2007年11月24日

最後の買い物

明日出発。今日は一日オフなので、悔いが残らないように、リアル・グルーヴィーに4時間こもってきた。これが今日の成果。

The Flying Club Cup.jpg Beast Moans.jpg Preaching To The Fire.jpg

左から

ベイルート『The Flying Club Cup』 1800円
こないだ出たばかりのニューアルバムがもう中古で出てた。もしかしたら日本で買えば新譜でもこれぐらいの値段なのかもしれないけど、つい買ってしまったよ。

スワン・レイク『Beast Moans』 1450円
カブ子さん、縁がありました。これは新品で、同じ棚に中古も置いてあって、そっちは何故か1950円。こういうのは嬉しいね。同じアメリカ盤なのに。ブックレット裏と盤面のデザイン、いいですね。

グレイト・デプレッション『Preaching To The Fire』 350円
これは友達に頼まれて買っていく用。自分用のはこないだ買ったので。

Memory Man.jpg Tim O'Reagan.jpg All Maps Welcome.jpg

アクアラング『Memory Man』 350円
今年出たばかりの新譜なのにこの値段は拾い物。

ティム・オリーガン『Tim O'Reagan』 350円
元ジェイホークスのドラマーのソロアルバム。これも安い。

トム・マクレエ『All Maps Welcome』 350円
実はあんまりよく知らないけど気になってた人。この値段なら外しても問題ないし。

Convicts.jpg Time On Earth.jpg The Post-Match Analysis.jpg

ユー・アム・アイ『Convicts』 800円
オーストラリアのバンドのライヴ盤。限定2枚組バージョン。

クラウデッド・ハウス『Time On Earth』 800円
実はまだ買ってなかったニューアルバム。LP買いそびれた。

ニール・フィン『The Post-Match Analysis Interview CD』 350円
アルバム『One Nil』が出たときのプロモーション用かな?インタビューとアコースティックの弾き語り2曲入り。

The Future Is Unwritten.jpg Disguise In Love.jpg Mic City Sons.jpg 

ジョー・ストラマー『The Future Is Unwritten』 1250円
そうそう、これも買ってなかった。別バージョンのジャケの方が好きなんだけど、この値段なので許そう。クラッシュの未発表デモが沢山。ティム・ハーディンの「Black Sheep Boy」も入ってるな。

ジョン・クーパー・クラーク『Disguises In Love』 500円
セカンド・アルバムはCDで買ったので、ファーストも入手しておかないとね。ピーター・サヴィルがデザインしたセカンドのジャケと打って変わってこのダサいジャケ。

ヒートマイザー『Mic City Sons』 1000円
エリオット・スミスが在籍してたバンド。ついこないだこの次のアルバムを買って聴いたらわりとよかったんで、これも買ってみた。

Liquid Liquid.jpg Popsicle.jpg Produkt.jpg

リキッド・リキッド『Liquid Liquid』 800円
こないだの自分の記事とミークロの記事以来すっかり80年代ニューウェーヴづいてるもので。これはアメリカのNWバンドだっけ。

ポプシクル『Popsicle』 550円
こないだ日本に行ったときに北欧ポップの本を買って以来すっかり北欧ポップづいてるもので。これはストックホルムのバンドだね。あ、プロデューサーがアトミック・スイングの二クラス・フリスク。

DAF『Produkt』 350円
これ確かもう持ってるんだけど、この値段でDAFのファースト(デジパック。ただしカットアウト)が手に入るならもう一枚買っておいても問題なし、ということで買っておいた。ドイツ音楽好きの某Cさんにあげてもいいし、変な音楽好きの某Kさんにあげてもいいしね。

以上、全15枚。全部で1万円強ならなかなかいい買い物だったかな。リアル・グルーヴィーのお兄ちゃん、お姉ちゃん、今までどうもありがとう。楽しかったよ。またそのうち来るからね。

そういえば、今日この15枚を抱えながらCD掘ってたら、別の二人の客に『すみません、この店の人ですか?』と訊かれた。違うってば。
posted by . at 20:51| Comment(12) | TrackBack(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

John Cale live in Auckland

◇引越しを三日後に控えて荷造り真っ最中(しかも遅れ気味)なんだけど、昨日行ったライヴがよかったから、ここに記録しておきたくて、要点だけでも走り書き程度に書いておくことにした。なんとか一時間以内で仕上げたいな。

JC Poster.JPG

◇会場は、僕のオフィスのすぐ近くにあるブルース・メイソン・センター。今回はいつもの立見席はやめて、発売初日に気合を入れてチケットを取ったら、二階中央最前列だった。ステージまで10メートルぐらいかな。かなり見やすい。

◇夜8時開始だけど、デイライト・セイヴィングなのでまだ明るい。チケットにもポスターにも前座のことは書いてなかったから、まさかこんな時間から前座が出るとは思ってなかった。

◇けど、8時20分過ぎぐらいに見知らぬ4人組が登場。やれやれ、これじゃ終演は何時になることやら。

◇でも、予想外にいいバンド。歌少なめの締まった演奏で、4〜5曲を立て続けに20分ぐらいですっ飛ばして終わった。たいして面白くもない前座バンドがいくつも出てきて時間ばかり損した気になることも多いけど、こういう前座ならいいね。

◇9時過ぎに客電が落ちて、エレクトリック・ヴィオラをハウリングするまで歪ませた音が鳴り始めた。それが(多分)10分ぐらい続いた後、ジョンとバンドが登場。

◇最初の曲は、ボコーダーを通して変な声で歌う曲。僕は彼の最近のアルバムは全然フォローしてないので、昨日も大部分の曲は知らなかった。

◇ジョンは正面やや右手に置いたキーボード。左奥にギター、中央奥にドラム、右奥にベース。

◇数曲演奏した後にジョンはギターに持ち替える。べーシストはキーボードを弾いたりウッドベースを弾いたり忙しそう。

◇黒人のドラマーが凄い。もの凄くしなやかでいて、且つタイトな演奏。シンバルの細かいミュートとか小技も効かせるし、10分を越える長尺曲でもリズムに寸分の狂いもなく延々力強く叩き続ける。

◇左向きに座ってるから、右側のタムやシンバルを叩くときは殆ど手を後ろに伸ばすような格好になる。それがまたかっこいいし。

◇昨日のライヴでは、僕はこのドラマーばかり見ていた気がする。そういう意味では、ステージかぶりつきじゃなくて、少し斜め上からステージ奥まで俯瞰して見られる二階最前列というのは最高のチョイスだった。

◇後で書くライヴ盤『Circus Live』でもこのバンドが演奏してるんだけど、このドラムの音だけは全然別物。昨日の会場の音響が特によかったというのもあるのかな。曲の頭でスティックをカンカンカンカンって鳴らす音ですら格好よかった。

◇ドラマーの名前はマイケル・ジェローム(Michael Jerome)。覚えとこう。AMGで調べてみたら、コース・オブ・エンパイア(Course Of Empire)とかプレジャー・クラブ(Pleasure Club)ってバンドでドラムを叩いてたらしい。どっちも全然知らないや。チェックしよう。

◇ドラマーだけじゃなく、他のメンバーもかなりのテクニシャン。もうかなり長く一緒にツアーしてるんだろうね、曲間をつなげてメドレーみたいにしてるところとか、フェードアウトさせて終わる曲とか、危なげない演奏。緩急のつけ方がうまい。

◇主役のジョンももちろんよかったよ。まるで痙攣してるみたいな素振りで、打楽器のようにダンダンダンダンダンダンダンダンってピアノを弾くところとか、相変わらずところどころで感極まったように絶叫するところとか。

◇ジョンは途中でアコースティック・ギターも演奏した後、本編最後から2曲目「Guts」でまたキーボードに。そして次はお待ちかねのエレクトリック・ヴィオラに持ち替えて、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代の「Venus In Furs」。結局この日はヴェルヴェッツの曲はこれだけ。

◇アンコール2曲目が10分以上も延々と反復する麻痺系の曲。やっぱりこの人にはこういうのを演ってもらわないとね。それにしてもドラマーかっこいいなあ。

◇アンコール終了で客が引け始めたんだけど、まだ客電も落ちたまま、アンコールの拍手を続ける客も大勢いたんで、もしかしたらと思ってそのまま残ってたら、もう一回出てきて短めのアコースティック曲を一曲。もう喉ガラガラで声出てないよ。本人も苦笑いしてたけど、そりゃ2時間近くのライヴの後、しかもあれだけ絶叫してたら声も出なくなるよ。それでも出てくるところが嬉しいね。

◇開場前にロビーでCDを売っていて、買った人には終演後ジョンとバンドのメンバーがサイン会を行うと書いてあった。売ってたCDは最新作『Circus Live』と、今のところのスタジオ最新盤『Black Acetate』。

◇実はこのライヴに来る前に予習しようと、先月アマゾンで『Circus Live』を注文していたんだけど、オーダーして半月以上経ってから「このCDの出荷は1月になります」なんて連絡が来たんでキャンセルしたばかり。なんで新譜の出荷に3ヶ月もかかるんだよ、まったく。

◇それが不幸中の幸い。アマゾンで買ってたら、昨日会場に持ってこようなんて思わなかっただろうからね。というわけで、『Black Acetate』35ドルに比べて、CD2枚組+DVDなのに40ドルとやけにお買い得なこちらのライヴ盤を購入。ライヴ後のサイン会に期待していた。

◇サイン会は長蛇の列。メンバーが横一列に並んで座った前を、ベルトコンベアみたいに歩いて進む。

◇一番手前はジョン。上に載せたポスターの写真から、最近はさすがに太ってきたのかなと思ってたけど、全然そんなことないよ。顔中シワだらけで白髪というか銀髪だらけになったけど、ハンサムでダンディーなおじさんという感じ。42年生まれだから、この人65歳かよ、これで。

◇「名前は?」と訊かれて「yas、Y、A、S」と答える。黒っぽいブックレットにサインするために、金色のマジックが用意されてるんだけど、キャップを外したまま置いてあるからかすれてインクが出ない。

◇そのまま頑張って筆圧込めて書いてくれようとするんだけど、その手のペンはペン先を何回か押し付ければインク出てくるんだよ。などという間もなくかすれ気味のジョンのサインと共に僕のブックレットは次のギタリストの手に。

◇客は皆ジョンの前で時間食うから、他のメンバーはゆっくり話しながらサインできる。「どうだった?」とか訊いてきたり、向こうから握手してくれたり。このサイン会、形式こそベルトコンベアだけど、みんなこっちの目を見てちゃんと話そうとしてくれたのが凄くよかった。

◇ところで、バンドメンバー3人ともこの手のペンは試し書き用紙にペン先を押し付ければインクが出てくることを知ってるから、みんな極太サイン(苦笑)。下の写真の、中央上部「YAS!」と右側にヘロヘロって書いてあるのがジョン筆(見えるかな?)。他の極太が3人のメンバー。

Circus Live Booklet.gif

◇というわけで、簡潔な前座の後は、アンコールを含めて2時間弱の充実コンサート、更に長蛇のサイン会で、帰路につく頃にはもう日付が変わってたよ。

◇最後に、買ったライヴ盤を紹介しておこうかな。録音年月日は書いてないけど、多分去年か今年のはず。オランダはアムステルダム、The Paradisoという場所でのライヴ録音。

◇DVDはまだ観てないからわからないけど、2枚のCDはいいよ。実は昨日開演前にこれを買ったのは、もしかしたらセットリストの参考になるかと思ったからなんだけど、結局昨日のセットリストはこのCDとは全然違った。

◇「Venus In Furs」がオープニング。途中で「Femme Fatale」も演ってるね。終盤「Style It Takes」から「Heartbreak Hotel」と続くところは、92年のピアノ弾き語りのライヴ盤『Fragments Of A Rainy Season』と同じ。それなら最後は「Hallelujah」にしてくれればいいのに。

Circus Live.jpg John Cale 「Circus Live」

◇さてと、一時間ちょっと越えてしまったな。あとこれ、ちっとも走り書きじゃないね。相変わらず箇条書きでもないし。まあいいや、明日もパッキングしないといけないから、もう寝るね。おやすみ。
posted by . at 23:05| Comment(8) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

80年代英国NW再発二種 - Public Image Ltd. / Prefab Sprout

◇去年から今年にかけて再発されている、80年代イギリスのいわゆる広義のニュー・ウェーヴと呼ばれたアルバムを二枚取り上げよう。「二枚」とはいえ、盤の枚数を数えると合わせて5枚になるんだけどね。

◇どちらもその時代のシーンを代表する超名盤。今さら僕が事細かに解説する必要もないようなものなんだけど。じゃあまずこれから。

Metal Box.jpg Public Image Ltd.「Metal Box」

◇セックス・ピストルズを解散したジョニー・ロットンが、ジョン・ライドンと改名して(というか、本名に戻して)、元クラッシュのキース・レヴィン、当時は無名のジャー・ウォブルと結成したパブリック・イメージ・リミテッドの2作目。

◇オリジナルの形態は、45回転の12インチ盤が3枚、円形の金属の缶に入っているというもの。なので、タイトルも『金属箱』。

◇缶入りというのは多分に奇をてらったところもあっただろうけど、45回転12インチ盤というのにはれっきとした理由があり(7月8日の記事「LPと算数」に書いたとおり)、この特異な音楽のダイナミズムを存分に味わえるようにとの配慮からだった。

◇さっき80年代と書いたけど、実はこのアルバムが発表されたのは1979年の11月。当然こんな形態で大量生産されるわけもなく、イギリス国内向けに5万枚、輸出用に1万枚がプレスされたのみ。

◇その後、翌年になって33回転12インチ盤(要は普通のLP)2枚組の形で『Second Edition』として発売されることになる。

Second Edition.jpg Public Image Ltd.「Second Edition」

◇当時、輸入盤屋で缶入りを見かけたこともあったはずだけれど、なにしろそれだけのレア物。とても中学生や高校生に手が出せる金額じゃなかった。僕は、81年の初頭になって、このキース・レヴィンの歪んだ顔のジャケが印象的な『Second Edition』の方を手に入れた。

◇ちなみに、それが僕の生涯で買った28枚目のLP。それまでウィングスとかイーグルスとかレッド・ゼッペリンとか、真っ当な中学生らしいLPばかり買っていたのに、81年の2月・3月に買ったこれとポップ・グループのセカンドとピンク・フロイドのファーストが、その後の僕の音楽観を大きく軌道修正することになる。けどそれを書くのが今回の趣旨ではないので。

◇話を戻そう。とにかく、当時のニュー・ウェーヴ少年にとっては、この丸い缶は憧れの的だったというわけだ。それが、27年の時を経て昨年再発された。今度は5000枚限定で。

◇今度は僕も大人だからね。大人買いしますよ。NZに輸入されたものは結構な値段だったけど(しかもNZのレコ屋らしく、新品なのに開封済み)、見かけたときに買っておかないと。

◇で、元々持っていた33回転2枚組と、今回手に入れた45回転3枚組を聴き比べてみた。元の33回転盤も決して悪くはなかったんだけど、やっぱり違うね。ベースの音が全然違う。

◇驚いたのが、曲順が違うこと。33回転2枚組の方はこう。

A1 Albatross
A2 Memories

B1 Swanlake
B2 Poptones
B3 Careering

C1 Socialist
C2 Graveyard
C3 The Suit

D1 Bad Baby
D2 No Birds
D3 Chant
D4 Radio 4


◇オリジナルの、45回転3枚組はこの曲順。

A1 Albatross

B1 Memories
B2 Swanlake

C1 Poptones
C2 Careering

D1 No Birds
D2 Graveyard

E1 The Suit
E2 Bad Baby

F1 Socialist
F2 Chant
F3 Radio 4


◇実際には「Socialist」と「No Birds」の場所が入れ替わってるだけなんだけど、それぞれの盤面の区切り箇所の違いで、例えば今までB面の頭だと思っていた「Swanlake」がB面の締めくくりになってたりするのがちょっとした違和感。

◇あと気づいたのが、レコードがほぼぴったりの大きさの缶に入ってるので、出し入れがしにくいこと。丸いマンホールの蓋が穴に落っこちないのと同じ原理で(かな?)、ちょっとでも斜めにするとひっかかって出てこない。かといって裏返しにすると3枚いっぺんに落ちてくる。それだけ苦労して出した盤をかけても、10分で裏返さないといけない。まあ、それだけマニアックなものを買ったということで、嬉しい悩みではあるんだけどね。

◇いかん、また普通の段落並みの量になってきたぞ。箇条書きなのに。

◇というわけで、内容には殆ど触れていないけど、27年経とうがまったく古ぼけることのない音。何年経っても“ニュー”・ウェーヴ。ちょっと変わった音楽がご趣味で、しかもやっぱりレコードで聴くのが好きという方にお勧め(ほとんど名指し状態)。

◇上にリンクを張ったけど、この缶入り再発盤、まだアマゾンジャパンに在庫あるんだね。6735円か。僕が買ったのよりも少し安いよ。少しでも気になる方、今のうちですよ。もしくは、今から27年後の2034年にまた再発されるかもしれないから、そのときにどうぞ。



◇次は、プリファブ・スプラウト85年の名盤『Steve McQueen』。今年になってリマスター&ボーナスディスクで再発されたものだ。

Steve McQueen.jpg Prefab Sprout「Steve McQueen」

◇冒頭いきなりニュー・ウェーヴという括りでまとめてしまったけど、さっきのアルバムとこれとでは、音楽性が180度違うと言ってもいいだろう。80年代前半にイギリスから出てきたグループは、とにかく一緒くたにニュー・ウェーヴと呼ばれていただけのこと。21世紀のアメリカの優良SSWが全員オルタナ・カントリーと呼ばれてるのと同じ。

◇80年代イギリスのアコースティック系ロックミュージックの名盤は何かと訊かれたら、多分誰もがアズテック・カメラの『High Land Hard Rain』と共にこのアルバムの名を挙げるだろう。

◇きっと、同じ質問を「70年代アメリカのアコースティック・ミュージック」と置き換えたら、誰もが『Harvest』と『Sweet Baby James』を挙げるのと同じように(反論がある方もいらっしゃるであろうことは承知しています。聞き流しておいてください)。

◇ユニヴァーサルのデラックス・エディションやソニーのレガシー・エディションのように、オリジナルアルバムのリマスター版+ボーナストラックで2枚組という形に近い形態での再発。

◇あれ?でもこれソニーだよね。レガシー・エディションとは銘打ってないな。代わりに、キッチンウェアレコード(プリファブ・スプラウトが属していたレーベル)25周年記念のロゴが入ってるけど。

◇2枚組で、一枚目はオリジナルアルバムのリマスター。手がけたのは、オリジナル版のプロデューサーでもあったトーマス・ドルビー(Thomas Dolby)。

◇二枚目は、さっき書いたデラックス・エディションやレガシー・エディションによくある当時のB面曲やリミックス集でなく、この企画のためにリーダーのパディ・マカルーン(Paddy McAloon)が新録した、オリジナルアルバムからの8曲分のアコースティック・ヴァージョン。

◇そしてこれが、またよくあるアコギ弾き語りのデモヴァージョンとかでなく、本人のヴォーカル、ギター、それ以外の弦楽器、ハーモニカなどを幾度も多重録音して作られた、手の込んだものになっている。

◇なんでも、オリジナル(こちらもトーマス・ドルビーお得意の多重録音を駆使したもの)よりもこのアコースティック・ヴァージョンを作る方がより時間がかかったとのこと。

◇これが、実にいい。もう何十回・何百回聴いたかわからないようなこれらの曲を、新しいアレンジで、今のパディの声で(まだ若々しいけど)聴かせてくれるんだから。これはもう、01年の『The Gunman And Other Stories』に続く6年ぶりのニューアルバムのようなものだ。

