2007年03月01日

そそるジャケ特集 第二回 Peter Saville

レコードやCDのジャケットを中心にデザインしているアーティストは何人もいるけれど、そのジャケに包まれた肝心の音楽性に関係なく、その人がデザインしたジャケットのレコードだからという理由で買ってもらえるような人も中にはいる。ピンク・フロイドやレッド・ゼッペリンのジャケット・デザインで有名なヒプノシスなどはその代表格だろう。彼ら(ヒプノシスはデザイナーグループの名)の作ったジャケットを集めた本や雑誌も数多く存在し、もちろん僕もそういうのを一冊持っていて、暇さえあればそれを眺めている。それを見ていて思ったのだが、特にヒプノシス・コレクターでもない僕でさえ、多分彼らのデザインしたLPやCDを数十枚という単位で持っているんじゃないだろうか。もちろんその中には、デザインに惹かれて買ったものもあるはずだ。

ただ、ヒプノシスの優れたデザインセンスはもちろん認めるけれど、僕にとっては一世代前の人たちというイメージも拭いきれない。僕には別に、その人がデザインしたからというだけの理由でCDやレコードを買ってしまう(安く手に入れば、という理由も必要だけど)人がいる。それがピーター・サヴィル。

ファクトリー・レコードの創設メンバーの一人であり、初期ファクトリーの主要レコードの大部分は彼がデザインしている(ファクトリーの主要アーティストのひとつ、ドゥルティ・コラムのレコードは何故か彼のデザインではないのだが)。だから、一般的にはピーター・サヴィルのデザインといえば、ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーのレコードを連想する人が殆どではないだろうか(このブログを定期的に読んでくださっている方々に限定すると、何も連想しない人が殆どだとは思うけれど・笑)。

今日はこのタイトルだけど、第一回のように妙にそそる面白ジャケを集めたものでなく、僕の持っているピーター・サヴィルがデザインしたレコードやCDの特集。とはいえ、持っているものをチェックしてみたら、出てくる出てくる、それこそ数十枚という単位になってしまったし、ニュー・オーダーのジャケばかりをずらっと並べるだけになってしまうので、ここでは、ジャケも好きだし中身もいい、という10枚(10種)を選んでみた。ここから先はあんまり能書きは垂れないで、ジャケ写と簡単な説明だけにするよ。ではどうぞ。


まずは、彼の代表作であり、僕も多分このジャケが一番好きだと思うこれから。

Unknown Pleasures CD Unknown Pleasures LP
ジョイ・ディヴィジョン 「Unknown Pleasures」

今流通しているCDのデザインは左側だけど、やっぱり僕はオリジナルLP(右側)のバランスがいいな。この次に出る「Closer」のジャケはそれほど僕の趣味ではないけど、やっぱり優れたデザインだと思う。内容?説明し出すと長くなるから、80年代以降のブリティッシュ・ロックの最重要アルバムのうちの2枚、とだけ書いておくよ。


ボーカリストのイアン・カーティスの自殺によってジョイ・ディヴィジョンが立ち行かなくなってしまい、残されたメンバーが中心となって継続したグループが、ニュー・オーダー。ピーター・サヴィルのデザインイメージは彼らの一連のジャケに縁るものが大きいだろう。アルバム毎にがらっと変わるデザインの変遷を見て行っても面白いのだが、それをやりだすときりがないので、今日は僕の好きな2種類のデザインを取り上げることにしよう。

Technique Round And Round
ニュー・オーダー 「Technique」 「Round And Round」

「Technique」は、このデザインだけでなく僕が一番好きな彼らのアルバムかもしれない。80年代末期という時代を反映した、クラブ・サウンド(言い代えると、ディスコ・ミュージック 笑)。右側はそのアルバムからのシングル曲。僕の持っている12インチシングルはこのデザインだが、CDシングルをはじめ、微妙に違うデザインも存在する。


ニュー・オーダーをもう一種。

Get Ready
ニュー・オーダー 「Get Ready」

このデザイン自体はそれほど気の利いたものでもないけど(それでも、レコ屋で有象無象の中にあっても圧倒的に目立つけどね)、ここから派生したシングルのデザインが全て同じトーン。中でも、この女の子シリーズの「Crystal」と「60 Miles An Hour」はデザインが複数あるので、見つけるたびに買ってしまう(笑)。

Crystal Crystal 2
ニュー・オーダー 「Crystal」二種

60 Miles An Hour 60 Miles An Hour 2
ニュー・オーダー 「60 Miles An Hour」二種


ちょっとエッチだったかな?まあ大目に見てください。次のはもうちょっとエッチかも。ピーター・サヴィルってもっと無機質なデザインが多いんだけど、この時期やけにこういうのが多かったな。欲求不満だったのかな?(笑)

This Is Hardcore
パルプ 「This Is Hardcore」

パルプはこの前のアルバムが大ヒットして、これはちょっとそのプレッシャーからか、やけに暗かったアルバム。最近この辺の一連のアルバムはスペシャル・エディションが出て、中心人物のジャービス・コッカーもソロアルバムを出したから、もうパルプというバンドは存在しないんだろうね。わりと好きだったのに。


スエードのアルバムを二種。

Head Music Sci-fi Lullabies
スエード 「Head Music」 「Sci-fi Lullabies」

彼らも一発屋かと思いきや、結構長持ちしたいいバンドだったのに、残念ながら解散してしまった。「Head Music」の方はそこからの一連のシングルもこの系統のデザイン。シングルのカップリング曲を集めた右側のアルバムは、あまりピーター・サヴィルらしくないデザイン(彼はデザイン・ダイレクションだけを担当)だけど、僕は好き。


ロキシー・ミュージック後期の傑作二点。

Flesh + Blood Avalon
ロキシー・ミュージック 「Flesh + Blood」 「Avalon」

これらは、実は調べてみるまで彼のデザインだとは知らなかった。言われて見れば、特に「Flesh + Blood」なんて彼らしい端正なレイアウトだと思うけど。これはどちらも名盤。特に「Avalon」は僕は高校生のときに聴きたおしたものだ。


単品を四点ほど。

Strange Boutique
モノクローム・セット 「Strange Boutique」

これは僕が持ってるのは、セカンドアルバムと一緒になったCDなんで、せっかくのこの綺麗なジャケがすごく小さくなってしまってるのが残念。これはLPで買いなおしたいな。後に結構有名になるバンドだけど、このファーストアルバムの頃のエキセントリックな感じはまた別格。


Metro Music
マーサ&マフィンズ 「Metro Music」

カナダ産ニューウェーヴバンド。ジャケも音も大好き。僕はこのファーストアルバムと、ファーストアルバム全曲が含まれたベスト盤(ジャケもこれを流用したもの)の両方を持ってる。2枚続けて聴くと、ファーストアルバムを2回聴くことになる。当たり前だけど。


The Lounge Lizards
ラウンジ・リザーズ 「The Lounge Lizards」

これもピーター・サヴィルだったとはね。ジャケット通りのきりっとした音。フェイク・ジャズの名盤。リーダーのジョン・ルーリーは俳優としても有名。


25 - Stop Me If You Think You've Heard This One Before...
ヴァリアス・アーティスツ 「Stop Me If You Think You've Heard This One Before...」

ラフトレード・レコード25周年記念アルバム。これが出た03年当時にラフトレードに在籍していたアーティストが、25年間の数々の名曲を演奏するという好企画アルバム。まあ、オリジナルを凌ぐものはなかったんだけどね。このシンプルなデザイン自体はピーター・サヴィルの手になるものではないんだけど、彼の事務所が手がけたもの。僕にしてみれば、ファクトリー・レコードのお抱えデザイナーとしてスタートした彼が、当時のライバル(?)会社だったラフトレードのオムニバス盤のデザインをしたというのがなんだか感慨深い。


これを読んで、彼のデザインに興味を持たれた方はいるだろうか。もし、もっと他にも見てみたいと思われるなら、彼のオフィシャルサイトを訪れてもいいし、僕がこの特集をまとめるにあたって参考にした、彼の全作品を網羅したこの凄いサイトを見てもらってもいい。


最後に、ロンドンで彼の個展が開かれた際のサントラとして、ニュー・オーダーが録りおろしたCDを紹介しよう。30分一曲入りのこのCD、全編インストだけどニュー・オーダーっぽいメロディと音色が満載で、聴いていて飽きない。残念ながら個展会場でしか売っていなかったので一般には流通していないが、オークションサイトでたまに見かけるよ。僕もそうして買ったし。皮肉なことに、数あるニュー・オーダーのCDの中で、これだけがピーター・サヴィルのデザインではないんだけど。

The Peter Saville Show
ニュー・オーダー 「The Peter Saville Show Soundtrack」

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