2007年09月30日

オークランドCDショップガイド

旅行や出張で知らない街に出かけて、ちょっと時間が余ったときには僕はもちろんCD屋やレコード屋を探すんだけど、きっと音楽好きにはそういう人は多いと思う。みやげ物屋よりレコードショップ。ホテルでくつろぐよりもCD堀り。

そういうときには、ホテルのフロントや地元の人にお店の場所を聞いたり、インターネットで検索したりするのが普通かな。日本の場合は「レコードマップ」っていう便利な本も出てるけどね。

ちゃんと調査したわけじゃないし、ここに住んでる日本人のことを全員知ってるわけでもないけど、おそらくニュージーランド在住の日本人で一番沢山CDやレコードを買ってるのは僕だと思う。そこで、オークランドを出張や旅行で訪れる人が、いいCD屋はどこにあるのかなと検索したときにたどり着くと便利な情報ページを作ってみようと思ったんだ。だからさっきから「ニュージーランド」「オークランド」「CDショップ」「CD屋」「レコードショップ」「レコード屋」「レコードマップ」と、いろんな検索ワードにひっかかりそうな書き方をしてるというわけ。英語も入れておいたほうがいいね。「New Zealand」「Auckland」「CD Shop」「Record Shop」「Record Map」、こんなもんでいいかな。

ニュージーランドにある全てのCD屋を網羅するのなんて到底無理だから、ここでは僕がよく利用しているオークランド中心街の店だけについて書くことにするよ。旅行や出張で訪れる人にとっては、オークランドの中心街以外はアクセスが難しいしね。

後で書くCDの標準小売価格の問題で、僕はあまり値引きをしない独立系の小さな店で買うことは少ない。そんな中には店長の趣味がくっきりと出たいい店もあるんだけど、年間数百枚のCDを買うのに、残念ながらそうそう一枚ずつに数千円も出せないからね。

NZ$(ニュージーランドドル)はここ数年かなり変動しているから、いちがいに1ドル何円って言いにくいんだけど、この記事では便宜上最近の平均相場(NZ$1=約85円)で換算しよう。僕がここに来た3年半前はNZ$1=約70円だったから、CDの値段自体はその当時と同じでも、それを円に換算してしまう僕にとっては、それから20%も値上がりしたことになる。

基本的な情報として知っておいたほうがいいのは、ニュージーランドではCDの標準小売価格がNZ$32.99〜NZ$34.99(約2800円〜2975円)もするということ。12.5%の付加価値税を含んでいることもあり、日本や他の国と比べると値段は高め。だから、よっぽど珍しいものや、セール品でもなければ、わざわざここで買って帰るメリットはあまりない。

Auckland Map


これはオークランド中心街の地図。地図上の赤地に白抜き数字が、CDショップの場所。まずは、これら6つ(7つ)の店で僕が過去3年半に何枚のCDやレコードを買ったかを数えてみよう。その順位イコール、僕のお勧めということにもなるからね。なお、ここに載せた殆どの店は支店を持っていて、ここに載せる枚数には、支店で買ったものも含む。

1.Real Groovy (リアル・グルーヴィー)  419枚
2.The Warehouse (ザ・ウェアハウス)  148枚
3.Marbecks (マーベックス)  113枚
4.Sounds (サウンズ)  82枚
5.The CD & DVD Store (ザ・CD&DVD ストア)  41枚
6.Borders (ボーダーズ)  30枚
7.JB Hi-Fi (JB ハイファイ)  12枚


赤地の数字の位置を見ればわかるけど、ほとんどの店がオークランドの目抜き通り、Queen St.(クィーン・ストリート)に面しているので、アクセスは便利。まあ、これを上から下まで歩くと結構な距離ではあるけどね。では、それぞれの店の紹介に入ろう。


1.Real Groovy
http://www.realgroovy.co.nz/
Real Groovy.JPG

ニュージーランドを代表するCD・DVD・レコードショップ。オークランド以外に、ウェリントン、クライストチャーチ、ダニーデンに支店あり。オークランド店は、地図にあるように、Queen St.を海側からどんどん上がっていって(地図では下にあるけど)、Aotea Squareを越えて、Mayoral Driveとの交差点を過ぎたらすぐ左側にある。オレンジ色の看板が目印。

地上階と地下の二階建て。新品は先述の通りNZ$30以上するものが多いけど、中古・新古品が豊富。売れない新譜はどんどん5ドル引き、10ドル引き、20ドル引きのステッカーが貼られ、新品・中古両方のコーナーでNZ$10〜NZ$21.95(850円〜1865円)で、そこそこの品質のものが見つけられる。後述のJB Hi-Fiがオープンしてからは、危機感からかセールを続けていて、膨大な量の捨て値CD(当初は一枚均一NZ$8(680円)だったが、今日行ったら一枚NZ$3(255円)にまで値下がりしていた)のワゴンは掘り応え充分。気力と体力さえあれば、ここで丸一日過ごせる。

シングルCDワゴンも魅力的。大体一枚NZ$1(85円)なので、思う存分ジャケ買いが楽しめる。しばらく前にクックーの「Non Sequitur」をNZ$1で買ったことは書いたっけ。あとはTelevision Personalitiesの「Far Away & Lost In Joy」4曲入りシングルなんてのもNZ$1で見つけたな。

レコードも(ニュージーランドにしては)豊富だけど、新譜はNZ$34.95 〜(2970円〜)と、かなり高め。中古盤の質も、残念ながら日本ほど綺麗なものじゃない。というか、世界中どこ探しても、日本の中古LPほど優れたコンディションのものはないけどね。僕はシアウォーターの『Palo Santo』改訂版LPをここでNZ$39.95(3400円)で買った。結構マイナーなLPも置いてるよ。

CD・DVD・レコード以外にも、主に音楽関係の書籍、Tシャツやジーンズや小物などのファッション関係、CDラックやDJ用品などを幅広く扱っている。

NZ$5(425円)で会員登録ができ、NZ$200(17000円)買うごとにNZ$20(1700円)の割引があるんだけど、短期滞在の人にはあまりメリットはないかな。僕はこの店にほぼ毎週末通っていて、ほとんど二〜三週間に一回の割合でこの割引をもらっている気がするんだけど(買い過ぎ)。

ほとんどの店が5時や6時で閉まってしまうオークランドの街で、夜9時まで(日曜以外)営業しているというのも魅力的。とにかく、どこか一軒ということであれば、迷わずここへどうぞ。


2.The Warehouse
http://www.thewarehouse.co.nz/
The Warehouse.JPG

The Warehouse(倉庫)の名前からもわかるように、ここは日用品から宝石までなんでも扱い、なんでも安売りする大型ディスカウンター。ニュージーランド最大の小売店でもある。ニュージーランド全土に88店あり、そのほとんどが郊外型の大型店。ここに写真を載せたオークランドのダウンタウン店は、その中でもかなり小型の店で、Westfieldショッピングセンターの中に入っている。日本からの観光客なら、大橋巨泉の経営するOKギフトショップと同じ建物といえばわかりやすいかも。

基本的にNZ$30以上という定価はあるものの、売れ筋の新譜はNZ$22.99(1955円)均一。少し古めの定番はNZ$12.99〜NZ$14.99(1100円〜1275円)と、他のCD屋に比べてとにかく安い。更に、ディスカウンターらしく、少しでも売れ残っている在庫はどんどん安い値札が貼られていき、すぐNZ$10(850円)以下になる。しばらく前に再発されたスプリット・エンズのデジパックなんて今やNZ$4.99(425円)均一だもんな。

時には、貼られている値札よりも店のシステムに登録された値段の方が安くなっていることもあり、レジに持って行って二度嬉しいということもしばしば。最近で言えば、クロムさんお勧めのイージービーツの二枚組ベスト盤が、NZ$24.99(2125円)の値札の上からNZ$18.99(1615円)の値札が貼りなおしてあったので、これはお買い得と思ってレジに持って行ったら、実際の値段はNZ$9.99(850円)だったり。

逆に言うと、僕がつい数ヶ月前に同じ店でNZ$27.99(2380円)で買ったスタイル・カウンシルの2枚組『Our Favourite Shop』が、つい先週NZ$18.99(1615円)に下がってるのを見てショックを受けたばかり。まだ一回しか聴いてないのに。というわけで、買うタイミングを見計らう訓練ができる稀有な店でもある。

オークランド空港のすぐ手前にも一軒あるので、レンタカーで空港まで向かう予定だけど少し時間が余ってるという場合にもお勧め。以前僕がブライアン・イーノ&デヴィッド・バーンの『My Life In The Bush Of Ghosts』改訂版をNZ$9.99(850円)で買ったのはこの店。もう売り切れてたけど。


3.Marbecks
http://www.marbecks.co.nz/
Marbecks.JPG

今回取り上げる中では唯一の個人経営店。Queen St.最北部(海に近い方)に位置するQueens Arcade内にある。ポピュラー店とクラシック店が向かい合っているんだけど、僕はクラシック店にはかつてキーシンのCDを買うために一度足を踏み入れただけなので、ポピュラー店についてのみ書くよ。

ここは店長・店員の好みがかなり色濃く出た店で、アメリカやヨーロッパから取り寄せられたマニアックなCDが「○○のお勧め」という手書きPOPと共に壁にディスプレイされている。そういうところは非常に好感が持てるんだけど、いかんせんそういう輸入盤の値段はNZ$40(3400円)以上なのがほとんど。同じものをアマゾンとかから取り寄せたら、半額程度で手に入れることができる昨今、(特にある程度マニアックなものまで既に知っている僕のような客にとって)どれだけ魅力的な店作りを継続していけるかというのは疑問。

そんな僕のような客にとって魅力的なのは、常設されているNZ$9.99(850円)均一、またはNZ$16.95(1440円)均一だけど三枚買えばNZ$45(3825円・一枚あたり1275円)ワゴンの存在。NZ$9.99ワゴンはさすがにちょっと苦しいものが多いけど、NZ$15ワゴン(ここから一枚だけNZ$16.95で買う客はいないので)は、「数ヶ月前に出て大量に仕入れたけど売れ残った」新譜が放出されることが多く、こまめにチェックしていると結構いいものが安く手に入ることが多い。

中には、マニアックな店員がせっかく輸入したものの、長らく売れなかったためにこのNZ$15ワゴン行きというものもあり、僕は最近だとファウストの『IV』やクイーンの日本盤紙ジャケ『Jazz』なんかをNZ$15で手に入れた。あ、ヘンリー・カウの『Unrest』もそうだったな。

歩いて2分の距離にあるThe Warehouseや、同じ通りにできたJB Hi-Fiの安売り攻勢に負けず、末永く続いてほしい店。15ドルCDばかり買ってる奴が言うセリフじゃないかもしれないけど。


4.Sounds
http://www.soundsnz.com/
Sounds.JPG

上の地図のどこを探しても4はないよ。別に間違いじゃない。というのも、かつてはQueen St.に2店あったこのCD・DVD専門チェーン店(ニュージーランド全国に現在36店)も、その2店やNewmarket店など、次から次へと旗艦店を閉店している様子。上にリンクを張ったウェブサイトも現在リノベーション中、ということで、かつてはニュージーランド最大のCDチェーンだったここも、今や風前の灯なんだろう。確かに、常にすぐ近くに出店しているThe Warehouseが売れ筋CDをNZ$22.99で売っていたんでは、ここで同じCDをNZ$34.99とかNZ$29.99で買う人は減っていくのは当然だよね。

ここは全国チェーンながら、時折マニアックなCDを輸入して並べることもあって、しばらく前にフォール・アウト・ボーイの幻の(?)ファーストアルバム『Evening Out With Your Girlfriend』なんてのを買ったな。NZ$29.99(2550円)なんて高値だったけど。

上に写真を載せたのは、僕の家の近所のショッピングモールにある店。買い物がてら久し振りに行ってみたけど、在庫一層⇒閉店準備といった趣で、ちょっと寂しいものがあったね。


5.The CD & DVD Store
http://www.thecdanddvdstore.co.nz/
The CD & DVD Store.JPG

Soundsと並んで、ニュージーランド全国に展開するCD・DVD専門チェーン店。現在32店。オークランド中心部の店は、Queen St.に繋がる歩道だけのVulcan Laneに面した地下一階の店。ここも基本的にはSoundsと同じパターンなんだけど、店員お勧め(「これが好きならこれも聴いてみて」)コーナーなんかがあって好感が持てる。全国チェーンだけど、それぞれの店の特色を持たせてるというか。

とはいえ、申し訳ないけど僕がこの店に価値を見出すのは、NZ$10〜NZ$15(850円〜1275円)ワゴンばかり。最近は唯一CDで持っていなかったスプリングスティーンの『Nebraska』をNZ$10で買ったり、ロイ・オービソンのベスト盤3種類をくっつけた『Best Loved Standards / Golden Days / Super Hits』なんてのもNZ$10で買ったりしたな。って、どんだけ安売りされてる、ロイ・オービソン!

クライストチャーチやウェリントンなど、空港に入っているCDショップは大抵このチェーン。残念ながらオークランド空港店は閉店してしまったけど(オークランド空港にはかつてSoundsも共存)。


6.Borders
http://www.bordersstores.com/
Borders.JPG

アメリカ発の書籍・CD・DVD専門チェーン店。ニュージーランドにはオークランドに2店、ウェリントンとクライストチャーチに1店ずつある。オークランドのメイン店は、Queen St.沿い、Aotea Squareすぐ隣のちょっと古風な建物に入った、地上二階・地下二階(確か)という大きな店。中にはカフェもあり、店内の本や雑誌を持ち込んで読みながらコーヒーを飲むこともできる。

ただここは、基本的にCDは定価販売。上に挙げた枚数を見てもらってもわかるように、僕はここではこの3年半で月に平均して1枚も買っていない。無料の会員登録をしていると毎週メルマガが送られてきて、本やCD・DVDが割引になることがたまにあるんだけど、そういう場合に買うぐらいかな。最近ではライ・クーダーの『My Name Is Buddy』をNZ$16.95(1440円)で買った。

そういう、ちょっとお高くとまった店だったんだけど、すぐ斜向かいに後述のJB Hi-Fiができて、さすがに尻に火がついたようで、最近は新譜はNZ$22.99にしているようだ(そういうものは会員割引無効)。

平日は夜10時、金・土曜は夜12時まで営業しているのが売り。晩御飯を食べ終わって、お茶でも飲んでCDでも試聴するかという場合には使えるかも。

<10月13日追記>
久々にここに足を運んでみたら、なんとトップ20CDがNZ$19.99になっていた。ザ・ウェアハウスやJBハイファイよりも安い。ついに本気になったか、大手企業の大逆襲!



7.JB Hi-Fi
http://www.jbhifi.com.au/
JB Hi-Fi.JPG

上の表の12枚という数字に惑わされてはいけない。この店は今年6月末にオープンしたばかり。ということは、一月当たりの平均枚数に直すと3枚。過去42ヶ月に亘って買い続けている他の店と比べてみると、Real Groovyの10枚にはまだ遠く及ばないものの、Marbecksの2.7枚よりも上、The Warehouseの3.5枚に迫ろうかという勢いだ。

オーストラリアに本社をもつソフトウェア・AV機器チェーン店。このQueen St.店がニュージーランドでの第一号店だ。つい先月、オークランド郊外のショッピングモールに新たに2店をオープンし、更に11月にもう1店オープン予定と、破竹の勢いで展開中。

特筆すべきはその品揃えと値段の安さ。このQueen St.店は小さな店なんだけど、それでもその品揃えの豊富さには目を見張る。Queen St.のほぼ中央という一等地に面していながら、新譜はThe Warehouseと同じくNZ$22.99(1955円)。それ以外にもNZ$6.99(595円)ワゴン、NZ$10(850円)ワゴン、NZ$12.99(1100円)ワゴンなどが、店内に所狭しと並べてある。店の外にはNZ$0.99(85円)ワゴンもあり、僕はそれを撒き餌箱と呼んでいる。

しばらく前に取り上げたラトルズの『Archaeology』や、クロムさんに勧めてもらって買ったアヴェンジャーズの『Electric Recording』も、ここのNZ$6.99ワゴンから掘り出したものだ。

若干ながらアナログレコードも置いてあり、僕は昨日ここでアイアン&ワインの『The Shepherd's Dog』をNZ$30.99(2635円)で買った。LPもReal Groovyより数ドル安い。

まだ開店数ヶ月なのでその真価を発揮しきっていないが、この店の性質からいって、売れないCDはどんどん安売りされていくはずなので、これからが楽しみ。さっきから他のCD屋の説明に何度もこの店の名前を出しているけど、きっと周囲の店にとってはこの店は大変な脅威だと思う。


というわけで、全7軒。本当にオークランドのCDショップを検索してこのブログにたどり着いた人にとっては、過剰なほどの説明になってしまったかも。とは言え、いつも僕の長文を読みなれた人にとっても、知らない街の知らないCD屋特集なんてさぞかし面白くなかっただろうし、一体こんな長文、誰が最後まで読むんだろうとふと不安になった。けどもう書き終わったのでそんな不安は無視してアップするよ。さあどうぞ。
posted by . at 19:50| Comment(36) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

郷愁 Midlake 「The Trial Of Van Occupanther」 & 「Milkmaid Grand Army EP」

僕が意識して洋楽を聴くようになったのは、1980年頃のこと。だから、70年代の洋楽はほぼ全て後追いで聴いたということになる。それなのに、70年代初期に作られたある種のアメリカのロックを聴くと、無性に郷愁の念にかられてしまうことがある。

例えばCS&Nの「Helplessly Hoping」や「Guinnevere」、アメリカの「I Need You」、ニール・ヤングの「I Believe In You」、マナサスの「So Begins The Task」、等々。なんだろう。洋楽のかかるラジオ番組を聴いていたわけでもなく、レコード屋に通っていたわけでもないその当時の僕が、たとえ無意識にでもそういう曲をリアルタイムで聴いていたなんてことはまずないと思うんだけど、そういう曲を聴くと思い出すのは、まさに70年代初頭に自分がいた風景。もしかするとそれは、そういった曲が、僕だけでなく誰もが郷愁を誘うような雰囲気やメロディーを持っているのかもしれないね。

The Trial Of Van Occupanther.jpg Midlake 『The Trial Of Van Occupanther』

04年にアルバムデビューを果たしたばかりのミッドレイクの、昨年出たこの『The Trial Of Van Occupanther』というアルバムは、今ここに挙げたような70年代初頭の曲の数々と同じ雰囲気とメロディーを持っている。こんな、きっと70年代初頭にはまだ生まれてもいなかったような人たちが作ったアルバムなのに。

ティム・スミスを中心としたテキサス出身の5人組。元は同じ大学でジャズを演奏していた人たちらしく、アコースティック主体の演奏技術はかなりしっかりしている。5人ともが多彩な楽器を演奏していて、例えばティムの担当はヴォーカル、ピアノ、キーボード、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、フルート。そういえばいくつかの曲でフルートの音が効果的に使われているのに気づく。(一応)ベース担当のポール・アレクサンダーの担当楽器表にはバスーンなんてのも。これはちょっとどこに入ってるのかちょっと聴き取れていないけど。それに加えて数曲で二人のゲスト・プレイヤーがフレンチホルンとヴァイオリンを演奏。

先に挙げた70年代のバンドを知らない人は、この楽器紹介で、ある程度どんな感じの音なのか想像がつくだろうか。というか、それらの70年代のアルバムにフレンチホルンやフルートが使われていたなんて思えないけどね。そういう意味では、単に70年代風の焼き直しではなく、この人たちならではのユニークな音ではある。

アコースティック主体なんて書いたけど、もちろんエレキギターもふんだんに使われていて、たとえば1曲目「Roscoe」での、この上なく切ない歌メロに(少しニール・ヤングを思わせる)ざらざらした触感の歪んだギターの音が被さってくるところなんて、ちょっとやるせない気持ちになってしまう。

歌詞についても触れておこう。4曲目「Van Occupanther」に出てくるヴァン・オキュパンサーという人物についての物語、というわけでもないんだけど、それぞれの曲の歌詞の内容が少しずつ関連しているようにも思える。アルバムタイトルのTrialをどう訳すかが微妙だけど、「ヴァン・オキュパンサーの苦難」といった感じなのかな。

曲から曲へと、不思議な雰囲気の歌詞が続く。石工、山の住民たち、1891年生まれのロスコー、山賊、リヴァイアサンを読む女、ヴァン・オキュパンサー、狩人、などなど。この奇妙なジャケット写真ともあいまって、僕は村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる、森に囲まれたあの不思議な街のことを思い出す。そういえば前にも何かのアルバムを説明するときに同じ本を持ち出したことがあるね。イメージの蓄積が貧困なもので。


去年あちこちで話題になったこのアルバムを何故今頃になって取り上げたかというと、このアルバムのヒットに便乗して、“幻の”デビューEPが再発されたのを最近入手したから。

Milkmaid Grand Army EP.jpg Midlake 『Milkmaid Grand Army EP』

なんでもこのCD、01年にテキサスのライヴ会場のみで1000枚を売り上げ、その後ずっと廃盤になっていたとのこと。そしてこれを、コクトー・トゥインズのべーシスト、サイモン・レイモンド(僕はこのグループのうち、彼の名前だけ知らなかったんだけど)が気に入って、彼のレーベルからデビューアルバムを出すきっかけになったという話。

『Van Occupanther』と比べると、当然完成度は高くない。持ち前の翳りのあるメロディーは既に随所に聴かれるけれど、目を見張るほどの曲はまだない。わざとだろうけど、古いラジオで聴いているかのようなくぐもった音質になっていて、それはそれで妙に懐古的な雰囲気がある。でも、まだ正式にデビューもしていないグループの自主制作CDがこのクオリティーなら、これは1000枚があっという間にはけるのもわかる気がするよ。

その音質のせいもあるけど、この『Milkmaid Grand Army』から『Van Occupanther』へと続けて聴くと、霧の立ち込めた森の奥深くから急に視界が開けた山の頂上に出たような気持ちになる。やっぱり、『Van Occupanther』の(一聴70年代風の)音作りは大したものだ。そう思って、このアルバムのプロデューサーは誰なんだろうとクレジットを見てみたら、なんとティム・スミス自身(+グループ全員という書き方)。ああ、やっぱり凄いね、この人。自分で曲も歌詞も書いて、こんなクオリティーのアルバムを自分でプロデュースできるんだから。

彼らの去年のライヴを丸ごと収録したビデオを見つけた。60分以上もあるんでまだ全部は観てないんだけど、坊主頭(ハゲじゃないよ)にヒゲ面のティム君、なんだかえらく親しみの持てる風貌してるよ。これ読んで興味のわいた人は、このビデオの9曲目「Roscoe」か11曲目「Head Home」だけでも観てみて。




ところで僕の買った『Van Occupanther』日本盤は、オリジナルに3曲のボーナストラックが入ったもの。さすがV2ジャパン、コンスタントにいい仕事をしてくれるね。ところが、こっちで流通しているオーストラリア/NZ盤は、オリジナル盤に5曲入りのボーナスディスクが付いた2枚組。ボートラの多いそっちに買い換えようかと思ったら、日本盤ボートラのうち2曲はNZ盤には入ってないときた。これじゃNZ盤を買っても日本盤を手放すわけにはいかない。しかも、ダブってないNZ盤の4曲のうち2曲は『Milkmaid Grand Army』から。ということは、NZ盤正規料金(3千円弱!)を払って2枚組『Van Occupanther』を買っても、新たに手に入るのは2曲だけ。これはちょっとさすがの僕も躊躇してしまうよ…
posted by . at 21:39| Comment(21) | TrackBack(1) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月15日

空気の穴

去年の冬、夏の国に行って、P-SHARAN STD-35を購入しました。キットのピンホールカメラです。紙で出来たこのカメラで何かつかまえてきます。

ということで、そのとき一緒に買いに行った友達と、何かいいのが撮れたらブログに載せてお互いの写真を見せ合おうかという話をしていた。その友達は早速それ専用のブログを立ち上げ、いつも楽しい文章と一緒にいろんな変わった写真を載せているのに、僕の方はぼちぼち撮り溜めてはいたものの、なんだかあまり上手く撮れないのに嫌気がさして、そのままにしてしまっていた。

それじゃせっかく数百枚も撮った写真が浮かばれないので、その中から何枚かを載せてみることにした。久し振りの「非音楽的」カテゴリー。あまり大した写真でもないんだけど、せめてオークランドの景色でも楽しんでもらえればいいかと。


Queen St

オークランドの目抜き通り。動いてるものが写らないという特性のピンホールカメラの面白みの一つは、人通りや車通りの激しい道路なんかを撮っても、まるでそこには誰もいないかのように写ってしまうことなんだけど、ここは街一番の目抜き通りなのに普段からあんまり車も走ってないんで、こうして車のない写真を見ても、なんだかいつもどおりの風景でつまらない。

中央に写っているタウンホールの古風な感じと、その右に連なる近代的な建物、こういうミックスがオークランドっぽいかな。タウンホールの左に頭を出しているのが、南半球一高いスカイタワー。



Tower on the wall

さっきの近代的な建物に映るスカイタワー。これ結構近くから撮ったんだけど、ピンホールってもの凄く広角だから、建物全部に手前の駐車場まで入った。



Paintings on the street

道端の倉庫みたいなのに絵が描いてある。こういうのが道に沿ってずっとあるんだけど、ちゃんと影も描いてあって、ちょっと遠くから見ると本当にそこに人がいるみたいに見えるよ。



Real Groovy

いつも贔屓にしているレコ屋。後になって、僕のオークランドの思い出というと、やっぱりここが真っ先に頭に浮かぶんだろうな。この写真は前を通る車がうまく消えてるね。



Escalator

別のCD屋の建物に入ってエスカレーターの写真を撮ったら、こんな未来の基地みたいな不思議な色になった。



???

未来の基地みたいといえば、こういうのもあった。さて、これは何の写真でしょう?



CBD from east

ちょっと街を離れてうちの方へ戻ろう。これは僕の家から車でちょっと走ったところにある公園。遠くに市街地が見える。タワー見えるかな?



Abandoned car

どこかの家にずっと置いてある、壊れた車。ニュージーランドは日本の中古車輸出相手国としては世界最大(豆知識)。これはホンダ?



View from the rooftop

うちの屋上に上って撮った写真。オークランドは火山の隆起でできた場所だからかなり起伏が激しいんだけど、高い山がないから、遠くまで見渡せるよ。一番右には給水塔が見える。



Breeze

最後はこれ。なんてことない写真かもしれないけど、夏の風でゆれる木が涼しげで、僕のお気に入り。
posted by . at 12:22| Comment(18) | TrackBack(1) | 非音楽的 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

透明感のあるグレー Broken Flight 「On Wings, Under Waves」

The English translation will follow the Japanese text.

あれは何日か前のこと。僕は雨の中を運転していた。静かな渋滞の朝。土砂降りというわけじゃなかったけれど、昨晩からずっと振り続けていた雨。空はなんとなく明るいんだけど、雲が切れる気配はない。見渡す限りの白い空に、幾重にも折り重なる灰色の雲。ほとんど白と見分けのつかないような薄い灰色から、そこから雨が落ちてくるのが見て取れるような真っ黒な雲まで。そういえば普段わざわざ見上げることもなくなっていたけど、曇り空って、こんなにいろんな色でできてるんだってことに、ふと気づいた。

カーステレオから流れていたのはこのCD。けっしてドライビング・ミュージックといった類の音楽ではないんだけど、最近手に入れてからここしばらく続けて聴いている。そして、この瞬間、この気だるい灰色の朝の風景にこの音がとても合うことにも、僕は気づいた。冬の雨の日の音楽。一色一色を言葉で表すことはできないけど、数え切れないほどの種類の灰色で彩られた、でも、そのベースは向こう側にある太陽の存在がわかるような透明感のあるグレーでできている、そんな感触の静かな音。


On Wings, Under Waves.gif Broken Flight 『On Wings, Under Waves』

前回の記事にちらっと書いた、タマス・ウェルズがインタビューで自分の好きな音楽としてホセ・ゴンザレスと共に名前を挙げていたのが、このブロークン・フライトというメルボルンのバンド。

静かに爪弾かれるアコースティックギター、そこに一音ずつ音を確かめるかのように重ねられるピアノ、穏やかな声とハーモニー。そんな感じの「In Patterns」でアルバムは幕を開ける。え、まるでタマス・ウェルズのアルバム紹介のようだって?そうだね、さすがに彼がお気に入りに挙げるだけあって、音の感触はタマス・ウェルズのそれにとても似ているかもしれない。この05年のアルバムのプロデューサーは、ネイサン・コリンズ。どこかで聞いた名前だと思ったら、タマス・ウェルズの『A Plea En Vendredi』のプロデューサー、というか、タマス・ウェルズ(個人でなくバンドとして)のドラマーじゃないか。

サティの「Gymnopedie」を下敷きにしたと思しきイントロを持った2曲目「August」でのフレンチホルンや、6曲目「The Old Man And The City」でのホーナーのメロディカ(日本では一般的にヤマハのピアニカとして有名な楽器。アルバムのブックレットにはホーナーとしか書いてないけど、このアルバムのどこにもハーモニカらしき音は入ってないので、それは多分この曲でこのノスタルジックな音を奏でている楽器のことだろう)などの一風変わった楽器が使われているのが印象的。アルバム全体を通じて薄い灰色のギターとリズム楽器が淡々と演奏される中、あちこちでアクセントをつけるように(でも、あくまでも同じ系統の色合いで)そういう音が重ねられているところが、冒頭に書いた様々な灰色の混じった空のイメージを僕に与えるのかもしれない。

