く。わずか一段落前に自分で書いた「Singer/Songwriter」が彼の代表作というのを取り消したくなってしまうほどの佳曲揃いだ。

5曲目「Same Old Fool」と6曲目「Papers And Pens」はちょっと趣向を変えて、エレクトリック・ギターに持ち替えている。ロックを演っているというわけではないけれど、ちょっと一本調子になってしまいがちなこの手のSSWのアルバムの色調を変えるのに効果的なアクセントの役割を果たしている。とはいえ、ブギっぽいリズムの8曲目「Back On My Feet」はこのアルバムに於いてはかなり異色。まあ、パラノイアックなエンディングの音を聴けば、これもまた彼の箱庭の一風景と理解できるけれども。

彼の歌を特徴づけているのは、やはりその声。ほとんどの部分をハイピッチなファルセットで歌っており、聴く人によっては好き嫌いが分かれるところだろう。ファルセットで歌う男というとどうも色物っぽく受け取られてしまうところがあるかもしれない。けれど、不思議とコミカルでも妖艶でもないこんなファルセット・ボイスには、なかなか出会えるものじゃない。

Singer Songwriter Original.jpg好き嫌いが分かれるといえば、上に載せた日本盤のジャケとは違った、オリジナルのノルウェー盤のこのイラストも。エギル自身が描いたという、彼と彼の愛犬(「You And I(And The Dog)」という曲にも登場する)の自画像は、日本盤のブックレットにも、それぞれの曲の情景を説明するという形で多数掲載されている。愛嬌もインパクトもあって、僕は個人的には嫌いなイラストではないけれど、やはりこのイメージで日本初登場というのは、ちょっとしたリスクだったんだろうね(笑)

「どうしてもこっちのジャケがいい」という人はちょっと苦労してオリジナル盤を手に入れてくれればいいけど、日本盤にはボーナストラックが1曲収録されているから、それもちゃんと考慮するように。彼が以前在籍したアンクルズ・インスティテューションというバンド(ほとんど彼のワンマンだったらしいけど)時代に書いた曲をソロで再録したデモ録音だ。

彼の曲の一節にこういうのがある。

  ほとんど誰も僕のことを聴いたことはないけど
  聴いた人は、僕を王様みたいに思う


こういう、ちょっとした自虐的虚栄心(笑)は彼の詞のあちこちに顔を出していて、アルバムの謝辞の最後にも「このアルバムを買ってくれたあなたへ、そんなにエギル・オルセンの熱狂的なファンでいてくれてありがとう」なんて具合に書かれているんだけど、でも小さな箱庭で愛犬のパグを連れた孤独な王様がこれからどんな音楽を作っていくのかには興味津々だ。

マイスペース
posted by . at 13:39| Comment(10) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする