2007年02月25日

yascd007 真夏の午後と冬の夜に Jeb Loy Nichols

一部の常連コメンターさん達のお陰で、一ヶ月前に書いたクックーの記事のコメント欄が異常に盛り上がっている。今時点でもうコメント数が80に達しそうな勢いだ。呪いをかけられたコメンターの方々が次々に入ってきてはコメントを残していってくれているのだが、ただ一人、最初にクックーに対する感想を書いた後は恒例のマイフィールドに持ち込み、あまつさえ最近は一緒に送られてきた別のCDをヘビロテ中ということをわざわざ公言された方がいる。ちょっとそのCDが何なのか聞いてみたら、なんだ、僕がずっと前の記事で名前とジャケだけ出して、そのうちちゃんとした特集記事を書こうと思っていた人じゃないか。このままではコメント欄右側の余白にココアしめじ(©かえでさん)を生やされかねないので、これを機会に特集することにしよう。にんじんさん、そのお気に入りCDのコメントはこっちの記事に書いて、クックーのところにはちゃんとクックーの話を書くんですよ、わかりましたね。

前置きが長くなった(いつものことだけど)。今日取り上げるのは、ジェブ・ロイ・ニコルズ。アメリカ人だが、現在はウェールズ在住のシンガー・ソングライターだ。僕の持っている彼のCDを元に、まだ公式のベストアルバムが出ていない(しかも初期のアルバムは現在入手困難な)彼の経歴を追いながら、入門編yascdという形で記事にしてみよう。


ワイオミングに生まれ、ミズーリ、テキサスとアメリカ中部を転々とした少年時代に彼が聴いていた音楽は、両親がかけるジャズやブルーグラスの他に、地元のカントリー、ラジオから流れてくるソウルだったらしい。僕は彼の生年は調べられなかったのだが、バイオグラフィーから察するに、僕より幾分年上、きっと今40代中盤というところだと思うから、その世代の人が少年時代に聴いていた音楽がそんなものばかりだったなんて、やっぱりアメリカも内陸部になるとほんとに保守的なんだなと思った。

しかし彼は、セックス・ピストルズを聴いてニューヨークに出ることを決心し、そこでネネ・チェリーやスリッツのアリ・アップと出会い、パンク、レゲエ、ダブ、ヒップホップに心酔していくことになる。そして、やがて彼はホワイト・レゲエの聖地、ロンドンに移り住むことになる。

長々と彼の生い立ちを書いたのは、ここに出てきた音楽ジャンルの数々が、彼の音楽性を語るのに必要不可欠だから。彼の、どういうジャンルと紹介すればいいのかわからない音楽を生み出したのは、彼のこうした雑多な音楽的バックグラウンドだったということをまず説明した。

そう、あえて言うなら、レゲエ+カントリー+ソウル。でも、例えばスパイスから調理して何日も煮込んだカレーにどんな種類のスパイスが入っているかを言い当てるのが困難なように、彼の音楽を単純に「これはレゲエ」「これはカントリー」と分けることは難しい。こればかりは聴いてもらわないとうまく感じをつかんでもらえないんじゃないかな。


ロンドンに渡った彼は、妻のロレイン・モーリーを含むメンバーと、フェロウ・トラヴェラーズ(Fellow Travellers)を結成、90年にファーストアルバムを発表する。

No Easy Way
フェロウ・トラヴェラーズ 「No Easy Way」
1.G.T.O.
2.Promise Of A Kiss
3.New York City Tragedy


後の彼のソロアルバムに比べると、かなり簡素で素朴な音。さっき書いた例で言うと、レゲエやカントリーといった素材がまだうまく溶け込んでいない感じがある。でも、このちょっと鼻にかかったレイジーなボーカルとまったりとした曲作りは今の彼に通じるものがあるのがわかる。


92年にはセカンドアルバム、その翌年サードアルバム(これは僕は持っていない)を発表。

Just A Visitor
フェロウ・トラヴェラーズ 「Just A Visitor」
4.Mary, Her Husband, And Tommy Too
5.Seems Like The Whole World


さっきのファーストを始め、彼のアルバムの殆どは彼自身が手がけた版画をジャケット(だけでなく、ブックレットやCD盤のデザインの多くも)に使っているのだが、これはもしかすると少年時代のジェブ・ロイの写真だろうか。


94年にはドイツで1000枚限定のライヴ盤を発表。でもライヴの割りにこれ全然歓声が入ってないんだよね。スタジオライヴということか。

Love Shines Brighter
フェロウ・トラヴェラーズ 「Love Shines Brighter」
6.Your Own Little World
7.Big Mistake


名義はフェロウ・トラヴェラーズだが、ここでのメンバーはジェブ・ロイとロレインの二人だけ(1曲だけゲストのピアノ奏者が参加)。もしかするともうこの時点で他のメンバーとは袂を分かっていたのかも。彼が自分の写真を表ジャケットに使ったのは、今に至るまでこれが最初で最後。


フェロウ・トラヴェラーズとしての最後のアルバムは、95年に出たダブアルバム。その後彼は97年に最初のソロアルバムを出すことになるのだが、ちょっとここでは時期を入れ替えて、フェロウ・トラヴェラーズが属していたオクラ・レコードが、98年に所属アーティストを集めて出したアルバムから1曲選んでみよう。

Okra All-Stars
オクラ・オールスターズ 「The Okra All-Stars」
8.Purple Rain

タイトルから察せられるとおり、プリンスのカバー。しかも、カントリーバージョン(笑)。これは、ゆるいよ。このアルバム自体はもっと真っ当なカントリー曲を集めたものなんだけど、何故かアルバムを締めくくるのがこの曲。3人のメンバーが交代でリードボーカルを取っており、ジェブ・ロイは最後。


前述のとおり、97年には大手キャピトルからファースト・ソロアルバムを発表。

Lovers Knot
ジェブ・ロイ・ニコルズ 「Lovers Knot」
9.As The Rain
10.Sugar Creek
11.Coming Down Again


「As The Rain」が映画「グッド・ウィル・ハンティング」の挿入曲として使われたことが話題となり、このアルバムも一部で注目されるのだが、残念ながらキャピトルのような大手が期待するほどの売上を達成することができず、これ一枚であえなくクビ。でも、このミックスCDをこの順序で聴く人は、ここから明らかに音のふくらみが違うことを実感するだろう。これは、レゲエ・アルバムでも、カントリー・アルバムでも、シンガー・ソングライターが作ったフォークのアルバムでもない。その全てをよくかき混ぜ、長い時間をかけてぐつぐつ煮込んだものだ。


キャピトルから契約を切られた彼は、3年後に再起をかけてラフトレードと契約。00年にセカンドアルバムを発表。

Just What Time It Is
ジェブ・ロイ・ニコルズ 「Just What Time It Is」
12.Perfect Stranger
13.Double Dose Of You
14.Kissing Gate
15.Hold Me Till I Fall


僕はこのアルバムで彼を知った。日本盤が発売されたのもこのアルバムからだ。贔屓目があると思われるかもしれないけれど、僕は断言できる。これは、彼の最高傑作だ。ジャマイカで録音されたこのアルバムの音は、これまでのアルバムとは明らかに違う。繰り返すようだが、ジャマイカで録音したからといって、単純なレゲエアルバムになっているわけではない。

僕はこのアルバムを聴くといつも思い出す風景がある。じっとりと暑い真夏の昼下がり。場所は、どこか南の島だ。沖縄のひなびた離島でもいいし、バリならクタの喧騒を避けてジンバランあたりのビーチで。温度も湿度もかなり高いはずなのだが、天井でゆっくりと廻っている大きな扇風機のおかげで不快ではない。汗ですこし湿った身体の表面が微風で冷やされ、心地よいほどだ。右手にはきりっと冷えた缶ビール(あるいは、子供時代が懐かしくなるような派手な色のトロピカル・カクテル)。デッキチェアに身体を預けて本を読んでいるのだが、もはや内容はあまり頭に入っていない。そんなときに傍らに置いたラジカセから流れているのは、このアルバムのはずだ。

あるいは、凍てつくような冬の夜でもいい。窓の外には木枯らしが吹き荒れているが、部屋の中はとても暖かい(暖炉があるといいね)。両手で覆うように持った大きなマグに入ったココアから立つ湯気が眼鏡を真っ白に曇らせてしまう。一人でもいいんだけど、やっぱりこの情景では大事な人に隣に座っていてほしいね。そして、部屋のスピーカーから聞こえてきているのはやはりこのアルバムだ。

ああ、ちょっと妄想が過ぎたね。とにかく、僕にとってこれは無人島に持っていくべきアルバムの最有力候補の一枚。無人島に冷えたビールや暖炉があることを願おう。


続いて、02年に3枚目のソロアルバムを発表。

Easy Now
ジェブ・ロイ・ニコルズ 「Easy Now」
16.Letter To An Angel
17.They Don't Know
18.Wild Honeycomb


メンバーも、彼自身を含むプロデューサーも前作と同じ。録音場所だけを彼の自宅のあるウェールズに移して製作したアルバム。そのせいか、音から若干熱さが消えているような感じを受ける。とはいえ、これも前作に負けず劣らずの力作であることに間違いはない。曲も粒より。残念ながらこのアルバムが今のところ最後の日本盤になったのだが、今アマゾンを見てみたら、なんとこれまだ流通してるよ。ビデオアーツ、偉いなあ。上にアフィリエイト貼っておこう。まあ、個人的には、こんな旧譜に2400円も払う必要ないとは思うんだけどね(笑)


03年に、ポールスミス・ジーンズとコラボレートして出したEPがある。

October EP
ジェブ・ロイ・ニコルズ 「The October EP」
19.Don't Dance With Me

どういう経緯なのか実は僕はよく知らないのだが、彼がポールスミス・ジーンズのTシャツをデザインし、同時にこのCDをポールスミスのサポートでリリースしたということだろうか。このEPには何種類か色違いがあって、ここに載せたのはアナログシングルの色使い。僕の持っているCDは、薄い茶色の地に濃い茶色の印刷。ちなみにこれが、僕が別途オークションで手に入れたTシャツ。

Paul Smith


今のところの最新アルバムが、05年に出たこれ。このジャケはかつて「そそるジャケ特集」に載せたね。

Now Then
ジェブ・ロイ・ニコルズ 「Now Then」
20.Sometimes Shooting Stars
21.Morning Love
22.Sweet, Tough And Terrible


今度はカントリーの聖地、ナッシュビル録音。とはいえ、またいつものようにカントリー丸出しの音になっているわけではない。プロデューサーはラムチョップ(バンド名です)のマーク・ネヴァース。僕には、曲の出来が「Just What Time It Is」や「Easy Now」ほどではないかな、という気がする。もちろん、その2枚と比べなければ、これだってかなり優れたアルバムなんだけどね。


というわけで、ここに書いたとおりに全22曲を並べると、合計78分45秒。CD-R一枚にぴったりと収まるサイズになる。彼の音楽の変遷(大枠では殆ど変わっていないんだけど)もよくわかるようになっている。でも、こんな素人が作った寄せ集めじゃ、あの統一感はやっぱり出せないね。これはあくまでも入門編で、この人の音楽を本当に味わいたかったら、「Just What Time It Is」を買ってみることをお勧めする。それが見つからなければ「Easy Now」でもOK。僕は、中古CD屋でこれらが安く出ているのを見るたびに買わずにはおれず、全部買い上げては友達に配ることにしている。今回それがおすそ分けの形でにんじんさんに伝わり、それがきっかけで僕がこの記事を書いて、より多くの人に彼のことを知ってもらうことができたのを喜ばしく思う。

にんじんさん、僕の好きなアルバムを気に入ってもらえて嬉しいです。じゃあ今から恒例の全曲解説交換日記に移りましょうか(笑)


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2007年02月17日

気弱君の自伝 Jack's Mannequin 「Everything In Transit」

ロックバンドのリーダー、通常は曲と詞を書き、歌を歌い、メインの楽器を演奏することも多い人物がそのバンド存続中にソロアルバムを出すというのは、どういう心境によるものが多いんだろう。有名バンドの例を挙げてみよう。

フィル・コリンズ(彼がリーダーかどうかは別として、当時の中心人物であったことには間違いない)がソロを出した理由は極めて明白だろう。しっとりとしたバラッドのラヴソングを歌いたかった。モータウンのカバーを演りたかった。彼が最初にソロを出した当時のジェネシスは、どんどん音が明るくポップになっていたことで往年のファンを困惑させていたが、それでも彼が出したソロに比べるとまだまだテクニック応酬の長尺曲ばかりだったから、ちょっと気を抜きたかったんだろう。後に、実は彼はドラムは上手に叩きはするものの、本質はバラッドのラヴソング&ポップソング系の人だということがはっきりしてくるのだが。

フレディ・マーキュリーやミック・ジャガーの場合は、同じバンドのメンバーと何十年も同じような音楽を続けてきて、ちょうどメンバーとの仲もぎくしゃくしてきた頃に、自分の知名度を利用して、当時の有名ミュージシャンやスタジオミュージシャンを集めて、楽曲的には自分達のバンドとあまり変わらない、でもそれよりもやけにあっさりとした演奏と80年代風の妙にデジタルな音作りで、「うーん、いいんだけど、これクイーン(又はストーンズ)で演った方がいいんじゃないの?」という結果だった。

前置きが長くなった。今日書くのは、サムシング・コーポレイトのリーダー(詞と曲を書き、それを歌い、ピアノを弾く)アンドリュー・マクマホンが自分のソロ・ユニットとして作ったバンド、ジャックス・マネキンのファースト・アルバム。いつもこのブログを読んで何が面倒かって、あのわけのわからんカタカナの羅列だけはやめてくれよな、と思っている人、今日は一気に沢山覚えないといけません。はいもう一回、サムシング・コーポレイトのアンドリュー・マクマホンが作ったジャックス・マネキンだからね。覚えた?

更にここでサムシング・コーポレイトのことから説明しだすと、またヨロヨロする人が続出するので、それはやめておこう。興味のある人は自分で勝手に調べるか、コメント欄で別途質問してね。

Everything In Transit ジャックス・マネキン「Everything In Transit」

長々と前置きを書いたのは、まだデビューして数年しか経ってない上り調子のバンドの中心人物が、どうして同じ系統の音を出す別のプロジェクトを作る必要があったんだろう?という疑問があったから。アルバムのサンクス・クレジットにサムシング・コーポレイトのメンバーの名前がちゃんと入ってることから察して、喧嘩したりいじめられたりして飛び出した訳でもなさそうだし。

聞いたところによると、アルバムの表裏に書いてある「This Is A Story...」という言葉がどうもキーワードらしい。つまり、このアルバムは全て一人称で歌われており、それがどうやら自分のことだということだ。

その話を聞いて、ちょっと真面目に歌詞カードとにらめっこしながら聴いてみた。そしたら、これが思いのほか僕みたいな男の考えてるようなことを綴った歌詞が多くて、なんだか一気に親近感を持ってしまったよ。

基本的にはラヴソングが多いんだけど、なんだか1曲目からいきなり現実逃避の曲だし、なんていうのかな、ちょっと気弱な男子が一所懸命がんばってる感じがいいんだよね。

最初のシングルだったという2曲目「The Mixed Tape」(もうタイトルだけで僕でしょう?笑)。

僕はこうしてまたミックスを作ってる
誰の心をも焼き尽くして、太陽でさえ沈めてしまうようなやつだ
でも、これは君のことだけを考えて作ったんだよ
まるで全ての曲を僕のこの指で作り出したような気分


くぅー、こういうこと言ってみたいな。前に「ショック」の記事にきんぎょさんから頂いたコメント

>バレンタイン用に愛の告白yascdでもどうです?

この曲で返事すればよかったよ。あの時これ持ってたらな。いや、特にきんぎょさんに宛ててってわけじゃないですよ(汗)

収録曲はそれぞれ章になっており、第十章の「MFEO組曲」でひとまずハッピーエンド(MFEOって何かと思ったら、Made For Each Otherの略か。こんなの一般的に使うのかな?)。その曲の最後1分間に亘って、彼自身のナレーションが入っている。その後、ボーナス章として「Into The Airwaves」が後日談のようになっているという作り。なるほど、「This Is A Story...」ね。

日本盤にはその後更にボーナストラックが入っているようだが、いくらなんでもそれにはストーリーは続いてないよね。それでなくても、僕がアマゾンで買ったアメリカ盤は上に載せた写真のようにParental Advisoryのマークがでかでかと印刷されていて(1曲目のサビでいきなりF○CKとか連発してるから)、アフィリエイト先に載ってる日本盤(ジャケの左下の赤いゴミ箱?までちゃんと写ってる)に買い換えたいなと思ってたところなのに、その上ボーナス曲までいいとなったら、こんな悔しい話はないよ。

詞のことばかり書いてしまったけど、もちろん音楽自体も僕好み。この手の音楽はどう分類されているんだろうね。パンクっぽい…わけでもないか。この一つ前の記事に書いたフォール・アウト・ボーイなんかに比べると随分メインストリームに近いところにいると思う。ダニエル・パウターを筆頭に最近ピアノを弾くシンガー・ソングライターが沢山出てきているが、そういう人たちとエモ/メロコアの中間あたりに位置しているという感じかな。ちょっと前で言うと、ベン・フォールズ・ファイヴの三人が座っていた場所。それよりもうちょっと分厚い音。人数多いからね。

そういえば、その多い人数のうちの一人、ドラマーのトミー・リーは元モトリー・クルーだ。どういう人脈なんだ、一体?

歌詞はともかくとして、「Bruised」「I'm Ready」「Dark Blue」などが僕の好きな曲。さっきの「MFEO」も、組曲としてはあっさりした作りだけど、いいメロディーだと思う。「Holiday From Real」のエンディング近くのホーンの音(シンセ?)は中期ビートルズを髣髴させるし。

そういえばこれはエンハンスドCDで、パソコンに入れるとシークレット・サイトに飛ぶようになっている。ただ、そこで個人情報をたっぷり取られてしまうので、気が引けてしまう人も多いだろう。僕は気にせず入れてしまったので、こっそり内容を教えてあげるね。あのね、あんまりたいしたことないよ(笑)。「Kill The Messenger」のアコースティック・バージョンが聴ける他は、特にびっくりするようなものはなかった。そのうち僕の個人情報を元にあれこれ送られてくるだろうから、あんまり期待せずに待ってよう。面白いものが送られてきたらまた追記するね。

アンドリューは、このアルバムを05年の初頭に完成させ、コンサートツアーに出ようとした矢先に急性白血病にかかって入院し、妹(姉?)さんから骨髄移植を受けて助かったそうだ。先日無事日本公演も終えたようで(東京は追加公演が出たほどの盛況だったようだ)なにより。

今後はどうするのかな。ひとまずこのストーリーを書き終えたことで、サムシング・コーポレイトに戻るんだろうか。それとも、こっちが気に入っちゃったんで、このまま続けるのかな?僕みたいなにわかファンにとってはどっちでも歓迎なんだけど、両バンドのメンバーにしてみたら気が気じゃないだろうね。
posted by . at 22:55| Comment(19) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

祝来NZ! Fall Out Boy 「Infinity On High」

Infinity On High フォール・アウト・ボーイ「Infinity On High」

お気に入りのフォール・アウト・ボーイの新譜が出たんで、最近の僕にしては珍しく新譜を定価で買った翌日、ふとしたことで彼らがNZに来ることを知った。

実はその情報自体相当遅れていて、本当は(以前僕がホセ・ゴンザレスやアークティック・モンキーズを観た)セイント・ジェームス劇場で予定されていたコンサートが、チケットが発売された瞬間に売り切れてしまったために、急遽アリーナ級の会場に場所を移し、その追加分のチケット発売のお知らせを見たというわけ。

すごい人気だなあ。そういえば僕がこの新譜を買ったときも、店頭に何枚もディスプレイされていて、おそらくどこのCD屋でも今の一押しであるノラ・ジョーンズのすぐ隣に、そして、他の大物(たとえば少し前に出たエリック・クラプトンの新譜)なんかよりも目立つところに置いてあったし。アルバム発表毎にどんどんメジャーになっていってるのを実感する。

僕のブログをいつも読んでくださっている方なら、yascd002「PowerPop古今東西」に入れたパニック!アット・ザ・ディスコが、このバンドのレーベルからデビューしたという記述を覚えているかもしれない。音的にはどちらのバンドもとてもよく似ている。一般的にはメロコアとかエモとか呼ばれる音。あの時の僕の書き方で言うと、パンクやグランジの時代を通過したパワーポップ。速くてうるさい、でもとってもメロディアス。そんな感じ。どちらかというと装飾気味な音のパニック!よりもこのフォール・アウト・ボーイの方がかなりストレートに(所謂)パンクっぽいかな。もっとメジャーなところでいうと、グリーン・デイにも近いかも。

さすがに売れるだけあって、今回のアルバムはかなりバラエティに富んだ音になっている。それでいて、以前の音のエッセンスは失っていないのだから、大したものだ。アルバムからのリードシングル「This Ain't A Scene, It's An Arms Race」は今こちらのラジオでもMTVでもヘビーローテーションだ。

実はこの曲は今までの彼らの曲に比べて(そして今回のアルバム中でも)かなり異色で、サビ以外はなんだかブラックミュージックっぽい造りになっている。僕も最初にラジオでこれを聴いたときには、まさかこれがフォール・アウト・ボーイの新曲だとは思わなかったものだ。

http://www.youtube.com/watch?v=SA0ND31p8bg

このビデオでも、彼らがヒップホップ系のプロデューサーと録音を始めるが、ノリが悪くてスタジオの黒人に馬鹿にされる、ところがサビにきていきなり曲調が倍のテンポになり、いつものフォール・アウト・ボーイになりました、というお話になっている。

それにしても、ボーカルのパトリック君、4年前に出たアルバムのジャケットには可愛い顔した好青年らしく写っていたのに、なんだこの太り様は?

アルバムには他にも、今までになかったようなピアノをバックにしたバラッドや、ちょっとパニック!に影響されたかな?という感じの曲も入っており、とても聴きやすいアルバムだと思う。ときどき声がひっくり返ってしまうボーカルの声質も僕好みだし。


From Under The Cork Tree以前のアルバムの話も少しずつ書こうかな。05年に出た「From Under The Cork Tree」が、おそらく彼らがメジャーになっていくきっかけとなった盤だろう。ここから、彼らのフューエルド・バイ・ラーメン・レーベルがアイランド/デフ・ジャム/ユニヴァーサル配給に変わったことも原因だろうけど、アルバムの内容自体も今回のものに近く、聴きやすいものになってきている。今回のアルバムではそれほどでもなかったが、この頃は曲のタイトルがやたらと長く、「Our Lawyer Made Us Change The Name Of This Song So We Wouldn't Get Sued」とか「I Slept With Someone In Fall Out Boy And All I Got Was This Stupid Song Written About Me」とか、おいおいそれが曲のタイトルかよ、ってな感じの曲ばかりだった。僕の持ってるのはこのジャケットの通常盤だが、今流通してるのは、ここにリンクした限定盤かな(限定盤のくせにいつまで流通してるんだ)。

Take This To Your Grave今でも僕が一番好きなのは、03年の「Take This To Your Grave」。とにかく曲がかっこいいし、それぞれの曲のつながりもよく考えられてて随所でカタルシスを感じる(たとえば前の曲の残響音がまだ残ってるところに次の曲のイントロのドラムが入ってくるとか)。ジャカジャーン、カッカッ、ダカダカダカダカ、キューンンン、という音がいっぱい詰まったアルバム(これで興味を引かれた人もいることでしょう)。まだ荒削りなところもあちこちに見られるけど、曲の良さとアルバムの完成度が一番高いのはこれじゃないかな。僕が去年、当時の新譜だった「From Under The Cork Tree」でなくこっちを買った理由の値段の安さもまだ健在だし、これはお買い得だと思う。

実はこのアルバムの前に、別のレーベルから出たファーストアルバムがあるんだけど、本人達はそれを(主にレーベルとのゴタゴタがあったことが理由で)あまり気に入っていないらしく、僕もまだそれは手に入れていない。

My Heart Will Always Be The B-side To My Tongueあともう1枚、上記2枚のアルバムの間に出たアコースティック・ミニアルバムとDVDのカップリング盤「My Heart Will Always Be The B-side To My Tongue」がある。このジャケットは女の子ジャケ特集のときに載せたね。実はこの紙ジャケの内側にも、高野文子風のレトロな女の子のイラストが二つ載ってて、一体誰を目当てにデザインしたんだろうと思わせる。以前流行ったMTVアンプラグドのように、彼らのようなハードな曲でもアコースティックで演奏することによって、素のメロディがどれだけ優れているかよくわかる好演奏だ。まあ、これは上記のアルバム群を買って興味が涌いた人だけが買えばいいけど。DVDは玉石混交。今度行くライヴがひたすら楽しみになるような格好いい演奏シーンもあれば、内輪受けの楽屋落ちシーンが果てしなく続くフィルムもある。あーあ、パトリック、ガーリックバターの一気飲みなんてしてるよ。そんなことするからあんなに太るんだよ。


コンサートのチケットを買った日から、これらのCDを繰り返し聴いてるよ。歌詞カード見ながら、このやたらと早口の歌詞を一緒に歌えるように練習してるし。そうしていて思ったけど、この手のバンドがこんなにポピュラーになるのは、一昔前でいうボン・ジョビとかが担っていた需要を満たしているからなんだろうね(音楽的には違うけど)。大声で一緒にシングアウトする快感。車の中で爆音で聴きながら歌っても、相当気持ちいいよ(良い子の皆さんはやめておきましょうね)。

あ、アマゾンにアフィリエイトしてて気づいたけど、この新譜のDVD付き限定盤が出てるぞ。やれやれ、また買い替えか…
posted by . at 12:16| Comment(10) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月10日

ライヴ盤四種盛り Van Morrison 「Live At Austin City Limits Festival」

ちょっと前回の記事から間が開いてしまったね。でも、その間に何度も記事並みのコメントを書いてたので、自分ではそんなに久し振りという気はしないんだけど(苦笑)

さて、クックーの記事のコメント欄でブームタウン・ラッツの話が出て、僕はそこでクックーもブームタウン・ラッツも北アイルランド出身なんて書いてしまったんだけど、実はブームタウン・ラッツは英国領北アイルランドでなく、アイルランド出身だった。そのかわりに、というわけでもないけれど、今日は正真正銘の北アイルランド出身のアーティストについて書こう。

ヴァン・モリソンのオフィシャルサイトにメルマガ登録をしているんだけど、ここ数ヶ月に次から次へと新製品の案内が送られてきて、親父さん一体どうしちゃったんだろう、60歳越えて狂い咲きか?って感じ。

去年の初めにアルバム「Pay The Devil」をリリース。更にその半年後にはそのCDにライヴDVDを付けたものを発表したばかりなのに、12月の初旬に74年と80年のライヴを収録したDVDが出たかと思えば、クリスマスイヴに届いたメルマガには、06年の9月に収録したばかりの2枚組ライヴCDのことが載っており、今年に入って数週間で今度は、これまでいろんな映画のサントラに使われた彼の曲を19曲集めた企画物CDの案内が来た。

今日はそのうち、2枚組ライヴCD「Live At Austin City Limits Festival」について書こうかなと思ったんだけど、丁度いい機会なので、これを今までに出た彼の三種のアルバムと比較して書くことにしよう。


Austin City Limits Festival
「Live At Austin City Limits Festival」

彼のオフィシャルサイトとライヴ会場でのみ販売されている最新ライヴアルバム。上にも書いたが、去年の9月15日にテキサスのオースティン・シティ・リミッツ・フェスティヴァルで収録され、そのわずか3ヵ月後に発売になったものだ。

後で紹介するサンフランシスコでのライヴ盤から既に12年経っているので、その間に発表されたアルバムからの曲を前半に固め、中盤に「Enlightenment」や「Into The Music」など過去のわりとポップめなアルバムからの代表曲を挟み、彼がゼム時代の64年に最初のシングルとして発売した「Don't Start Crying Now」なんて珍しい曲を披露した後のコンサート終盤は、アルバム「Tupelo Honey」からの名曲「Wild Night」、彼がソロになって最初のヒット曲「Brown Eyed Girl」、そしてお決まりのゼム時代の代表曲「Gloria」という必殺の3曲という、実際にこの会場に居合わせたとしたらかなり満足度が高かっただろうと思われる選曲になっている。

バックバンドのメンバーは僕の知らない人ばかり。カントリーアルバムなのにもかかわらずジェライント・ワトキンスやボビー・アーウィンなどニック・ロウ関連のメンバーが参加していた最新作「Pay The Devil」での面子とも全然違う。おそらくこのフェスティヴァルのために単身渡米したヴァンが現地で集めたメンバーなんだろう。

そのためか、後で述べるアルバムに比べて、「御大ヴァン・モリソンと急ごしらえのバックバンド」という感じがしてしまう。ちょっとバンドとの一体感が薄いというか。最近のヴァンらしく、原曲のメロディが殆どわからないほどにフェイクを入れまくって歌っていて、曲によっては僕にはそれがちょっとトゥーマッチに感じられることもある。中には「志村けんかよ!」って突っ込みたくなるような変な声を出しているものもあるし。一方で、「Moondance」などの曲はあまりにもあっさりと流してしまっているのも味気ない。

もちろん、こんな文句も「後で述べる名作に比べれば」という注釈付きの話。さっきも書いたとおり選曲はかなりバラエティに富んでいるし、円熟した歌と演奏はやはり一級品だし、それになにより、彼のオフィシャルライヴアルバムで「Brown Eyed Girl」が聴けるのはこれだけだから。いまだに彼がライヴでこんな曲を演るなんて思ってもみなかったよ。この曲のイントロが流れたところでの大歓声が、観客の誰もが同じように思っていたことを裏付けているようだ。


A Night In San Francisco
「A Night In San Francisco」

僕にとって、彼のライヴアルバムの中で一番好きというだけでなく、この世の中に存在するありとあらゆるライヴアルバムの中で、間違いなくベスト5には入る傑作アルバム。タイトルどおり、93年12月18日にサンフランシスコで行われたコンサートを丸ごと収録したもの。

この時期(90年代前半)ヴァンのアルバムに参加するだけでなく、彼のコンサートではバンマスを務めていたジョージー・フェイムが、この日のライヴでも重要な役割を果たしていたことが随所でよくわかる。バンドメンバーは、彼を中心とした当時のヴァン・モリソン・バンドに、ゲストヴォーカルが3名(うち一人はヴァンの娘、シャナ・モリソン)。コンサート中盤にはジュニア・ウェルズ、終盤にはジョン・リー・フッカーと、ブルース界の大御所も参加。サックスはキャンディ・ダルファー(これは映像でも観てみたかったな)。

このCDの裏ジャケに「バラッド、ブルース、ソウル、ファンク アンド ジャズ」と書いてあるのだが、本当にそれらが全て一つに混ざり合ったような、とてつもなく芳醇な音。CDの曲目表には22曲(うち10曲は、2曲ないし3曲のメドレー)が載っているのだが、メドレーとして表記されていない曲でも、自分の持ち歌はもとより、数々のブルース/ソウルの名曲が数小節ずつ、次から次へと飛び出してくる。このアルバム以外の三種でも同様なメドレーはあるのだが、曲数とバラエティの豊富さでは、このアルバムがダントツだ。

さっきも書いたように、既にこの時期のヴァンは原曲のメロディをかなり崩して歌っているのだが、このアルバムでは「You Make Me Feel So Free」や「Tupelo Honey」や「Have I Told You Lately That I Love You?」などの綺麗なメロディーを持つ曲ではまずゲストヴォーカリストにひととおりオリジナル通りに歌わせて観客にその美しいメロディーを堪能させた後、彼が持ち前のフェイクを入れた歌い方で最後を締めるところが、なんとも痛快。初めてそれらの曲を聴く人にも、それらが元々どんなに優れた楽曲で、彼がどんな風にアレンジして歌っているのかがよくわかるので、初心者にも最適。個人的には「You Make Me Feel So Free」なんて、オリジナルの「Into The Music」のヴァージョンよりもこっちの方が何倍も優れていると思うし。

彼のライヴアルバムは一枚を除いて全て「Gloria」が最終曲(ないしはラスト近く)なのだが、このアルバムでのこの曲のイントロのスリリングなギターは他では味わえない。さっきの「バラッド、ブルース、ソウル、ファンク アンド ジャズ」の後に、「アンド ロック!!」と続けたいほどだ。

イントロといえば、「In The Garden」の、ジョージー・フェイムによる素晴らしいピアノ!まるでその場所の空気の色が変わるみたいな。この曲もオリジナルの「No Guru, No Method, No Theacher」に入っているものよりも格段に優れた演奏だと思う。
訂正:よく聴いたら(よく聴かなくても)この曲にはあの特徴あるオルガンがたっぷり入ってるね。はい、ジョージー・フェイムはオルガンを弾いております。ピアノはジョン・サヴァナ。失礼致しました。

と、まあとにかくこのアルバムに関しては、書きたいことがいくらでも出てきてきりがないほど。強いて弱点を挙げれば、この絵葉書みたいな味気ないジャケットぐらいか。おまけにさっき書いたオースティン・シティ・リミッツのジャケットとなんだか見分けがつきにくいし。最近のヴァンが、自分のポートレートをジャケットに載せたくないほど太ってしまっているのはわかるんだけど(「Pay The Devil」ではその貫禄あるお姿が拝見できるけど)、もう少し気の利いたものが作れなかったのかな。

昔、どのアルバムの発表時だったかは忘れたけど、(日本の雑誌)ロッキング・オンで、ヴァンのアルバムを評して

ヴァン・モリソンを聴くことは「贅沢」である。

と書いた人がいた。このライヴアルバムを聴く人は、それを体感できるだろう。


Grand Opera House Belfast
「Live At The Grand Opera House Belfast」

84年発表の、前年3月11日と12日に彼の故郷ベルファストで収録されたこのアルバムが、四種類の中で一番異色かもしれない。このアルバムだけが一枚ものだということは除外しても。

この前に出たライヴアルバムとの重複を避ける目的があったのかもしれないが、収録曲のほぼ全てが79年の「Into The Music」、80年の「Common One」、82年の「Beautiful Vision」、83年の「Inarticulate Speech Of The Heart」の4枚から採られている。かなりポップで僕も大好きな「Into The Music」はともかく、この頃のヴァンはどんどん自分の内面世界に閉じこもっていくようになっていたはず。確かこのライヴアルバム発表と同時に引退宣言もしたとか。

なんとなく全体的に盛り上がりに欠けるんだよね。確かに、最初のインスト2曲に続けて「Dweller On The Threshold」を歌いだすところなど、要所要所にぞくっと来る場面は用意されているんだけど、他の三種のライヴアルバムにあるように、どんどん高揚していく楽曲に欠けている気がする。

エンディングの「Cleaning Windows」も僕の好きな曲には違いないんだけど、これでコンサートを終えるにはちょっと弱いよな。きっと実際のコンサートでは、いつものようにアンコールで「Gloria」他のガンガン盛り上がる曲も演ったんだろうけど、そういうステレオタイプのライヴアルバムにしたくなかったのかな。

決して酷いアルバムではないんだけど、でもこれまで彼のアルバムを聴いたことのない人が最初にこのCDから入って、「なんだこの程度か」と思われるのが悔しい。これは全部集めたい人が買えばいいアルバム。あとはライヴヴァージョンの「Full Force Gale」がどうしても聴きたい人とか。


It's Too Late To Stop Now
「It's Too Late To Stop Now」

そしてこれが、長い間彼のライヴアルバム代表作として知られていた(いや、一般的には今でもこれか?)74年のアルバム。内容的には、他の三種が一回か二回のコンサートを収録したものなのに対し、これは73年にロサンジェルスとロンドンで行われた複数のライヴから成り立っている。

ジャケットに写るまだそれほど太っていない彼の姿が象徴するように、熱いR&Bが満載の白熱ライヴ。全体の1/3がソウル、ブルース、R&Bのカバー曲。残りが(当然)70年代初期の自作曲と、ゼムでのシングルヒット。

内ジャケにちりばめられた若き日のヴァンの雄姿(僕はLPしか持っていないので、CDのブックレットでこれらの写真がどう処理されているのかは知らないけど)。その姿から想像されるように、後年のフェイクたっぷりな歌い方と違って、実にストレートな歌と演奏。あまりに黒く熱いので、とても清々しいとは言えないけれど。

代表作と称されるだけあって、これもとてもいいアルバムだ。僕にとっての不満は、このライヴ盤の後三十数年に亘って彼が発表してきた名曲の数々が収録されていないことぐらい。いや、そんなのは当たり前なんだけど、僕は彼の初期のアルバムは当然後追いなんで、80年代後期からのアルバムほどには思い入れがないんでね。もちろん、「Moondance」や「Astral Weeks」がどれほどの傑作かはわかってるんだけどね。ああ、でもやっぱり「Domino」や「Caravan」のライヴを聴くためだけにでも、このアルバムは必携だなあ。


あ、こうして整理してみると、最初の三種は73年、83年、93年のライヴをそれぞれの翌年にアルバムとして発表してたんだね。きっちり10年毎。ということは、今回のは2〜3年遅かったんだ。最近スタジオ盤を調子に乗ってガンガン出し続けてたから、忘れてたのかもね。

で、総括。この人みたいに活動暦が長いと、今から入門する人にとってはどこから手をつければいいかわからないかも知れないけど、何枚か出ているベスト盤を買うよりも、まずこの「A Night In San Francisco」を聴いてみてほしい。それで気に入った曲があれば、それが入ってるオリジナルのスタジオ盤を買うもよし、または「It's Too Late To Stop Now」か「Austin City Limits Festival」を揃えてもよし。

と、アマゾンにアフィリエイト貼って締めくくろうと思ったら、なんとこの辺のアルバムは全部廃盤!アマゾンの中古価格で「San Francisco」が3950円から。「It's Too Late To Stop Now」に至っては15871円!

この2枚のライヴ盤だけでなく、スタジオ録音の数々の名盤も殆ど廃盤のようだ。「Irish Heartbeat」が7000円近くもするなんて。「Hymn To The Silence」が15800円も出さないと手に入らないなんて。これって、ビートルズの「Rubber Soul」や「Let It Be」を廃盤にするようなもんだよ。ヴァン・モリソンのバックカタログが簡単に手に入らないなんて、殆ど犯罪のようなものだ。

(彼のバックカタログの権利を持っている)ワーナーもユニヴァーサルもCCCDには積極的ではなかったけれど、もちろんユーザーがCDをコピーすることに賛成しているわけではないだろう。僕も、本来ならこうしてブログで紹介することによって、ここに挙げたCDを一人でも多くの人に聴いて貰えればと思っている。でも、肝心のCDが生産されていないのなら、僕は友達に聴いて貰うために、自分のCDをコピーしてあげるよ。文句があるならきちんとこの辺のアルバムを復刻してください。「It's Too Late To Stop Now」はここに書いたとおり名盤だけれども、誰もがそれに15871円も払えるってわけじゃないからね。
posted by . at 23:28| Comment(14) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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