2007年11月07日

地味豪華チャリティ 「The Cake Sale」

The Cake Sale.jpg 『The Cake Sale』

◇ザ・ケイク・セール。元は06年にオックスファム(Oxfam)という、アジアやアフリカの貧国の民間貿易を支援する団体が作ったチャリティー・アルバム。オックスファム・アイルランドからの発売だった。先月アメリカのイェップ・ロック(Yep Roc)レコードからも発売され、より入手しやすくなった。

◇アイルランドのアーティストを中心に、地味ながらちょっと僕の(そしてこの界隈の一部の読者の方々の)興味を引く面子が参加している。

◇全体を通じて演奏を受け持っているのは、ベル・X1(Bell X1)というアイルランドの中堅インディー・バンドのメンバーと、何故かNZのクラウデッド・ハウスのべーシスト、ニック・シーモア(Nick Seymour)。

◇僕がまず興味を引かれて、且つこのアルバムで一番目立つ存在なのは、全9曲中3曲でリード・ヴォーカルを披露しているリサ・ハニガン(Lisa Hannigan)だろう。5月4日の記事「悲しい夜に」に名前が出てきた、ダミアン・ライス(Damien Rice)のアルバムでもヴォーカルを担当している女性だ。その3曲のうち1曲は、ダミアンの書き下ろし。残念ながら彼自身はこのアルバムには不参加だけど、これがまた実に彼らしい悲しげな曲。

◇冒頭のリサの歌に続く2曲目のリード・ヴォーカルを受け持っているのは、去年11月17日の記事「正統派アメリカンSSWの系譜」で取り上げたジョシュ・リター(Josh Ritter)。これは彼の書いた曲ではないけれど、彼らしい落ち着いたミディアム・テンポの曲に仕上がっている。

◇3曲目を歌っているのは、カーディガンズのニーナ・パーソン(Nina Persson)。カーディガンズのイメージとはかけ離れた、実にしっとりとした綺麗なバラッド。これは結構掘り出し物かも。それにしてもさっきから非アイルランド人が続いてるね。

◇4曲目は人気グループ、スノウ・パトロール(Snow Patrol)のゲイリー・ライトボディとリサ・ハニガンのデュエット。異色のアイルランド人コンビネーション。

◇5曲目の人はよく知らないのでパス。ごめん。6曲目のリード・ヴォーカルは、しばらく前に観に行ったボブ・ディランのコンサートで前座を務めていて、それが気に入ったのでCDを買ってしまったフレイムズ(The Frames)のグレン・ハンザード(Glen Hansard)。彼らもアイルランドのグループ。そのCDも気に入ってたんだけど、これもなかなかいい曲。

◇7曲目は、アイルランドのバンドなのにビーチ・ボーイズみたいな音楽を演ってると、最近出た『Teenager』というアルバムが話題になっているスリルズ(The Thrills)のコナー・ディージー(Conor Deasy)がヴォーカル担当。ああ、この曲も何かに似ている… ビーチ・ボーイズじゃないけど、何だったっけ。

◇先ほど書いた、ダミアン・ライス作=リサ・ハニガン唄の8曲目に続いて、アルバムの最後を6分以上に亘って締めくくっているのが、ディヴァイン・コメディ(Divine Comedy)ことニール・ハノン(Neil Hannon)。ちょっとデイヴィッド・ボウイの「Space Oddity」風のメロディーとシンセ(メロトロン?)がおごそかな曲。ディヴァイン・コメディって、その芸名ゆえか今までちょっと敬遠してたんだけど、これ聴いてちょっと興味を持ったよ。

◇以上、全9曲、わずか34分の短い作品。参加メンバーにも実際の収録曲にも派手なところはないけれど、ここに名前を挙げたようなアイルランドの中堅バンドやSSWが作るような、腰の据わったしっかりとしたアルバムになっている。

◇CDケースは三方見開きのデジパック。上のジャケット写真でわかるかもしれないけど、このプロジェクト名に掛けたケーキの写真が沢山使われている。アルバムクレジットはケーキのレシピのようになってるし。もちろんブックレットにはオックスファムが提唱するフェア・トレードのことが書いてある。デジパックにもブックレットにも結構厚手の紙が使われていて、チャリティ目的のアルバムならもうちょっと質素な作りでもよかったんじゃないの?なんて思うほど。

◇開封してみたら中に入っていたのが、ボーナストラックが無料ダウンロードできるクーポン。ボートラはアルバム最終曲「Aliens」の別バージョン。ワン・デイ・インターナショナル(One Day International)というバンド(?)のクレジットになってるけど、誰なのかよくわからない。一応そのクーポンには“限定”と書いてあるけど、どうなんだろう。全部に入ってそうな気もするけどな。

◇ところで、先のイェップ・ロックのサイトでこのアルバムを購入しようとすると、アルバム本体(+先述のボートラ)15.99ドルというチョイスの他に、35.99ドル、65.99ドル、90.99ドル、115.99ドルという選択肢があるのに気づく。何かとパッケージになってるのかと思いきや、それぞれ差額をオックスファムに寄付、ということらしい。

◇これってどうなんだろうね。趣旨に賛同しないではないけれど、ちょっとあんまり興味を引かれるやり方じゃないな。もっと何か、元手がほとんどかからないもの(でも普通じゃ手に入らないもの)がオマケで付いてくるっていうんなら、もっと僕のような限定モノ好きの気を引くと思うんだけど。例えば、35.99ドルでジャケットに参加メンバー誰か一人のサインがもらえるとか、65.99ドルでこのアルバム用のデモ音源がダウンロードできるとか、115.99ドルで購入者宛のメッセージを吹き込んだ曲のCD-Rが付いてくるとかね。もしダミアン・ライスが自分でデモ用に録音した8曲目「Needles」のCD-Rを、彼の直筆サイン入りでもらえるっていうなら、僕は90.99ドルまでなら考えたと思うよ。チャリティに参加して、いい気分にもなれるし(不純)。

◇最近忙しいのにブログに書きたいCDが大量に手に入ったので、手っ取り早く書こうと、苦肉の策として箇条書き風にしてみたんだけど、ちっとも短くなってないね。というか、全然箇条書きにもなってないね。せめて、少しは読みやすかっただろうか。


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