◇「Desire As」の、2分にも亘るギターの多重録音によるイントロ(まるでスティーヴ・ハウかマイク・オールドフィールドのような)には、本当に驚いた。オリジナルのアルバム内では別に好きでも嫌いでもない曲だったけど、この新録ヴァージョンの中では一番の拾い物かも。

◇オリジナル盤。さっきアコースティック系って書いたけど、実はアコースティック楽器の音なんてほとんど聞こえない。でも見事なプロデュースワークで、こんなに瑞々しい自然な音が溢れた音楽になっている。シンセの音ばっかりなのに、今まで全然そんな印象持ってなかったよ。

◇さっきの缶(または歪み顔)は決して万人に薦められるものじゃないけど、こっちは洋楽ポップスを普通に聞く人でこれを嫌いな人が果たしているんだろうかと思ってしまうようなアルバム。ライナーにも書いてあるね。エヴァーグリーン。まさにそう。


◇いつもfalsoさんが、ご自分が若かった頃に聴かれていた音楽ばかりを繰り返して聴いておられることを半ば自虐的に話しておられるけど、僕だってすぐこうして十代や二十代前半に聴いていた音楽に戻っていってしまうよ。

◇最近こうして80年代のアルバムが次々と形を変えて再発されているというのも、まさに僕のようなカモを捕まえるためなんだろうね。わかってても、こうして見事に全部に食いついてるわけだけど。

◇ところで、今日はこないだよりは幾分かは箇条書き風と言えるようになったかな。
posted by . at 22:00| Comment(26) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月07日

地味豪華チャリティ 「The Cake Sale」

The Cake Sale.jpg 『The Cake Sale』

◇ザ・ケイク・セール。元は06年にオックスファム(Oxfam)という、アジアやアフリカの貧国の民間貿易を支援する団体が作ったチャリティー・アルバム。オックスファム・アイルランドからの発売だった。先月アメリカのイェップ・ロック(Yep Roc)レコードからも発売され、より入手しやすくなった。

◇アイルランドのアーティストを中心に、地味ながらちょっと僕の(そしてこの界隈の一部の読者の方々の)興味を引く面子が参加している。

◇全体を通じて演奏を受け持っているのは、ベル・X1(Bell X1)というアイルランドの中堅インディー・バンドのメンバーと、何故かNZのクラウデッド・ハウスのべーシスト、ニック・シーモア(Nick Seymour)。

◇僕がまず興味を引かれて、且つこのアルバムで一番目立つ存在なのは、全9曲中3曲でリード・ヴォーカルを披露しているリサ・ハニガン(Lisa Hannigan)だろう。5月4日の記事「悲しい夜に」に名前が出てきた、ダミアン・ライス(Damien Rice)のアルバムでもヴォーカルを担当している女性だ。その3曲のうち1曲は、ダミアンの書き下ろし。残念ながら彼自身はこのアルバムには不参加だけど、これがまた実に彼らしい悲しげな曲。

◇冒頭のリサの歌に続く2曲目のリード・ヴォーカルを受け持っているのは、去年11月17日の記事「正統派アメリカンSSWの系譜」で取り上げたジョシュ・リター(Josh Ritter)。これは彼の書いた曲ではないけれど、彼らしい落ち着いたミディアム・テンポの曲に仕上がっている。

◇3曲目を歌っているのは、カーディガンズのニーナ・パーソン(Nina Persson)。カーディガンズのイメージとはかけ離れた、実にしっとりとした綺麗なバラッド。これは結構掘り出し物かも。それにしてもさっきから非アイルランド人が続いてるね。

◇4曲目は人気グループ、スノウ・パトロール(Snow Patrol)のゲイリー・ライトボディとリサ・ハニガンのデュエット。異色のアイルランド人コンビネーション。

◇5曲目の人はよく知らないのでパス。ごめん。6曲目のリード・ヴォーカルは、しばらく前に観に行ったボブ・ディランのコンサートで前座を務めていて、それが気に入ったのでCDを買ってしまったフレイムズ(The Frames)のグレン・ハンザード(Glen Hansard)。彼らもアイルランドのグループ。そのCDも気に入ってたんだけど、これもなかなかいい曲。

◇7曲目は、アイルランドのバンドなのにビーチ・ボーイズみたいな音楽を演ってると、最近出た『Teenager』というアルバムが話題になっているスリルズ(The Thrills)のコナー・ディージー(Conor Deasy)がヴォーカル担当。ああ、この曲も何かに似ている… ビーチ・ボーイズじゃないけど、何だったっけ。

◇先ほど書いた、ダミアン・ライス作=リサ・ハニガン唄の8曲目に続いて、アルバムの最後を6分以上に亘って締めくくっているのが、ディヴァイン・コメディ(Divine Comedy)ことニール・ハノン(Neil Hannon)。ちょっとデイヴィッド・ボウイの「Space Oddity」風のメロディーとシンセ(メロトロン?)がおごそかな曲。ディヴァイン・コメディって、その芸名ゆえか今までちょっと敬遠してたんだけど、これ聴いてちょっと興味を持ったよ。

◇以上、全9曲、わずか34分の短い作品。参加メンバーにも実際の収録曲にも派手なところはないけれど、ここに名前を挙げたようなアイルランドの中堅バンドやSSWが作るような、腰の据わったしっかりとしたアルバムになっている。

◇CDケースは三方見開きのデジパック。上のジャケット写真でわかるかもしれないけど、このプロジェクト名に掛けたケーキの写真が沢山使われている。アルバムクレジットはケーキのレシピのようになってるし。もちろんブックレットにはオックスファムが提唱するフェア・トレードのことが書いてある。デジパックにもブックレットにも結構厚手の紙が使われていて、チャリティ目的のアルバムならもうちょっと質素な作りでもよかったんじゃないの?なんて思うほど。

◇開封してみたら中に入っていたのが、ボーナストラックが無料ダウンロードできるクーポン。ボートラはアルバム最終曲「Aliens」の別バージョン。ワン・デイ・インターナショナル(One Day International)というバンド(?)のクレジットになってるけど、誰なのかよくわからない。一応そのクーポンには“限定”と書いてあるけど、どうなんだろう。全部に入ってそうな気もするけどな。

◇ところで、先のイェップ・ロックのサイトでこのアルバムを購入しようとすると、アルバム本体(+先述のボートラ)15.99ドルというチョイスの他に、35.99ドル、65.99ドル、90.99ドル、115.99ドルという選択肢があるのに気づく。何かとパッケージになってるのかと思いきや、それぞれ差額をオックスファムに寄付、ということらしい。

◇これってどうなんだろうね。趣旨に賛同しないではないけれど、ちょっとあんまり興味を引かれるやり方じゃないな。もっと何か、元手がほとんどかからないもの(でも普通じゃ手に入らないもの)がオマケで付いてくるっていうんなら、もっと僕のような限定モノ好きの気を引くと思うんだけど。例えば、35.99ドルでジャケットに参加メンバー誰か一人のサインがもらえるとか、65.99ドルでこのアルバム用のデモ音源がダウンロードできるとか、115.99ドルで購入者宛のメッセージを吹き込んだ曲のCD-Rが付いてくるとかね。もしダミアン・ライスが自分でデモ用に録音した8曲目「Needles」のCD-Rを、彼の直筆サイン入りでもらえるっていうなら、僕は90.99ドルまでなら考えたと思うよ。チャリティに参加して、いい気分にもなれるし(不純)。

◇最近忙しいのにブログに書きたいCDが大量に手に入ったので、手っ取り早く書こうと、苦肉の策として箇条書き風にしてみたんだけど、ちっとも短くなってないね。というか、全然箇条書きにもなってないね。せめて、少しは読みやすかっただろうか。
posted by . at 21:02| Comment(51) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする