2007年09月30日

オークランドCDショップガイド

旅行や出張で知らない街に出かけて、ちょっと時間が余ったときには僕はもちろんCD屋やレコード屋を探すんだけど、きっと音楽好きにはそういう人は多いと思う。みやげ物屋よりレコードショップ。ホテルでくつろぐよりもCD堀り。

そういうときには、ホテルのフロントや地元の人にお店の場所を聞いたり、インターネットで検索したりするのが普通かな。日本の場合は「レコードマップ」っていう便利な本も出てるけどね。

ちゃんと調査したわけじゃないし、ここに住んでる日本人のことを全員知ってるわけでもないけど、おそらくニュージーランド在住の日本人で一番沢山CDやレコードを買ってるのは僕だと思う。そこで、オークランドを出張や旅行で訪れる人が、いいCD屋はどこにあるのかなと検索したときにたどり着くと便利な情報ページを作ってみようと思ったんだ。だからさっきから「ニュージーランド」「オークランド」「CDショップ」「CD屋」「レコードショップ」「レコード屋」「レコードマップ」と、いろんな検索ワードにひっかかりそうな書き方をしてるというわけ。英語も入れておいたほうがいいね。「New Zealand」「Auckland」「CD Shop」「Record Shop」「Record Map」、こんなもんでいいかな。

ニュージーランドにある全てのCD屋を網羅するのなんて到底無理だから、ここでは僕がよく利用しているオークランド中心街の店だけについて書くことにするよ。旅行や出張で訪れる人にとっては、オークランドの中心街以外はアクセスが難しいしね。

後で書くCDの標準小売価格の問題で、僕はあまり値引きをしない独立系の小さな店で買うことは少ない。そんな中には店長の趣味がくっきりと出たいい店もあるんだけど、年間数百枚のCDを買うのに、残念ながらそうそう一枚ずつに数千円も出せないからね。

NZ$(ニュージーランドドル)はここ数年かなり変動しているから、いちがいに1ドル何円って言いにくいんだけど、この記事では便宜上最近の平均相場(NZ$1=約85円)で換算しよう。僕がここに来た3年半前はNZ$1=約70円だったから、CDの値段自体はその当時と同じでも、それを円に換算してしまう僕にとっては、それから20%も値上がりしたことになる。

基本的な情報として知っておいたほうがいいのは、ニュージーランドではCDの標準小売価格がNZ$32.99〜NZ$34.99(約2800円〜2975円)もするということ。12.5%の付加価値税を含んでいることもあり、日本や他の国と比べると値段は高め。だから、よっぽど珍しいものや、セール品でもなければ、わざわざここで買って帰るメリットはあまりない。

Auckland Map


これはオークランド中心街の地図。地図上の赤地に白抜き数字が、CDショップの場所。まずは、これら6つ(7つ)の店で僕が過去3年半に何枚のCDやレコードを買ったかを数えてみよう。その順位イコール、僕のお勧めということにもなるからね。なお、ここに載せた殆どの店は支店を持っていて、ここに載せる枚数には、支店で買ったものも含む。

1.Real Groovy (リアル・グルーヴィー)  419枚
2.The Warehouse (ザ・ウェアハウス)  148枚
3.Marbecks (マーベックス)  113枚
4.Sounds (サウンズ)  82枚
5.The CD & DVD Store (ザ・CD&DVD ストア)  41枚
6.Borders (ボーダーズ)  30枚
7.JB Hi-Fi (JB ハイファイ)  12枚


赤地の数字の位置を見ればわかるけど、ほとんどの店がオークランドの目抜き通り、Queen St.(クィーン・ストリート)に面しているので、アクセスは便利。まあ、これを上から下まで歩くと結構な距離ではあるけどね。では、それぞれの店の紹介に入ろう。


1.Real Groovy
http://www.realgroovy.co.nz/
Real Groovy.JPG

ニュージーランドを代表するCD・DVD・レコードショップ。オークランド以外に、ウェリントン、クライストチャーチ、ダニーデンに支店あり。オークランド店は、地図にあるように、Queen St.を海側からどんどん上がっていって(地図では下にあるけど)、Aotea Squareを越えて、Mayoral Driveとの交差点を過ぎたらすぐ左側にある。オレンジ色の看板が目印。

地上階と地下の二階建て。新品は先述の通りNZ$30以上するものが多いけど、中古・新古品が豊富。売れない新譜はどんどん5ドル引き、10ドル引き、20ドル引きのステッカーが貼られ、新品・中古両方のコーナーでNZ$10〜NZ$21.95(850円〜1865円)で、そこそこの品質のものが見つけられる。後述のJB Hi-Fiがオープンしてからは、危機感からかセールを続けていて、膨大な量の捨て値CD(当初は一枚均一NZ$8(680円)だったが、今日行ったら一枚NZ$3(255円)にまで値下がりしていた)のワゴンは掘り応え充分。気力と体力さえあれば、ここで丸一日過ごせる。

シングルCDワゴンも魅力的。大体一枚NZ$1(85円)なので、思う存分ジャケ買いが楽しめる。しばらく前にクックーの「Non Sequitur」をNZ$1で買ったことは書いたっけ。あとはTelevision Personalitiesの「Far Away & Lost In Joy」4曲入りシングルなんてのもNZ$1で見つけたな。

レコードも(ニュージーランドにしては)豊富だけど、新譜はNZ$34.95 〜(2970円〜)と、かなり高め。中古盤の質も、残念ながら日本ほど綺麗なものじゃない。というか、世界中どこ探しても、日本の中古LPほど優れたコンディションのものはないけどね。僕はシアウォーターの『Palo Santo』改訂版LPをここでNZ$39.95(3400円)で買った。結構マイナーなLPも置いてるよ。

CD・DVD・レコード以外にも、主に音楽関係の書籍、Tシャツやジーンズや小物などのファッション関係、CDラックやDJ用品などを幅広く扱っている。

NZ$5(425円)で会員登録ができ、NZ$200(17000円)買うごとにNZ$20(1700円)の割引があるんだけど、短期滞在の人にはあまりメリットはないかな。僕はこの店にほぼ毎週末通っていて、ほとんど二〜三週間に一回の割合でこの割引をもらっている気がするんだけど(買い過ぎ)。

ほとんどの店が5時や6時で閉まってしまうオークランドの街で、夜9時まで(日曜以外)営業しているというのも魅力的。とにかく、どこか一軒ということであれば、迷わずここへどうぞ。


2.The Warehouse
http://www.thewarehouse.co.nz/
The Warehouse.JPG

The Warehouse(倉庫)の名前からもわかるように、ここは日用品から宝石までなんでも扱い、なんでも安売りする大型ディスカウンター。ニュージーランド最大の小売店でもある。ニュージーランド全土に88店あり、そのほとんどが郊外型の大型店。ここに写真を載せたオークランドのダウンタウン店は、その中でもかなり小型の店で、Westfieldショッピングセンターの中に入っている。日本からの観光客なら、大橋巨泉の経営するOKギフトショップと同じ建物といえばわかりやすいかも。

基本的にNZ$30以上という定価はあるものの、売れ筋の新譜はNZ$22.99(1955円)均一。少し古めの定番はNZ$12.99〜NZ$14.99(1100円〜1275円)と、他のCD屋に比べてとにかく安い。更に、ディスカウンターらしく、少しでも売れ残っている在庫はどんどん安い値札が貼られていき、すぐNZ$10(850円)以下になる。しばらく前に再発されたスプリット・エンズのデジパックなんて今やNZ$4.99(425円)均一だもんな。

時には、貼られている値札よりも店のシステムに登録された値段の方が安くなっていることもあり、レジに持って行って二度嬉しいということもしばしば。最近で言えば、クロムさんお勧めのイージービーツの二枚組ベスト盤が、NZ$24.99(2125円)の値札の上からNZ$18.99(1615円)の値札が貼りなおしてあったので、これはお買い得と思ってレジに持って行ったら、実際の値段はNZ$9.99(850円)だったり。

逆に言うと、僕がつい数ヶ月前に同じ店でNZ$27.99(2380円)で買ったスタイル・カウンシルの2枚組『Our Favourite Shop』が、つい先週NZ$18.99(1615円)に下がってるのを見てショックを受けたばかり。まだ一回しか聴いてないのに。というわけで、買うタイミングを見計らう訓練ができる稀有な店でもある。

オークランド空港のすぐ手前にも一軒あるので、レンタカーで空港まで向かう予定だけど少し時間が余ってるという場合にもお勧め。以前僕がブライアン・イーノ&デヴィッド・バーンの『My Life In The Bush Of Ghosts』改訂版をNZ$9.99(850円)で買ったのはこの店。もう売り切れてたけど。


3.Marbecks
http://www.marbecks.co.nz/
Marbecks.JPG

今回取り上げる中では唯一の個人経営店。Queen St.最北部(海に近い方)に位置するQueens Arcade内にある。ポピュラー店とクラシック店が向かい合っているんだけど、僕はクラシック店にはかつてキーシンのCDを買うために一度足を踏み入れただけなので、ポピュラー店についてのみ書くよ。

ここは店長・店員の好みがかなり色濃く出た店で、アメリカやヨーロッパから取り寄せられたマニアックなCDが「○○のお勧め」という手書きPOPと共に壁にディスプレイされている。そういうところは非常に好感が持てるんだけど、いかんせんそういう輸入盤の値段はNZ$40(3400円)以上なのがほとんど。同じものをアマゾンとかから取り寄せたら、半額程度で手に入れることができる昨今、(特にある程度マニアックなものまで既に知っている僕のような客にとって)どれだけ魅力的な店作りを継続していけるかというのは疑問。

そんな僕のような客にとって魅力的なのは、常設されているNZ$9.99(850円)均一、またはNZ$16.95(1440円)均一だけど三枚買えばNZ$45(3825円・一枚あたり1275円)ワゴンの存在。NZ$9.99ワゴンはさすがにちょっと苦しいものが多いけど、NZ$15ワゴン(ここから一枚だけNZ$16.95で買う客はいないので)は、「数ヶ月前に出て大量に仕入れたけど売れ残った」新譜が放出されることが多く、こまめにチェックしていると結構いいものが安く手に入ることが多い。

中には、マニアックな店員がせっかく輸入したものの、長らく売れなかったためにこのNZ$15ワゴン行きというものもあり、僕は最近だとファウストの『IV』やクイーンの日本盤紙ジャケ『Jazz』なんかをNZ$15で手に入れた。あ、ヘンリー・カウの『Unrest』もそうだったな。

歩いて2分の距離にあるThe Warehouseや、同じ通りにできたJB Hi-Fiの安売り攻勢に負けず、末永く続いてほしい店。15ドルCDばかり買ってる奴が言うセリフじゃないかもしれないけど。


4.Sounds
http://www.soundsnz.com/
Sounds.JPG

上の地図のどこを探しても4はないよ。別に間違いじゃない。というのも、かつてはQueen St.に2店あったこのCD・DVD専門チェーン店(ニュージーランド全国に現在36店)も、その2店やNewmarket店など、次から次へと旗艦店を閉店している様子。上にリンクを張ったウェブサイトも現在リノベーション中、ということで、かつてはニュージーランド最大のCDチェーンだったここも、今や風前の灯なんだろう。確かに、常にすぐ近くに出店しているThe Warehouseが売れ筋CDをNZ$22.99で売っていたんでは、ここで同じCDをNZ$34.99とかNZ$29.99で買う人は減っていくのは当然だよね。

ここは全国チェーンながら、時折マニアックなCDを輸入して並べることもあって、しばらく前にフォール・アウト・ボーイの幻の(?)ファーストアルバム『Evening Out With Your Girlfriend』なんてのを買ったな。NZ$29.99(2550円)なんて高値だったけど。

上に写真を載せたのは、僕の家の近所のショッピングモールにある店。買い物がてら久し振りに行ってみたけど、在庫一層⇒閉店準備といった趣で、ちょっと寂しいものがあったね。


5.The CD & DVD Store
http://www.thecdanddvdstore.co.nz/
The CD & DVD Store.JPG

Soundsと並んで、ニュージーランド全国に展開するCD・DVD専門チェーン店。現在32店。オークランド中心部の店は、Queen St.に繋がる歩道だけのVulcan Laneに面した地下一階の店。ここも基本的にはSoundsと同じパターンなんだけど、店員お勧め(「これが好きならこれも聴いてみて」)コーナーなんかがあって好感が持てる。全国チェーンだけど、それぞれの店の特色を持たせてるというか。

とはいえ、申し訳ないけど僕がこの店に価値を見出すのは、NZ$10〜NZ$15(850円〜1275円)ワゴンばかり。最近は唯一CDで持っていなかったスプリングスティーンの『Nebraska』をNZ$10で買ったり、ロイ・オービソンのベスト盤3種類をくっつけた『Best Loved Standards / Golden Days / Super Hits』なんてのもNZ$10で買ったりしたな。って、どんだけ安売りされてる、ロイ・オービソン!

クライストチャーチやウェリントンなど、空港に入っているCDショップは大抵このチェーン。残念ながらオークランド空港店は閉店してしまったけど(オークランド空港にはかつてSoundsも共存)。


6.Borders
http://www.bordersstores.com/
Borders.JPG

アメリカ発の書籍・CD・DVD専門チェーン店。ニュージーランドにはオークランドに2店、ウェリントンとクライストチャーチに1店ずつある。オークランドのメイン店は、Queen St.沿い、Aotea Squareすぐ隣のちょっと古風な建物に入った、地上二階・地下二階(確か)という大きな店。中にはカフェもあり、店内の本や雑誌を持ち込んで読みながらコーヒーを飲むこともできる。

ただここは、基本的にCDは定価販売。上に挙げた枚数を見てもらってもわかるように、僕はここではこの3年半で月に平均して1枚も買っていない。無料の会員登録をしていると毎週メルマガが送られてきて、本やCD・DVDが割引になることがたまにあるんだけど、そういう場合に買うぐらいかな。最近ではライ・クーダーの『My Name Is Buddy』をNZ$16.95(1440円)で買った。

そういう、ちょっとお高くとまった店だったんだけど、すぐ斜向かいに後述のJB Hi-Fiができて、さすがに尻に火がついたようで、最近は新譜はNZ$22.99にしているようだ(そういうものは会員割引無効)。

平日は夜10時、金・土曜は夜12時まで営業しているのが売り。晩御飯を食べ終わって、お茶でも飲んでCDでも試聴するかという場合には使えるかも。

<10月13日追記>
久々にここに足を運んでみたら、なんとトップ20CDがNZ$19.99になっていた。ザ・ウェアハウスやJBハイファイよりも安い。ついに本気になったか、大手企業の大逆襲!



7.JB Hi-Fi
http://www.jbhifi.com.au/
JB Hi-Fi.JPG

上の表の12枚という数字に惑わされてはいけない。この店は今年6月末にオープンしたばかり。ということは、一月当たりの平均枚数に直すと3枚。過去42ヶ月に亘って買い続けている他の店と比べてみると、Real Groovyの10枚にはまだ遠く及ばないものの、Marbecksの2.7枚よりも上、The Warehouseの3.5枚に迫ろうかという勢いだ。

オーストラリアに本社をもつソフトウェア・AV機器チェーン店。このQueen St.店がニュージーランドでの第一号店だ。つい先月、オークランド郊外のショッピングモールに新たに2店をオープンし、更に11月にもう1店オープン予定と、破竹の勢いで展開中。

特筆すべきはその品揃えと値段の安さ。このQueen St.店は小さな店なんだけど、それでもその品揃えの豊富さには目を見張る。Queen St.のほぼ中央という一等地に面していながら、新譜はThe Warehouseと同じくNZ$22.99(1955円)。それ以外にもNZ$6.99(595円)ワゴン、NZ$10(850円)ワゴン、NZ$12.99(1100円)ワゴンなどが、店内に所狭しと並べてある。店の外にはNZ$0.99(85円)ワゴンもあり、僕はそれを撒き餌箱と呼んでいる。

しばらく前に取り上げたラトルズの『Archaeology』や、クロムさんに勧めてもらって買ったアヴェンジャーズの『Electric Recording』も、ここのNZ$6.99ワゴンから掘り出したものだ。

若干ながらアナログレコードも置いてあり、僕は昨日ここでアイアン&ワインの『The Shepherd's Dog』をNZ$30.99(2635円)で買った。LPもReal Groovyより数ドル安い。

まだ開店数ヶ月なのでその真価を発揮しきっていないが、この店の性質からいって、売れないCDはどんどん安売りされていくはずなので、これからが楽しみ。さっきから他のCD屋の説明に何度もこの店の名前を出しているけど、きっと周囲の店にとってはこの店は大変な脅威だと思う。


というわけで、全7軒。本当にオークランドのCDショップを検索してこのブログにたどり着いた人にとっては、過剰なほどの説明になってしまったかも。とは言え、いつも僕の長文を読みなれた人にとっても、知らない街の知らないCD屋特集なんてさぞかし面白くなかっただろうし、一体こんな長文、誰が最後まで読むんだろうとふと不安になった。けどもう書き終わったのでそんな不安は無視してアップするよ。さあどうぞ。


posted by . at 19:50| Comment(36) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。