2007年01月29日

yascd006 2006年の20枚 

1月2日の記事で予告した、僕が去年買ってよかったアルバム(06年発売分)から曲を集めた編集CDを作ってみることにしよう。その記事には僕がベスト10だと思うアルバムについてはあれこれ書いたので、それらのアルバムからの曲については今回は曲名しか書かない。詳細はその記事を参照してもらう、と。誰も今回の記事を読むのに20回も画面をスクロールしたくないだろうからね。

ベスト10のときは一応1位から10位まで順位をつけたんだけど、今回登場するベスト10以外のアルバムにはあえて順位をつけるつもりはない。これが12位で、あれは17位、とか言ってもあんまり意味ないしね。まあ、それら残りの10枚は全部次点ということで。

とにかく、僕にとって2006年を代表するアルバムを20枚選び、それぞれから僕が一番いいと思う曲をピックアップして作った編集CD(一番いいと思う曲が複数あって困った例もあるけど)。順番は順位に関係なく、あくまで1枚のCDとして聴いて気持ちいい並びにした。今回はこれだけ。いつものようにあれこれ自縄自縛ルールのない、いたって簡単な作り。

とはいえ、1月2日記事のコメントにも書いたように、タマス・ウェルズもパニック!アット・ザ・ディスコも一緒くたに1枚のCDに入れて違和感のないように流れを作るのは、そう簡単ではなかった。自分で録音して何度か聴いてみてそう悪くはないと自負しているのだが、客観的にはどうなのかな。


ではまず曲目表。オレンジ色表記のものについては1月2日の記事を参照のこと。

1.オカヴィル・リヴァー 「The President's Dead」
2.クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー 「In This Home On Ice」
3.ジン・ブラッサムズ 「Come On Hard」
4.タマス・ウェルズ 「Valder Fields」

5.マシュー・スイート&スザンナ・ホフス 「Alone Again Or」
6.ビューティフル・サウス 「The Cat Loves The Mouse」
7.アークティック・モンキーズ 「Mardy Bum」
8.ホールド・ステディ 「Chips Ahoy!」
9.ペット・ショップ・ボーイズ 「The Sodom And Gomorrah Show」
10.レイ・ラモンターニュ 「Empty」

11.ダミアン・ライス 「Dogs」
12.スクリッティ・ポリッティ 「Throw」
13.ジョシュ・リター 「Lillian, Egypt」
14.クリス・ディフォード 「Labelled With Love」
15.ブルース・スプリングスティーン&E・ストリート・バンド 「It's Hard To Be A Saint In The City」
16.ブラインド・メロン 「Soak The Sin」
17.フューチャーヘッズ 「Help Us Out」
18.パニック!アット・ザ・ディスコ 「London Beckoned Songs About Money Written By Machines」
19.ゼロ7 「Crosses」
20.バッドリー・ドローン・ボーイ 「A Journey From A To B」



それでは、次点の10枚について少しずつ書いていこう。

5.マシュー・スイート&スザンナ・ホフス 「Alone Again Or」

Under The Covers

パワーポップ界の大御所マシュー・スイートが、元バングルス(ていうか、最早ソロになってからのキャリアの方がはるかに長いけど)のスザンナ・ホフスと一緒に60〜70年代の名曲の数々をカバーしたアルバムから。

斬新さのかけらもないようなアルバムだけど、これが聴いててはまるんだよな。マシューの声とギターには抗えない。バックの面子もほぼ彼のバンドだし。収録されている曲は文句なしの名曲ばかりだし。

どの曲にしようか迷ったけど、去年亡くなってしまったアーサー・リーに敬意を表して、ラヴのこの曲を。そういえば、シド・バレットの追悼記事のコメント欄に「もし例えばアーサー・リーが亡くなったとして」なんて書いたわずか2週間後に本当に彼が死んでしまったのには驚いてしまった。呪った覚えはないのに。


7.アークティック・モンキーズ 「Mardy Bum」

Whatever People Say I Am, That's What I'm Not

7月28日にライヴレポートを書いた彼らのアルバムも、なんだかんだ言ってよく聴いた。あれからしばらくシングルも何も出していないんで、一時のハイプ感はなくなったようだが、それでいいと思う。せっかくいい曲書けるんだから、セカンドアルバムにはじっくり時間かけてほしいよ。たとえそれがどんな内容でもファーストの半分も売れないだろうけど(フランツ・フェルディナンドを見よ!)、きっと僕は買ってあげるから。でもそれがつまらなければもう3枚目は買わないよ。


11.ダミアン・ライス 「Dogs」

9

年末ぎりぎりに手に入れたこれもいいアルバムだった。相変わらずポツポツ唄って地味だけど、ファーストよりも曲ごとのメリハリがついているように思う。ただ、いい曲が多かったのはファーストの方かな。これももう少しちゃんと聴いてみよう。また印象変わるかも。


12.スクリッティ・ポリッティ 「Throw」

White Bread Black Beer

11月10日に取り上げたアルバム。その記事には、過去のアルバムに比べてあまり気に入ってないような書き方をしたけど、やっぱりこの声には抗えない(こればっかり)。次のアルバムまできっとまた7年とか待たないといけないんだから、ちょっと贔屓目で入れといてあげよう。


14.クリス・ディフォード 「Labelled With Love」

South East Side Story

贔屓といえば、これも贔屓の引き倒しだな。元スクイーズの彼がバンド時代に自分が書いた曲を再録という、なんとも後ろ向きな企画。実はこれが出ると聞いたとき、いつもメインボーカルはグレン・ティルブルックに任せていた彼が一体どういう風に主旋律を歌うんだろうという興味はあったんだけど、蓋を開けてみたら、グレンのパートを女性に歌わせているという拍子抜けな内容。

と、本来ならベスト20には入らないようなアルバムなんだけど、去年の僕の一大イベントだったグレン祭りを代表するアルバムとして入れておいてあげよう。グレンも会場で散々このCDを買ってやれって言ってたことだし(笑)

まあ、本当はそこまでこき下ろすほど酷い内容でもないんだけどね。選曲はスクイーズのベストみたいなもんだから悪いわけがないし、ペダルスティールなどをふんだんに使ったカントリー風の演奏も悪くない。ライヴDVDも付いてるし。おまけに発売元はLuna Recordsときた(聞いたことないけど 笑)


15.ブルース・スプリングスティーン&E・ストリート・バンド 「It's Hard To Be A Saint In The City」

Hammersmith Odeon 75

同じ年に「We Shall Overcome」という、コンセプトのしっかりした、力の入ったアルバムを発表した彼に対してこっちを選ぶのは失礼なような気もするけど、この音源の発掘(映像も)は衝撃的だった。75年のスプリングスティーンはこんなにも凄かったのかということを再認識させられたアルバム。

それにしても、数年前に出た「Essential」といい、これといい、この人アルバムジャケットの写真に気を使わなくなったね。これよりもう少し格好いいショットなんていくらでもあっただろうに。


16.ブラインド・メロン 「Soak The Sin」

Live At The Palace

9月25日の記事参照。最近どうやら新しいヴォーカリストを入れて再結成なんて話になってるみたいだけど、これと同じレベルのものを期待するのはもう無理だろうな。このCDはシャノンが亡くなる直前のライブらしいけど、よくこれだけの録音がこれだけの音質で残っていたものだ。


17.フューチャーヘッズ 「Help Us Out」

News And Tributes

このアルバムについては、単独で記事にしようとずっと構想を練っていたのに、タイミングを逸してしまった。数年前からわらわらと出てきたイギリスのニューウェーヴ復古派のひとつ、と紹介するのがいいのかどうかわからないけど。

先述のフランツ・フェルディナンドを初めとして、その手のバンドは(イギリスからの若手バンドの伝統として)もう殆どが最初の勢いをなくしてしまっているんだけど(実はこのバンドも、このセカンドはファーストに比べると、あちこちでかなり地味な扱いになってしまっているんだけど)、でも僕はこういうソリッドなギターとうねるベースに性急なボーカルという組み合わせにはもうパブロフの犬のように反応してしまう。21世紀のジャム、などと呼んだら言いすぎだろうか。きっと、西暦2020年代ぐらいに、ニューウェーヴ・オブ・ニューウェーヴ・オブ・ニューウェーヴなんてブームがあって、同じようなバンドが登場したら、僕はまた同じように反応してしまうんだろう。まだそのとき生きて耳が聞こえてたらね。


19.ゼロ7 「Crosses」

The Garden

9月26日に取り上げたアルバム。その記事にも書いたとおり、僕はこのアルバムを殆どホセ・ゴンザレスのニューアルバムとして聴いている。この曲は、ホセのデビューアルバムに入っていたものをバンド編成で再録したもの。実は全般的にクールでおしゃれなこのアルバム中にあって、この静かに熱く盛り上がる曲はちょっと異色。ホセ効果か。でも、先の記事に書いたように、やはりこれが白眉だと思う。


20.バッドリー・ドローン・ボーイ 「A Journey From A To B」

Born In The U.K.

このアルバムについては、ただもう一言こう書いて終わらせたいぐらいだ。

これを2006年のベスト10に入れなかったのは、不覚。

年末ぎりぎりに買って、ベスト10の選定までにあまり聴く機会がなかったせいなんだけど、その後何回か聴くにつれて、やっぱりこの人は本当にいい曲を書くということに改めて気づいた。彼の今までのアルバムも(映画「アバウト・ア・ボーイ」のサントラも含めて)どれもこれも優れたものばかりだったが、これは多分これまでの彼の最高傑作だろう。

本人の声域が狭いせいでなんだかメリハリのないように聴こえる曲も、よくメロディーラインを追ってみると、実に印象的なメロディーなことがわかる。演奏もいいし、歌詞も切なくて感情移入できる。「Born In The U.K.」というタイトルを自分のアルバムにマジで付けてしまうほどのスプリングスティーンのファンだというのも、すごく親近感がわく(確か自分の息子も「ブルース」と名づけたはず)。

この曲はアルバムの5曲目なんていう中途半端な位置から取ったとは思えないような、しっとりとしたエンディングを持ついい曲。僕は日本盤を買ったんだけど、ボーナストラックもまたよくて、日本盤買って正解だったよ。



この編集CD用に各アルバムから僕の好きな曲を抜き出してみた感想。「2曲目ばっかり!」。さっきの曲目表の番号でいうと、3、4、8、9、10、14曲目がそれぞれオリジナルアルバムの2曲目。パニック!アット・ザ・ディスコも、yascd002に僕が一番気に入っている曲を入れてしまったから今回は別の曲を入れたけど、002に選んだ曲はやはりアルバムの2曲目だったから、今回全20曲のうち実に7曲がアルバム2曲目ということになるはずだった。やっぱり僕がいつも言ってる「アルバム2曲目の法則」ってあるんだな、と思った次第。

でも、そう思いながら他の曲も見てみると、11、12、16、20曲目の4曲がそれぞれオリジナルアルバムの5曲目だということにも気づいた。前回の記事で僕は、アルバムの5曲目なんかに入る曲は目立たない中堅の曲だというようなことを書いたんだけど、この偶然はちょっと見逃せないな。LPでの発表を前提としないアルバムでは、5曲目というのが意外と重要な位置なのかも。ちょっと他のアルバムも調べてみよう。


アメリカ勢ばかりだったベスト10に比べて、次点の10枚はイギリスものが多く、そのつもりはなかったけどうまくバランスが取れたと思う。でも、これらもやっぱり決定版ベスト20ってわけでもないんだよな。ここに入れようと最後まで迷ったアルバムもあるし。まあ、そんなことを言っててもきりがないんで、2006年は買った枚数も自己史上最高だったけど、その分いいアルバムにも沢山出会えたということで満足しておこう。
posted by . at 08:45| Comment(34) | TrackBack(0) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする