2007年12月24日

埋蔵金発掘

引越し荷物がぼちぼち届き始め、家電や家財道具も少しずつ揃ってきた。まだ大半の荷物は海の上なので家の中はがらんとしているんだけど、なんとか生活も軌道に乗り始めてきた。少なくとも、ちょっとした時間を見つけては中古CD屋に出かけるぐらいの余裕はようやく出てきた(←ツッコミどころ)。

そんな中、最初の赴任時からお世話をしてくれている引越し業者から連絡があり、「トランクルームに保管されているお荷物の配送はどうされますか?」と訊かれた。

トランクルーム? そういえば、サウジアラビアに異動になったときに、検閲を受けて没収されたり砂漠の細かい砂でダメージを受ける恐れがあったものを預けたけれど、かの地から出た際にそれらは全て引き取ったはず。なんで今頃トランクルームなんて話が出てくるんだ?

聞けば段ボールが二箱だけとのこと。なんだかわからないけど、とにかく他の引越し荷物と一緒に配送してもらうことにした。


その段ボールの中身はなんと、このブログが始まった頃から何度もしつこく、無くなった無くなったと言い続けていたシングルレコードだった。100枚ちょっとの7インチシングル盤と、10枚ほどの10インチ盤。この年の瀬に、埋蔵金を発掘したような気分だ。

Mary Had A Little Lamb去年7月29日の「NZのメリーさん」で初めてこのシングル盤紛失問題を取り上げたときに話題にしたポール・マカートニーの「Mary Had A Little Lamb」を始め、同時期の「Give Ireland Back To The Irish」、後にyascdに入れた「Wonderful Christmas Time」や、ジョン・レノンの「Imagine」などの、まだシングル盤が500円だった時代のビートルズ関連日本盤シングル数枚とか。

Clash Singles.jpgその記事を受けて書いた10月22日の「所有欲の奴隷II シングル編」で触れた、高校生のなけなしの小遣いで買ったクラッシュの『Singles Box』も箱ごと出てきたから、とりあえず嬉しくて中身を全部床に並べてみたりとか。クラッシュはこれ以外にも個別で買ったやつや、トッパー・ヒードンがクラッシュ解雇後に出したシングルなんかも出てきた。そんなの今となっては逆にちょっと貴重かも。

Sing The Everly Brothers.jpg今年の6月24日の「yascd010 癒し系ではないけれど」の3曲目に使ったデイヴ・エドモンズとニック・ロウの、ロックパイルのLPのおまけだったEP盤も出てきたよ。話はそれるけど、あれ以来yascd作ってないね。もう半年前になるのか。去年のクリスマスに作ったときは、今年も別バージョンを作ってもいいな、なんて思ってたのに。某ブログのコメント欄で、去年のをまた聴いてもらってるって何名かの方に書いてもらったのがすごく嬉しかったな。

Bowi.jpgニック・ロウといえば、7月8日に彼のニュー・アルバムを採り上げたときの記事「LPと算数」の最後に写真を載せたEP『Bowi』を始め、初期のシングル盤が数枚出てきた。この人のシングル盤、学生の頃しゃかりきになって集めてたもんな。「Little Hitler」なんて、ジャケも地味だけどやけに格好いいし、カップリングの「Cruel To Be Kind」のファスト・ヴァージョンは当時このシングルでしか聴けなかったからね。

Live At Hollywood High.jpg同じ時期にシングル盤まで一所懸命集めていたのが、エルヴィス・コステロ。この、アルバム『Armed Forces』におまけで付いていたライヴEP『Live At Hollywood High』を始め、大学の卒業旅行でイギリス各地で買い漁ってきたシングルが10枚ほど。今や彼の怒涛のCDリイシュー攻勢で、このへんの貴重なテイクは軒並みCD化されてしまったけど、やっぱりこうしてジャケ付きのシングル盤で持ってるのは嬉しい。

Tempted.JPGそのイギリス旅行の頃に一番はまっていたのが、スクイーズ。今回出てきた17枚のほとんどがその旅行中に入手したもの。アルバムでさえ廃盤だったその頃の日本で、彼らのシングル盤なんて手に入るはずもなかったからね。ここに載せた「Tempted」は、写真でわかるように5インチ盤の「If I Didn't Love You」がおまけでついている。僕のはシュリンク・パックをそのままはがさずに保存してあるから、「Tempted」本体のジャケの隅っこがたわんできてしまってるけど。

Claggin' On.JPGそのイギリス旅行は、お察しのとおり、昼はレコード屋、夜はライヴ会場を転々としていただけの旅行だったんだけど、Halfmoon Putneyというパブで観たミッキー・ジャップにその場でサインしてもらった「Claggin' On」のシングル盤も無事出てきた。スリーブも含めて、ちょっとカビっぽくなってしまってるけど。思えば、ライヴ終了後にアーティストに話しかけてサインをもらうなんて、あのときが最初だったかも。

I'm Goin' Down.jpgしゃかりきになって集めていたといえば、やはりブルース・スプリングスティーンも。当時は『Born In The U.S.A.』大ヒットの頃。次から次へとカットされるシングルを全部買い集め(させられ)ていた。これはアルバムからの第六弾シングル・カット「I'm Goin' Down」。来日記念盤として、この写真に写っている5枚のポストカードがおまけについていた。ルナさん、ほしい?(あげませんけど)。『Born In The U.S.A.』からのシングル・カットはこの次の「My Hometown」で打ち止め。そのシングルのB面の「Santa Claus Is Coming To Town」もやはり去年のクリスマス用のyascdに入れたね。スプリングスティーン関連では、ニルズ・ロフグレンの2枚組シングルなんてのも出てきた。これも貴重かも。市場価値はほとんどないだろうけどね。

Speak Like A Child.jpgスクイーズの17枚に次いで多いのは、ポール・ウェラー関連(ジャム、スタイル・カウンシル)の14枚。あの頃ジャムは本当に大好きだったから、シングル盤は全部集めてたし、その勢いでスタイル・カウンシルのシングルもずっと買ってた。ジャムのファン・クラブ向けに出ていた「Pop Art Poem」の黄色いソノシートまで持ってて、当時はポール・ウェラーが発表した全レコーディングを所有していると自慢していたものだ。ここに載せた写真は、UKオリジナル盤のクールなデザインを根底から台無しにしていた、スタイル・カウンシルのデビュー・シングルの日本盤。

Rough Trade Singles.jpg前回の記事とも関連してくるけど、やっぱり80年代(特に前半)の僕の嗜好は、パンク〜ポスト・パンク〜ニュー・ウェーヴ。そして、僕がそういう音楽を聴くようになったきっかけは、81年にジャパンレコードがラフトレード・レーベルを日本に紹介し始めたのがきっかけ。去年の11月10日の記事「メロウ・スクリッティと昔話」に書いた『Clear Cut』というオムニバス・アルバムも衝撃的だったけど、多分業界的にもっと過激だったのは、当時の日本では全く無名だったアーティストの12枚のシングル盤を一気に発売したことだろう。一体何枚売れたんだろう。ここに載せたのはそのうちの2枚、ポップ・グループの「We Are All Prostitutes」と、クラスの「Reality Asylum」。それから、その12枚の後に月々に発売されたうちの1枚、ピッグバッグの「Papa's Got A Brand New Pigbag」。12枚のラインアップには、ロバート・ワイアットやテレヴィジョン・パーソナリティーズやスクリッティ・ポリッティなんかの、今になって買っておけばよかったと思うものも沢山出てたのに、どういう訳か僕が買ったのはこの手のポップ・グループ関連ばかり。

2nd Peel Session.jpgでも、スクリッティ・ポリッティはそのときのラインアップの1枚だった「The Sweetest Girl」でなく、もっと初期の『2nd Peel Session』を輸入盤で手に入れていた。一時は(今でも?)かなり入手困難だったこれと「Skank Bloc Bologna」、今では全曲『Early』に収録されてしまったけれど、この手作り感満点の装丁のシングルが僕の手元に戻ってきたのがやっぱり今回一番嬉しかったかも。

Short Circuit.jpg10インチ盤にはこういうのがあった。ジョイ・ディヴィジョン、バズコックス、フォール、ドローンズ、ジョン・クーパー・クラーク、スティール・パルスの77年のライヴが収録されたオムニバス盤『Short Circuit』。何度か再発されていたらしいけど、僕は紛失していた自分のも含めて、見たことがなかった。僕のはオリジナルのブルー・ビニール盤。これってCDでも再発されたのかな。何度か自分内でジョイ・ディヴィジョン熱が再燃するたびに聴きたかったから、出てきてよかったよ。

Death Composition.JPGこれも10インチ盤。ツネマツ・マサトシ(当時まだカタカナ)がフリクションを辞めて、E.D.P.S.名義で出した最初のレコードがこの『Death Composition』だったはず。この前に個人名義で出たやつとか、この後に出たE.D.P.S.のファースト・アルバムとか、あの当時結構聴いたな。最近(前回の記事以来)日本の80年代インディーズづいているおかげで、中古盤屋で彼のCDをよく見かけるから、また集めたくなってきたよ(当時聴いてたのはカセットなので、今回の引越しで全部処分してしまった)。

一流.bmp80年代インディーズといえば、前回の記事の最後に写真を載せたこれだろう。ばちかぶり。今回買ったCDに全曲収録されているとはいえ、このジャケを原寸大でまた見られたのは嬉しい(裏ジャケのえぐい写真はあんまり見たくないけど)。この他にもナゴムレコード関連は7インチ、10インチ問わず結構出てきた。筋肉少女帯(まだ大槻ケンジが大槻モヨコと名乗っていた頃)とか空手バカボンとか死ね死ね団とか。そういえば今日も大槻のソロアルバム(アンダーグラウンド・サーチライ)を2枚買ってしまった。最近まで知らなかったんだけど、2枚それぞれ1曲ずつあぶらだこが演奏してたので。

有頂天 1st.jpgナゴムといえば、有頂天。このピクチャー・レコードとか、ケラのシングルとか、「心の旅」とか、あとはポニー・キャニオン時代のシングルほとんど全部、それから、ファンクラブ特典のソノシート2枚とか(確か、毎月ソノシートが送られてくるという話だったけど、結局2枚だけだった気がする)。そういえば今日ブックオフで「時効警察」の文庫本を見たら、著者連名の一人がケラリーノ・サンドロヴィッチだった。本は面白いのかな。買ってみようかな。

Aogeba.JPG当時宝島から出ていたカセットブックは全部買って、そのどれもがよかったんだけど(他には『The Punx』、有頂天、町田町蔵)、その中のひとつ『ベトナム伝説』が出る前に待ちきれなくて買った遠藤ミチロウのこのシングル「仰げば尊し」。スターリンは当時それほど好きじゃなかったんだけど、このシングルと『べト伝』にははまったなあ。そのカセットブックもレコードプレイヤーもまだ海の上。早く届かないかな。

Mukimuki.JPG100枚ちょっとのうち代表的なのだけピックアップして書こうと思ってたらもうこんな長さになってしまった。大したこと書いてないのに。他にもあるんだけど、もういいよね。では最後に、これが残ってることなんてすっかり忘れてた、「ムキムキマンのエンゼル体操」のソノシートの写真でも載せて終わろう。これは、それほど聞きたくないかな。


では皆さん、よいクリスマスを。


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2007年12月08日

パンク・ファンク・エイティーズ - The Pop Group / ばちかぶり

新しい生活のペースがなかなかつかめない。このまま慌しく過ごしてると次の記事を書くのが来年になりかねない雰囲気になってきたので、手短に一つ書いてみよう。

今滞在しているホテルの近所には、日本有数の大型輸入盤店・中古盤屋がひしめいている。どこも結構夜遅くまでやってるから、ちょっと早めに晩飯を終えた日なんかに軽く足を伸ばせるのが便利。

そんなこんなでこっちに来てから買ったCDがもう14枚になってしまっているんだけど(CDプレーヤーがないから、そのほとんどがまだ未聴なんだけど)、そんな中からちょっとした共通点のあるこの2枚を。

Idealists In Distress From Bristol.jpg The Pop Group 「Idealists In Distress From Bristol」

最近の自分の80年代ニュー・ウェーヴ趣味を反映してそういう発掘モードになっていたのか、今年になって発売されたこのポップ・グループのライヴ盤を中古で発見。そのうち買おうと思いながら、出張で東京に来ていた頃にはどこのCD屋でも見かけず、ましてやこんなのが中古で出回るなんてことがあるなんて思っていなかったから、これはちょっと嬉しい収穫。

もともと彼らの3枚のオリジナル・アルバムは昔から権利関係やらなんやらでなかなか再発されなくて、音質の悪いライヴ録音の海賊盤が数種類出まわっていた。僕も1枚持ってるけど、そのほとんどが日本で作られたものらしいね。

で、そういう海賊盤を封じ込めるために、それらの海賊盤を基にして、ちょっと音質を改善して、オフィシャルに発売されたのがこれ。ファースト・アルバム『Y』用に用意されていながら、過激すぎるとの理由で発禁になったジャケ(表裏とも)を使い、ブックレットには当時のライヴのチラシやインタビューも満載した、かなり嬉しい仕様。ただ、ライナーはちょっと読みにくいけどね。

改善されたとはいえ、音質は海賊盤並み。演奏は、持ち前のタテノリファンクにマーク・スチュアートの絶叫というスタイルから、かなりフリーフォームでぐちゃぐちゃな感じ(&マーク・スチュアートの絶叫)まで、聴いていて高揚する箇所とそうでない箇所があるのも事実。

実際にこのライヴの場に居たらきっと全然違った印象を受けるんだろうけど、ちょっとこの平板な音では2枚組全部を一気に聴き通すのはきついかな。何箇所かのライヴをまとめてあるから、同じ曲が何度も出てくるし(ただ、それが「Forces Of Oppression」とかのかっこいい曲でもあるから許せるんだけどね)。

3枚目のオリジナル・アルバム『We Are Time』を聴いたときにも感じたんだけど、こういう録音を聴くと、彼らの2枚のオリジナル・スタジオ盤『Y』と『For How Much Longer Do We Torelate Mass Murder?』が、いかに彼らの混沌とした魅力を損なうことなく見事に聴きやすくプロデュースされていたかということを思い知らされる。もちろん、どちらも「聴きやすい」なんて類の音楽じゃないんだけど。

ポップ・グループの最初の2枚を持っていて、もっと聴きたいというマニア向けのアルバム。でもこういうのって知らない間に即廃盤になるから、欲しいならお早めに。これからポップ・グループって人はやっぱりこの2枚から。セカンドは今はちょっと入手困難だけど。

Y.jpg The Pop Group 「Y」
For How Much Longer Do We Torelate Mass Murder? The Pop Group 「For How Much Longer」

ブックレットに載ってる当時のライヴ告知チラシの一枚には、ポップ・グループがメイン・アクトで、前座がスクリッティ・ポリッティとDAFなんていうのがある。時期的にはきっと80年頃かな。当時の僕が観てたら(いや、今だって)気絶しそうな面子。



もう一枚。

ばちかぶり.jpg ばちかぶり 「ナゴムコレクション」

時代は少し進んで86年。僕がナゴムギャルだった頃(ウソ)、ばちかぶりのソノシート付きシングル盤『一流』を買って、大層気に入って聴いていた。実は、大阪エッグプラントで彼らのライヴを観たこともある。客が10人もいなくて全く盛り上がらず、トモロヲさん達には気の毒だったけど。

例によって僕の持っていたシングル盤は全て紛失してしまったので、たまに聴きたくなるこの当時のナゴムレコードのシングル盤(ケラとか)はそのうちまた入手しようと思っていた矢先、このナゴム時代の楽曲を全部収録した2枚組を見つけた。これも中古で。日本の中古盤屋は凄いね。

『一流』の一曲目だった「Only You(唯一人)」、やっぱりかっこいいねー。他の曲と通して聴くとこの曲だけかなり異色なことがわかるけど、これだけは(ちょっとSEとかのギミックの入った)ストレートなパンク。

他の曲は、やはりタテノリのパンクを基調としたファンク。後半に行くに従ってどんどん演奏が上手くなり、随分と真っ当なファンクになっていくのが僕にはちょっとつまらないけど。

そういえば、このCDにも入っているけど、彼らの曲に「あぶらだこ、ポップ・グループ、町田町蔵、マダム・エドワルダ、似ている似ている似ている似ている…」なんて歌詞もあった。うん、確かに似てるよ、ポップ・グループ。あの混沌としたライヴ録音とこのかちっとまとまったスタジオ盤を比べるのは不公平だけどね。

あ、こんなこと書いてたらあぶらだこもINUもCDで買いなおしたくなってきた。実はこないだ一緒に見つけたんだよな。若い頃に聴いてたから贔屓目もあるのかもしれないけど、80年代NWでも、こういうちょっとファンクがかったパンクって、超かっこよかったよね。20年ぶりにまたはまってしまいそう。


なにが「手短に」なんだろうね。もう夜中の2時を過ぎてしまったよ。明日もいろいろ忙しいからもういいかげんに寝よう。じゃあ最後に、なくなってしまった『一流』のジャケでも載せて。

一流.bmp ばちかぶり 「一流」
posted by . at 02:26| Comment(29) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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