3曲目「In The Woods」とアルバムを締めくくる「A Strange Love」の2曲がインストゥルメンタルなんだけど、どちらもとてもシンプルなメロディーを何度も反復しながら、いろんな楽器やコーラスが幾重にも折り重なって入ってきては出て行くといった構成の曲。前者が7分強、後者に至っては9分を越える長尺で、聴いていると感覚が麻痺してくる感じが実に心地良い。音楽性は全く違うけれど、例えばヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Sister Ray」を17分かけて聴き終えたときのあの感覚、のコンパクト版。

上に載せたジャケットの写真をクリックして拡大してよく見てもらえばわかると思うけど、このCDケース兼ブックレットの作りは一風変わっている。白い紙を何枚も無造作に重ねたものが糸で綴じられていて、背表紙の部分で一緒に綴じられている赤い糸を何重にもぐるぐると巻いて、全体を閉じるようになっている。ブックレットの最後のページにあたる部分が折り紙のように折り畳まれていて、そこにCDを差し込む形。素朴なモノクロのイラストとも相まって、ちょっとした芸術作品を手に入れたようで嬉しい。表紙とか一部のページに和紙を使っても綺麗だったかもしれないね。ただ、やっぱり糸を巻いたり解いたりして何度も出し入れするのはちょっと不便だし、もう既に何度も出し入れしたせいか僕のは白い糸で綴られている上の部分がちょっと破れてきたので、CDの盤自体は別のケースに収納することにした。

On Wings, Under Waves.jpg


03年に出た4曲入りEP『Ray Of Youth』も同時に入手した。05年の『On Wings, Under Waves』でのブロークン・フライト:クリス・リンチ(ギター&ヴォーカル)、ピート・ボイド(ギター&エフェクト)、ニコル・ハーヴィー(フレンチホルン)、ランス・ヴァン・マーネン(チェロ、ピアノ、オルガン、グロッケンシュピール、メロディカ…すごいね、この人)のうち、最初の二人だけがこの当時の正式メンバー。ドラムを叩いてるのは『On Wings』同様ネイサン・コリンズだけど、プロデュースはマーク・ラングという人。

Ray Of Youth.gif Broken Flight 『Ray Of Youth』

より完成された『On Wings』に比べると、曲のメロディーがちょっと単調かな、という感じ。まあ、タマス・ウェルズにしても、日本盤の『A Mark On The Pane』に収録された初期のEPの音源を聞くと、後のアルバムの完成度からは程遠いんだから、これは仕方ないだろう。それに、こんなシンプルな音楽でも、プロデューサーが違うとこんなに音のイメージが違ってくるのかと思わせられる。『On Wings』が僕が上に書いたモノトーンの層を成した曇り空だとしたら、この『Ray Of Youth』は、このジャケ写のイメージどおりの、ちょっと曇り気味の青空にすぎない、という感じだろうか。綺麗なんだけど、少し深みが足りないかな。

面白いのは、この『Ray Of Youth』には「July」という曲が入っていて、『On Wings』には前述の通り「August」という曲が入っていること。きっと次のアルバムには、「September」という曲が収録されるかな。ところで、「August」の歌詞には「いちばん寒い日/葉っぱは全部落ちてしまう」という箇所がある。ああ、そうだよね、メルボルンのバンドだった。

どちらも自主制作のCDだから、どこででも手に入るというわけじゃない。僕が調べた限りでは、ネット上での情報も非常に限られている。もしこれを読んで興味がわいた人がいれば、彼らのマイスペース(http://www.myspace.com/brokenflightband)で数曲試聴可能だし、上のジャケ写の横のタイトルをクリックしてもらえば、CDの入手方法が書いてあるページにたどり着くよ。

あまりタマス・ウェルズに関連付けて紹介するのはよくないのかもしれない。音楽的には似通ってるとはいえ、それぞれが書くメロディーの質感はかなり違うし、あのタマスの「天使の声」と同じものを期待してしまうと肩透かしをくらうかもしれない(クリスの声も、優しくて味のあるいい声なんだけどね)。それでも、タマス・ウェルズのサードアルバムを待ちきれないという人には、じゃあちょっとこれを聴いてみてもいいんじゃない?って言いたくなるような、地味だけど素敵なアルバム。




Transparent grey - Broken Flight 「On Wings, Under Waves」

It was a couple of days ago. I was driving in the rain. A quiet morning in the congested traffic. It wasn't pouring at all, but the rain hasn't stopped since the night before. The sky was somehow light, but it didn't seem like the cloud would go away so soon. In the endless white sky, there were layers of grey coloured clouds. Some pale clouds that you would call it white. Other part of the sky was covered by the black cloud where you would see the raindrops actually fall from. I haven't looked at the cloudy sky for a long time, but I realized there were so many colours out there.

The car stereo was playing this CD. It was not a kind of "driving music", but since I've got it recently, it's been among the top of my playlist. And at that moment, I've also realized this music really fit the lazy grey morning. A music for the winter morning rain. A quiet sort of sound made of transparent grey that you can feel the existence of the sun over there, but layered by the countless numbers of greys, which you can't name each of its colours.


Broken Flight On Wings, Under Waves.gif Broken Flight 『On Wings, Under Waves』

As I touched a little in my last article, Tamas Wells listed this Melbournian band as his favourite, together with Jose Gonzalez.

Acoustic guitars strummed gently. Piano notes put over it carefully, as if it's checking its own position on the score. Tranquil voice and harmony. The album opener In Patterns starts like that. Well, you'd think I'm talking about Tamas Wells' album? Indeed, their sound might resemble each other. No wonder Tamas listed this as his favourite. This 2005 album was produced by Nathan Collins. Hmm, I've heard this name before...well, he was also the producer for Tamas Wells' "A Plea En Vendredi". Or you can say he is the drummer of Tamas Wells (as the band not the individual).

It is impressive that some interesting musical instruments are used in this album such as; French horn in August (its intro reminds me of Satie's "Gymnopedie"), or Hohner's melodica in The Old Man And The City (this instrument is more popularly known as Pianica by Yamaha in Japan. The album's booklet says only Hohner but I can't hear the sound of harmonica anywhere. So I assume this nostalgic sound in this song must be from melodica). Probably the grey sky image that I had was generated from the pale greyish acoustic guitar & rhythm sections all through the album, accented by the layers of the sound from such unique instruments in the same tone of colours.

Two numbers, In The Woods and the album closer A Strange Love are instrumental. Both structured by the simple melodies repeated over and over again, with various instruments and chorus in and out at times. The former tune is 7 minutes plus. The latter is over 9 minutes. Listening to them makes me feel paralyzed, and it feels good. I would say, although it sounds completely different, it's the same feeling you get after listening to 17 minutes-long Sister Ray by The Velvet Underground. Well, the compact versions, these are.

If you click on the CD cover photo above and look closer, you may find the make of the booklet (cum CD case) is somehow very unique one. Some white papers casually tied and stitched at the back. One long red thread also stitched at the centre would bind the whole booklet. The last page of the booklet is folded like an origami, and you put CD in its slit. The simple black and white illustrations add the cool atmosphere, and it makes you feel good to have such a nice piece of art. Perhaps if they'd use Japanese traditional paper as the cover or inside pages then it would be cooler. However, it's not the most convenient way of taking CD out and put it in again by handling the thread. And maybe because I've been doing so quite often, the top of the perforated part already started to torn. I decided to put the CD in the normal jewel case and keep this booklet separately.

On Wings, Under Waves.jpg


I've also got a four-song EP issued in 2003, named "Ray Of Youth". Whereas the members of Broken Flight in 2005 were; Chris Lynch (guitar & vocal), Pete Boyd (guitar & effects), Nicole Harvey (french horn), Lance Van Maanen (cello, piano, organ, glockenspiel, hohner...what a player!), only the first two were the official members in 2003. Nathan Collins played drums same as "On Wings", but this EP was produced by the other guy called Mark Lang.

Ray Of Youth.gif Broken Flight 『Ray Of Youth』

Compared with "On Wings" which was brought closer to the perfection, this album is a bit weak, with rather monotonous melodies. Well, the early EP tracks of Tamas Wells you can now listen to on the Japanese edition of "A Mark On The Pane" are also incomplete compared with the later album tracks. What more would you expect from the debut EPs? It's curious that the different producers makes such different sounds, even with such a simple kind of music. If the sound of "On Wings" is the layer of various monotonous grey clouds as I described above, I dare say the sound of "Ray Of Youth" is a simple blue sky with a bit of white clouds, just like the one on this cover. It's beautiful, but not as deep as more professionally produced "On Wings".

It's interesting to know there's a song called July in "Ray Of Youth" and another one called August in "On Wings". I guess there may be a song called September in the coming album. By the way, there's a line in August goes like this; In the coldest days / The leaves will fall all the way. Ah, yeah, the Melbournians!

Both CDs are from the independent label and hard to find in the normal CD shops. As far as I've checked, their info on the web is very limited too. If you are interested in this band by reading this article, go to their My Space (http://www.myspace.com/brokenflightband ) and you can listen to some of their tunes. Or click on the CD titles above and you reach to the page where you'll know how to purchase them.

It may not be a best idea to correlate Broken Flight to Tamas Wells too much. Although the sound taste resembles each other, Tamas & Chris write quite different melodies. And moreover, you can't expect the "Angelic voice" from this CD (though I dare say Chris' voice is also gentle and tasteful). But I would still recommend this album to anyone who can't help waiting for Tamas Wells' third album. Modest, but a lovely album.
posted by . at 21:15| Comment(35) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする